『週刊金曜日』11月16日号の成澤宗男氏によるコラムを紹介する。
悪い冗談だ。「領土問題では中韓に毅然と対処しろ」だと。その程度の劣情が「ナショナリズム」とは、笑止千番ではないか。ならば、せめて一度でもいいから「毅然」としてみせたらどうだ。「独立」して六〇年も経つこの国の首都圏に巨大軍事基地を点在させ、上空の管制権すら譲らぬどこかの「ならず者国家」にだ。それほど絶海の孤島の帰趨に興奮するのなら、わが「領土」に対して「望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利」を異人に与えるような条約を、なぜかくもありがたがるのか。ついにこの国は、オーウェル流逆説世界の類例なき生きた見本に相成ったのだ。今や、「愛国者」が売国奴、「固有の領土」が他国の属領、「ナショナリズム」が奴隷根性、「同盟」が冊封、そして「毅然」が卑屈と同義になっている現実を見るがいい。あるいは、ナチスの傀儡の分際で「勤労、家族、祖国」などとうそぶいていたペタンの由緒正しき末裔として遇されるべきか。そういえば元首相、実は正真正銘のCIAエージェントの「孫」とやらも、随分と「国家」がお好きなようで。(成澤宗男)日本の有権者は12月16日の投票に向けて自分の頭で冷静に考えることが求められている。このコラムが示すように、このまま世界一の暴力国家、米国の軍事的(安保)経済的(TPPなど)奴隷の道を突き進むことを選ぶのかと。そして、60年前の「独立」時に米軍政下に取り残された沖縄に、米軍基地の大半を押し付けたままにしておくのかと。一票の重みの格差を是正するまっとうな問題意識があったら、沖縄の米軍基地の面積あたりの負担は本土の約500倍であるという、この凄まじい格差こそ是正しなければいけない。@PeacePhilosophy
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