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Saturday, November 19, 2011

外務省HPの日米首脳会談概要のTPP部分が書きかえられている

(21日追記。11月21日琉球新報 で取り上げられました。
琉球新報 TPP記述 書き換え 外務省HP 日米会談概要

2011年11月12日日米首脳会談。外務省HPより

ツイッター@yes_peace さんが、私が11月13日に共有した外務省HPの日米首脳会談概要の日付が11月18日に変わっていると教えてくれて、探したところ、@zamamiyagarei さんがキャッシュを見つけてくれた。野田首相発言の撤回要請、それに対する米側の拒否などで問題になっていたTPPの部分が差し替えられたのではないかと思ったが、比べてみたらやはりそうだった。

11月13日の記述では、

(2)環太平洋経済連携(TPP)協定
 野田総理から,今般,日本政府として,TPP交渉参加に向けて,関係国との協議に入ることとした,一年前の横浜APECでの日米首脳会談以降,東日本大震災があり,慎重論も強かったが,日本を再生し,豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り拓くため,自分自身が判断した,今後交渉参加に向けて米国をはじめとする関係国との協議を進めたく,オバマ大統領の協力を得たい旨を伝えた。
オバマ大統領からは,日本の決定を歓迎するとともに,今後の協議の中で日本側と協力していきたい旨の発言があった。
とあり、11月18日のでは、以下ブログ管理人が黄色のハイライトをしている部分が付け加えられている。

(2)環太平洋経済連携(TPP)協定
野田総理から,今般,日本政府として,TPP交渉参加に向けて,関係国との協議に入ることとした,一年前の横浜APECでの日米首脳会談以降,東日本大震災があり,慎重論も強かったが,日本を再生し,豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り拓くため,自分自身が判断した,昨年11月に決定した「包括的経済連携に関する基本方針」に基づき高いレベルの経済連携を進めていく,今後交渉参加に向けて米国をはじめとする関係国との協議を進めたく,オバマ大統領の協力を得たい旨を伝えた。
 オバマ大統領からは,日本の決定を歓迎するとともに,今後の協議の中で日本側と協力していきたい旨の発言があった。
証拠として、画像をキャプチャーした当該部分を貼り付けておく。

11月13日ページのキャッシュ(「2011年11月13日 22:40:34 GMT に取得されたもの」)
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:ILSzkCSugLoJ:www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html+http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp




以下、現時点でアップされている11月18日付のものより。




会談の概要に


昨年11月に決定した「包括的経済連携に関する基本方針」に基づき高いレベルの経済連携を進めていく
という内容が書き加えられたことについて、

1)本当に野田首相はそれを言ったのか。言っていないものを後付けしたのではないか。
2)本当に言ったのなら、どうしてそれを後になって付け足したのか。

ということを追及する必要があるのではないか。

この昨年の書類はここにある。

包括的経済連携に関する基本方針
http://www.npu.go.jp/pdf/20101109/20101109.pdf
この2項目目にこのような記述がある(ハイライト、太字はブログ管理人)。
我が国を取り巻く国際的・地域的環境を踏まえ、我が国として主要な貿易
相手国・地域との包括的経済連携強化のために以下のような具体的取組を行
う。特に、政治的・経済的に重要で、我が国に特に大きな利益をもたらすE
PAや広域経済連携については、センシティブ品目について配慮を行いつつ、
すべての品目を自由化交渉対象とし、交渉を通じて、高いレベルの経済連携
を目指す
要するに、日本側が問題とした、米側が変更を拒否したホワイトハウスの発表http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/readout-press-secretary-presidents-meeting-prime-minister-noda-japan の中の問題箇所
The President noted that all TPP countries need to be prepared to meet the agreement's high standards, and he welcomed Prime Minister Noda's statement that he would put all goods, as well as services, on the negotiating table for trade liberalization.
(ブログ管理人和訳:大統領は、TPP参加国は協定の高い水準を満たす必要があると言い、野田首相が全ての品目とサービスを、貿易自由化のために交渉のテーブルに乗せると表明したことを歓迎した。) 
を、野田首相はそんなことは言っていないと言い、米側に訂正を求めて拒否された揚句、それと同様の記述のある昨年の基本方針をわざわざ持ってきて、実際には米側の主張に近付けた形で会談概要を書き変えたように見える。

日本のTPP慎重・反対派や野党に、内外で二枚舌を使っているのではないかと責められ、「昨年から全ての品目、サービスを対象にする方針だった」と言い訳をするために付け加えたのではないか。

ご意見、情報を歓迎します。@PeacePhilosophy


(追記。天木直人さんに情報を送ったら以下のお返事が来たので共有します。その後天木さんもブログで取り上げました。http://www.amakiblog.com/archives/2011/11/20/#002089

情報提供ありがとうございました。明らかに意図的な書き換えでしょう。HPを作成する担当部局は何の権限もない広報部でしょうから、担当部局から命ぜられて深く考えずに書き換えたのでしょう。この悪質な書き換えを大手メディアに知らせて、13日と18日の双方の文章を動かぬ証拠として国会で検証させなければなりません。大手メディアはあてになりませんが少なくともTPP反対派の国会議員に通報すれば彼らがやってくれるでしょう。私もブログで書いて見ます。        天木

参考資料

ホワイトハウスの報道官の会談報告全文
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/readout-press-secretary-presidents-meeting-prime-minister-noda-japan

Readout by the Press Secretary on the President's meeting with Prime Minister Noda of Japan


The President and Prime Minister Yoshihiko Noda had a good discussion today on a range of issues, including APEC and the upcoming East Asia Summit, and next steps on Futenma relocation. The leaders also talked about Japan's interest in the Trans-Pacific Partnership (TPP) agreement. Prime Minister Noda noted that he had decided to begin consultations with TPP members, with an eye to joining the TPP negotiations. The President welcomed that important announcement and Japan's interest in the TPP agreement, noting that eliminating the barriers to trade between our two countries could provide an historic opportunity to deepen our economic relationship, as well as strengthen Japan's ties with some of its closest partners in the region. The President noted that all TPP countries need to be prepared to meet the agreement's high standards, and he welcomed Prime Minister Noda's statement that he would put all goods, as well as services, on the negotiating table for trade liberalization. The President noted that he would instruct USTR Kirk to begin the domestic process of considering Japan's candidacy, including consultations with Congress and with U.S. stakeholders on specific issues of concern in the agricultural, services and manufacturing sectors, to include non-tariff measures. Prime Minister Noda also explained the steps he had taken to begin to review Japan's beef import restrictions and expand market access for U.S. beef. The President welcomed these initial measures, and noted the importance of resolving this longstanding issue based on science. We are encouraged by the quick steps being taken by Prime Minister Noda and look forward to working closely with him on these initiatives.
11月18日付の外務省の日米首脳会談概要http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html

日米首脳会談(概要)

平成23年11月18日

 12日午後0時過ぎ(現地時間)から約55分間,APEC首脳会議に出席するため米国・ホノルルを訪問中の野田総理大臣は,オバマ大統領との間で日米首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。




1 冒頭


 冒頭,オバマ大統領から,野田総理と以前お会いした際にその素晴らしいヴィジョンに大変印象づけられていた,日米同盟は米国のアジア太平洋地域における礎であり,その強固な関係は,アジアのみならず世界にとっても大変重要である,日本の大地震・津波災害からの復興に対して米国民は日本の人々と共にあり,自分(オバマ大統領)はいかなる支援も惜しまない旨の発言があった。
 これを受け,野田総理から,34年振りにホノルルを訪問し,今朝国立太平洋記念墓地において献花した際に市内を見渡すことができ,この美しい所でAPECの議長としてオバマ大統領におもてなしいただくことを感謝する,アジア太平洋における米国のプレゼンスが高まっていることに非常に勇気づけられている,この地域における経済のルールや安全保障秩序の構築などに日米両国が緊密に連携していきたい旨述べた。
また,オバマ大統領から,ご入院中の天皇陛下が,早くご回復されるようお見舞いの言葉があった。


2 経済


(1)APEC
 野田総理から,イノベーションやグリーン成長などで具体的な成果を目指したオバマ大統領のイニシアティブを高く評価する旨述べ,両首脳は,アジア太平洋地域の経済統合実現のため,APECを通じた協力を日米で共に進めていくことで一致した。オバマ大統領からは,昨年の横浜APEC以来の日本の取組や米国との協力に対し評価があった。


(2)環太平洋経済連携(TPP)協定
野田総理から,今般,日本政府として,TPP交渉参加に向けて,関係国との協議に入ることとした,一年前の横浜APECでの日米首脳会談以降,東日本大震災があり,慎重論も強かったが,日本を再生し,豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り拓くため,自分自身が判断した,昨年11月に決定した「包括的経済連携に関する基本方針」に基づき高いレベルの経済連携を進めていく,今後交渉参加に向けて米国をはじめとする関係国との協議を進めたく,オバマ大統領の協力を得たい旨を伝えた。
 オバマ大統領からは,日本の決定を歓迎するとともに,今後の協議の中で日本側と協力していきたい旨の発言があった。
(3)牛肉輸入問題
 オバマ大統領から,牛肉問題に進展が見られることを歓迎するとしつつ,科学に基づき解決されるべきだという従来の立場につき表明があった。
野田総理からは,今般,BSE対策全般の再評価を行うこととし,食品安全委員会への諮問の準備を開始した旨説明した。


3 安全保障


 野田総理から,アジア太平洋地域における米国のプレゼンスを維持・強化するとの強いコミットメントを高く評価している旨述べ,両首脳は,今後も安保・防衛協力を幅広い分野で着実に進めていくことで一致した。
 また,普天間飛行場の移設については,野田総理から,内閣を挙げて取り組んでおり,環境影響評価書を年内に提出する準備を進めている,米側からもグアム移転の着実な進展を含む沖縄の負担軽減について全面的な協力を得たい旨述べた。


4 アジア太平洋地域情勢


(1)EAS
 野田総理から,EASを,地域の共通理念や基本的なルールを確認し,具体的協力につなげる首脳主導のフォーラムとして発展させたい旨述べ,両首脳は,EASを地域の政治や安全保障の課題を扱う主要なフォーラムにすべきとの点で一致し,引き続き日米両国で連携していくことを確認した。


(2)北朝鮮
 野田総理から,北朝鮮による具体的行動を引き出すことこそが重要であると指摘の上,両首脳は引き続き日米韓の緊密な連携を維持すべきとの点で一致した。また,野田総理より,先般の米朝対話において拉致問題に言及いただいことに感謝する旨述べた。


5 その他の課題


子の親権
 ハーグ条約について,野田総理から,国内担保法案と共に来年の通常国会に提出することを目指し,引き続き作業を進めている旨述べた。
オバマ大統領から,日本側の取組を評価する旨の発言があった。
11月13日時点での外務省HPの概要(キャッシュ)http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:ILSzkCSugLoJ:www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html+http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

日米首脳会談(概要)
平成23年11月13日


 12日午後12時過ぎ(現地時間)から約55分間,APEC首脳会議に出席するため米国・ホノルルを訪問中の野田総理大臣は,オバマ大統領との間で日米首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。




1 冒頭


 冒頭,オバマ大統領から,野田総理と以前お会いした際にその素晴らしいヴィジョンに大変印象づけられていた,日米同盟は米国のアジア太平洋地域における礎であり,その強固な関係は,アジアのみならず世界にとっても大変重要である,日本の大地震・津波災害からの復興に対して米国民は日本の人々と共にあり,自分(オバマ大統領)はいかなる支援も惜しまない旨の発言があった。
 これを受け,野田総理から,34年振りにホノルルを訪問し,今朝国立太平洋記念墓地において献花した際に市内を見渡すことができ,この美しい所でAPECの議長としてオバマ大統領におもてなしいただくことを感謝する,アジア太平洋における米国のプレゼンスが高まっていることに非常に勇気づけられている,この地域における経済のルールや安全保障秩序の構築などに日米両国が緊密に連携していきたい旨述べた。
また,オバマ大統領から,ご入院中の天皇陛下が,早くご回復されるようお見舞いの言葉があった。




2 経済


(1)APEC
 野田総理から,イノベーションやグリーン成長などで具体的な成果を目指したオバマ大統領のイニシアティブを高く評価する旨述べ,両首脳は,アジア太平洋地域の経済統合実現のため,APECを通じた協力を日米で共に進めていくことで一致した。オバマ大統領からは,昨年の横浜APEC以来の日本の取組や米国との協力に対し評価があった。


(2)環太平洋経済連携(TPP)協定
 野田総理から,今般,日本政府として,TPP交渉参加に向けて,関係国との協議に入ることとした,一年前の横浜APECでの日米首脳会談以降,東日本大震災があり,慎重論も強かったが,日本を再生し,豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り拓くため,自分自身が判断した,今後交渉参加に向けて米国をはじめとする関係国との協議を進めたく,オバマ大統領の協力を得たい旨を伝えた。
オバマ大統領からは,日本の決定を歓迎するとともに,今後の協議の中で日本側と協力していきたい旨の発言があった。


(3)牛肉輸入問題
 オバマ大統領から,牛肉問題に進展が見られることを歓迎するとしつつ,科学に基づき解決されるべきだという従来の立場につき表明があった。
野田総理からは,今般,BSE対策全般の再評価を行うこととし,食品安全委員会への諮問の準備を開始した旨説明した。




3 安全保障


 野田総理から,アジア太平洋地域における米国のプレゼンスを維持・強化するとの強いコミットメントを高く評価している旨述べ,両首脳は,今後も安保・防衛協力を幅広い分野で着実に進めていくことで一致した。
 また,普天間飛行場の移設については,野田総理から,内閣を挙げて取り組んでおり,環境影響評価書を年内に提出する準備を進めている,米側からもグアム移転の着実な進展を含む沖縄の負担軽減について全面的な協力を得たい旨述べた。




4 アジア太平洋地域情勢


(1)EAS
 野田総理から,EASを,地域の共通理念や基本的なルールを確認し,具体的協力につなげる首脳主導のフォーラムとして発展させたい旨述べ,両首脳は,EASを地域の政治や安全保障の課題を扱う主要なフォーラムにすべきとの点で一致し,引き続き日米両国で連携していくことを確認した。


(2)北朝鮮
 野田総理から,北朝鮮による具体的行動を引き出すことこそが重要であると指摘の上,両首脳は引き続き日米韓の緊密な連携を維持すべきとの点で一致した。また,野田総理より,先般の米朝対話において拉致問題に言及いただいことに感謝する旨述べた。




5 その他の課題


子の親権
 ハーグ条約について,野田総理から,国内担保法案と共に来年の通常国会に提出することを目指し,引き続き作業を進めている旨述べた。
オバマ大統領から,日本側の取組を評価する旨の発言があった。

4 comments:

  1. この発見と問題提起に、一市民として心から感謝します。

    ご指摘のように、「包括的経済連携に関する基本方針」に「すべての品目を自由化交渉対象とし、交渉を通じて、高いレベルの経済連携を目指す」との記載がある以上、外務省がこっそり修正(?)した野田首相の発言概要によれば、首相はオバマ大統領に対し、「全ての品目とサービスを、貿易自由化のために交渉のテーブルに乗せると表明した」ことになりますね。つまり、野田総理の発言に関して、米国側の受け取り方が正確で、日本側の当初の(表向きの?)主張がごまかしだったことになります。

    しかし、これは果たして、日本側が米国側に抗議し、発表の訂正を求めたが、拒否された結果、仕方なく後付けで昨年の基本方針を持ち出し、米側の主張に迎合する形で辻褄を合わせたのでしょうか?そのように推測しておられるかにお見受けするのですが、(外務省に対して深い不信感を払拭できない)私は、真相はさらにいっそう由々しいものではないかと思います。

    むしろ、野田総理は事実オバマ大統領に対し、「昨年11月に決定した『包括的経済連携に関する基本方針』に基づき」云々と述べたのだろうと思うのです。あるいは、外務高級官僚からそう述べるよう「指導」ないし「誘導」されたのでしょう(なにしろ、ついこの間までISD条項すら承知していなかった野田氏ですから、自分が何を言っているのか分かっていなかったかも知れません)。

    そして、オバマ大統領との会談におけるその「事実」にも係わらず、野田総理は、もっぱら国内向けに「全ての品目とサービスを…交渉のテーブルに乗せる」とは言ってないと強弁し、外務省高級官僚たちは、米国側に抗議するフリをし、発表の訂正を求めるフリをしながら、その裏でこっそり、自らの省庁の、即ち日本側のホームページの正式発表を書き替えたのではないでしょうか。

    米国に迎合して日本国首相の発言概要を後から変えた場合でも、外務省はトンデモナイ背信行為を犯している事になりますが、真相がもし私の推測どおりであるとしたら、文字どおり言語道断といわねばなりません。一市民として、総理、外務省高官、そして日頃外務省を背景に言論を行っている諸君に釈明を求めたいと強く思います。

    以上、感謝とともに。S.H.

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  2. 私も本件をブログに書きました。コメント欄において「天木直人氏に情報を提供したのは、Peace Philosophy Centre の乗松聡子さんのようだ。」と書いてよろしいでしょうか?

    11/13付のキャッシュを貼り付けておいて頂き、感謝します。

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  3. Miya 様

    もちろんOKです。ありがとうございます。乗松

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  4. 乗松様、快諾頂き、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

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