To view articles in English only, click HERE. 日本語投稿のみを表示するにはここをクリック。点击此处观看中文稿件한국어 투고 Follow Twitter ツイッターは@PeacePhilosophy and Facebook ★投稿内に断り書きがない限り、当サイトの記事の転載は許可が必要です。peacephilosophycentre@gmail.com にメールをください。Re-posting from this blog requires permission unless otherwise specified. Please email peacephilosophycentre@gmail.com to contact us.

Thursday, April 07, 2022

ケイトリン・ジョンストン:米国政府高官たちが、ロシアについて公衆に文字通り嘘をついていることを認める Caitlin Johnston: US Officials Admit They’re Literally Just Lying To The Public About Russia (Japanese Translation)

ケイトリン・ジョンストン氏の4月7日の記事を見て驚いた。氏が言うように、NBCは、4月6日の報道で、米国政府がロシアに勝つために、嘘を使って公衆を騙す戦略を用いていることを暴露し、それに怒るどころか喜んでいるのである!ロシアを倒せるのなら喜んで騙されましょうという公衆の受容があるからこんなリークができるのだ、とジョンストン氏は見ている。いったいどこまで行くのかという、市民社会の変容である。以下、翻訳です。(アップ後修正することがあります)



US Officials Admit They’re Literally Just Lying To The Public About Russia 

https://caitlinjohnstone.com/2022/04/07/us-officials-admit-theyre-literally-just-lying-to-the-public-about-russia/

米国政府高官たちが、ロシアについて公衆に文字通り嘘をついていることを認める

NBC Newsの最新の報道は、複数の匿名の米政府高官を引用してこう伝えた。「これまでとは異なり、米国はロシアとの情報戦を戦うために、たとえその機密情報が確かでない場合でもその情報を使っている」と。

この高官たちによると、バイデン政権は、プーチンとの情報戦を戦うために、ウクライナにおけるロシアの計画について、「信頼度が低い」「確かな証拠よりも分析に基づく」、あるいは単なる虚偽の「機密情報」をどんどん押し出してきた。

この報道によれば、この目的のためにアメリカ政府は誤った、あるいは根拠の乏しい主張を意図的に流布したとのとのことである。それらは、「差し迫った化学兵器攻撃」、「侵攻を正当化するためにドンバスで偽旗攻撃を組織するロシアの計画」、「側近プーチン大統領に誤った情報を与えている」、「ロシアが中国からの武器供給を求めている」などだ。

(以下NBCから抜粋。強調はケイトリン・ジョンストンによる)
「ロシアがウクライナで化学兵器を使用する準備をしている可能性を示唆する兆候があると、米国当局が発表した」というのは注目を集める主張であり、世界中でトップニュースになった。 

ジョー・バイデン大統領も後に同じことを公言した。しかし、3人の米政府関係者は今週、NBCニュースに、「ロシアがウクライナに化学兵器を持ち込んだという証拠はない」と語った。彼らは、米国が情報を公開したのは、ロシアが禁止されている化学兵器を使用するのを阻止するためだと述べた。 

これは、ロシアに対する情報戦の一環として機密解除された情報を展開することで、バイデン政権が最近の前例を破った一連の例の一つである。情報が確固たるものではなくても、政権はこのようなことを行ってきたと、当局者たちは述べている。ロシアのプーチン大統領に揺さぶりをかけるためにである。

 要するに、嘘をついたということである。彼らは崇高な理由のために嘘をついたと言うかもしれないが、嘘は嘘だ。彼らは、真実であると信じる理由がない情報を故意に流し、その嘘は西側世界の最も影響力のあるすべてのメディアによって増幅されたのだ。

以下は、バイデン政権が「情報戦」の一環として偽のナラティブを発表したもう一つの例である。

同様に、ロシアが中国に軍事的援助の可能性を求めたという告発も、確たる証拠を欠いていると、1人の欧州当局者と2人の米国当局者が述べている。

米政府高官は、「中国がロシアへの武器供与を検討しているという兆候はない」と述べた。バイデン政権は、中国がそうしないよう、警告としてそれを出したという。

先週、アメリカ帝国が主張した、「プーチンは、側近が真実を話すことを恐れているために惑わされている」という件について、NBCは、この評価が「決定的ではなかった - 確固たる証拠に基づくというより、分析に基づくものだ」と報告している。

実は、ニューヨーク・タイムズがニュース速報を装ってこのアホらしいCIAのプレスリリースを無批判に発表したとき、私はそれを揶揄してこうツイートした: 

(訳者注:ケイトリンの上のツイートの訳:「ニュース速報:英語圏で最も影響力のある新聞が、CIAのプレスリリースを『ニュース速報』として日常的に流している。) 

2月に国務省のネッド・プライス報道官がアレックス・ジョーンズ(訳者注:陰謀論が多いと言われているラジオパーソナリティ)風に、「ロシアが侵略を正当化するために危機管理俳優を使った『偽旗』ビデオを公開しようとしている」と誤って主張したことにも我々はツッコミを入れた。

NBCの報道で取り上げられた他の米国政府の嘘は、それほどかわいらしいものではなかった。

別の情報開示では、米当局者は、ウクライナにミグ戦闘機を提供しなかった理由の1つとして、ロシアがこの動きをエスカレーションと見なすという機密情報があったとしている。

それは事実だが、バイデン政権が実際に提供したスティンガーミサイルについても同様である、と2人の米政府高官は語った。これらの高官がさらに付け加えたのは、政権がこのミグに関する情報を開示したのは、ミグをウクライナに提供してはいけないという議論を高めるためだったということだ。

つまりバイデン政権は、ウクライナに武器を送ることが、核保有国であるロシアから挑発的なエスカレーションと受け取られることを知っていながら、とにかく武器を送り、そしてそのことについて嘘をついたのです。なんとクールなことか!

このNBCの報道は、我々が何ヶ月も前から聞いていた噂を裏付けるものだ。戦争のプロであるマックス・ブートは、2月に外交問題評議会のシンクタンクを通じて、バイデン政権は「情報作戦の新時代」を切り開いたと語った。元MI6チーフのジョン・ソーズは2月、シンクタンク「アトランティック・カウンシル」に、バイデン政権の「機密情報」発表は実際の情報よりも全体的な雰囲気に基づいており、情報を伝えるというよりも操作するように作られていると語った。 

ちなみに言っておくが、NBCは、報道の自由の助けを借り、権力者の嘘を勇敢に暴いている米国政府内の内部告発者による重大なリークを公表しただけではない。この記事の著者の一人は、2014年にLA Timesに寄稿しながら文字通りのCIAのスパイとして働いていたことが明らかになったケン・ディラニアンである。ディラニアンの名前を署名欄に見かけたら、米帝の運営者が読ませたいものをそのまま読んでいると考えて間違いないだろう。

では、なぜ今になってこんなことを言うのだろう?アメリカ政府は、最も有名な国際紛争について継続的に嘘をついていることを認めることによって、国民の信頼を失うことを心配しないのだろうか?また、NBCの情報筋が主張するように、これが「プーチンの頭の中を探る」ための「情報戦」であるならば、主要な報道機関を通じてオープンに報道することは完全に目的を逸脱しているのではないだろうか?

まあ、これらの疑問に対する答えが、本当に不気味なところなのだが。この件に関する皆さんの意見や解釈は大歓迎だが、私が考える限り、アメリカ政府がこの話を公開する唯一の理由は、一般大衆に知ってもらいたいからだと思う。そして、一般大衆に知らせたいと思うもっともらしい理由は、一般大衆が嘘をつくことに同意すると、確信しているからだと思う。

私が言いたいことをよりよく理解してもらうために、この報告のテレビ放映版を見ることを勧める。ディラニアンとNBCのキャスターであるアリソン・モリスが、バイデン政権がプーチンの心をかき乱すためにこうした心理戦の戦術を用いることが、いかに見事で素晴らしいかを熱弁しているのだ。

   

洗脳されたNBCの視聴者がこのセグメントを見たときに受け取るメッセージは、「これってすごくない?私たちの大統領がプーチンを倒すために3Dチェスのようなクールな動きを見せていて、そして私たちはその一端を担っている!」ということだ。

アメリカ帝国がインターネット検閲プロパガンダシリコンバレーのアルゴリズム操作ジャーナリストへの迫害の常態化などを通じて、地球の覇権支配を強化するためにナラティブ統制を強化してきたことが明らかになって久しい。私たちは今、帝国的なナラティブ統制の新たな段階に来ているのかもしれない。帝国は、自分たちによかれと思って進んで嘘をつかれる公衆の合意を、白昼堂々作り上げることができる。

ジュリアン・アサンジに対する中傷キャンペーンがもたらしたものは、主流のリベラル派が、政府が秘密を持つ権利を擁護するように訓練されてしまったことだ。それと同様に、私たちが今見ているのは、主流のリベラル派が、政府が自分たちに嘘をつく権利を守るように訓練されてしまっている、ナラティブ統制の進展の新段階なのである。

アメリカは一極覇権を確保するために必死でロシアと中国に対する冷戦攻撃を強化している。核武装した敵に対しては、もっとあからさまな方法で攻撃できないため、冷戦工作では伝統的に心理戦が大きな役割を担っている。だから、今こそアメリカの二大政党の「思想家」たちが、自分たちの政府の心理戦争工作を熱狂的に応援する時であることは間違いないだろう。

このNBCの報道について、主流のリベラル派が何を言っているのか、インターネットで何気なく見てみると、実際にこのようなことが起こっていることがわかる。リベラル派の界隈では、世界で最も強力な政府が、世界で最も強力なメディア機関を使って、戦略的利益のために公衆に嘘をつくことを広く受け入れているように見える。もしこのようなことが受容され続けるのなら、帝国の運営者たちにとってこんなに都合のいいことはないであろう。

(以上)

元記事はここです。

No comments:

Post a Comment