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Wednesday, December 14, 2022

高知の平和資料館「草の家」による声明 「大軍拡ではなく、今こそ平和外交を!!」 Anti-war statement by "Grassroots House," a museum for peace in Kochi

 See English translation below. 

「草の家」の入り口

「草の家」で説明する、高知空襲体験者の岡村正弘館長。
1989年創立の、高知市内にある平和のための資料館「平和資料館 草の家」を今年9月に訪れました。「加害」「被害」「抵抗」「創造」をモットーとし、高知空襲の記憶を伝え、大日本帝国の侵略戦争と植民地支配の歴史に向き合い、地元出身の反戦プロレタリア詩人の槇村浩(まきむら・こう)など、戦時下で戦争に抗った人たちの遺志を継承する、市民が支える市民のための地元に根ざした資料館と感じました。

日本政府は中国敵視にもとづき軍拡をエスカレートさせています。これに対して「草の家」がこのたび声明を出しましたので、ここに紹介します。深く賛同する内容です。


2022年12月12日


大軍拡ではなく、今こそ平和外交を!!

暮らしと平和を破壊する「戦争国家づくり」に断固反対します


平和資料館・草の家


政府が今週にも改定するとしている「国家安全保障戦略」など「安保3文書」の骨子案が明らかとなりました。「敵基地攻撃能力」の明記、先制攻撃を可能とするミサイル導入などが列挙されており、恒久平和主義に基づく戦後国家のあり方を根底から覆し、安全保障の基本としてきた「専守防衛」をも180度転換した「軍事国家」像そのものです。集団的自衛権の行使容認、安保法制、防衛装備庁の設置など安倍政権以来、推進してきた「戦争する国づくり」への到達を示す恐るべき内容となっています。

これらは米国のインド太平洋戦略の一環に組み込まれたものであり、イラク戦争などへの対応とは異なり、米軍指揮下に日本が「敵国」に先制攻撃を行い、戦端を開く可能性を多分に有しています。日本列島に自ら「戦火をよびこむ」危険極まりない愚挙、暴挙、亡国への舵取りであり断じで許すことはできません。しかもこのような戦後政治の最大の政策転換ともいうべき重要事項が与党合意と閣議決定のみでの強行は断じて許されません。

自公政権は、「反撃能力」(「敵基地攻撃能力」)の体制を保持するために「防衛力を抜本的に強化」するとして軍事費を今後5年間に2倍に増額させ、GDP比2%(11兆円規模)にまで引き上げることを指示しました。

軍備の増強とは裏腹に20年間「賃金の上がらない国」にしておいて、コロナ禍、円安による急速な物価高騰下、今や市民生活は崩壊しつつあります。この上に軍事費倍増を実施すればどうなるか、増税に跳ね返り暮らしは破壊されます。今、「抜本的に強化」が必要なのは軍備増強ではなく民力涵養への財政出動です。

軍事費の倍増が実施されれば、日本は米国、中国に次ぐ世界第三位の軍事大国となります。

自国の軍備増強は他国の軍備増強となり、際限のない軍拡競争を招き「安全保障のジレンマ」に陥り、一握りの軍需資本家を富ませるだけの不毛の競争をエスカレートさせ、国民が犠牲者となることは第一次世界大戦以来の歴史が幾度も証明しています。

今回も「日本の安全を守るため」と説明していますが、それ自体がペテンであることを私たちは透察しなければなりません。軍拡も戦争も「平和」を装って始まります。先の戦争も「東洋平和のために」「自存自衛」のためと称して開始し、2,000万人以上の東アジアの人々の命を奪い日本国民も310万人が犠牲となりました。平和が軍拡や戦争で守られたことはありません。平和は、平和でしか守れないという事を訴えたいと思います。

 敗戦の絶望と慟哭から日本を救い羅針盤となったのは日本国憲法です。今こそ諸国民の公正と信義に信頼して、軍事力ではなく外交力・対話力を強めることが最も賢明な選択であり、日本と世界の最大の安全保障となることを確信し、暮らしと平和を破壊する「戦争国家づくり」に断固反対します。

(声明以上)

高知市内の公園にある「日中不再戦の碑」。

添石にはこうある。
「日本は日清戦争以来、中国に対し侵略行為を続け、特に1931年の『満州事変』以後、15年間に及ぶ戦争は人道をおかす三光作戦などによって1千万余の中国人民を殺傷した。この碑は日中国交回復20周年にあたり侵略戦争に対する反省の証として、またゆるぎない友好と平和の礎とするため建立された。」


Peace Diplomacy Now, Not Gigantic Military Expansion!

We are firmly opposed to the creation of a "war state" that destroys our lives and peace!

Peace Museum "Grassroots House"

December 12, 2021

(A Deepl translation with modifications)


The draft outlines of the three security documents, including the "National Security Strategy," which the government plans to revise this week, have been revealed. The document includes a list of items such as the specification of an "enemy base attack capability" and the introduction of missiles capable of preemptive strikes, which are the very image of a "military state" that has fundamentally overturned the postwar state based on the principle of perpetual pacifism and a 180-degree shift from the "exclusive defense" that has been the basis of national security. It is a horrifying manifestation of the "war-making nation" that has been promoted since the Abe administration, including the approval of the exercise of the right of collective self-defense, the Security Law, and the establishment of the Defense Equipment Agency.

These are part of the U.S. Indo-Pacific strategy, and unlike the response to the Iraq War, etc., there is a strong possibility that Japan, under the command of the U.S. military, will launch a preemptive attack on an "enemy nation" and open the front lines of war. This is an extremely dangerous and foolish act of inviting the flames of war into the Japanese archipelago, an outrageous act, and an attempt to steer Japan toward collapse, and it is unforgivable. Furthermore, it is absolutely unforgivable that such an important matter, which should be regarded as the biggest policy shift in postwar politics, should be forced through only a ruling party agreement and a cabinet decision.

The LDP/Komeito government has ordered a doubling of military spending over the next five years to 2% of GDP (on the order of 11 trillion yen) in order to "fundamentally strengthen defense capabilities" in order to maintain a system of "counterattack capability" (i.e., "enemy base attack capability").

Despite the military buildup, in the country where wages have not risen for 20 years, civilian life is now collapsing under the rapid rise in prices due to the Corona disaster and the weaker yen. If military spending is doubled on top of this, tax hikes will rebound to destroy people's livelihoods. What is needed now is not a military buildup but a mobilization of public finances to cultivate civilian power.

If the doubling of military spending is implemented, Japan will become the world's third largest military power after the U.S. and China.

The history of Japan since World War I has proven time and again that the military buildup of one country leads to the military buildup of other countries, which in turn leads to an endless arms race, a "security dilemma," escalating a sterile competition that only enriches a handful of military capitalists, and common people become the victims.

This time, too, the government explains that it is "to protect Japan's security," but we must see through this deception. Both military expansion and wars start under the guise of "peace. The last war was started under the guise of "peace in the East" and "self-defense," and it killed more than 20 million people in East Asian neighbour countries and 3.1 million in Japan too. Peace has never been protected by military expansion or war. We emphasize that peace can only be protected by peace.

 It is the Constitution of Japan that saved Japan from the despair and lamentation of defeat and served as a compass. We are convinced that the wisest choice now is to trust in the fairness and faith of the people of the world and to strengthen, not military power, but diplomatic and dialogue power, which will be the greatest security for Japan and the world, and we firmly oppose the creation of a "war state" that destroys our lives and peace.

1 comment:

  1. 落合栄一郎9:52 pm

    現在のウクライナ情勢が、ウクライナがロシア内部を攻撃し始め、より危険な情勢になってきつつあります。これは、US/UK(NATO·EU)->ウクライナ->ロシアという構図で、西側(米英)がロシアを制覇するためにウクライナを使用している。そしてロシア国内への攻撃を仕掛けることによって、USがロシアを大規模な戦争へ誘い込もうとしている。アジア側では、US(UK)->日本->中国(+DPRK)という構図で、日本は、ウクライナ同様 な役割をアメリカに課せられるであろう。その準備は、沖縄諸島での攻撃基地の建設から、現在では、アメリカにどっぷり浸かっている岸田政権が提唱する敵基地攻撃を含む軍備拡張(2%達成)など、とんでもないことをやろうとしている。

     日本国民が今やるべきことは、政府は軍備拡張などに無駄な金を注ぐのではなく、庶民の抱えている経済・保健問題・社会保障・老齢化問題などに真剣に対処すべき、そして、軍事的な国際紛争の解決はあり得ないのだから、憲法9条の精神を再び日本の外交の基礎にするように、声を大きく上げることである。これから半年のうちに、国民の3分の1ぐらいが結束して声を上げなければならない。

     その上、現在の岸田政権がやろうとしている原発の再活用には、同様国民多数が反対の声を上げなければならない。原発は元々、使用期限は40年となっていた。それを延長して、60年にしようとしている。皆さん、40年オールドの自動車に乗ってみたいですか。自動車ですら、40年も経ったら、あちこちが傷んでいるはずで、なかなか乗ってみようとはしないでしょう。自動車の場合は、まあそれでも時々修理することは可能ですが、原発の主要部分(炉)は、放射線により脆弱化し、それを途中で修理などはできない。その上、多数ある配管、バルブなどなど40年も経てば、故障だらけになる。そんなものを、延長して使うとどうなるか。事故の可能性がどんどん増えていく。こんな危険な原発を活用するのではなく、なるべく早く廃炉にし、危険性の少ない状態にまで持っていくことが、絶対に必要なのです。皆さん声を上げてください。

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