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Wednesday, March 05, 2008

戦争をしない「きまり」

つい最近までバンクーバーで一緒に活動していたかけがえのない仲間、菊野由美子さん。地元の宮崎に帰って一ヶ月、姪御さんの幸奈ちゃんとのある日の会話を教えてくれました。お二人の了解を取って、ここに紹介します。

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実は姪っ子、幸奈(小学3年)と何かのきっかけで、ちょっと戦争の話をすることがありました。

幸奈「日本は戦争に勝ったの?」

私 「ううん、日本は負けたんだよ」

幸奈(しょぼくれた顔で)「でも、日本とアメリカは今は仲良しなんでしょ?」

私「そうだよ」

幸奈「でも、もし、またアメリカと戦争になったら?」

私「戦争にはならないよ。日本には戦争をしませんっていうきまりがあるから、どこの国とも戦争はしないんだよ。だから大丈夫。」

そういうと、幸奈の顔がパッと明るくなりました。 そのときにはっとしました。この子達のそういう明るい笑顔を守るためにも、そして安心させる(心に平和を持たせる)ためにも9条はものすごく大事なのだ。。。と改めて感じてしまいました。
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「幸奈の顔がパッと明るくなりました」の部分で、私は溢れる感情を抑えることができなくなりました。

昨年の夏、広島の資料館から出てきてすぐのところに、母親に抱かれた新生児がいたのを見たときのことを思い出していました。

人間の欲望、恐怖心、猜疑心といったものが膨れ上がったものが戦争です。20世紀の人間たちは人間がこれ以上の地獄を作れるのかというほどの地獄を自ら生み出してしまいました。「映画日本国憲法」でダグラス・ラミス氏が言っていた言葉を思い出します。「20世紀は人類史上最も多くの2億人もの人が国家によって殺された」との言葉を。この地獄の世紀を体験した人類の元に生まれてきた、幸奈ちゃんや、広島資料館で会った赤ちゃん、そして私自身の子どもたちも、そんなことをまだ知る由もない。人類がいかに堕ちても、生まれてくる子どもたち一人一人は完璧な神の存在そのものなのです。

幸奈ちゃんが大きくなって、本当に大人たちがこの「きまり」を守っているかどうか自分で調べることができるようになったときに、本当に私たち一人一人がこの「きまり」を守れていなければいけない、そしてましてやこの「きまり」がなくなっているなんていうことにはしてはいけない。何千万の命のむごたらしい犠牲の上で日本が自らに課したこの「きまり」、この教訓を生かすことができなかったら、一体人間はどれだけの地獄を更に経験したら本当に思い知るというのでしょうか。これが人間に与えられた最後のチャンスです。地球の破滅を防ぐには今が最後のチャンスといわれているのと同じように。

幸奈ちゃんをがっかりさせることは絶対にしません。

乗松聡子

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