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(追記:10月4日、太平洋時間18時22分に一部修正しました。)
『週刊金曜日』9月6日号 |
それだけに、一つだけ、この特集の趣旨とは正反対の方向性を向いているとしか思えない東郷和彦氏のインタビューには驚きました。さらにその中には、重大な事実誤認と思われる記述もありました。そこで私は発売とほぼ同時、9月7日には週刊金曜日の投書フォームで投書しました。当初、約一千字の「論争」コーナー向けの長さで出しましたが、ずっと返答はなく、先週やっと、「論争」ではなく「投書」の一つとして掲載してもらえるとのしらせが来ました。そして10月4日号、ほぼ一か月たった末にやっと投書として載せてもらえました。投書欄の一番最後、目立たないところ(58-59ページ)ですが、みなさん、探してみてください。
批判対象の東郷氏インタビュー記事は、転載許可がないのでここにそのまま載せられませんが、9月6日号の24-25頁、「京都産業大学教授 世界問題研究所所長 東郷和彦さんインタビュー 理想の新時代を表す新協定の提案があれば真摯に話し合うべき」です。24頁の下段に、6月19日に韓国政府が「日韓の企業が自発的に基金をつくって勝訴が確定した原告に賠償相当額を払う」との提案について、「65年協定の違法性を根拠とする提案」と書かれています。これを見て驚きました。そのような事実はないはずです。
東郷さんは本当にこのように言ったのでしょうか。韓国は、8月22日のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄決定に際し「再度強調しますが、韓国政府は、1965年の請求権協定を否定したことはありません」と言っています。
私は投書で、こう言っています。
東郷氏には、韓国政府が「65年協定の違法性を根拠」として基金案を出したということが事実であるという証拠を出していただきたい。それができなければこれは重大な事実誤認であり、訂正を求めます。
この「徴用工問題」についてはこのブログで先日批判した、橋爪大三郎氏の間違いだらけの記事のように、誤った情報や偏見だらけの論評が日本メディアに蔓延しています。そんな中、『週刊金曜日』はこの「歴史と日韓」特集の他の記事のように、歴史に忠実で被害者の立場に立った記事を出せる貴重な媒体と思います。だからこそ、間違ったのだとしたらしっかり間違ったと認めていただきたいと思います。誠実な対応を求めます。
乗松聡子
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