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Tuesday, May 04, 2021

韓国大法院判決の主柱である「不法な植民支配」という判断に一言も触れず、「論点のすり替え」をした安倍首相 (戸塚悦朗弁護士の寄稿転載)The Core of the Korean Supreme Court Ruling on the Forced Labour Lawsuit Was the ILLEGALITY of the Japanese Colonial Rule of Korea: Etsuro Totsuka

日本軍「慰安婦」問題、「徴用工」問題など、日本による朝鮮の植民地支配が生み出した犯罪の本質を突く発信、活動を続けてきた戸塚悦朗弁護士が、「東アジア平和センター・福岡」による「東アジア平和ブックレット第3巻『正義なくして平和なし ー韓国人強制徴用の歴史と今日の課題ー』(2021年3月1日発行)に寄稿した文を、許可を得て転載します。

この冊子は、他にも吉澤文寿「2018年韓国大法院『10・30判決』の歴史的意義」、崔鳳泰「旧日本帝国による被害者問題の解決策を考える」、山本晴太「大法院判決と日韓請求権協定を人権の視点から考える」など、植民地支配・戦後補償問題を考える上で不可欠な論考が掲載されています。

一般の書店にはないかもしれないので、入手希望の人のために巻末にあった発行所の連絡先を記しておきます: 東アジア平和センター・福岡/810ー0027 福岡市中央区御所ヶ谷5ー39 TEL 092-521-7122 


隠された日韓関係の危機の真因 ー「徴用工問題」と論点のすりかえ

2018年韓国大法院判決が問う植民地支配責任 

弁護士 戸塚悦朗 (元龍谷大学法科大学院教授)

 

20209月菅義偉政権が誕生したので、日韓関係の好転への期待が生まれました。113日の米国大統領選挙の結果、国際協調主義を唱える民主党のバイデン元副大統領が当選したことも日韓関係に好ましい変化をもたらす可能性があります。韓国からは、次々と要人が日本に派遣されていて、日韓関係の立て直しのために、日韓の高官協議が繰り返されているだけでなく、1114日のテレビ会議方式で行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓の首脳会談で、韓国の文在寅大統領は菅氏だけ名前をあげて呼びかけたということです[1]。これらが日韓関係の急速な改善という成果を上げることができれば、それが望ましいと考えます。

しかし、安倍晋三政権の政策を継承するとして首相の座を射止めた菅義偉新首相の対韓政策は、前政権時代からの負の遺産をも継承しているのです。私は、以下のような問題点[2]を考慮しておく必要があるとも考えます。

 

1.隠された日韓関係の危機の真因

日韓関係の危機は、韓国人戦時強制動員被害者による日本企業に対する慰謝料請求を認容した韓国大法院判決(20181030日)が日本に衝撃を与えたことに端を発しました。これは民間人と民間企業の間の民事事件ですから、本来政府が出る幕はないのです。ところが、安倍政権が1965年請求権協定による解決済み論を盾にとって、あえて経済制裁まで加えて韓国に対抗したことから、国家間の紛争になってしまいました。

しかし、視点を変えてこの危機の本質を掘り下げて考察すると、もっと深い問題が見えてきます。大法院判決は、日本に何を問いかけているのでしょうか?その核心について十分な理解が日本に不足していることに注目すべきです。そのような理解不足が、なぜ起きているのか?という難題を解く鍵が見つからないことこそが危機の真因だと考えます。

日本の国会では質問に正面から答弁しない「論点のすり替え」論法が全盛を極めています。問題の本質をすり替えられてしまうと、核心が隠されてしまいます。大法院判決への対応でもこの手法によって問題の本質(植民地支配責任)が隠されてしまったのです。

 

2.2018年大法院判決が問う植民地支配責任

2018年大法院判決の主柱は、「日本政府の韓半島に対する不法な植民支配(判決の表現)」とする規範的判断なのです。これは韓国憲法(国内法)の解釈から導かれました。筆者は、その論旨を国際法の視点から考察し、『「徴用工問題」とは何か?――韓国大法院判決が問うもの』(明石書店、2019)を出版しました。判決文を熟読すれば、大法院がこの「不法な植民支配」という判断[3]を大前提としてほとんどすべての重要な判断を導き出していることがわかります。

注目すべき最大の論点は、大法院判決の主柱である植民地支配の不法性判断なのです。判決は、それを基礎にして、なぜ被告企業に責任があるのかを詳しく説明しています。判決は、「不法な植民支配」下で、侵略戦争と密接にかかわる強制動員の被害者が被った人道に反する不法行為を認定し、その責任を引き受けるべきだ、と日本企業に問いかけているのです。ですから、この「不法な植民支配」という主柱を除いてしまっては、大法院の判断の本質を理解できなくなってしまいます。大法院判決が植民地支配責任の履行をこそ求めていることに注目すべきなのです。

ところが、日本では、大韓帝国は、19108月の韓国併合条約によって大日本帝国に合法的に併合され、植民地となったとされてきました。佐藤栄作首相(当時)は、日韓基本条約(1965年)等に関する国会審議の際、併合条約について「対等の立場で、また自由意思でこの条約が締結された、かように思っております」と答弁しました(衆議院特別委員会1965115)。日本政府のこの法的な立場は、日韓交渉の間も同じでしたし、それ以後も今日まで変更されていません。

しかし、大法院判決の判断は、佐藤首相答弁と矛盾しているのです。これに何の反論もしなければ、「不法な植民支配」とする判決の判断について日本政府が(黙示の)承認をしたと解釈されかねません。それにもかかわらず、なぜ安倍政権は、大法院判決が問いかけている「不法な植民支配」とする判断に沈黙し続けているのでしょうか。

 

3.論点のすり替え

安倍首相は、原告側が被告企業の資産を差し押さえたことに対して、「極めて遺憾。政府として深刻に受けとめている」と語り、判決を「国際法に照らして、ありえない判決」と批判し(朝日新聞デジタル201916日)、韓国側が1965年請求権協定によって解決済みの問題を蒸し返していることが国際法違反だと示唆しました。この論理によると、韓国の国際法違反によって日本が被害を受けている、と韓国を非難したことになります。

しかし、大法院判決が問いかけている被害加害関係は、逆なのです。判決によれば、被害者は、日本による「不法な植民支配」の下で日本加害企業による強制動員によって重大な人身被害を加えられた韓国人であり、「不法な植民支配」による被害については日本が日韓交渉に際して否認し協議に応じなかったので、1965年協定では解決していない、と判断しています。

ところが、安倍首相は、判決の主柱である「不法な植民支配」という判断に一言も触れず、「論点のすり替え」によって、1965年日韓請求権協定だけに衆人の注目を集める対応をしました。この高度のPR作戦によって、植民地支配責任の問題は巧妙に隠蔽されてしまったのです。その結果、被害加害関係が逆転するというパラダイムシフトが起きました。日本は、国際法違反の被害者としてふるまい、韓国を加害者に仕立て上げて非難するという離れ業に成功したのです。結局、日本が不法な植民地支配の加害者であって、韓国の強制動員被害者のヒューマンライツ侵害こそが問題の核心なのだという、ことの真相が隠蔽されてしまったのです。

 

4.国際法学からも植民地支配は不法

「不法な植民支配」という結論を導いた大法院による憲法解釈は、韓国の国内法の問題です。しかし、日韓の国際関係が紛争の場になった場合は、国際法上の解釈が問題となり、法の平面が異なってしまいます。そこで、国際法上も日本による韓国の植民地支配は不法だったのかという問題を検討する必要があるのです。

筆者は、『歴史認識と日韓の「和解」への道』(日本評論社、2019)を出版して、19051117日付の「日韓協約」とされている条約は実際には「存在しない」こと[4]を論証しました。

この発見は、どのような派生効果を生むでしょうか。読者には衝撃的かも知れませんが、論理的には以下の2点が言えると、筆者は考えています。

    不存在の「日韓協約」を根拠として、大韓帝国が「自由意思」に基づいて合法的に日本による保護国(実質的な植民地)となったとされてきたのですが、この「日韓協約」が存在しない以上、大韓帝国の条約締結権者の「自由意思」によらない保護国化であり、不法な支配(武力による強制的占領)と評価されます。

    不存在の「日韓協約」により創設された「統監」は、不法な存在でした。その不法な統監(寺内)が大日本帝国を代表して署名し、且つ大韓帝国政府を指揮して署名させた1910年併合条約は、双方代理により制定されたのです。そればかりか、大韓帝国側の批准もなかったのです。結局、併合条約は無効だったと評価されるべきです。そうすると、大法院判決による「不法な植民支配」との憲法判断は、国際法学の立場からも裏付けられたことになるのです。

 

5.記憶(記録)の削除

細川政権以来日本の歴代政権は、植民地支配に関する歴史認識を着実に進め、19958月戦後50年の村山首相談話が特に注目されました。併合条約100年に際して出された菅直人首相談話(2010810日)は、「当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ・・・」と述べ、併合条約についての法的立場を変更する一歩手前まで歴史認識を深化させたのです。

ところが、2015年戦後70周年安倍首相談話は、韓国併合条約による植民地支配について沈黙しました。安倍政権は、論点をすり替えて大法院判決を非難し日韓の国家間紛争を激化させた直後である20192月、菅直人首相談話を首相官邸のHPから静かに削除してしまったのです[5]。しかし、このことはほとんど知られていません。歴史の忘却の時代が始まったのです。

菅直人首相談話の削除は、菅義偉首相が官房長官だった時代に起きました。安重根記念館の設置を計画した中国政府を批判し、菅義偉官房長官(当時)は、義軍参謀中将として大韓帝国の独立を守る自衛戦争を戦った安重根を「テロリスト」[6]と切り捨てました。

大法院判決問題を「記憶・責任・未来」財団が象徴するドイツモデルに学んで解決しようとする有力な声もあります。しかし、安倍政権の承継を旗印に、過去を直視することを拒否し、歴史認識の記録をも削除する政治家には、過去の記憶と責任を未来に継承しようとするドイツの思想から学ぶことは、きわめて困難ではないでしょうか。

 

6.過去の記憶と責任を未来に継承しよう

 日本の政府と社会、つまり私たちは、どのような心構えを持てば、日韓の関係を友好的なものとすることができるでしょうか。まず、第1に、過去とりわけ植民地支配の歴史的な事実を直視すること。第2に、「徴用工問題」のような植民地支配の責任を引き受けること。そして、第3に、その過去の記憶と責任を未来に継承すること。そのような心構えを持つことが求められているのではないでしょうか。

まず、日本社会は、このような心構えを広く共有することから再出発しないと、性急な「解決」を急いでもまた躓いてしまいます。201512月の日韓外相合意が「慰安婦」問題の解決を実現できずに、結局失敗してしまったことを想起すべきでしょう。この合意では、日本政府は、過去に直面するのではなく、(秘密合意のなかでですが)「慰安婦」問題が「性奴隷」の問題であるとする国際的な評価を否定することに執着しました。また、過去を記憶するどころか、逆に「少女像」の撤去を韓国側に要求し、歴史の忘却をこそ自己目的化してしまったのです。その結果、この外相合意は、これを拒否する一部の被害者と被害者支援団体によって受け入れられず、被害者側全体との和解を実現することに失敗してしまったのです[7]

 日本は、この「和解」の失敗を教訓としてかみしめ、過去の記憶と責任を未来に継承しようとするドイツの思想を誠実に学びなおす契機とすることによって、真の日韓友好を実現するために再出発してはどうでしょうか[8]



[1] 朝日新聞20201122(朝刊14)「韓国、対日関係立て直し バイデン政権にらみ南北対話戦略 元徴用工問題なお壁」。

[2] この発表は、202011月に立命館大学(東アジア平和協力研究センター)に提出したエッセイ「2018年韓国大法院判決が問う植民地支配責任――論点のすり替えによって隠された本質―」をもとに若干の修正を加えたものである。

[3] 以下は、前掲拙著『「徴用工問題」とは何か?――韓国大法院判決が問うもの』(明石書店、2019)からの引用(139-140頁)です。大法院判決が、日本の植民支配は不法だったと判断したことについて、以下のように説明しています。

結論から言いますと、大法院判決は、日本の植民支配は不法だったというのです。それは韓国の憲法の解釈から導きだされています。

 大法院判決は、上告理由第1点についての判断の中で、「本件日本判決が日本の韓半島と韓国人に対する植民支配が合法的であるという規範的認識を前提に日帝の「国家総動員法」と「国民徴用令」を韓半島と亡訴外人と原告2に適用することが有効であると評価した」と判断し、そのような判決理由が含まれる「本件日本判決をそのまま承認するのは大韓民国の善良な風俗やその他の社会秩序に違反する」と言っています。

これを言い換えてみますと、大法院判決は、日本の韓半島と韓国人に対する植民地支配が不法であると判断していることになります。

さらに、上告理由第3点の判断の中では、大法院判決は、「本件で問題となる原告らの損害賠償請求権は日本政府の韓半島に対する不法な植民支配および侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権(以下「強制動員慰謝料請求権」という)である」と言っています。ここでも、「日本政府の韓半島に対する不法な植民支配」と言っているのです。

これらを見ますと、大法院判決が、日本の韓半島と韓国人に対する植民地支配が不法であると判断していることは間違いありません。そして、この点こそが、大法院判決の結論を導く決定的な理由になっていると考えられます。実は、前掲の筆者による説明で述べた通り、2018年大法院判決が植民地支配を不法だと判断したのは、2012年大法院判決(差し戻し判決)が採用した韓国の憲法解釈から導いた国内法を法的根拠とする判断なのです。」 

[4] 20195月以降いくつかの講演等により報告してきた。①ウェブでは、戸塚悦朗「19051117日付の「日韓協約」は存在しない」コリアネット【コラム】、2020326https://japanese.korea.net/NewsFocus/Column/view?articleId=183574&pageIndex=2 20201213日閲覧。②その他の講演等については、戸塚悦朗「歴史認識と日韓の「和解」への道(その8)――2018年韓国大法院判決の衝撃と「植民支配」の不法性判断への対応――」龍谷法学第53巻第1号、223-272頁に報告した。③最近では、戸塚悦朗講演「19051117日付の「日韓協約」は存在しない」「乙巳条約協定締結115周年記念特別研究会」(Zoom)、立命館大学にて20201118日に開催。

[5] 前掲戸塚悦朗「歴史認識と日韓の「和解」への道(その8)」で報告した。

[6] しかし、安重根は、「テロリスト」とは言えない。不存在の19051117日付「日韓協約」を裁判管轄権の根拠として、日本国内法(刑法)による死刑判決を下した安重根義軍参謀中将に対する裁判(1910214日)は、裁判管轄権を欠き、不法だった。安重根は、自国の独立のために義軍参謀中将として自衛戦争を戦ったのだから、法廷で彼が主張したとおり、捕虜としての処遇を受ける権利があり、且つ処罰しようとするなら戦争犯罪を侵したか否かについて国際法による裁判を受ける権利があった。

[7] 2019同年1226日ソウル高等法院=「慰安婦」被害者(原告)と韓国政府(被告)の間で継続中だった「慰安婦合意」国家賠償請求事件において「調停に代わる決定」が出された:「被告は 20151228日、韓日外交長官会談合意(以下「慰安婦合意」という)が歴史問題解決において確立された国際社会の普遍的原則に違背し被害者中心主義原則に反するものであり、上記合意により原告らが精神的苦痛を被った点を謙虚に認める。被告は慰安婦合意が日本軍慰安婦被害者問題の真正な解決になりえないことを明らかにして、今後被害者らの尊厳と名誉を回復するため対内外的努力を継続する。」

20191227日韓国憲法裁判所決定=前記外相合意にもかかわらず「慰安婦」被害者の権利も韓国政府の外交保護権も失われていないことを明らかにした:「本件合意は日本軍「慰安婦」被害者問題の解決のための外交的協議の過程での政治的合意であり、過去事問題の解決と韓日両国間の協力関係の継続のための外交政策的判断であって、これに対する様々な評価は政治の領域に属する。本件合意の手続と形式においても、実質において具体的権利・義務の創設が認められず、本件合意を通じて日本軍「慰安婦」被害者らの権利が処分されたとか、大韓民国政府の外交的保護権が消滅したとは言えない以上、本件合意により日本軍「慰安婦」被害者らの法的地位が影響を受けるとは言えない。」

[8] 筆者は、未来をひらくために、歴史認識の原則を以下のように整理した。①”KI MURI KI MUA”「未来のために、過去に目を向ける」(マオリの言葉)。「前事不忘 後事之師」(周恩来中華人民共和国元首相)。「過去を忘れる者は、現在にも盲目となる」(ワイゼッカー・西ドイツ元大統領)。「私たちは、日本と朝鮮半島の21世紀を信頼と希望の世紀として創造するために、『世界人権宣言』および『日本国憲法』の理念に基づいて、各自「同胞の精神」をもって行動したいと考えます」(「韓国併合」100年「反省と和解のための市民宣言」)。



戸塚悦朗(とつか・えつろう)

弁護士(第2東京弁護士会)。日中親善教育文化ビジネスサポートセンター顧問。龍谷大学社会科学研究所付属安重根東洋平和研究センター客員研究員。元龍谷大学法科大学院教授。ヒューマンライツを保障する国際法の実践・研究を専攻。主著に『「徴用工問題」とは何か?ー韓国大法院判決が問うもの』明石書店、『歴史認識と日韓の「和解」への道』日本評論社など。

Monday, March 29, 2021

【ウェビナーです】「ダーバン+20キャンペーン」 キックオフ・イベント: 「日本のレイシズムを可視化する ~ラムザイヤーはここにいる!Durban Declaration 20th Anniversary Kickoff Event: Racism in Japan - Harvard Professor J. Mark Ramseyer's Attack on Minorities

 

4月17日追記:イベントは270人以上のご参加を得て大変盛況で議論も活発に交わされました。↑このYouTubeで観ることができます。2週間程の限定公開の予定です。

呼びかけ文はここにあります⇒

     
「ダーバン+20キャンペーン」 キックオフ・イベント


日本のレイシズムを可視化する

~ラムザイヤーはここにいる!


日 時: 2021年4月17日(土) 11:00-13:00 (日本時間)


方 式: オンライン(Zoom) 参加費:無料

ウェビナー申込み:https://bit.ly/3lRR6Ek 



主催:「ダーバンから20年:日本のレイシズム・コロニアリズム・セクシズムを解体する」キャンペーン(仮称)

(略称:ダーバン+20キャンペーン) 

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■プログラム■

司会・趣旨説明: 藤岡美恵子 (法政大学非常勤講師/「ダーバン+20キャンペーン」呼びかけ人) 

1部:ラムザイヤー論文に見るレイシズム、コロニアリズム

部落差別:角岡伸彦(フリーライター)

沖縄差別:親川志奈子(沖縄大学非常勤講師/琉球民族独立総合研究学会共同代

表)

朝鮮差別:伊地知紀子(大阪市立大学教員) 

関東大震災朝鮮人虐殺:加藤直樹(作家)

2部:ダーバン宣言から見る日本のレイシズム、コロニアリズム 

総括コメント:上村英明 (恵泉女学園大学教員/「ダーバン+20キャンペーン」

呼びかけ人)

参加者との質疑・討論/ダーバン+20キャンペーンの紹介・賛同呼びかけ

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米国のブラック・ライヴズ・マターや、欧州の奴隷貿易や植民地支配の負の遺産を克服しようという試み――近年、レイシズムと植民地主義に正面から向き合う運動が世界中で注目を集めています。一方日本では、差別撤廃を訴えるマイノリティの声に対して執拗なヘイト・スピーチが繰り返され、社会全体でも「レイシズムNO!」の声は残念ながら大きくはありません。

20年前、レイシズムと植民地主義を世界的課題として話し合う画期的な会議がありました。南アフリカのダーバンで開かれた「人種主義、人種差別、外国人排斥および関連するあらゆる不寛容に反対する世界会議」(略称:ダーバン会議)です。ダーバン会議は、人種差別がジェンダーなどの他の要因と絡み合う「複合差別」の視点や、目の前にある差別は奴隷制や植民地支配など過去の歴史と切り離せないことを示すなど貴重な成果を残しました。

ダーバン会議が示した地平を想起しつつ、近代日本がつくってきた差別構造を解体するためのキャンペーンの枠組みを議論していた矢先、米国ハーバード大学のラムザイヤー教授による「慰安婦」や沖縄、部落、在日朝鮮人などに関わる不正確な論文がニュースになりました。レイシズム、セクシズム、コロニアリズムが交差するラムザイヤー教授の主張はしかし、日本で私たちが日常的に目にする光景です。ラムザイヤーはどこにでもいるのではないでしょうか。キックオフ・イベントでは、このラムザイヤー論文を題材に日本のレイシズムを可視化するとともに、ダーバン+20キャンペーンのこれからをお伝えします。ぜひご参加ください。(事前登録は https://bit.ly/3lRR6Ek )

<実行委員会> 稲葉奈々子(上智大学) 上村英明(恵泉女学園大学)* 末愛砂(室蘭工業大学) 熊本理抄(近畿大学)* 乗松聡子(『アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス』 エディター) 藤岡美恵子(法政大学)* 藤本伸樹(ヒューライツ大阪) 前田朗(東京造形大学)* 矢野秀喜(強制動員問題解決と過去清算のための共同行動事務局)* 渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam))   (2021.3.26現在/は呼びかけ人)

連絡先:「ダーバンから20年:日本のレイシズム・コロニアリズム・セクシズムを解体する」キャンペーン(仮称)(略称:ダーバン+20キャンペーン) 

Email: durbanRCS@gmail.com

ふるってご参加ください!

ここで事前登録してください!⇒ https://bit.ly/3lRR6Ek 

QRコードは以下↓





Sunday, March 21, 2021

【追記あり。会社はパッケージデザイン変更を決定】中国の人に差別的な製品(油吸収パッド)について 【Responding to criticism, company decided to change the package design】Oil absorbing pads made by Kyowa Shiko Co., Ltd. that are discriminatory against Chinese people

 【3月22日、同日追記】

以下の投稿をアップして、協和紙工株式会社の問い合わせフォームで連絡したその日のうちに、会社から返答があり、「パッケージデザインを変更するよう社内決定しました」という報告をもらいました。この対応の速さを評価したいと思います。差別を認めても居直って差別的内容を発信し続けたNHK広島局や、最初から意図的な差別を行い、どんなに批判されてもその差別にしがみついているDHC社との対応の違いを感じました。今回、この問題に気づいた家族のメンバー、わたしの問題意識に賛同してくれたネット上の仲間たち、そして店頭で行動した小野さんに深く感謝を伝えたいです。また、このパッケージの差別性を感じながらも私の発信を容認してくれた中国出身の友人に、感謝したいと思います。ちなみに、この投稿自体は残しますが、ブログタイトルから会社の名前は削除しました。引き続き、会社のパッケージデザイン変更を注視したいと思います。

(以下、元の投稿)

3月13日、このような投稿をFacebookとツイッターにした。

ツイッターでは

家族が東京の100均でこういう商品を見てびっくりして送ってきた。#レイシズム と #セクシズム に満ち溢れている。あり得ない。昨日問題になった「スッキリ」の差別行為とも通じる、ギャグとか言葉遊びに乗じたレイシズムです。検索したら普通に各地で売ってる。どういうことなの日本?

(注:差別的画像やコピーを見せることでかえって差別を呼ぶことがあるリスクは承知しつつも今回は具体的に存在し売られている商品だということもあり、どの商品を指しているのかということをわかってもらうためにも画像を示します。)

これに共感の声もあったが、とくにツイッターでは嫌中ヘイトとも言えるリプや引用RTがたくさん来て驚いた。なので3月15日こうセルフRTして
びっくりしました。この問題意識、共有してくれる人が出てきているなと思ったら急にレス、引用RTが増えて、それが悪意に満ちたものばっかりです。やっぱりここまで来てるんですね、日本のヘイトって。
説明しないとわからないのかなと思いながらも以下、説明を足した
人の国の名前をこうやって文字って遊ぶっていうのがまず失礼だし、髪型や服装からしてとてもステレオタイプ的な中国人女性が出てくるのもすごく変で(なぜ中国人女性なのかも意味不明だけどーー中国料理には油を使うものが多いから?わかんない)セクシストだと思うし、

 決定的なのは下の「ポイッと。。。」の部分ですね。捨てちゃう、という言葉にその国の言葉をかけちゃうのはもう暴力です(ここではもろカタカナにして際立たせてるし)。自分が所属する国なり集団なりがやられたら、って想像するとすぐわかるんじゃないかなって思います。

 これが、海外で売られている製品で、着物着てるいかにもステレオタイプ的な日本人女性が出てきてて、「ポイッと捨てジャパン!」「捨てジャップな!」とかいうコピーだったら、どう思うでしょうか?

その後、フェーブスック友の小野直子さんが、元の投稿のコメントとして、3月18日に行ったことを報告してくれました。この行動力に脱帽。許可を得てここに転載します。

★★★

この商品がよく知られているかはわかりませんが、私は知りませんでした(油吸収パッドを買う気がないからか100均にめったに行かないからか)。

昨日、100円ショップのキャンドゥ吉祥寺店で同商品を見つけました。(ダイソー、ドンキホーテと西友も行ってチェックしましたが置いてなかった。検索したらセリアという100均でも売ってるらしい。)ちなみにMADE IN JAPANでした。

店長は不在でしたが、正社員の店員Sさんに、このコピーと絵柄が差別的なパッケージの商品を扱うのは問題ではないかと問うてみると、「今まで指摘を受けたことはないが、そうですね」と。どうするのか尋ねると、「本社に伝えます」と。今伝えたらどうかと言うとキャンドゥ「お客様相談室」に電話したらしく、相談室正社員のAさんは「自社で扱う商品として何の問題もない」との答えだったとのことです。それはキャンドゥの会社としての回答と周知されてもよいかと聞くと、「よい」とのこと。

相談室担当責任者のフルネーム・部署・役職、いつから同商品を取り扱っているかなどを再確認TELしてもらうと、「これ以上のことは、お客様の名前・連絡先を伺って担当者から電話する」との返事でした。また、相談室でなく広報課など別の部署に連絡すべきではとSさんに問うと、「自分の対応は間違っていない。広報課もあるが、だったらお客様自身で広報課に連絡してください」と。(そうした対応が高飛車だったので、名前・連絡先を言うのは構わないけれどしないことに。)

Sさん自身は商品をどう思うか聞くと、「同店舗では2019.12開店当初から取り扱っているが、指摘を受けるまで何とも思わなかった。不快に感じるお客様もいると思う」と。客の不快感だけではなくて、Sさん自身は差別表現の商品をどう判断するか聞くと、「今は、言葉も絵柄もよろしくないと思う」と。このまま何もせず店で扱い続けるならSさんも差別に同意し加担することになるが、Sさん自身の意見として扱うべきでないと会社に提言しないのかと聞くと、「声を上げる。自分の認識として、広報と商品部に今日その旨伝える」とのことでした。

以上、昨日の市場調査の報告です。

商品製造元:協和紙工株式会社(愛媛県)

https://kyowa-shiko.co.jp/daily_goods/ 

キャンドゥのサイト

https://www.cando-web.co.jp/corporate/about/concept.html

★★★

行動した小野さんに感謝します。 協和紙工株式会社の問い合わせ先はここなので私も問い合わせます。

@PeacePhilosophy 

Friday, March 12, 2021

東京大空襲76周年 第15回朝鮮人犠牲者追悼会 The memorial to remember the Korean victims of the March 10, 1945 Tokyo Air Raid


東京大空襲76周年 第15回朝鮮人犠牲者追悼会(3月13日午前11時から東京都慰霊堂にて開催。主催は「東京大空襲朝鮮人犠牲者を追悼する会」)が先程終わりました。オンラインで参加しました。ここに動画がアップされています。このような催しがあったことさえ今年まで知らず、大変恥ずかしい気持ちがしています。一晩で10万人以上が虐殺された東京下町空襲(1945年3月10日未明)では、朝鮮人の犠牲者は1万人にも上ると言われています。広島や長崎の原爆投下と同様、1割ぐらいの人たちが朝鮮人だったのです。植民地支配のゆえに日本に来た・連れてこられた人たちはここでも、被災させられ、差別により被害が増大するという、二重、三重の被害を受けました。この歴史を深く胸に刻みたいと思います。

詳しくはこちらのブログへ https://tokyosinsoutyousa.hatenablog.com/

I just attended the 15th ceremony to remember the Korean victims of the March 10, 1945 Tokyo Air Raid on-line. Held from 11 AM to 12 PM at Tokyo-to Irei-do, at Yokoamicho Park, near Ryogoku Station. The speeches were all profound and the live music is magnificent. https://www.youtube.com/watch?v=gyOWfesJTAw

Tokyo Air Raid, which killed over 100,000 civilians in two hours or so, is a largely forgotten atrocity, even by the locals, and especially this year, the anniversary seems to be overshadowed by the 10th of 311 Earthquake/tsunami/nuclear disaster. It is estimated that as many as 10,000 Koreans were killed in the Air Raid. Like the Korean victims of the Hiroshima and Nagasaki bombings, they were victimized first by being mobilized to Japan under the colonial rule, then attacked by the bombs targeted at Japan, then suffered even more than Japanese victims because of the continuing discrimination and lack of support. The ceremony was conducted mostly in Korean and Japanese, but everybody can hear the very moving music.

@PeacePhilosophy 






Sunday, February 14, 2021

【3月7日更新:講演動画有】カナダ9条の会オンライン講演会「核と人類は共存できない-核兵器禁止条約発効と、福島原発事故10年の節目に考える-」 落合栄一郎さんを迎えて Article 9 Canada presents Eiichiro Ochiai's talk "Nuclear and Humanity Cannot Co-exist: Marking the 10th Anniversary of the Fukushima Daiichi Nuclear Accident and the Enactment of the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons"

3月7日追記:60人以上の参加を得て盛況のうちに終わりました!動画をアップしますのでご覧ください。次回の講演も乞うご期待!
    

後記:カナダ、日本、米国などから参加してくださったたくさんの皆様 ご参加、事後のたくさんの質問やコメントをありがとうございました。

落合さんは、素人にもわかりやすい言葉で、放射性物質がどう人体、生物に影響するかを説明し、また、福島原発事故やチェルノブイリ原発事故、スリーマイル島原発事故や米国や各国の核施設が人体にどういう影響を及ぼしているか、または及ぼしている可能性があるかを数々のデータを使って詳しく説明し、あらためて原発という、核の「平和」利用というのはありえないのだ(それが生み出す大量の熱量でかえって温暖化が進むこと、ウラン採鉱から核廃棄物まですべてのプロセスにおいて被曝を生み出すこと、被曝の影響に閾値はないこと等)、核実験や核発電により北半球全体がいかに汚染されているかのも思い知らされました。最後の、TPNW(核兵器禁止条約)を超えてNBT(核禁止条約)へ!という、核の全面禁止を訴えました。


カナダ9条の会 オンライン講演会第一回

核と人類は共存できない

ー核兵器禁止条約発効と、福島原発事故10年の節目に考えるー

落合栄一郎さんを迎えて

落合栄一郎さん
 2021年1月22日、核兵器禁止条約 (Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons(英語条文はここ外務省の日本語仮訳はここ)が発効となりました。核兵器の使用、使用の威嚇、開発、実験、生産、製造、取得、保有および貯蔵を禁止し、その移譲、受領、禁止行動に対する援助、奨励、勧誘も禁止する、全面的な「禁止」条約は長年の世界の被爆者や根強い市民社会の運動の成果と言えます。条約では「核兵器に関する活動が先住民にもたらす均衡を失した影響を認識し」と、核問題と植民地主義の関連にも触れています。
 1月22日の時点で86国が署名、52国が批准していますが、全ての核保有国および米国の同盟国(カナダを含むNATO諸国、日本、韓国など)は参加していません。また、「無差別に平和的目的のための原子力の研究,生産及び利用を発展させることについての締約国の奪い得ない権利に影響を及ぼすものと解してはならない」と、原子力発電を問題視していません。
 きたる3月11日は、東日本大震災・津波および福島第一原発の大事故発生から10周年を記憶する日です。10年経っても収束からは程遠く、環境や生物、人体の被曝被害は継続し、いまだに3万から6万以上といわれる人たちが避難生活を強いられています。
 今回は、米国の大学で教鞭を取りながら長く平和・反核運動にも従事し、退職後もバンクーバー9条の会の会長を務め、化学者として、核兵器であれ原発であれ「核と人類の共存はできない」との主張を英語・日本語の著書や講演・執筆活動で続けてきている落合栄一郎さんを講師に迎えたいと思います。

時間:

    バンクーバー(太平洋標準時):3月6日(土)午後5時ー6時半

    トロント・モントリオール(東部標準時):3月6日(土)午後8時ー9時半

    日本 3月7日(日)午前10時ー11時半

参加費 無料

主催    カナダ9条の会 (Article 9 Canada) 

後援    Peace Philosophy Centre

定員 先着100名

言語 日本語(質問は英語でも受け付けられます)

要事前登録。このリンクから登録してください:

https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZAkd-CqpzwuH9TgE_7TFU-5iaHV07xyfP-0 

問い合わせ先:article9canada@gmail.com 

講師プロフィール:落合栄一郎(おちあい・えいいちろう)

1936年東京生まれ。ペンシルバニア州のジュニアータカレッジ名誉教授。東京大学工業化学科卒、同大博士課程終了工学博士。カナダ、アメリカ、スウェーデン、ドイツなどの大学で化学の研究教育に携わる。2005年退官後はバンクーバーで、バンクーバー9条の会、世界連邦協会等を通じて平和活動を行いながら英語、日本語で、放射能や被ばくの危険性についての執筆活動に従事する。

著書:Bioinorganic Chemistry, an Introduction (Allyn and Bacon, Boston, 1977)、 Bioinorganic Chemistry, a Survey (Elsevier, Amsterdam,2008)、 Hiroshima to Fukushima (Springer, Heidelberg, 2013)、 Nuclear Issues in the 21st Century , Nova Science Publ, New York, 2020)、『原爆と原発』(鹿砦社、2012)、『放射能と人体』(講談社、2014)、『病む現代文明を超えて持続可能な文明へ』(本の泉社、2013)等多数。

 ★バンクーバー、トロント、モントリオールの9条の会が横につながり、大きな「カナダ9条の会」という枠組みで、日本やその他の国に住むメンバーも含め、日々意見・情報交換をしてきましたが、コロナの影響で活動はオンライン中心となりました。2021年から、不定期となりますが誰にでも参加してもらえるズーム講演会シリーズを企画しようということになり、これが第一回となります。

Monday, February 01, 2021

「徴用工問題は“解決済み”ではありません。今こそ被害者の人権と尊厳の回復を求めます」署名運動に協力ください。Please sign on to the petition: The Forced Labour Issue Has NOT Been “Already Settled.” We Demand Restoration of Human Rights and Dignity for the Victims.

新年のご挨拶もしないままに2月になってしまいました。「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」と言われていますが1月は「徴用工問題」についての声明・請願を準備するなどで忙しくしていました。日本では、植民地支配下で強制動員され人権を侵害された「徴用工」「女子勤労挺身隊員」、「日本軍『慰安婦』」制度被害者が日本企業や政府を相手どって賠償の訴えを起こした訴訟に対し韓国の裁判所が日本企業、政府に賠償を命じる判決を下していることに対し、政府もメディアもこぞって「国際法違反だ」「反日だ」「日韓関係を傷つける」と繰り返し、一般市民の意見もそれらの体制側の連呼によってかなり影響を受けてしまっていることに深い懸念を抱きます。日本の多くの人たちは、広島や長崎の原爆投下、各地の空襲、沖縄戦の被害者など、戦争の民間人被害者に対しては心を寄せるのに、同様に大日本帝国が行った戦争や植民地支配に被害を受けた強制動員の被害者に対してどうしてここまで冷淡になれるのか、その二重基準を問いたいと思います。昨秋から、同じ問題意識を共有している、元秋田大学教員の勝守真さんと、東京都立大教員の石川求さんと一緒に声明・請願を用意し、1月31日に、Change.org で署名運動を開始しました。呼びかけ人87人(2月2日現在)とともに広く呼びかけます。みなさん、署名をお願いします。

徴用工問題は“解決済み”ではありません。今こそ被害者の人権と尊厳の回復を求めます。

文面、呼びかけ人リスト、署名はこちらから→http://chng.it/mhFWr9r9YS

この運動の呼びかけをしている間に、「不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会」の中川美由紀さん(上記署名運動の呼びかけ人の一人)から会のニュースレター「北陸連絡会ニュース」2021年1月号が送られてきました。その中に掲載されていた村山和弘さんの寄稿が、自分にとっても、戦争責任・植民地支配責任を担う平和運動全体にとっても、大きな示唆を与えてくれる一文と思い、許可をいただいて以下に転載します。

今年も不規則ながらこのブログを更新していきますのでどうかよろしくお願いします。

ピース・フィロソフィーセンター 乗松聡子 @PeacePhilosophy 


以下、「北陸連絡会ニュース」2021年1月号より転載

2021年、不二越闘争29年 

    侵略と植民地支配の「日本を変える」始まりへ

第一次・不二越訴訟連絡会(植民地支配・強制連行・戦後を考える連絡会事務局長)

村山和弘

 不二越徴用工闘争原告団長の金景錫(キムギョンソク)さんや連絡会代表の李鎮哲(イジンチョル)さんをはじめ、多くの方が亡くなられた。私は当時の記憶を呼び覚まして、記録に残すことが義務だと痛感させられている。

 2年経過したが、韓国大法院徴用工判決は右翼安倍政権にショックを与えた。判決を受けて不二越門前行動を取材に来た記者たちは、連絡会の活動に衝撃を受けていた。旭日旗を掲げた右翼も刺激的だった。真実を知ろうとした記者たちは、韓国のハルモニの声を直接聞きたいと訪韓し、その姿と声をドキュメント番組にした。だが、実際に放映されるまで時間がかかった。多くの苦労があったともれ聞く。日本社会には排外主義の嵐が渦巻いていた。その中でも自粛と忖度を乗り越える勇気が記録映像となり、日本の多くの人々に届けられた。これは、一地方の長い運動が世代を超えて連鎖した成果だった。小さいが大きな意味を持つ、日本社会を変える重要な変化だ。トンネルの出口から、光明が射してきている。

 連絡会の軌跡を記していきたい。


徴用工闘争から見えるー① 今も、植民地国家の中に生きている私たち

1927年(福岡県八幡)監視下の土木作業
 戦争の末期、不二越の労働者8千名が戦場に送られた。その一方、軍需増産の為に韓国の小学生までも次々と富山に連行された。日本全体で、強制連行は100万人に及んだ。それ以前から来ざるを得なかった人を合わせると約200万人以上。日本の敗戦で約130万人が帰国したが、祖国に生活基盤がなくなっている人々など約65万人が日本にとどまった。強制連行した不二越は、「徴用工は用済み」と、彼ら彼女らを放り出した。


天皇「最後の勅令」-差別と抑圧の管理体制-

 GHQの占領政策は「間接」統治であり、日本政府は戦後も戦前勢力の温存を図っていた。本来なら植民地支配下で差別を受けた朝鮮人に謝罪すべき日本国家は、逆に戦前の延長として、朝鮮人を新たな「差別と抑圧」の管理体制下に置いた。1947年5月2日、憲法施行の前日に天皇「最後の勅令」を発し、日本に居る朝鮮人を一方的に外国人とした。そして5月3日、憲法施行によって大日本帝国「臣民」を、日本の「国民」とした。日本国憲法の特徴は、「国民主権」と述べず、第一章「天皇は『国民』の総意」と述べたことにある。こうして朝鮮人には外国人登録証を携帯させ、国籍条項により憲法から排除した。

1945年12月、戦犯25万人を公職追放

 50年、戦犯の追放解除で公職復帰‐レッドパージ‐再武装

 「戦犯追放解除」(岸信介など25万人公職復帰)で戦犯が日本の要職を占めて、現在に至る支配体制を再確立する。レッドパージは、新聞社と労組の活動家を職場から追放した。そして「在日」の民族教育を禁止した。GHQ内の右派は特高警察を仲間とし、民政局(民主化を進め、労働組合の結成を支援)の人々を米国に帰国させて、「赤狩り」の標的とした。

1947.2.1ゼネストは
前日にGHQが中止命令
 朝鮮戦争を神風と喜び、日本経済が復興する一方、「在日」を日本から消すために、「人道」の名で「北送」事業を行った。そして岸信介の暗躍による1965年の日韓条約とベトナム戦争の特需を基に、日本は経済大国となる。戦争で焦土となった過去は幻と思われた。だが高度成長下の日本では、新たな差別と解雇が重なっていた。植民地支配は、実は日本社会の内側を深く侵食していた。差別と分断の社会は、戦後も継続していたのである。



民主化運動 韓国は、昨年一人当たりGDPで日本を越えた。参政権・外国人労働者・難民

 中国は2000年以前に世界第2位の経済大国となり、購買力平価GDPで米国を越えている。安倍政権は、韓国の徴用工判決に対して2019年、経済制裁を行ったが、これは逆に日本を更なる衰退に追いやった。日本の格差拡大は止まらない。1980年代に比して今は10倍も貧困率が大きくなり、格差社会の下で自殺が増えている。外国人労働に頼りながら、移民も難民も受け入れ拒否だ。難民は先進国の収奪が生み出した結果である。日本政府は、彼らを同じ住民・市民とすると「国民意識」「国民優先思想」が崩壊すると恐怖し、排外主義を日本国家として平然と行っている。飢えている人々の救済もやらない。それは崩壊する日本(帝国)の亡霊が政権に居座っているからだ。これらは植民地支配の継続であり、「在日」への「管理」と地方参政権拒否と一体である。小池東京都知事の「関東大震災虐殺犠牲者への追悼文拒否」を許している現実とは何か。私たちは「植民地国家の中に生きている」ということだ。

徴用工闘争から見えるー② 引き裂かれていた徴用工と「在日」が、1992年に再会した!

1996年7月23日 連絡会結成集会
 1992年、不二越徴用工が戦後47年を経て富山に戻って来た。一方で戦後「在日」は、入管闘争・指紋押捺拒否・参政権訴訟を闘ってきた。そして「植民地支配・強制連行・戦後を考える連絡会」(1996年7月)を結成し、地方参政権訴訟原告の李鎮哲さんが共同代表になった。その前夜、元県職労委員長宅に泊まった李鎮哲さんは「労働運動は『在日』にとって大変重要だ」と語り、国籍条項による就労差別の現実を指摘した。また、富山県民団団長は「原告の歓迎交流」を持った。金沢で処刑された尹奉吉(ユンボンギル)義士の独立運動の志は、不二越原告に引き継がれた。

 徴用工闘争は、植民地支配の責任が国と企業だけではなく、日本民衆自身にもあることを私たちに突きつけた。日本の宗主国意識の中に、私たちは生まれた時から無意識に身も心もどっぷりと浸かっている。参政権・国籍条項・就職差別・名前差別も考えないで生きられる。自分が植民地支配を担っている当事者と思わない意識でいる。この植民地主義社会に、私たちは深々と浸かっている。

徴用工闘争から見えるー③ 強制連行被害者に謝罪出来る日本に変える

自分たちを、「檻・桎梏」から自分自身で解放する

 私たちは「虐げられし者の解放」を一般論では語る。だが、日本の私たちは「虐げている国の檻から生まれ育って、今も檻の中で生きている」。

 植民地支配の牢獄を打ち破る韓国の闘いは、民主化運動だった。ろうそく革命と検察改革、今に至る「親日派・積弊清算」が続いている。だが日本の私たちは今も、植民地支配を継続する日本の「檻・桎梏に囚われて」生きている。虐げる側の私たちの前には誰が立っているのだろうか?鎖を解き放つ、この「鎖」とは何だろうか?実は、私たちは自分たちの入っている檻を、徴用工闘争として確実に食い破っていたのだった。門前行動に登場する右翼は、「お前たちは自分で鎖を解こうとしている!やめてくれ!」と叫んでいる。

 門前行動で、警察は「届け出するように」と繰り返す。右翼は「届け出」しているからだ。だが私たちは、力関係を無視した行動はしない。闘いの勝ち取った「門前の闘う空間」を、事実上は永続化したのだった。それは、私たちを縛る「鎖」を、自分たちで解く作業だった。

 国鉄分割民営化(1987年)から総評解体(89年)以後、「連合」は政治課題を取り組まない。確かにそうだ。だが、物事は両面から見るべきだろう。連絡会は、連合傘下の労働組合に呼び掛けてきた。地区労、全農林、教組、自治労、国労…結局は、一人ひとりの課題である。私たちの力量が弱い事を反省的に捉えるべきであり、「労組ダメ」「マスコミダメ」と嘆くのは、「自分はダメ」に等しいことだ。

「1945年10月、日本人と朝鮮人の
政治犯が釈放された」
 憲法には「国籍条項」がある。それは、日本民衆が「国籍差別の担い手」となり屈服している結果である。これらは「現場の闘い次第で小さな穴を開ける」のが可能だ。「法」は「国家暴力」で実現する。現実に生きている民衆には「無数の現場」がある。不二越の門前闘争も「強制連行の現場に開けた風穴の一つ」である。風穴を永続化したら、その風はやがて広がってゆく。こうして時代を変えるのだ。

 もう一つは、私たち「人の命は有限」である。だが闘いや思想は「次に引き継がれる」と考える。私たちは「自分個人の意志」だと思っていても、「時代の一断面」に生きている。「先人の失敗も、生き方も自分につながっている。無数の人が自分を産み出した」のだ。歴史の中で生きる自分を見つけて、「この命を次につなげる」のが「今を生きている自分の命」だ。

尹奉吉義士暗葬の地にて 金景錫さん
 金景錫さんの「強い意志」はどこから来ていたのだろうか?

 炭鉱で死んだ兄の想い。父母や姉と村人の嘆き。無数の民衆の声が地底から金さんを支配した。彼が、拷問で天井に吊るされて瀕死のとき、「貴方は死んではいけない人だ」と必死に看護してくれた日本女性がいた。

 彼にとって日本は、言葉では表せられないほど憎かった。だが、東京に来て徴用工裁判を始めたとき、日本の中にも、必ず「人」はいるはずだと思ったという。彼の「人」には、憎い人と助けてくれた人がいたのだった。金さんは、不二越闘争を共に闘う「人はいるはずだ」と富山に賭けた。そして、徴用工闘争は「朝鮮人と日本人を繋ぐ」「細い細い糸」になった。その後、私たちはこの糸を守っている。日韓の人々が、この糸を大きな歴史にしよう。

<では、私たちはどう考えて進むのか?>

 第一に、安倍政権誕生の背景を考える必要がある。1987年、韓国で軍事政権を倒した民主革命によって、日韓条約体制が揺らぎだした。この後の宮沢政権、河野談話、村山首相談話、小渕-金大中(キムデジュン)宣言。これらは日韓条約体制の部分的修正を含んでいた。

 こうした中で日本会議・右翼勢力が巻き返しに必死になった。そして、岸の孫である安倍晋三が担ぎ出された。安倍政権は戦前回帰の排外主義、朝鮮侵略を想定した戦争法に進んだ。韓国における、朴槿恵(パククネ)を倒したろうそく革命は、安倍政権が作り出したのだった。

 第二に、安倍政権の瓦解について。色んな要素が重なって見えるが、私たちは絡まった糸を解きほぐさなければならない。アベノマスク、相次ぐ腐敗、数えあげればきりがない。だが、何よりも次の点である。

NOアベ集会
2019年8.15ソウル光復節

 2019年、安倍政権は徴用工判決に対する韓国への経済制裁という戦争行為に打って出た。その意図は文在寅(ムンジェイン)政権の退陣にあった。だが、逆に打撃を受けたのは日本だった。昨年、一人あたりGDPは韓国が日本を超えた。更に、コロナに向き合えない安倍政権は次々と打撃を受けた。その打撃は安倍政権だけではなく日本の民衆、そして日本社会全体が根底的に問われるようなものであった。

 第三に、菅政権とは何か。安倍政権の破綻を引き継がされたのが菅政権である。既に、バトンを誰かに渡す過度的政権になっている。コロナによって、もはや安倍の敗戦だけではなく、私たち民衆の敗戦になっていると考える必要がある。

 歴史の岐路に立つ私たち

 今問われているのは、菅政権の帰趨ではない。私たちだ。

 1945年8月には本土決戦を回避して日本帝国は降伏し、米国によって護持された。だが、コロナは国境を越え、本土という概念もない。日本の全ての人々に迫っている。コロナは政治も文明も超える!人類の生存や地球環境、現代経済の根本問題と繋がっている。人類が共同体として存在していることを、私たちに問いかけている。

 コロナは、政治を超える「人類として」の共同課題なのだ。私たちは、1945年と同じ「民衆の敗北」を繰り返してはならない。戦争で生き残った人たちは「命こそ全てだ」と思った。そこには、変わらない太陽と山や川があった。そして人びとは生き延びた。

 徴用工の闘いは、日本の戦争責任を問うと同時に、人はどうあるべきか、「人とは何か」と問いかけた。人間が主人公になる社会・民衆が主人公になる社会は、人間が自然の一部として存在する時代になる。私たちは今まで、それを空想の夢と永遠の彼方に置いてきた。その間に、全てが夢として消え失せようとしている。この危機は、私たちが「イヤだ!」と思っている人びとも含めた、「全ての人びとの存在」の危機だ。

日本の歩んだ150年をとらえ返すとき

 徴用工の闘いは、沖縄の闘い、持続可能なエネルギー、人間らしい労働と生活、環境など、全てと繋がる重要な核心問題である。日本を変えるには、私たちが勝利への強い確信と展望を持つ必要がある。

 連絡会に人生を託して亡くなられた人々の希望を、私たちは夢で終わらせてはならない。今年は、委託された荷物を点検し、記録して、人びとの共有財産にしたいと思う。皆さん、是非とも少しずつご協力をお願いします。


村山和弘(むらやま・かずひろ)

1965年日韓条約反対。不二越大量解雇反対。三一独立記念集会で在日に学ぶ。反原発。1992年不二越訴訟始まる。「植民地支配・強制連行・戦後を考える北陸連絡会」結成。当時の事務局長。

★参考資料
不二越強制連行・強制労働とは

署名サイトはこちら→http://chng.it/mhFWr9r9YS

Tuesday, December 29, 2020

「NHKひろしまタイムライン」差別ツイート問題を振り返る―差別をなくすために Reflecting NHK Hiroshima's Hate Tweets in the "1945 Hiroshima Timeline" Project

このブログを開設して14年になります。今年もお世話になりました。

最後は、「1945ひろしまタイムライン」についてひとまず年末のまとめをしたいと思います。

いままでの投稿をもう一度ここにまとめます。まだの方は読んでください。時間のない人は★がついている投稿だけでいいと思います。

8月23日

8月26日

8月30日

9月7日

9月24日

10月2日

10月4日に広島でシンポジウム「NHKひろしまタイムラインと広島の民族差別の現在」を行いました。共同通信、朝日新聞、中国新聞、東京新聞などに取り上げられました。

10月5日にNHK広島局に直接抗議と署名を手渡しました。


10月5日 NHK広島放送局前にて 仲間たちと

10月6日

その後、10月29日、長崎原爆の被爆者で、日本被団協役員の田中煕巳(たなか・てるみ)さんにも抗議文への連名をいただきました。連名・署名いただいた328名のみなさんに感謝します。

NHKは結局居直りの姿勢を正すことはありませんでした。

私は琉球新報に連載しているコラムにもこの件について書きました。

11月10日
(ウェブ上では全文を読めません。読みたい方は連絡ください)

そしてその差別ツイート内容に、広島の法務局がお墨付きを与える結果となります。

12月11日午後7時から、NHKは広島のローカル番組で、「1945ひろしまタイムラインー戦後編」を放送しました。私も録画していた友人の助けで観ることができました。一つ、少し意外だったのは、差別ツイートに殺到した批判について無視する選択肢もあったであろうに、「差別を助長しているのではないかとのご批判を多数いただきました」と認めたことです。釈明についてはHPで言っている内容と同じでしたが、HP上や、マスコミの取材に応じてではなく、NHKが自らの番組で、差別助長との批判を多く受けたことを認めたのは初めてであったと思います。

番組では一人の在日朝鮮人被爆者・李鐘根さんにスポットライトを当て、その人が受けた差別の証言などがありました。これは重要な部分であったとは思いますが、このツイートに抗議した在日朝鮮・韓国人の人たちや、民団・総連という当事者団体からの抗議については一切触れることはありませんでした。

また、この番組でNHKは重大な過誤を犯しました。一連の差別助長ツイートの内容は、モデルとなった新井俊一郎氏の当時の日記にはなかったことが判明しているのに、「日記をもとに」とナレーションし、また批判があったことを説明する中で、「戦争の時代に、当時の中学一年生が見聞きしたこと」と言い切っているのです。このツイートの内容については、この投稿を見てもらえればわかりますが、新井氏の当時の日記ではなく、21世紀になってから著した手記に突然出てくる内容です。これをNHKは、知っていながら、当時新井氏が書いた日記にあったかの如く番組の中で言ったのです。この問題について、ツイートや報道に対し、ネットではヘイト的なコメントが集中しましたが(たとえばこのヤフーニュースに掲載された共同通信の記事。これらの悪意に満ちたコメントの数々こそが、差別助長の証拠でした)、その中でも多かったのは「本当にあったことなんだから書いて何が悪い!」という開き直りでした。NHKは番組の中で、「日記にあった」という誤りを補強するような言い方で、そういった開き直りに自ら加担しているようにも見えました。

共同通信は12月22日、こう報じました。

民団などが起こした人権救済申し立てに対し、広島法務局は22日「侵犯の事実があったとまでは判断できない」と回答したといいます。

当事者が「差別だ」と言っているのに、「差別ではない」と言ってしまえる神経がわかりません。多分、差別を受けたこともない、差別を受ける側の気持ちをわかろうとしたことのない人たちが下した判断でしょう。これも「戦後」75年、「ヒロシマ」発の「もう一つの公的ヘイト」と言えると思います。

NHKは、当初の予定通り、年末を持ってこのプロジェクトを終了し、アカウントもHPも閉じる予定ということです(8月1-15日の分だけは21年3月末まで掲載すると)。


12月28日「シュン」ツイッターアカウントのスクリーンショット


「ひろしまタイムライン」のヘイトツイートも、抗議を受けて居直りHPに再掲載したNHKの姿勢も、この件に多くが関心を示さなかった日本の「平和」「反核」運動社会も、民団の訴えを却下した広島法務局も、戦争の終盤に受けた被害だけを伝え、植民地支配や侵略戦争への責任から目を背ける「国際平和都市」ヒロシマの欺瞞を象徴する現象だったと思います。

そんな中、関心を持ち、一緒に怒り、連名してれた人たち、声をあげた人たちの存在に希望を見出します。また、10月4日のシンポジウムに「タイムライン」関係者とおぼしき人が複数来ていたことからも、関係者の中にも、この件に心を痛め、ツイート内容を削除したいと思っていた人たちが少なくないのではないかと察せられます。また、この問題の報道に及び腰だったメディアにも、現場の記者はしっかり報道したいのに、重圧を受けていたのではないかと思われる気配もありました。

そのような、見え隠れする良心にも、新たな年への期待と希望を見出したいと思います。NHK広島局の責任者も、本当は間違ったことをしたとわかってはいながら、ただの面子や意地で居直っていたのかもしれません。内心はどうあれ、差別を放置したことは許せません。内情はわかりませんが、その人たちが、少しでも、自らを振り返る機会を持ち、日本に残存する植民地主義や差別をなくしていくよう今後は意識して努力することを願います。

NHKの差別ツイートの被害者・当事者である在日朝鮮人・韓国人の方々には、反対運動がこの問題を解決に導くことができなかったことを、お詫びしたいと思います。この問題に引き続き取り組みつつ、朝鮮学校差別、ヘイトスピーチ、日本軍「慰安婦」や強制動員などの歴史否定など、取り組まなければいけない差別、なくさなければいけない差別はたくさんあります。これからも頑張っていく、としか言えない自分が情けないですが、新年に向けて決意を新たにしたいと思います。

このたび、「在日差別をなくす会」という会を仲間と作りました。広島・福山市のクリニックで在日朝鮮人のYさんが受けた差別についても、医師は謝罪しながらも自分の行為が差別であったことに向き合っておらず、さらに福山市側にも被害者に重圧をかけるような行為がありました(経緯については7月29日8月6日8月25日9月11日 の投稿を順番に呼んでください)。いまだ、被害者にとって解決した・再発防止策がなされたとの安心感を得ることからは程遠い状態です。この問題が長引いてしまったのは、頼るべきではなかった団体に支援を頼んでしまったこともありました。しかしすべては教訓です。この福山市の民族差別事件をはじめとし、在日の差別をなくしていくための会をあらためて作り、新年の取り組みに備えたいと思っています。

「在日差別をなくす会」に関心のある方は連絡ください。コロナで大変な日々ですが、どうかよい年末・年始をお迎えください。

@PeacePhilosophy 乗松聡子