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Tuesday, September 24, 2024

深センの日本人学校生徒殺害事件:被害に遭ったのは日本人でもあり中国人でもある「沈」さんという男の子 The victim of the murder of a Japanese school student in Shenzhen is half-Japanese and half-Chinese whose family name is reported as 沈 (Shen)

昨日からきょうにかけてXに投稿したことを一部修正して記す。

深センで殺害された中国人と日本人のミックスの男の子の父親によるものということで拡散されている手紙

Facebook でも王景賢さんが翻訳をシェアしている。

これについてだが、さきほど、中国出身で米国で大学教員をしている友人にこの手紙について聞いてみた。その友人によると、香港のフェニックスニュースをはじめとする報道各社が報道し、中国では広く拡散されたが、その後多くの媒体は削除したようだ。その背景には、この記事を受けて中国市民の、この犯罪と、極端なナショナリスト思想を持つ者たちへの怒りが爆発したことが背景にあったようだ。

圧倒的多数の中国市民はこの犯罪に怒り、悲しみ、遺族への追悼の気持ちと日中友好への思いを表明している。事件現場を訪れ花をたむける人が絶えない。フェニックスニュースの報道を友人がシェアした証として、スクリーンショットをここに置く。


「3天前」とあるが、それは友人がこの報道をシェアした9月20日、3日前のことだ(北米時間)。見出しは「深センで殺害された10歳日本人男児の父親「航平は日本人であり中国人でもある」と投稿ーフェニックスニュース」

星島網のニュースは今でも読むことができる。

Sintao Daily 星島網のニュースの見出しは「深センで日本人児童襲撃|亡くなった児童の日本人の父親が、中国を憎んでいるわけではなく、悲劇が二度と起こらないことを願っていると手紙で述べたとネットで報じられている。」である。

亡くなった子は父親が日本人で母親が中国人のようだが、もしこれが逆で、父親が中国人で母親が日本人だったり、中国名を名乗っていたりしてたら日本の政府メディアやナショナリストたちのリアクションはまったく異なっていたであろう。この事件への反応はジェンダー問題、家父長制問題でもある。

中国人でもあり日本人でもあるミックスの子を「日本人が殺された!」と大騒ぎするのは、逆にこの子の半分である中国人アイデンティティを完全に無視していることになり、「中国人なら殺されても無視していい」って言ってるのと同じですよ。命の選別とも言っていい。このことを受けて、複数のアイデンティティを持つ子たちがどれだけ動揺して、大人への信頼を失っているかと思う。

もし日本で、日本人と米国人を親にもつ子が日本人に殺されて、米国政府、メディア、民衆までもがいっせいに「米国人が殺された!日本はこわい!日本はけしからん!反米教育のせいだ!」みたいに騒がれたらみなさん、「被害者は日本人でもあるのに」って思いません?ふつうだったら殺された子の属性を取り上げて大騒ぎするのではなく、許されない犯罪として、死者を悼み、その国の法律で裁くのを見守るのが当然なのに、今回の大騒ぎはやっぱり日本人(政府、メディア、民衆)に蔓延している中国敵視がベースにあるとしか思えないです。

中国で、日本による中国侵略戦争の歴史を教えることが「反日教育」とか言う人たちは、米国による広島・長崎の原爆投下や全国の都市空襲を記憶し教えることを「反米教育」だと思っているのでしょうか。自国中心主義的なダブルスタンダードはやめよう。
と書いた後に、「中国の公式通報記録では、被害男児の苗字が沈です。」とのリプをもらった。たしかにこの星島の報道にもそうある。

父親の手紙であるとされる文書には「小山純平」という名が記されている。これが本当なら、日本人の「小山」さんを父に、中国人を母に持つ子どもの姓が「沈」さんだということになる。日本は結婚したもの同士に同じ姓を強制的に使わせる国だが、中国はそうではなく、それでも子どもの姓は父親の姓に合わせることが多いようだがが、母親の姓のときもある。また、ミックスの子どもたちは、ときと場合に応じて父の姓と母の姓を使い分けたり、セットで使ったりすることもある。だからこれは十分有り得ることだ。

先日Xでも書いたが、複数の国籍の間に生まれた子の「国籍」をどうするのかというのは国の規定やその家族の事情などいろいろなことを鑑みた上でその家族が決める個人的な選択だ。ある子が日本国籍を持っているからといってその子のアイデンティティが「日本人」でそれ以外ではないということではない。この子は中国人でもあり日本人でもある子だ。いずれにせよ、ある人が殺されたときその国籍の如何で政治的な意味づけをするのは間違っている。殺人事件は許されないことであり、その地の法律で裁くことだ。

いまわかっている情報では、被害に遭ったのは日本人でもあり中国人でもある「沈」さんという男の子であるということだ。

しかし上の「花」アカウントさんが言うように、日本政府やメディアは、「沈」さんという名前であると報じられていることも無視している。この子が中国人でもあり日本人でもあるというダブルのアイデンティティを持つこともほとんど語らない。なんとしても「日本人がやられた!」というナラティブに固執したいのであろう。

日本市民は政府やメディアのナラティブに惑わされず、この事件の被害者を中国の市民と共に悼み、被害者と遺族の痛みに心を寄せるという当たり前のことをしてほしいと思う。@PeacePhilosophy  


 

Tuesday, September 17, 2024

Webinar on October 4 (October 5 in Japan): Cover-up? Sexual Assaults Continue in Militarized Okinawa 10月5日(日本時間)英語ウェビナー:隠蔽か?止まらない沖縄の米軍性犯罪 

REGISTER NOW at this link: 登録リンクはこちらです!

https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_LyCB7l6ZQ3yp2rBNR03XpA



    In March of this year, a man stationed at Kadena Airbase in Okinawa was indicted for the kidnapping and sexual assault in December 2023 of a girl under 16. Only when it was reported in the local media on June 25 did the Japanese government in Tokyo inform the Okinawa Prefectural Government of the indictment. It was also revealed that a Marine was charged with attempting to sexually assault a woman in May. The delayed reporting of these cases is widely viewed in Okinawa as a Japanese government cover-up.


     Sexual assaults have plagued Okinawa ever since U.S. forces first arrived there in 1945. According to Okinawa Women Act against Military Violence (2023), there have been 655 rapes, attempted rapes, and attempted kidnappings. These figures are just the tip of the iceberg; sexual violence is always under-reported. With U.S. and Japanese courts hardly delivering any justice for the victims, whose families and communities are hosting the bases purportedly for the protection of people throughout Japan, these assaults have sparked some of the largest demonstrations and sustained grassroots action against U.S. bases. In the aftermath of the 1945 battle, American soldiers kidnapped women and girls from refugee camps and raped them. A five-year-old was raped and murdered in 1955. In recent decades Okinawans have organized huge anti-base rallies, such as after the gang rape of a 12-year-old girl in 1995, and after the rape and murder of a 20-year-old woman in 2016.


   Okinawa reverted from twenty-seven years of U.S. military occupation to Japanese administration in 1972, but the bases still occupy large areas of land, with U.S. forces numbering some 26,000. Okinawans are burdened with 70% of the total U.S. military presence in Japan. Yet their island chain accounts for only 0.6% of the nation's total land area and about one percent of Japan’s population. In addition to sexual assaults, the bases bring noise from military airfields that interrupt classes in schools and disturb the sleep of local residents. Leakage of PFAS "forever" chemicals poison the drinking water. Aircraft crashes and drunk-driving kill local residents.


We, the Okinawa Interest Group, invite you to join us on the 4th of October (the 5th in Japan) with two featured guest speakers, Suzuyo Takazato and Alexis Dudden.


Suzuyo Takazato, Co-chair of Okinawa Women Act against Military Violence and a former member of the Naha city council, helped establish a rape crisis center for the victims of military sexual violence and has worked for peace by resisting the militarization of Okinawa.


Alexis Dudden, Professor of History at the University of Connecticut and Visiting Professor of Japanese Studies at the National University of Singapore, helped organize a 2015 letter signed by a group of American academics condemning Japan’s denial of the history of its military sex slavery. A recent piece of hers, “Okinawans must not be overlooked in new US–Japan counter-crime forum”, has been published in the East Asia Forum.


Steve Rabson, a member of the Okinawa Interest Group and professor emeritus of Brown University will comment on the guest speakers’ talks.


As with our previous “open press conference,” we will set aside time for participants to ask questions to our two speakers. Let’s gather online to study and benefit from the insightful analysis of two leading feminists on topics such as the patriarchal values that run deep in the military community of the U.S. bases in Okinawa.


Contact: okinawastatement2024@gmail.com


Sunday, September 08, 2024

神奈川新聞にとりあげられました Kanagawa Shimbun reported "Nikkei Diaspora Statement on Japan’s Denial of the Great Kanto Earthquake Korean & Chinese Massacre of 1923"

 「1923年の関東大震災後の朝鮮人・中国人大虐殺に関する国家責任を否認する日本政府に対する日系ディアスポラ市民団体による共同声明 Nikkei Diaspora Statement on Japan’s Denial of the Great Kanto Earthquake Korean & Chinese Massacre of 1923」が、神奈川新聞に取り上げられました。

「関東大震災時の虐殺否定は卑劣」北米の日系人グループが日本政府を非難

https://www.kanaloco.jp/news/social/article-1106835.html

関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺を巡り、米国やカナダで平和教育活動を行う「ピース・フィロソフィー・センター」など複数の日系人グループは1日、歴史を否定する姿勢をとる日本政府を「卑劣」と非難し、普遍的人権の擁護を尊重し、支持するよう求める声明を出した。

 声明では、歴史学者らは大震災時の虐殺について「ジェノサイド(民族大量虐殺)として国家が責任を負わねばならない国際的犯罪だと主張してきた」と指摘。十分な証拠や生存者の証言があるにもかかわらず日本政府が「率先して歴史を否定」していることは、「帝国主義的価値観と野望の再起を示唆する卑劣な姿勢」と非難した。

 また、人種差別主義者が、差別対象の集団について「国や社会にとって危険」などと思い込むような偏見は、「大量虐殺を可能にする」と懸念。その上で、加害者や子孫がこれらの「負の遺産」を継承しないよう「国家は歴史を認め、国家責任をとり、過去の過ちを精算すべき」と強調し、人権侵害の被害者に対する国際法の基準である、公式謝罪や真相解明、被害者や遺族への賠償などを求めた。