「野田オバマ会談報道はおかしい」の投稿に呼応するかのように、琉球新報が、大統領の「結果を求める」発言に対して野田首相が「首をかしげ」て否定した、という報道を出した。これは今のところ琉球新報とTV朝日の報道しか見つけていない。毎日は琉球新報の記事をオンライン版で転載している。私から言わせれば「結果」だろうが「進展」だろうが大差はない。要するに、オバマ氏は、野田氏に対して、日米合意を進めろとか、辺野古に基地を作れなどとは一切言っていないということである。「解決を迫った」とか「詰め寄った」とか報道したメディアは赤っ恥ではないか。記者たちは同盟寄りの官僚の発表をそのまんま横並びで報道をするのではなく、自分の足を使って取材し、自分の頭を使って報道してください。上層部もそういう記者を育て、抑圧しないでください。@PeacePhilosophy
琉球新報報道
日米首脳会談:「普天間移設」大統領発言、疑義が浮上 首をかしげる首相テレビ朝日報道
【東京】日米首脳会談で米軍普天間飛行場移設問題について、オバマ米大統領が野田佳彦首相に対し「結果を求める時期に近づいている」と発言したとされる件で、発言の事実に疑いが浮上している。野田首相は首脳会談後の記者団との懇談で発言について問われ、首をかしげて「進展を『期待する』という話はあった」と説明した。オバマ大統領の「結果を求める時期」については、米国務省のキャンベル次官補が記者団に説明していた。野田首相の認識と食い違っていることが明らかになった。
21日(日本時間22日)、首脳会談には野田、オバマ両首脳の他、玄葉光一郎外相、クリントン国務長官が参加。外務省や国務省職員ら両国事務方も同席した。会談終了後、キャンベル次官補が報道陣に、会談内容について「われわれは結果を求める時期に近づいている。それは大統領からも明確にあった」と解説した。
それを受け、日本メディアは「(オバマ大統領は)具体的な進展が得られるよう日本側の努力を強く要求した」と報道。この「結果要求」の背景としては、「普天間移設とセットである在沖米海兵隊のグアム移転の実現性にも(米議会から)厳しい視線が注がれ、現行計画が空中分解しかねない現状への米側のいら立ちを映し出した」とした。
関係者によると、野田首相は記者団に「オバマ大統領との会談で結果を求められたのか」と問われ、首をかしげた。首相は普天間問題のやりとりについて「こちらから沖縄の負担軽減を図りながら、誠心誠意説明していくという話をした。(大統領から)進展を期待しているという話はあった」と述べたという。
「普天間で結果出す時」オバマ発言を総理が否定
野田総理大臣はニューヨークで同行記者団と懇談し、首脳会談でオバマ大統領が、普天間問題に「結果を出す時がきている」と強く迫ったとされることを否定しました。
野田総理はアメリカ側の圧力を否定し、オバマ大統領とは信頼関係が築けるとアピールしました。野田総理は、オバマ大統領からは「進展を期待している」と言われただけだと強調しました。この背景には、外交デビュー戦から軋轢(あつれき)を生みたくない心情が透けて見えます。そのうえで、野田総理は沖縄に丁寧に説明して理解を求めていくと決意を語りました。政府関係者によりますと、オバマ大統領は会談後、「野田総理とは一緒に仕事ができる」と周辺に述べたということで、普天間問題を進展させるためにも良好な関係をアピールしています。また、野田総理は、第3次補正予算案について「事前に野党の合意を得て進めたい」と述べ、野党の考えを最大限に取り入れる考えを示しました。野田総理は解散・総選挙の時期については「今はやる状況ではない」と否定し、震災復興や普天間問題などに腰を据えて取り組む姿勢を強調しています。参考: 普天間問題、日米関係関連「報道への疑問」過去投稿リスト
9月27日追加分
衆院予算委で野田首相 米大統領の「結果求める時期」発言を否定
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-182108-storytopic-53.html
【東京】日米首脳会談で米軍普天間飛行場移設問題について、オバマ米大統領が野田佳彦首相に対し「結果を求める時期に近づいている」と発言したとされる件で、野田佳彦首相が26日の衆院予算委員会で発言の事実を否定した。野田首相は「大統領本人というよりも、ブリーフ(説明)をした方の個人的な思いの中で出たのではないか」と述べた。石原伸晃議員(自民)に答えた。【琉球新報電子版】
野田‐オバマ会談の報道についての詳細で鋭い分析、大変興味深く拝読しました。
ReplyDelete私自身、かねがね、米国の報道官などが国内向けに言う、その場しのぎや苦し紛れの言い逃れ、言い訳と聞こえるものでも、日本のメデイアが針小棒大にとりあげて、あたかもそれが米政府の公式立場表明であるかのように大騒ぎするのにいらだちを感じていました。そのたびに、米国駐在の日本の記者は、(1)米国政府の仕組みや働きがわかっていないのか、(2)あるコトバや表現を、それらが使われた政治的背景や発言の文脈をとらえて解釈する訓練をしていないのか、といぶかっていました。
そして、報道官のような、真実や本音を隠したりごまかしたりするのが仕事の人物がポロリとこぼした一言に飛びついて、「アメリカは怒っている!」「アメリカの言うとおりにしないと日米関係は危機に。。」というような報道を見るにつけ、植民地根性丸出しというか、対米従属の証し、と感じてきました。
ところが、今回のPeace Philosophy Centre様の分析を読んで、ことはそんな単純ではないとわかってきました。今回わかってきたのは、日本の報道機関が、自らの描く筋書きに都合のいい言葉や表現を外国の政治家や官僚の発言から切り取ってきて、その筋書きに合うように「事実」をアレンジして記事をつくりあげる、ということです。
そう見えてくると、冒頭に書いたような、日本の報道機関の救いがたい無能さ、レベルの低さ、と思えたものも、違う解釈が必要になってきます。
そして、確かに対米従属しているけれども、その枠組みの中で、日本の支配層が自らの利害を追求しているという構図もよく見えてきます。(原発導入の際の日米間のダイナミックスにも同じ構図があったのでしょう。)
長くなりましたが、このようなことを気づかせてくれた、野田‐オバマ会談報道の分析に感謝いたします。ありがとうございました。