To view articles in English only, click HERE. 日本語投稿のみを表示するにはここをクリック。点击此处观看中文稿件한국어 투고 Follow Twitter ツイッターは@PeacePhilosophy and Facebook ★投稿内に断り書きがない限り、当サイトの記事の転載は許可が必要です。このブログの右サイドバーにある Contact Us フォームで連絡ください。Re-posting from this blog requires permission unless otherwise specified. Please use the Contact Us form in the right side-bar to contact us.

Friday, May 21, 2010

Kimura Akira: Now is an Opportunity to Gain Independence - Departure from the Illusion of "Deterrence" 木村朗「いまこそ対米自立の機に 抑止力という幻想超えて」

This is an article by Kimura Akira, Professor of Peace Studies at Kagoshima University. An English summary will follow soon.

先日の吉田健正さんの論考に続き、鹿児島大学の木村朗さんが共同通信用に書かれたものを送ってくれました。日米安保条約50年、日本には、今こそ半世紀続いてきた従属的軍事同盟から脱皮し、平和憲法を生かし、アジアの中で、世界の中で尊敬に値する役割を果たしていってくれるよう期待します。

「いまこそ対米自立の機に 抑止力という幻想超えて」


鹿児島大教授・木村 朗

 米軍普天間飛行場問題をめぐる「迷走」で鳩山政権が窮地に陥っているとの報道がなされているが、はたして本当に「突破口」はないのであろうか。

 米国や自民党、ゼネコン業者などが固執する現行案、および鳩山政権によるキャンプ・シュワブ沖合へのくい打ち桟橋方式を含む修正案は、今年1月の名護市長選の結果や4月25日の9万人県民集会などで明確な民意が示されており、案として既に破綻している。また、徳之島への基地建設や訓練の一部移転提案も4月18日の全島挙げての反対集会や2万6千人分の反対署名の重みを考えれば、実現不可能とみるべきだろう。そもそも徳之島案は、沖縄と奄美は同じ琉球圏内にあり、敗戦後8年間、米軍占領下にあった歴史を無視、あるいは歴史そのものへの無知に根差していないか。

 沖縄県内ばかりでなく、県外への新基地建設案を民意は明確に拒否している。残された選択肢は国外、あるいは沖縄県外にある自衛隊基地の日米共同使用以外にはないと思われる。

 注目されるのが、普天間基地を抱える沖縄・宜野湾市の伊波洋一市長らが指摘している米軍が2006年7月に策定した文書「グアム統合軍事開発計画」の存在である。同文書には、14年までに司令部だけでなくヘリ部隊や歩兵部隊を含めたほとんどの在沖縄海兵隊をグアムへ移転させると明記されている。しかし、この重大な事実は、あらゆる議論の前提となるはずの在沖縄海兵隊の実数とともに、関係閣僚や官僚の間だけでなく、マスコミ報道でもなぜか重視されてこなかった。

 鳩山首相は5月初めの沖縄訪問時に、海兵隊による「抑止力」を再評価する発言をして多くの人々を失望させた。沖縄の海兵隊は緊急時の米国人救出が主任務で日本防衛の抑止力と考えるのは「幻想」だという複数の軍事アナリストの指摘が正しければ、首相の「抑止力」発言は、防衛・外務官僚による刷り込みか、米国や既得権益勢力による恫喝が効いた結果のようにも思える。 優先すべきことは、米国に代わって代替基地を探すことではなく、米国の政治学者チャルマーズ・ジョンソン氏も提起しているように、米国基準ではあり得ない「世界一危険な」普天間での訓練即時中止、基地閉鎖をあらためてはっきりと米側に突きつけることである。「米国と日本(本土)による二重の占領・植民地」下にある沖縄への過重負担を軽減し、日米地位協定や思いやり予算も見直す必要もある。

 今からでも遅くはない。鳩山首相には、持論の「常時駐留なき安保」を封印せずに、「対等な日米関係の構築」「国外、最低でも県外移設を」と訴えてきた原点 に立ち戻ってほしい。首相は本来の「腹案」に含まれていたはずの在沖縄海兵隊のグアム、テニアンなどへの国外移設実現を真剣に模索するべきである。現地を視察し、同地への移設を訴える民主党の川内博史衆議院議員らの声に耳を傾ける
必要がある。

 米国に追随してきた政治家や官僚だけでなく、私たち国民も「属国意識」「植民地根性」とさえ呼ばれることがあった発想、あるいは思考停止から一刻も早く抜け出して、米国と真正面から向き合うべき時にきている。 オバマ米政権も一枚岩ではなく、日本側の「覚悟」次第で対応が変わる可能性がある。いまこそ、日米安保のあり方を含めた二国間関係を根本的に問い返し、対米自立の視点から在日米軍基地の撤去を進めていくチャンスである。
   ×   ×   
 きむら・あきら 54年、北九州市出身。平和学専攻。九州大学大学院時代に旧ユーゴスラビアに留学。著書に「危機の時代の平和学」「米軍再編と前線基地・ 日本」など。ネット新聞「NPJ」に評論「時代の奔流を見据えて」を連載中。

(共同通信2010年5月19日配信)

No comments:

Post a Comment