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Thursday, April 14, 2011

「原発必要神話」を打ち崩す-田中優、小出裕章

原発って、必要じゃなかったの?必要と思わされてただけ?

たくさんの人がこの重要な事実に気付きはじめています。

「福島瑞穂緊急インタビュー:脱原子力・自然エネルギーの促進へ①」として、YouTube で発表された、「未来バンク事業組合」の田中優さんの「原発に頼らない社会へ」を紹介します(田中優:1957年東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。詳細は田中優のブログを参照)。この番組について、バンクーバー九条の会会長の落合栄一郎さんが「日刊ベリタ」に書いた記事がいいまとめになっているのでビデオリンク下に紹介します。

また、4月9日にジャーナリスト岩上安身さんが京都大学原子炉実験所助教授の小出裕章さんにインタビューしたビデオの後半部分でも、「原発必要神話」を打ち崩している部分がありますのでそれも併せて紹介します。(要約は、バンクーバーの原京子さんにしていただきました。ありがとうございました。)

原発に頼らない社会へ 田中優



4.11.2011

原発は「必要悪」ではなく、単なる「悪」 落合栄一郎

社民党福島党首が、この期を「社会変革」のよい機会と捉えて、識者との対話を始めた。その第1回が、田中優氏との対話である。それは、ユーチューブ上で見られる(http://www.youtube.com/watch?v=KhEEwZ7xKyE )。これは、非常に重要で示唆に富んでいる発言なので、是非ご覧になって頂きたいが、その要旨をここに記しておきます。

(1)現在の震災とそれに端を発する原発/放射能の危機を世の中を変える端緒と捉えよう。原発の危険性は十分に証明されたが、原発は「必要悪」と考えられている。これは間違いである。その理由を下に記すが、その必要性が十分に否定されるならば、原発は「悪」に過ぎなくなる。

(2)原発の代わりに自然エネルギーへ転換することには様々な利点がある。原発は、大規模であるが、その規模に比較して雇用数が少ない。 現在、日本が電力供給のための輸入に使っている年間23兆円を自然エネルギー開発に振り向けたら、地域開発、雇用増大に大変な貢献をする。しかも、安全で、電力コストも安い。ドイツでは、このような自然エネルギーを促進した結果、80万人ぐらいの雇用を作り出した。

(3)現在メデイアに登場する広告の最大のスポンサーは電力会社で、そのためにメデイアは原発などに関して十分正確な情報を提供していない。このような事情は今こそ替える好機である。すなわち電力会社による広告業界の専横を禁止する。

(4)なお原発は、現在55基ほどあるが、その建設は、政府からの助成金(すなわち国民がはらった税)に多く依存している。

(5)自然エネルギー開発に歯止めをかけていることの一つに、送電系統が民間電力企業に握られていることがある。電力供給は、発電、送電、配電するシステムからなる。送電は,いわば、道路である。道路は普通公のものであり、送電も公有にすべきである。例えば、北海道で、風力発電を開発しようとしても,北海道電力が、送電系統を利用させないという足かせがある。送電システムが公有になればそのような邪魔はなくなる。

(6)さて問題は、電力の需要である。まず、総電力需要の4分の3は、家庭以外の事業所のものである。また、ピーク時の使用電力の91%は事業所。家庭でいかに節電しても、あまり影響がない。電力需要のピークは夏、気温31度以上になる真昼の2−3時間であることは、わかっているし、気温の予想はかなり確実である。したがって、この間の節電を事業所に知らせ,協力してもらうことは困難ではないし、事業所も計画的に対処できる。家庭の単位電気料金は、使用量と共に上がる(だから夏の最中は高くなりー節電を誘導しようというのだが、家庭使用料はたかがしれている)。一方、事業所の単位電力料金は、逆に使用量に従って安くなる。これでは、節電をするメリットがない。そのため、やろうとすれば出来る省エネ製品を導入していない。

(7)現在の日本の電力会社の年間稼働率は、全体で約55−60%ぐらいと低い。ヨーロッパでは平均70数%であるから、稼働率を少し上げるだけで、上昇する需要を賄える。

(8)以上のような事情を考慮すれば、原発は必要ないことがわかる。したがって、原発は「必要悪」ではなく、「悪」にすぎない。

京都大学原子炉実験所 小出裕章氏に聞く 

「真夏の3日、午後の数時間」のためだけに原発という危険をかかえるのは馬鹿げている


以下は、このビデオインタビューの1時間経ったあたりからの要約です。

(Q)政府や電力会社は、原子力発電がなければ日本の電力供給は賄いきれないと言うが?

*グラフ 「日本の発電設備の量と実績」
それぞれの“発電所の能力”(全出力で1年稼動した場合の発電量)を見てみると、原子力・約2割、水力・2割、火力・6割となっている。このグラフに“実際の発電量”を重ねてみると、原子力は“実際の発電量”が“発電所の能力”の3割である。

仮に、原子力の“実際の発電量”を火力に移動させたとしても、火力発電所の"発電所の能力“の70%にしかならないので、問題はない。原子力はいらないということ。

(Q)電気は貯めて置けないので、一番多く電力を消費する時のために原発は必要と言われるが?

*グラフ 「発電設備容量と最大需要電力量の推移」
発電設備量と最大消費電力量とで見てみると、火力・水力で必要な電力は足りていることがわかる。僅かに足りなくなっている部分は、”真夏の3日、午後の数時間“という特殊な時だけ。これは、工場の生産調整や家庭がエアコンの設定温度を変えることで、十分に乗り切れるもの。このために原子力という危険を抱え込むことは、馬鹿げていることだと思う。

(Q)経済性については?
政府や電力会社は、原子力発電は安いと言うが、それは机上の計算による。立命館大学の大島ケンイチ氏が、実際の電力会社の経営データ(有価証券報告書)を使って、計算した。

*グラフ 「電源別発電単価の実績」
“揚水発電”というものがある。原発は一度動かすと止められない。電気を使わない時間帯には、電力が余るという事態になる時がある。このために揚水発電は、上の池と下の池を造っておいて、電気が余った時に下の池から上の池にポンプで水を送っておく。電気が必要な時には、上の池から下の池に水を落として発電するというシステム。

しかし、これをする度にほぼ3割のエネルギーを損するという馬鹿げた発電方法だが、原子力を選択する以上はとらざるを得ない。日本には多くの揚水発電所があるが、ほとんど動いていないというのが現状。このため、電気の単価にすると非常に高い。

水力が一番安く、火力も安い。原子力が一番高い。単価が非常に高い揚水発電も原子力に付随するものと考えると、もっと高くなる。経済的に見合わない。

原子力発電とは、ウランの核分裂によるエネルギーで水を沸騰させ、蒸気でタービンを回すといういわゆる“蒸気機関”である。火力発電も“蒸気機関”である。原子力がタービンに送れる蒸気の温度は約270~280℃。火力では、500℃近い温度の蒸気を送ることができ、熱効率が50%を越えている発電所もある。原子力発電所の熱効率は33%、同じ量の電気を得るために火力の倍のエネルギーを捨てていることになる。

(Q)こういうことが、なぜ国民に知らされないのか?
国と電力会社が、原子力発電をやりたかったからだ。

(インタビュアー・岩上安身氏のコメント)
そのために膨大な広告費をかけて、マス・メデイアを買収してきたプルトニウムを飲んでも大丈夫というような信じられないデタラメを含めて、電気については嘘がまかり通ってきたということ。

(Q)これらは、すべてデータがあるのか?
私は公開データしか持っていない。すべてのグラフは、政府と電力会社からのデータである。

(Q)原発を全部やめても、日本は現状を維持することが可能だということか?
これまでのデータで見てきたように、もちろん可能である。
とにかく原子力だけは、なんとしても止めなければならない。ここまで来て、“電気が欲しいから原子力は止められない”というような意見がまだあることに驚きを感じる。電気が足りようと足りまいと、"原子力はやめる"というところに踏み出す時だと思う。

(Q)電気の単価が高いために、産業に大きなダメージを与えていると聞くが?
*グラフ 「電気料金の国際比較」
日本の家庭電気は、世界の中で圧倒的に高い。産業用も世界最高レベルの高さ。電気代が高いということは、電気を多く使う産業は高い料金を払わねばならないということ。

* グラフ 「アルミの国内生産高と需要総量」
例えば、アルミ精錬はとても多くの電気を必要とする。1970年くらいまでは、国内需要のほとんど国内で生産していたが、電気代が高いために日本のアルミ精錬はすべて潰れてしまった。1ヶ所だけ生き延びているアルミ工場は、自家水力発電所を持っている。

割高な電気で、産業も成り立たなくなるというところまで追い込まれてきた。今は電力の自由化ということで、経済原則としても原子力ではだめだというところにきていた。

あらゆる意味で、原子力は最悪の選択だと思う。

ここまでひどいことになっても、“停電はいやだ、原子力発電は必要だ”という意見の方が、かなりの数いると思う。なんとか、そういうことではないと伝えて、即刻“原子力だけはやめる”ということにつなげたい。

(インタビュアー・岩上安身氏のコメント)
マス・メデイアがこのような電力需要・電力供給のバランスについて伝えることは、今後もあり得ないと思う。多くの方に、この情報を広めていっていただきたい。

3 comments:

  1. 仲間に送っているアップデート、コメントとしてここに置いておきます。

    『週刊金曜日』で、落合恵子さんにコラムでピースフィロソフィーのサイトを取
    りあげてもらえたのは嬉しかったです。ここで全文が読めます。
    http://www.kinyobi.co.jp/backnum/data/fusokukei/data_fusokukei_kiji.php?no=1918

    あとは「つぶやき」を二つだけ共有。

    これが「復興構想会議」の名簿。16人中女性は1人。「検討部会名簿」は19人中2人。菅内閣もそうだが、復興でも女性は出る幕なし。人口の半分が殆どいないように扱われる。このような光景に見慣れるとその異常さに気づかなくなる。
    http://www.kantei.go.jp/jp/singi/fukkou/pdf/kousei.pdf

    今回の政府東電の異常な情報統制も併せ、戦後66年、日本は何が変わったのだろうと思う所以である。議長は防衛大学長。安全保障や軍事の専門家を「復興」のトップに据えるよりも、犠牲者、被災者、原発被害者、子どもたち、これから生まれてくる子たちの「いのち」や健康を一番に考える人にやってもらいたかった。

    地震、原発報道は共同通信の「47ニュース」がお勧めです。
    http://www.47news.jp/47topics/e/200026.php#next

    地方紙の記事がまとまっていること、とくに福島をはじめ東北地方の地方紙からは、全国区のニュースではわからない地元の声がしっかり反映されていることに注目しています。

    それではまた。

    ReplyDelete
  2. Ryuko Kubota3:23 pm

    復興構想会議に関する意見、ごもっともです。今日の毎日新聞の記事です。
    久保田竜子
    ーーーーーーーーーーーーー
    http://mainichi.jp/select/today/news/20110415k0000m010149000c.html
    東日本大震災:復興構想会議 原発除外に異論が噴出

    2011年4月14日 21時5分 更新:4月14日 22時53分

     「全国民の英知を結集する」として菅直人首相が発足させた東日本大震災復興構想
    会議(議長・五百旗頭真防衛大学校長)の議論が14日始まった。6月末をめどに第1次提
    言をまとめることを確認したが、首相が議論の対象から原発問題を外すよう指示した
    のに対し哲学者の梅原猛特別顧問らから異論が噴出。震災発生後の本部・会議の乱立
    や政治主導の政権運営に疑念を呈する発言も相次ぎ、復興構想の具体化に不安を残す
    スタートとなった。【平田崇浩】

     「原発問題を考えずには、この復興会議は意味がない」

     以前から原発の危険性を唱えてきた梅原氏は会議の終了後、記者団にこう言い切っ
    た。首相自ら特別顧問就任を要請した梅原氏だが、東京電力福島第1原発事故の収束す
    る見通しの立たない中、賛否の割れる原発問題に踏み込みたくない首相の意向と会議
    の間に初会合からずれが生じた。

     原発事故の被害に苦しむ福島県の佐藤雄平知事は「原子力災害も皆さんに共有して
    いただきたい。安全で安心でない原子力発電所はありえない」と提起。秋田県出身の
    脚本家、内館牧子氏も「地震、津波、原発事故という3本の柱で考えたい」と述べ、復
    興構想の中に原発をどう位置づけるかが議論の焦点の一つになりそうだ。

     内館氏は対策本部や会議の乱立にも「復興構想会議もその中の一つと国民に思われ
    たら、東北がつぶれる」と苦言。震災後も府省や自治体との連携不足が目立つ菅政権
    に対し、「官僚と県や市が一体となってやることがまず第一」と注文をつけた。

     五百旗頭氏は会議後の記者会見で「(検討)部会で専門的な議論をするときには官僚
    機構から知恵を出してもらいたい」と強調。会議の下に設置する検討部会(部会長・飯
    尾潤政策研究大学院大教授)で提言の肉付けを進める段階で、官僚の協力を期待する考
    えを示した。

     こうした委員の不安を見透かすように、自民党の谷垣禎一総裁は同日の記者会見で
    「会議が乱立して役割分担がはっきりしない問題が対応のまずさにつながっている面
    もある」と批判した。

     菅首相は12日の記者会見で「野党にも(復興の)青写真を作る段階から参加していた
    だきたい」と呼びかけたが、与野党の対立は逆に深まっている。

    ==============

    ReplyDelete
  3. Eiichiro Ochiai3:26 pm

    久保田さん:

     復興構想会議に関する記事の紹介ありがとうござい
    ます。

    久保田さん、みなさん:

    乗松さんも言っているように、戦後の日本の政治、ど
    こがかわったのだろう。政治という仕組み、民意を実
    際は反映しない民主主義など、しかも、女性軽視の傾
    向は、増々酷くなっているようですね。アメリカでも
    実は女性軽視の傾向が右翼では強くなっています。日
    本の大学教授陣での女性数の比率は、世界最低の部類
    です。
     それはさておき、この後におよんで、なお、原発問
    題を、災害復興の議論から外すなどという神経が理解
    できない。あまりにも、企業側を気にしすぎる、とい
    うより企業に押さえ込まれてしまっている日本の政治
    (アメリカはもっと酷い)を変革するには、国民多数
    の蜂起(エジプトその他の例)、それも国民の10%か
    ら30%程の市民が、声を大きくして、国民がなにを今
    欲しているのかを、執拗に主張しなければならない。
    原発廃止(その前に原発の不必要性を国民の多くに納
    得させる必要があるが)、資本家ではなく市民のため
    の経済体制の確立(への変革)、勿論これには雇用の
    拡大もふくめて、などなど。どのうような経済体制、
    未来の社会体制が、持続可能であるか、などなどを私が議論したものがあります(アメリカ文明の終
    焉から持続可能な文明へ」http://www.e-bookland.net/gateway_a/details.aspx?booki
    d=EBLS10071200から無料ダウンロード)、たびたびの宣伝
    で、もう聞き飽きたと思いますが、どうか覗いてみて
    ください。そこに書いたものが唯一ではないし、本当
    にそうかどうかも、個人では判断できない。この本
    は、これを踏み台にして多くの人が議論を進めていく
    ことを期待して書いたものです。

    落合栄一郎

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