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Friday, April 21, 2023

ケイトリン・ジョンストンから4つの報告:1)フェイスブックの検閲行為 2)兵器産業が出資するシンクタンクが煽る台湾武装 3)NYT「報道」でのロバート・F・ケネディJr への露骨な中傷 4)ツイッターが「国営メディア」「政府系メディア」ラベル削除 Caitlin Johnstone:Today In Empire: War Machine-Funded War Games, Facebook Censors Hersh, And More (Japanese Translation)  

 ツイッターで23万人以上のフォロアーがいる、オーストラリアのジャーナリスト、ケイトリン・ジョンストン氏の最新の投稿に、最近の「帝国」(軍産複合体をバックとした米国および西側エスタブリッシュメント)による、民主主義や報道の公正などかなぐり捨てた行動がまとまっているので翻訳をお届けします。ジョンストン氏は独特の皮肉を混ぜながら書く人で、それが彼女の記事を読む醍醐味でもあります。「軍産複合体がスポンサーしているシンクタンクが戦争シミュレーションをやってみたら、驚くことにもっと武器が必要だという結果が出た!」とか。この暗い時代、笑いはひとときの救いをもたらしてくれます。彼女が強調しているのは、メディアが、軍需産業から資金を得ているシンクタンクを公平な評論家であるかのごとく引用し続けるジャーナリズムの大罪です。米国のメインストリームメディアのオウム返ししかしていない日本のメディアも同様ですね。きょうの4つのポイントのうち最後の1つは少しいいニュースです。イーロン・マスク氏が買収する前のツイッターは露骨に、米国・西側連合が敵視する国の国営メディアのみを「政府系メディア」とラベルをはって信憑性を薄めるような工作を大っぴらにやっていました。マスク氏はそれを変更して西側メディアにも「国営メディア」というラベルを貼りましたがそれが議論を呼び公平を期すためにすべてのラベルを削除したということでしょう。これは正しい判断です。それに比べフェイスブックの露骨な検閲行為は「恥を知れ!」と言いたくなりますね。(注:翻訳はアップ後修正することがあります。また埋め込みツイートの翻訳はつけませんのでツイッターの自動翻訳機能で読んでください。ジョンストン氏は自分の著作は誰にでも無許可で転載を許可すると言っているのでこの翻訳も転載可能です。)

Today In Empire: War Machine-Funded War Games, Facebook Censors Hersh, And More

きょうの帝国ニュース:軍需産業から資金を得た戦争ごっこ/フェースブックがシーモア・ハーシュを検閲 など

ケイトリン・ジョンストン

元記事リンクは

https://caitlinjohnstone.com/2023/04/21/today-in-empire-war-machine-funded-war-games-facebook-censors-hersh-and-more/



帝国の日常ではいろいろなことが起きているので、それをまとめるために、また複数のストーリーをまとめて記事を書いている。今日は4つのストーリーを取り上げる:

  1. フェイスブックがシーモア・ハーシュの複数の記事を検閲している。
  2. 兵器産業が出資するシンクタンクが、台湾にはもっと多くの兵器が必要だと議会が発見するのを手助けしている。
  3. ニューヨーク・タイムズはロバート・F・ケネディ Jr.のことを本当に、本当に嫌っている。
  4. ツイッターが「国営メディア」「政府系メディア」のラベルを削除した。

1. Facebookはシーモア・ハーシュの複数の記事を検閲している。

 Facebookは、昨年9月のノルド・ストリーム・パイプライン爆破事件の背後に、ノルウェーと連携した米国政府の存在があったとするジャーナリスト、シーモア・ハーシュによるSubstack記事の検閲を開始した。

この検閲は、著述家のマイケル・シェレンバーガーがTwitterで最初に指摘したもので、この記事を書いている36時間後の時点でも行われている。ハーシュの記事をFacebookで共有しようとすると、URLを貼り付けた途端、このように警告する通知が届く。「このコンテンツを共有する前に、Faktiskからの追加レポートがあることを知っておいたほうがいいかもしれません。偽ニュースを繰り返し公開・共有するページやウェブサイトは、全体的な配信数が減少し、他の方法で制限されることになります。」また、ノルウェーのマスメディアやノルウェーの国営放送NRKと協力して制作されたノルウェーの「ファクトチェック」サイトFaktisk.noによる1ヶ月前の記事へのリンクも掲載されている。


その後、Facebookは「キャンセル」または「とにかく共有」を選択するよう指示する。後者を選ぶと、Facebookは、過激なグロ画像やハードコアポルノの画像と同じように共有部分をピクセル化して記事を検閲し、その上に「偽の情報です。独立したファクトチェッカーによってチェックされています。」という巨大な警告ラベルを貼り付けてくる。Facebookは、ノルウェー政府の極めて悪質な犯罪の疑惑を明らかにする記事について、ノルウェー国営メディアと連携して運営する「ファクトチェック」会社が、何をもって「独立」しているとみなされるのか、説明していない。



2つ目の警告をクリックすると、ようやくハーシュ氏の記事にたどり着くことができる。記事が見えないようにされている「理由を見る」というオプションをクリックすると、Faktisk.noの記事「Flere feil om norsk innblanding i Nord Stream-sabotasjen」(「ノルドストリーム破壊工作におけるノルウェーの干渉に関するさらなる間違い」、副題「受賞歴のあるジャーナリスト、シーモア・ハーシュはノルドストリーム爆発の背後にいるのはノルウェーだと非難しています。しかし、彼の記事にはいくつかの誤りがある。」自動翻訳)。

この記事は、2月以降に議論が広がっているハーシュの主張について異議を唱えているが、その異議の多くも議論を呼んでいる。しかし、ハーシュの主張が妥当かどうかは別として、彼の報道は紛れもなくノルドストリーム破壊工作に関する議論の一部であり、それ自体ニュース価値がある。世界最大のソーシャルメディアプラットフォームであるフェイスブックが、直接にニュース配信に干渉しているのだ。

フェイスブックは、今月初めに発表されたハーシュの別の記事も検閲している。ウクライナ政府が、ロシアからディーゼル燃料を違法購入するために、米国の納税者から少なくとも4億ドルを奪っており、CIAはこのことを知っているとの疑惑について書いた記事だ。この記事のURLをFacebookの共有ボックスに貼り付けると、ノルドストリームの記事と同じような警告が表示されるが、この記事には帝国が出資するウクライナの情報提供サイト「ストップフェイクStopFake」による記事へのリンクが含まれている。


ミントプレス・ニュースのアラン・マクロードが昨年報告したように、「ストップフェイク」はCIAから派生した「全米民主基金National Endowment for Democracy」と、帝国に資金提供を受けるNATOシンクタンク「アトランティック・カウンシルThe Atlantic Council」、さらに英国政府とチェコ共和国から資金提供を受けている。この極めて明白な利益相反にもかかわらず、フェイスブックはハーシュのウクライナ記事を検閲する際の警告で、「ストップフェイク」を「独立したファクトチェッカー」と呼ぶ厚かましさを持っている。その中では、「独立したファクトチェッカーは、この情報に根拠はないと言っている 」とまで書いている。



ハーシュのウクライナについての記事も、ノルドストリーム記事と同じようにピクセル化されている:




ストップフェイク」の記事は、赤い大文字で「FAKE」と書かれた典型的なウクライナの不器用な情報戦のスタイルで書かれ、政府の主張と独特の強引な口調以外に何も引用しておらず、「独立したファクトチェック機関」とは到底思えない。

「ストップフェイク」は、著名なジャーナリストであるシーモア・ハーシュの記事を「個人ブログ」と切り捨て、「米国アメリカの監査役とホワイトハウスは、ロシアによるウクライナへの全面戦争が1年以上続いた後、欧米の武器や物資支援の使用においてウクライナの違反が認められなかったと繰り返し強調している 」と伝えている。

そうか、そうか。

2.兵器産業が出資するシンクタンクが、「台湾がもっと多くの兵器を必要としている」ことを議会に発見させる。

 米国下院の中国共産党特別委員会は、中国による台湾への攻撃をシミュレートした戦争ゲームで将軍たちの役割を演じてみることにした。この戦争ゲームは、シンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」が推進したもので、そのトップ出資者には、戦争産業大手のノースロップグラマン、ロッキードマーチン、レイセオン、ボーイング、米国防総省、事実上の台湾大使館が含まれている。

しかし、兵器産業が出資するシンクタンクが行った戦争ゲームによると、驚くことに、台湾にはもっと多くの兵器が必要であることが明らかになった!

「中国共産党が台湾に侵攻する危険性が最大となる時期に差し掛かっている。昨日の戦争ゲームでは、中国共産党の侵略を抑止するための行動を起こし、危機が始まる前に台湾を徹底的に武装する必要性が強調された」と、特別委員会の極限のタカ派マイク・ギャラガー委員長は声明で述べている

もうひとつ、あまりのショックと驚きをもたらすであろうから座って聞いたほうがいいことがある。新米国安全保障センターがこの戦争ゲームを行うことについての巨大な利益相反について報道も政治も全く問題視していないことだ!ロイター通信、「ザ・ヒル」、「ナショナル・レビュー」の記事は、この戦争ゲームの重大な発見を不吉な形で読者に知らせているが、シンクタンクの資金提供者についてはまったく触れておらず、あたかもこのシンクタンクが公平な外交政策の専門家であり、戦争利益産業の間接的雇われ者ではないかのような印象を与えている。

私が読者に繰り返し言っているように、これはジャーナリズムの不正行為である。この問題における彼らの明らかな利益相反を読者に知らせることなく、さらなる戦争と軍国主義を推進する戦争マシンの資金源であるシンクタンクに言及することは、決して正当なことではない。

 Center for a New American Securityは、今日の情報エコシステムで糸を引く最も厄介なシンクタンクの一つである。昨年、CNASがMSNBCで奇妙な「戦争ゲーム」を開催したときに述べたように、この団体はバイデン政権と広範囲に渡って重なり合い、アメリカのリベラル派に中国との戦争を売り込む上で重要な役割を担ってきた。

今世界で起きている最も非常識なことの1つは、政治家やメディアクラス全体が、重要な外交政策の決定を推進したり策定したりする際に、この極端な利益相反を国民に開示することなく、戦争マシンから資金を得たシンクタンクを日常的に引用していることだ。未来の世代が(もし未来の世代があるのだとしたら)今を振り返ったら、戦争や軍備についての国の政策に、戦争や軍備から儲けている人間たちが直接影響を与えることを許しだ時代だったということを信じられないのではないだろうか。これはあらゆる邪悪な行為の中でも突出している。

3.ニューヨークタイムズは、本当に、本当に、RFK Jr.を嫌っている。

 ニューヨーク・タイムズ紙の「ニュース」欄に、「オピニオン」でも何でもなく、ロバート・F・ケネディ・ジュニアの民主党大統領予備選挙への出馬について、顎が外れるほど激しく中傷する記事が掲載された。

この記事の著者であるトリップ・ガブリエルは、ケネディが「アメリカ人の科学への信頼を揺るがす」ことに基づいて大統領選挙を行うことを発表したと、いきなり言い放った。繰り返しになるが、これはニューヨーク・タイムズ紙が掲載したハード・ニュース(訳者注:意見記事ではなく報道記事)であることを強調しておきたい。

ガブリエルは、ケネディの選挙演説を「とりとめのない」ものと表現し、彼を「フリンジ(泡沫)」大統領候補と呼び、ケネディが自分への注目を集めるために立候補しているにすぎないかの如くの書き方をしている。彼は、ケネディの選挙運動が、この有名な民主党一族(注:ケネディー家のこと)のメンバーを「驚愕」させているとわざわざ言い、テッド・ケネディの元側近に取材し、RFK Jrの大統領選出馬は「彼の叔父テッド・ケネディがこれまでやってきたことに反している」と語っているのを引用しています。

私はアメリカの大統領候補の誰も支持するつもりはないし、2025年1月に宣誓する人が誰であれ、他の人たちと同じように腐敗した殺人的な沼の怪物になることは火を見るよりも明らかだ。しかしケネディのような候補が、プロパガンダマシンを過剰に拡張させ、その極悪さを国民に知らしめるに役立つことがあるだろうと予想している。明らかなスピン記事をハードニュースとして扱うことは、図々しいジャーナリズムの不正行為であり、ニューヨークタイムズがマスゴミであることを示す証拠の山に、もう1つの項目を追加することになる。

4.Twitterが「国営メディア」「政府系メディア」のラベルを取りやめる。

 少し明るいなニュースもある。ツイッター社が、あらゆる国籍のアカウントから「政府系メディア」と「国営メディア」のラベルをすべて取り除くという、予告なしの措置を取った。「国営メディア」のラベルは、RTやPress TVなどのアカウントや、それらの国営メディアとの関係からこのラベルを貼られていた個人から削除され、同時に「政府系」のラベルはNPR、PBS、CBCなどの媒体から削除されました。

これが永続的な措置であるなら、客観的に見ても良いことです。これらのラベルの使用は、常に米国とその同盟国に有利になる露骨なプロパガンダと猥雑な偏向だったのであり、そもそも起こってはならないことだったのです。人々が西側の宣伝機関を信頼し、ロシアや中国の宣伝機関を不信に思うようにするのはツイッター社の役割ではない。そういう役割を演じるとしたらそれは宣伝者の役割であって、自由なコミュニケーションのための公平なプラットフォームではない。

私はイーロン・マスクのツイッター買収に批判的で、彼の所有下にあるツイッターが以前の所有者に比べて著しく改善されたという主張には概して否定的だ。しかし、これが本当なら、私は恥ずかしい誤りを認めないといけない!もし、彼の言論の自由がヘイトスピーチ規制の緩和だけにとどまらず、国際的に重要な問題に関してより平等な情報エコシステムを構築するのであれば、私は確実に間違っていたことになり、プラットフォームは彼の管理下でより良い方向に向かうということになる。

(翻訳以上)

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