Pages

Tuesday, March 07, 2023

Statement: "Closing our eyes to history and leaving the victims behind is not a solution!": An urgent statement by a Japanese group in support of the victims of forced labour under the Japanese colonial rule 「強制徴用大法院判決関連 解決法」に対する「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」による緊急声明

To build international solidarity, I translated the urgent statement by the Joint Action for Resolution of the Forced Labour Issue and Settlement of Past Issues in response to the "Solution Related to the Court Decision on Forced Recruitment" announced by the Republic of Korea government on March 6. Please note that this is a quick translation with the aid of Deepl and may not be completely accurate. Suggestions for improvement are welcome. The original Japanese version is HERE. (Satoko Oka Norimatsu, Peace Philosophy Centre @PeacePhilosophy) 

3月6日に韓国政府が発表した「強制徴用大法院判決関連 解決法」に対する「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」による緊急声明を、国際連帯をつくるために英訳しました。

Click HERE to go the website of the Japanese support group. Here is an English pamphlet that explains the basic of the forced labour issue. 


Statement: "Closing our eyes to history and leaving the victims behind is not a solution!"

Today, the Korean government and Minister of Foreign Affairs Park Jin announced the "Solution Related to the Court Decision on Forced Recruitment."

The "Solution" includes the three points: 1) the "Foundation for Supporting Victims of Imperial Japan's Forced Mobilization" (hereinafter referred to as "the Foundation") will pay judgment money and delayed interest to plaintiffs of the 2018 Supreme Court decision; 2) as a follow-up measure, the Foundation will promote memorial, education, survey, research projects, etc. to remember and pass on the suffering of the victims; 3) the Foundation will provide financial resources for the payment of judgment money and interest on delayed payment through voluntary contributions from the private sector. As part of its "future plan," the Foundation has proposed that victims and bereaved families be asked to understand and agree to the "Solution," and that financial resources for the foundation be provided in a reliable manner. 

In response, Japanese Foreign Minister Yoshimasa Hayashi said at a press conference that he appreciates the Republic of Korea government's "solution" as a way to "return Japan-ROK relation to a healthy relationship," and stated that "the Japanese government will take this opportunity to confirm that it has taken over the position of successive Japanese cabinets regarding historical recognition as a whole, including the 'Japan-ROK Joint Declaration' issued in October 1998. 

The defendant companies commented that they were "not in a position to comment specifically" on this announcement by the Korean government. They then reiterated their view that "the matter has been resolved under the 1965 Claims Agreement."

It does not reflect any of the "sincere response" that the Korean government requested from the Japanese government. This does not mean that the issue of forced mobilization has been resolved.

First, the defendant Japanese companies have neither apologized nor announced that they will pay compensation. The defendant companies have been found liable for the tort of forced mobilization and forced labor by both Japanese and Korean courts. Despite this, the defendant companies have not even apologized to the victims and have acted as if they were in no position to comment on the matter.

Second, Foreign Minister Hayashi's statement that "Japan has taken over the position of successive Japanese cabinets on historical recognition as a whole" omits the core of the 1998 Declaration, which states that "the Korean people have suffered tremendous damage and pain due to colonial rule." Although the Japanese government was primarily responsible for the forced mobilization of Koreans during the war, it did not apologize to the victims of forced mobilization who suffered "tremendous damage and pain."

Thus, while the Korean foundation is being asked to shoulder compensation payments, the perpetrating parties have not apologized or paid a single yen, and this cannot possibly resolve the issue of forced mobilization.

The Japanese and ROK governments claim that the announcement of the "Solution" will improve and develop Japan-ROK relations. However, there is no way for deepening the true friendship between Japan and ROK or for the development of the bilateral relations unless we solve the issue of forced labour and other issues that occurred under Japanese colonial rule and move ahead in extinguishing colonialism. 

The surviving victim plaintiffs have made it clear that they cannot accept this "Solution."

We, together with the victims,  will continue our campaign to: 

(1) call for the Japanese government and the defendant companies to acknowledge the fact of forced mobilization, sincerely apologize, contribute funds to make amends as proof, and take concrete measures to ensure they will never repeat such acts, and 

(2) to the above end, call for the establishment of a forum of consultation with surviving victim plaintiffs and bereaved families. 

A statement by the Joint Action for Resolution of the Forced Labour Issue and Settlement of Past Issues https://181030.jimdofree.com/

***********************************************************

Below is the original Japanese version

声明「歴史に目を閉ざし、被害者を置き去りにしたままでは解決にならない!」

 本日、韓国政府・朴振外交部長官が「強制徴用大法院判決関連 解決法」を発表しました。

 「解決法」として示したのは、①「日帝強制動員被害者支援財団」(以下、財団)が2018年大法院判決の原告に判決金・遅延利子を支給する、②後続措置として、被害者の苦痛を記憶し、継承していくために追慕、教育・調査・研究事業等を推進する、③判決金・遅延利子支払いの財源は民間の自発的寄与などを通じて用意する、の3点。「今後の計画」として、被害者・遺族に「解決法」への理解・同意を求めること、財団への財源用意が確実に進むようにすることなどを打ち出しています。

 これを受けて、日本政府・林芳正外相は記者会見で、韓国政府の「解決法」を「日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価」すると言い、「この機会に、日本政府は、1998年10月に発表された『日韓共同宣言』を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいることを確認」する旨を表明しました。

 被告企業は、この韓国政府の発表について「特にコメントする立場にない」とコメントしました。そして、改めて「請求権協定で解決済み」との見解を明らかにしました。

 韓国政府が日本政府に求めた「誠意ある呼応」は何ひとつ反映していません。これで強制動員問題が解決したとは言えません。

 第1に、被告日本企業は謝罪もしていなければ、賠償支払いの表明もしていません。被告企業は日本と韓国の裁判で、強制動員し、強制労働を強いた事実、その不法行為責任を認定されています。にもかかわらず被害者に謝罪の言葉さえなく「コメントする立場にない」と他人事のように振る舞っています。

 第2に、林外相の「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」との言葉は、「韓国国民に対し植民地支配により多大の損害と苦痛を与えた」という1998年宣言の核心的部分を欠落させています。日本政府は戦時中の朝鮮人強制動員について第一に責任を負うべき立場にあるにもかかわらず「多大の損害と苦痛」を受けた強制動員被害者に謝罪しなかったのです。

 このように韓国の財団に賠償支払いを肩代わりさせておきながら加害当事者は謝罪もせず、1円の金も出さない、これで強制動員問題が解決するはずがありません。

 日韓両政府は、今回の「解決法」発表により、日韓関係が改善され、発展していくと言っています。しかし、強制動員問題等を解決し、植民地主義を清算するプロセスを進めていかない限り日韓の真の友好は深まらず、関係が発展していくはずがありません。

 今回の「解決法」について、生存被害者原告は受け入れられないとの立場を明らかにしています。

 私たちは、被害者ととともに、

(1)日本政府・被告企業が強制動員の事実を認めて真摯に謝罪し、その証として償いのために資金を拠出し、同じことを繰り返さないための措置を具体的に講ずること、

(2)そのために被害者原告及び遺族との協議の場を設けること、

 を求めて運動を続けていきます。

強制動員問題解決と過去清算のための共同行動  https://181030.jimdofree.com/


Thursday, March 02, 2023

米国の覇権主義とその危険性:中国外交部文書 US Hegemony and Its Perils: A Chinese Ministry of Foreign Affairs Report (Japanese Translation)

4月25日追記。この翻訳文は、国際法律家協会の機関誌 Interjurist 210号に掲載されました。

2月20日に中国外交部が発表した文書「米国の覇権主義とその危険性」は、中国政府からの米国の一国覇権主義への政治、軍事、経済、技術、文化の側面からの痛烈な批判です。内容を読むと、米国に対する、中国だけではなく他のBRIC諸国、ラテンアメリカ、アフリカ、ユーラシアの「グローバスサウス」諸国からの反植民地主義・反帝国主義の声を代弁しているようにも聞こえます。米国の同盟国(と呼ばれる従属国)である日本についても、80年代、「プラザ合意」で円高を招き日本経済の「失われた30年」の原因を作ったこと、米国が日本の半導体産業の妨害をしたことについて触れており、同情的な書き方です。この文書について西側メインストリームメディアはほとんど黙殺しているようですが、ラテンアメリカを基点に活動する気鋭のジャーナリスト、ベン・ノートン氏は詳しい解説ビデオ「中国が『米国の覇権』、戦争犯罪、CIAによる政権転覆、400にも及ぶ外国介入を非難する」を作っています。

中国外交部文書を解説するベン・ノートン氏。
日本語字幕を自動生成して観られます。
この文書を読んで、西側の人々は中国政府のプロパガンダと一蹴したくなるかもしれません。しかしこの文書に書いてあることは、西側の国々でも語られてきている事実ばかりであり、この文書のソースも西側の文書や専門家を主に引用しています。それでも西側の政府や主要メディアはあまり語りたがらないことが多く書いてあり参考になります。議論や対話の出発点になり得る文書なのではないでしょうか。

この文書はその内容だけでなく、中国政府がいまこのタイミングでこのような形でまとめて出したということに歴史的意味合いがあると思います。

この文書に注目しさっそく翻訳したレイチェル・クラーク氏に感謝します。いつもながら、翻訳は投稿後に修正する可能性があることをご承知ください。

原文リンク:https://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/wjbxw/202302/t20230220_11027664.html


米国の覇権主義とその危険性 

US Hegemony and Its Perils


翻訳 レイチェル・クラーク 編集 乗松聡子


2023年 2月20日 

目次

はじめに

I. 政治的覇権-その権力を世界中で振りかざす        

II. 軍事的覇権-理不尽な武力行使

III. 経済的覇権-略奪と搾取

IV.技術的覇権-独占と抑圧

V. 文化的覇権-虚偽の流布

おわりに


はじめに

二つの世界大戦と冷戦を経て世界最強の国となった米国は、他国の内政に干渉し、覇権を追求、維持、乱用し、破壊と浸透を進め、故意に戦争を行い、国際社会に害を与えるという大胆な行動をとってきた。

米国は、民主主義、自由、人権を推進するという名目で、「カラー革命」を起こし、地域紛争を扇動し、さらには直接戦争を仕掛けるという覇権主義の戦略(プレイブック)を開発した。冷戦時代の考え方に固執して、米国はブロック政治を強化し、紛争と対立を煽ってきた。国家安全保障の概念を拡大解釈し、輸出規制を乱用し、一方的な制裁を他国に強要してきた。また、国際法や国際ルールに対し選択的に取り組み、好きなときに利用したり破棄したりし、「ルールに基づく国際秩序」の名の下に、自国の利益につながるルールを押し付けようとしてきた。

この報告書は、関連する事実を提示することによって、政治、軍事、経済、金融、技術、文化の各分野における米国の覇権の乱用を白日の下にさらし、米国のやり方が世界の平和と安定およびすべての人民の幸福に及ぼす危険性について、より大きな国際的関心を喚起することを目的とするものである。

I. 政治的覇権--その権力を世界中で振りかざす

米国は長年にわたり、民主主義と人権を推進するという名目で、他国と世界秩序を自国の価値観と政治システムの型にはめ込もうとしてきた。

◆ 米国による内政干渉は枚挙にいとまがない。「民主化促進」の名の下に、ラテンアメリカでは「ネオ・モンロー・ドクトリン」を、ユーラシアでは「カラー革命」を、西アジア・北アフリカでは「アラブの春」を扇動し、多くの国に混乱と災厄をもたらしたのである。

1823年、米国は「モンロー・ドクトリン」を発表した。「アメリカ人のためのアメリカ」(注:ここでの「アメリカ」は南北アメリカ大陸を指す)を標榜しながら、その真意は「アメリカ合衆国のための南北アメリカ大陸」であった。

それ以来、歴代の米国政府のラテンアメリカ・カリブ海地域に対する政策は、政治干渉、軍事介入、政権転覆に彩られてきた。61年にわたるキューバへの敵対と封鎖からチリのアジェンデ政権打倒まで、米国のこの地域に対する政策は、「服従する者は栄え、抵抗する者は滅びる」という一つの公理に基づいて構築されてきた。

2003年、グルジアの「バラ革命」、ウクライナの「オレンジ革命」、キルギスタンの「チューリップ革命」と、相次いで「カラー革命」が起こった。米国国務省は、これらの「政権交代」で「中心的な役割」を果たしたことを公然と認めている。米国はフィリピンの内政にも干渉し、1986年にフェルディナンド・マルコス・シニア大統領を、2001年にはジョセフ・エストラダ大統領を、いわゆる「ピープルパワー革命」によって追い落とした。

2023年1月、マイク・ポンペオ前米国務長官が新著『ネバー・ギブ・アン・インチ~私が愛するアメリカのために戦う~ 』を発表した。彼はその中で、米国がベネズエラへの介入を画策していたことを明らかにした。その計画とは、マドゥロ政権に野党との合意を迫り、ベネズエラから石油や金を売って外貨を得る能力を奪い、経済に高い圧力をかけ、2018年の大統領選挙に影響を与えることだった。

◆米国は、国際ルールに対して二重基準を適用している。自己利益を最優先する米国は、国際条約や国際組織から離れ、国際法よりも国内法を優先してきた。2017年4月、トランプ政権は、国連人口基金(UNFPA)に対して、「強制的な中絶や強制的な不妊手術のプログラムを支援、またはその管理に参加している 」という理由で、米国からの資金提供をすべて打ち切ると発表した。米国は1984年と2017年の2回、ユネスコを脱退している。2017年には、気候変動に関するパリ協定からの離脱を発表。2018年には、国連人権理事会がイスラエルに対して「かたよった」態度をとり、人権を効果的に保護できていないとして、脱退を発表した。2019年、拘束されずに先進兵器の開発ができるように、中距離核戦力全廃条約からの離脱を発表。2020年、オープンスカイ条約からの脱退を発表した。

また米国は、生物兵器禁止条約(BWC)の検証議定書の交渉に反対し、生物兵器に関する各国の活動の国際的検証を妨げるなど、生物兵器管理の足かせにもなってきた。化学兵器を保有する唯一の国である米国は、化学兵器の廃棄を何度も遅らせ、義務の履行に消極的であった。米国は「化学兵器のない世界」を実現するための最大の障害となっている。

◆米国は同盟システムを通じてあちこちに小さなブロックを結成している。「インド太平洋戦略」をアジア太平洋地域に押し付け、ファイブ・アイズ、クワッド(QUAD)、オーカス(AUKUS)のような排他的クラブを結成し、地域の国々にどちらかの味方につくことを強要しているのである。こうしたやり方は、本質的にこの地域に分断を生み、対立をあおり、平和を損ねることを意図している。

◆ 米国は、他国の民主主義に恣意的に判断を下し、「民主主義対権威主義」という誤った物語を捏造して、疎外、分裂、対抗、対立を扇動している。2021年12月、米国は第1回「民主主義サミット」を開催したが、民主主義の精神を愚弄し、世界を分断するとして、多くの国から批判と反対を浴びた。2023年3月、米国は再び「民主主義のためのサミット」を開催するが、これは依然として歓迎されず、再び何の支持も得られないだろう。

II. 軍事的覇権 -- 武力の濫用

米国の歴史は、暴力と拡大によって特徴づけられている。1776年に独立して以来、米国は常に力による拡大を求めてきた。先住民を虐殺し、カナダに侵攻し、メキシコと戦争をし、アメリカ・スペイン戦争を引き起こし、ハワイを併合した。第二次世界大戦後、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、コソボ戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争、リビア戦争、シリア戦争など、米国が誘発・遂行した戦争は、軍事覇権を乱用し、拡張主義への道を切り開くものであった。近年、米国の年間平均軍事予算は7000億米ドルを超え、世界全体の4割を占め、後続の15カ国を合算した額よりも多い。米国は海外に約800の軍事基地を持ち、159カ国に17万3千人の兵士を配備している。

書籍『アメリカは侵略する~いかに米国が地球上のほとんどすべての国に侵略し、軍事的に関与してきたか』によれば、米国は国連が承認している190余りの国のほとんどすべてと戦闘を行い、軍事的に関与してきたが、3つの例外があるだけである。その3カ国は、米国が地図上で見つけることができなかったため、「命拾い」したケースだという。

◆ カーター元大統領が言うように、米国は間違いなく世界の歴史の中で最も好戦的な国である。タフツ大学の報告書「軍事介入プロジェクトの紹介」によれば、米国は世界史上最も戦争好きな国である。タフツ大学の報告書「軍事介入プロジェクトの紹介:米国の軍事介入に関する新しいデータセット、1776-2019 (Introducing the Military Intervention Project: A new Dataset on U.S. Military Interventions, 1776-2019)」によると、米国は建国以来約400件の軍事介入を行い、その34%がラテンアメリカとカリブ海地域、23%が東アジアと太平洋地域、14%が中東と北アフリカ、13%がヨーロッパで行われたという。現在、中東・北アフリカとサハラ以南のアフリカへの軍事介入は増加の一途をたどっている。

サウスチャイナ・モーニング・ポストのコラムニスト、アレックス・ローは、米国は建国以来、外交と戦争の区別をほとんどしてこなかったと指摘する。20世紀には多くの発展途上国で民主的に選ばれた政府を倒し、すぐに親米的な傀儡政権に置き換えた。今日、ウクライナ、イラク、アフガニスタン、リビア、シリア、パキスタン、イエメンにおいて、米国は代理戦争、低強度戦争、ドローン戦争というお決まりの戦術を繰り返している。

◆  米国の軍事的覇権は、人道的悲劇を引き起こしている。2001年以来、米国がテロとの戦いの名の下に開始した戦争と軍事行動は、90万人以上の命を奪い、そのうち約33万5千人は民間人であり、数百万人が負傷し、数千万人が住む場所を追われている。2003年に始まったイラク戦争では、米軍が直接殺害した1万6千人以上を含む約20万~25万人の民間人が死亡し、100万人以上が家を失う結果となった。

米国は世界中に3700万人の難民を生み出した。2012年以降、シリア難民だけで10倍にもなっている。2016年から2019年にかけて、シリアの戦闘で33,584人の民間人の死亡が記録されており、そのうち3,833人が米国主導の連合軍の爆撃によって死亡し、その半数が女性と子どもだった。公共放送サービス(PBS)は2018年11月9日、米軍がラッカに仕掛けた空爆だけでシリア市民1,600人が死亡したと報じた。

20年にわたるアフガニスタン戦争は、同国を荒廃させた。9.11同時多発テロと無関係のアフガン民間人計4万7000人、アフガン兵士・警察官計6万6000~6万9000人が米軍の作戦で死亡し、1000万人以上が避難民になった。アフガニスタン戦争は、同国の経済発展の基盤を破壊し、アフガニスタン国民を困窮のどん底に陥れた。2021年の「カブー陥落」後、米国はアフガニスタン中央銀行の資産約95億ドルを凍結すると発表したが、これは「純粋な略奪」と言わざるを得ない。

2022年9月、トルコのスレイマン・ソイル内相は集会で「米国はシリアで代理戦争を行い、アフガニスタンをアヘン畑とヘロイン工場に変え、パキスタンを混乱に陥れ、リビアを絶え間ない内乱状態に置いた。米国は、地下資源を奪い、その国の人々を奴隷にするためなら、どんなことでもする。」とコメントした。

米国は、戦争でも酷い方法をとっている。朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、コソボ戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争で、米国は大量の化学・生物兵器、クラスター爆弾、燃料空気弾、黒鉛爆弾、劣化ウラン弾を使用し、民間施設に甚大な被害を与え、無数の民間人を犠牲にし、永続的な環境汚染をもたらしているのである。

III. 経済覇権 -- 略奪と搾取

第二次世界大戦後、米国はブレトンウッズ体制、国際通貨基金、世界銀行の設立を主導し、マーシャルプランとともに、米ドルを中心とする国際通貨体制を形成した。また、米国は、「85%以上の賛成による承認」をはじめとする国際機関の加重投票制度や規則・取り決め、国内の通商法制を操作することによって、国際経済・金融分野での制度的覇権を確立してきた。米国は、ドルが主要国際基軸通貨であることを利用して、基本的に世界中から「通貨発行益」を集め、国際機関に対する支配力を背景に、他国に米国の政治・経済戦略への奉仕を強要しているのである。

◆  米国は 「通貨発行益」によって世界の富を収奪している。100ドル紙幣を一枚作る費用はたった17セントだが、他国が100ドルの現物を手に入れるには、100ドルを負担しなければならないのである。米国がドルによって法外な特権と収支赤字を涙なしで享受し、その価値のない紙幣を使って他国の資源と工場を略奪していることは、半世紀以上前に指摘されていた。

◆  米ドルの覇権は、世界経済の不安定と不確実性の主な要因である。 COVID-19パンデミックの際、米国が世界金融の覇権を乱用し、世界市場に何兆ドルも注入し たため、他の国、特に新興国がそのツケを払わされることになった。2022年、FRBは超金融緩和政策を終了し、積極的な利上げに転じ、国際金融市場の混乱を招き、ユーロなど他国の通貨が大幅に下落し、多くの通貨が20年ぶりの安値に落ち込んだ。その結果、多くの途上国が、高インフレ、通貨安、資本流出という難題に直面することになった。ニクソン政権の財務長官ジョン・コナリーが、「ドルは我々の通貨だが、君たちの問題だ 」と、自己満足しながらも鋭い指摘をしたのは、まさにこのことだった。

◆  米国は国際経済・金融機関を支配することで、他国への援助に新たな条件を課している。米国の資本流入や投機に対する障害を減らすために、被支援国は金融自由化を進め、金融市場を開放し、その経済政策が米国の戦略に沿うようにすることが要求されるのである。『国際政治経済評論(Review of International Political Economy)』によると、1985年から2014年までにIMFが131の加盟国に対して行った1,550の債務救済プログラムには、55,465もの政治的条件が付加されている。

◆ 米国は、経済的な強制力をもって、意図的に相手を抑圧している。1980年代、米国は日本の経済的脅威を排除し、ソ連との対決と世界支配という米国の戦略目標のために日本を支配し利用しようと、覇権的金融力を駆使して日本に対抗し、プラザ合意を成立させた。その結果、円高が進行し、日本は金融市場の開放と金融システムの改革を迫られた。プラザ合意は日本経済の成長力に大きな打撃を与え、日本は後に 「失われた30年 」と呼ばれる事態に陥った。

◆ アメリカの経済・金融覇権は地政学的な武器となった。米国は、一方的な制裁と「ロングアーム管轄(long-arm jurisdiction・訳者註:自州に居住する当事者以外に対しても人的管轄権を及ぼす制度)」を倍加し、国際緊急経済力法、グローバル・マグニツキー人権説明責任法(Global Magnitsky Human Rights Accountability Act)、制裁による米国の敵対者への対処法(Countering America's Adversaries Through Sanctions Act)などの国内法を制定し、特定の国や組織、個人を制裁する大統領令を次々と導入した。統計によると、米国の外国の対象に対する制裁は2000年から2021年にかけて933%増加した。トランプ政権だけでも3,900件以上の制裁を実施しており、1日に3件の制裁を実施していることになる。これまで米国は、キューバ、中国、ロシア、北朝鮮、イラン、ベネズエラなど、世界40カ国近くに対して経済制裁を行っていた、あるいは行っており、世界人口の半分近くに影響を与えている。「アメリカ合衆国」は 「 制裁合衆国」へと変貌を遂げた。そして、「ロング・アーム管轄権」は、米国が国家権力という手段を使って経済的競争相手を弾圧し、正常な国際ビジネスに干渉するための道具に成り下がってしまった。これは、米国が長年誇ってきた自由主義市場経済の原則からの重大な逸脱である。

IV. 技術覇権--独占と抑圧

米国は、ハイテク分野で独占力、弾圧策、技術制限を行使することにより、他国の科学技術・経済の発展を抑止しようとしている。

◆ 米国は、保護の名の下に知的財産を独占している。米国は、知的財産権に関する他国、特に発展途上国の弱い立場と関連分野の制度的空白を利用し、独占によって過大な利益を得ている。1994年、米国は知的財産権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS:Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights)を推進し、知的財産権保護のプロセスと基準を米国化し、技術の独占を強固なものにしようとした。

1980年代、米国は日本の半導体産業の発展を封じ込めるため、301条調査を開始し、多国間協定による二国間交渉で交渉力をつけ、日本を不公正貿易と脅して報復関税をかけ、日本に日米半導体協定を締結させた。その結果、日本の半導体企業は国際競争からほぼ完全に駆逐され、市場シェアは50%から10%に低下した。一方、米国政府の支援を受けて、多くの米国半導体企業がこの機会を捉えて、より大きなシェアを獲得していった。

◆ 米国は技術問題を政治化し、武器化し、イデオロギーの道具として利用している。米国は国家安全保障の概念を過剰に拡大し、国家権力を動員して中国企業ファーウェイを弾圧・制裁し、ファーウェイ製品の米国市場への参入を制限し、チップやOSの供給を断ち、他国にはファーウェイによる5Gネットワークの現地建設の禁止を強要している。さらにカナダを説得して、ファーウェイの孟晩舟CFOを3年近くも不当に拘束させた。

米国は、国際競争力のある中国のハイテク企業を取り締まるために数々の言い訳を捏造し、1000社以上の中国企業を制裁リストに載せてきた。さらに米国は、バイオテクノロジーや人工知能などのハイエンド技術の規制、輸出規制の強化、投資審査の強化、TikTokやWeChatなど中国のソーシャルメディアアプリの弾圧、オランダや日本に対してチップや関連機器・技術の中国への輸出を制限するよう働きかけてきた。

米国は、中国関連の技術専門家に対する政策でも二重基準を実践してきた。中国人研究者をしりぞけ、弾圧するために、2018年6月以降、特定のハイテク関連分野を専攻する中国人学生のビザの有効期限が短縮され、交換プログラムや留学で米国に行く中国人学者や学生が不当な拒否や嫌がらせを受けるケースが繰り返し発生し、米国で働く中国人学者に対する大規模調査が実施された。

◆ 米国は民主主義を守るという名目で、技術の独占を強固にする。米国は「チップス同盟」や「クリーンネットワーク」といった技術に関する小ブロックの構築により、ハイテクに「民主主義」や「人権」のラベルを貼り、技術問題を政治・思想問題にすり替え、他国に対する技術封鎖の言い訳を捏造している。2019年5月、米国はチェコで開催された「プラハ5G安全保障会議」に32カ国を参加させ、「プラハ提案(Prague Proposal)」を発表し、中国の5G製品を排除しようとした。2020年4月、当時の米国国務長官マイク・ポンペオは、「5Gクリーンパス」(民主主義に関する思想の共有と 「サイバーセキュリティ 」を守る必要性で結ばれたパートナーと5G分野の技術同盟を築くための計画)を発表した。この措置は、要するに、米国が技術同盟を通じて技術的覇権を維持しようとするものである。

◆ 米国はサイバー攻撃や盗聴を行うことで、その技術的覇権を乱用している。米国は長い間「ハッカー帝国」として悪名高く、世界中でサイバー盗聴を常習的に行っていることで知られている。アナログの基地局信号を使って携帯電話にアクセスしデータを盗む、モバイルアプリを操作する、クラウドサーバーに侵入する、海底ケーブルを使って盗むなど、あらゆる手段を使ってサイバー攻撃や監視を徹底している。数え上げればきりがない。

米国の監視は無差別だ。ライバルであろうと同盟国であろうと、さらにはメルケル元ドイツ首相や 歴代のフランス大統領など同盟国の指導者であろうと、すべてが監視の対象になり得るのである。「プリズム」「ダートボックス」「イリタントホーン」「テレスクリーン作戦」など、米国が仕掛けたサイバー監視・攻撃はいずれも、米国が同盟国やパートナーを綿密に監視していることの証左である。このような同盟国やパートナーに対する盗聴は、すでに世界中で怒りを買っている。米国の監視プログラムを暴露してきたウェブサイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジは、「世界的な監視超大国が名誉や敬意を持って行動することを期待してはならない。ルールはただ一つ、「『ルール無用 』だ」と述べている。

V. 文化的覇権--虚偽の物語の拡散

アメリカ文化の世界的拡大は、その対外戦略の重要な一部分である。米国は、世界における覇権を強化し維持するために、しばしば文化的手段を用いてきた。

◆ 米国は映画などの商品に米国の価値観を埋め込んでいる。米国的価値観やライフスタイルは、その映画やテレビ番組、出版物、メディアコンテンツ、政府出資の非営利文化機関によるプログラムに結びついている。こうして、米国の文化的覇権を維持する文化・世論空間が形成されるのである。米国人学者であるジョン・イェンマは、その論文『世界の米国化(The Americanization of the World)』の中で、米国の文化拡大における真の武器であるハリウッド、マディソン街のイメージデザイン工場、マテル社(訳者註:バービー人形等で知られる)やコカコーラの生産ラインを暴露している。

米国が文化的覇権を維持するために使う手段はいろいろある。米国映画はその最たるもので、現在では世界市場の70%以上を占めている。米国は、その文化の多様性を巧みに利用し、さまざまな民族にアピールしている。ハリウッド映画は、世界に降り立つと、それに結びついた米国の価値観を喧伝する。

◆ アメリカの文化的覇権は、「直接介入 」だけでなく、「メディアへの介入」や「世界に向けての発信」としても現れている。米国が支配する西側メディアは、米国が他国の内政に干渉することを支持する世界世論を形成する上で、特に重要な役割を担っている。

米国政府は、すべてのソーシャルメディア企業を厳しく検閲し、その服従を要求している。ツイッターのイーロン・マスク会長(CEO)は2022年12月27日、すべてのソーシャルメディアプラットフォームが米国政府と連携してコンテンツを検閲していることを認めたと、Fox Business Networkは報じている。米国の世論は、あらゆる好ましくない発言を制限するために、政府の介入を受けている。Googleはしばしばページを削除する。

米国防総省はソーシャルメディアを操作する。2022年12月、米国の独立系調査サイト「インターセプト」は、2017年7月、米中央軍幹部のナサニエル・カーラーがツイッターの公共政策チームに、自分が送ったリストにある52のアラビア語アカウントの存在を強化し、そのうち6つを優先的に使用するよう指示したことを明らかにした。そのうちの1つは、イエメンでの米国の無人機攻撃を正当化(攻撃は正確で、民間人ではなくテロリストだけを殺したと主張)するためのものだった。カーラー氏の指示を受けて、ツイッターはこれらのアラビア語アカウントを「ホワイトリスト」に入れ、特定のメッセージを増幅させるようにした。

◆ 米国は報道の自由について二重基準を実践している。様々な手段で他国のメディアを残酷に弾圧し、沈黙させている。米国と欧州はロシア・トゥデイやスプートニクのようなロシアの主流メディアを自国から締め出す。ツイッター、フェイスブック、ユーチューブなどのプラットフォームは、ロシアの公式アカウントを公然と制限している。ネットフリックス、アップル、グーグルは、自社のサービスやアプリストアからロシアのチャンネルやアプリケーションを削除した。ロシア関連のコンテンツには、前例のない強権的な検閲が課せられている。

◆ 米国は文化的覇権を乱用し、社会主義国の「平和的進化」を扇動している。社会主義国を対象とした報道機関や文化団体を設立する。イデオロギー浸透を支援するために、ラジオやテレビのネットワークに膨大な公的資金を注ぎ込み、これらの発信源は数十の言語で社会主義国に日夜、扇動的なプロパガンダを浴びせかける。

米国は他国を攻撃する槍として虚偽情報を利用し、それを中心とした産業チェーンを構築している。ストーリーをでっち上げるグループや個人が存在し、ほぼ無限の資金力を背景に、世論を惑わすために世界中でそれをばらまいている。。

結論

正義の大義はその支持者を広く獲得するが、不当な大義はその追求者を追放することになる。強さを利用して弱者を威嚇し、力と策略で他者から奪い、ゼロサムゲームを行う覇権主義、支配主義、いじめの慣行は、重大な害を及ぼしている。平和、発展、協力、相互利益という歴史的な流れは止められない。米国は、その力で真実を覆い隠し、正義を踏みにじって私利私欲に走ってきた。こうした一方的でエゴイスティック、かつ時代に逆行する覇権主義は、国際社会から強い批判と反発を集めている。

各国は互いに尊重し合い、対等に付き合う必要がある。大国はその地位にふさわしい振る舞いをし、対立や同盟ではなく、対話とパートナーシップを特徴とする国家対国家関係の新しいモデルを追求する上でリーダーシップを発揮するべきである。中国は、あらゆる形態の覇権主義や権力政治に反対し、他国の内政に干渉することを拒否する。米国は真剣に自らを省みなければならない。自分たちがやってきたことを批判的に検証し、傲慢さと偏見を捨て、覇権主義的、支配的、いじめ的なやり方をやめなければならない。

(翻訳以上)

原文はここにあります。