tag:blogger.com,1999:blog-35894930.post4264648472464122823..comments2023-12-31T15:40:06.675-08:00Comments on Peace Philosophy Centre: 「野田オバマ会談報道はおかしい」その後Peace Philosopherhttp://www.blogger.com/profile/03884294048618803206noreply@blogger.comBlogger1125tag:blogger.com,1999:blog-35894930.post-59986024364863643572011-09-28T01:54:45.034-07:002011-09-28T01:54:45.034-07:00「ニュアンスの違いは、キャンベルが言ったことと野田が言ったことの間にあるのではなく、キャンベルや野田...「ニュアンスの違いは、キャンベルが言ったことと野田が言ったことの間にあるのではなく、キャンベルや野田が表現したことと、日本メディアが報じたことの間にある。<br /><br />要するに、日本メディアは、キャンベルが言ったことを、米側が日本側に強い圧力をかけたかのように演出し、報道したのである。」<br /><br />まったくその通りだと思います。キャンベルの会見内容、外務省の要旨、各新聞の報道を読み比べると、日本メデイアによる脚色がよく見えてきました。<br /><br />(1)時事の記事。<br /><br />「『結果を出す時期が近づいている』。大統領は首相との会談で、時間を惜しむかのように本題に切り込んだ。首相同行筋によると、クリントン米国務長官ら同席者が自己紹介をする間もなく、大統領は強い口調で普天間問題を進展させるよう首相に詰め寄ったという。」<br /><br />この記事では、大統領が「時間を惜しむかのように本題に切り込んだ」とか「クリントン米国務長官ら同席者が自己紹介をする間もなく、大統領は強い口調で普天間問題を進展させるよう首相に詰め寄った」と、非常に臨場感あふれる、まるで映画の一場面のような、あたかも記者自身が会談の場にいて実際に見てきたかのような描写がなされています。<br /><br />しかし、日米政府の公表した記録にはそういう描写はどこにもありません。「首相同行筋によると」とあるから、その場にいた外務省官僚にでも聞いたのでしょうか? <br /><br />いずれにせよ、公式記録にはない描写を加えて、かなりの脚色をしていることが明らかです。そして、その描写は「米の強硬姿勢」「米国の対日圧力」を”例証”するために加えられたのでしょう。とすると、時事には、会談で実際に何が話されたかを検証することなく、「米の強硬姿勢」「米国の対日圧力」の筋書きがはじめからあったのでは、と勘ぐりたくなります。<br /><br />(2)時事の記事をリサイクル/追随している殆どの他社 <br /><br />日本側の発言しか伝えていない日経を除き、他社も多かれ少なかれ時事の「米の強硬姿勢」「米国の対日圧力」の筋書きを踏襲しています。読売にいたっては、かの臨場感あふれる描写もほぼそのまま写しています。(「大統領は首相との会談で、時間を惜しむかのように本題に切り込んだ。首相同行筋によると、クリントン米国務長官ら同席者が自己紹介をする間もなく、大統領は強い口調で普天間問題を進展させるよう首相に詰め寄ったという。」)<br /><br />日本の報道機関には、日米政府間に立場の相違がある時は米国が「強硬姿勢」に出て「対日圧力」をかけてくる、という筋書きが(長年の対米従属の結果?)頭の中にしみ込んでしまっていて、記事を書くとき自動的にその筋書きが出てきてしまうのでしょうか? それともメデイア自体に何かアジェンダがあるのでしょうか? (例えば、新政権に「重い課題」を負わせたい、とか?)<br /><br />(3)時事がかなりカラフルに脚色した記事を発信し、他社の殆ども同じ筋書きの記事を出しているのを読んで、鉢呂元経産大臣の「問題発言」の報道を思い出しました。<br /><br />あれほどヒステリックではないにせよ、一社が言い出したことを、その情報の正確さも確かめもせずに繰り返す。これは、鉢呂スキャンダルの時と全く同じパターンではないか? そもそも、時事の臨場感あふれる描写が匿名の情報源からの伝聞だった。その伝聞が、既存メデイアが忌み嫌う「チェーン・メール」のように、他社によって繰り返された。そして、米国の「強硬姿勢」、「対日圧力」という筋書きが、事実の検証抜きに一人歩きした。鉢呂元大臣が言ったという「問題発言」のように。<br /><br />ずい分長くなりましたが、このようなことを考えさせてくれた、とても刺激に満ちた検証シリーズをありがとうございました。大手報道機関の報道姿勢と手法について、大変勉強になりました。<br /><br />通信社、見てきたような うそを言い。yes to peacenoreply@blogger.com