Here is the text of Hiroyuki Takai’s speech at the webinar “Re-narrativizing Hiroshima & Nagasaki: Resisting the Remilitarization of Japan,” held on August 11, 2026, and organized by Tricontinental Asia. Click HERE to watch the webinar recording.
8月11日の、トライコンチネンタル・アジア主催のウェビナー「広島・長崎の記憶を語りなおし日本の再軍備化に抵抗する国際会議」で一緒に登壇した高井弘之氏の講演原稿をアップします。イベントの動画はここにあります。
高井さんは、「1840年代から1940年代の100年に及ぶ時期のいずれかに、あるいは継続的に、中国への侵略を行なって来た帝国主義列強と呼ばれた諸国」がまさしく現在中国に牙を向けている国々と指摘します。まさいしく、欧米列強プラス日本。また、日本は加害国だったにもかかわらず、日本国内の歴史記憶が「被害」中心のために、戦争とは「他国が責めてくるもの」と思い込んでいるという指摘はその通りと思いました。言語になっていそうで、なっていない、本質を言語化する高井さんの言論から目が離せません。@PeacePhilosophy
「中国への戦争態勢」の状況と反戦運動の課題
高井弘之
一 日米による「対中国戦争態勢」の構築―その実態―
(1)「臨戦態勢」化する日本
いま日本では、「中国への戦争態勢」が急ピッチで構築されています。それは、沖縄・奄美地方で2010年代の半ばころから始められ、数年前からは九州・西日本・全国へと拡大しています。中国大陸を包囲する形で配備されているミサイル部隊には、今年から、中国大陸まで届く飛距離の長いミサイルが配備され始めました。これら長射程ミサイルは、今後、全国各地に配備されていく予定です。
民間空港・港湾・船舶・公道の軍事利用
自衛隊(日本軍)の演習や日米等の共同軍事訓練では、各地の民間空港・港湾のほか、私たちが日常生活で使っている一般道路やさまざまな公共施設も使われ、部隊や軍備の輸送に民間船舶や定期航路も使用されるようになっています。
自衛隊司令部の地下化
また、政府・防衛省は、自衛隊司令部の「地下化」も進めています。それは、23年度に沖縄・九州の基地・駐屯地6か所が予算化されたことから始まり、その対象は、徐々に、全国へと広げられています。
政府は、日本への武力攻撃を抑止するため、つまり、戦争を起こさせないための軍備だなどとして軍拡を進めて来ました。しかし実際は、中国と戦争することを想定し、そのとき、軍の司令部のみを「地下化」によって守る準備を始めているのです。地上にいる住民の命ではなく、地下司令部の生存と戦闘態勢のみを守り維持しようとしているのです。
日米NATOによる「対中国軍事包囲網」の構築
この「中国への戦争態勢―中国に対する軍事包囲網」の構築は、もちろん、日本単独でのものではありません。数年前から、米日の軍隊だけでなく、西欧からイギリス・フランス・ドイツ・オランダなどの軍艦や空母が、中国の近くまではるばるやって来て、その周辺の地域・海域で、しきりに合同軍事演習をやっています。
これらの国々は、1840年代から1940年代の100年に及ぶ時期のいずれかに、あるいは継続的に、中国への侵略を行なって来た帝国主義列強と呼ばれた諸国です。つまり、列強の軍隊が再び中国近海へと戻って来ているのです。
2024年に行なわれた日米共同統合演習「キーン・ソード25」は、日米の軍隊合わせて、総勢4万5千人の兵士、40隻の軍艦、370機の軍用機に加え、オーストラリア軍、カナダ軍も加わって大規模に展開され、英仏独伊・NATOなどもオブザーバーとして参加しました。演習は、米軍・日本軍(自衛隊)の基地だけでなく、合計30余の民間の空港・港湾も使用されました。
沖縄・奄美には、日米共同指揮所が作られました。ここで行なわれたのは、まさに、「戦争の指揮」であり、その訓練です。ミサイル部隊が配備されている奄美・沖縄・宮古・石垣の島々では、「本土」の部隊と共に、中国艦船への攻撃を想定しての、対艦ミサイル発射訓練が行なわれました。
そして、2025年も、今年2026年も、これまでよりもさらに大規模かつ実戦的な合同軍事訓練が展開され続けています。
東アジア全域での戦争戦略―「ワンシアター」構想―
2025年3月、中谷防衛大臣(当時)は、ヘグセス米国防長官に、「ワンシアター構想」を提起しました。構想は、朝鮮半島・東シナ海・南シナ海をワンシアター(一つの軍事作戦が実行される地域―戦域)と捉えて、日米を中心とする関係国が共同で行動しようというものです。
これは、日本から遠く離れている南シナ海(南中国海)までも、自衛隊にとっての「戦域」と捉えていることを示すものであり、まさに、南シナ海を含めた「対中軍事包囲網構築」の提起です。実際に、この海域では、すでに数年前から日米等の合同軍事演習が行なわれています。
今年、5月6日には、フィリピンのルソン島北部で、小泉防衛大臣も視察する中、陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊によるミサイル実射訓練も行なわれました。
(2)大日本帝国の軌道の上に在る「対中国戦争態勢」
近代日本国家は、150年前の東アジアでの台頭期以来、周辺諸国への軍事侵略―占領を次々と展開し、膨大な数の人びとを殺戮―支配し、アジアの大国となっていきました。この長い期間、日本は、アジアの人びと・国ぐにに対する支配・加害者として、独自に、あるいは欧米列強と共に、東アジアを軍事的・経済的に侵略し、戦争を起こし、平和を奪って来ました。欧米と共に、東アジアの国ぐに・人びとに対してそのようにしたのは、東アジアで日本だけです。
いま行なわれている対中戦争態勢の構築は、この大日本帝国が歩んで来た軌道の上にあるものです。
戦後日本国家は、自らの侵略・植民地支配を深く反省することも、その侵略責任・支配責任を果たすこともないまま、いま、新たな戦争体制を構築し始めています。中国への攻撃態勢であるそれは、いまや、臨戦態勢の域にまで達しています。いまの高市政権は、この「大日本帝国の軌道」に、さらに徹底して乗ろうとしているようです。
高市首相は、昨年11月、国会において、中国が台湾統一行動に出た場合の日本の対応に関する発言を行ないました。この「高市発言」とは、中国が台湾の武力統一行動に出た場合、(日本が攻撃されていなくても)軍事力を行使してそれを妨害する――中国に戦争を仕掛けるという意味です。これは、中国にとって、何を意味するでしょうか。
周知のように台湾は、日本が行なった日清戦争(中国侵略戦争・朝鮮植民地化戦争/1894~95年)後の講和条約によって日本が中国に割譲させ、その後の「台湾征服戦争」によって完全に植民地にしたところです。つまり、日本が中国から奪ったところです。そして、「台湾統一」とは、中国にとって、日本に奪われ、日本の敗戦後も米国の妨害によって分離・分断状態であり続けたその台湾を取り戻す――「回復」する行為です。「高市発言」は、その「回復行為」を、台湾のかつての宗主国・日本は許さない、という意味を持つことになります。
また、これは、日本が中国への侵略を反省し両国の平和友好関係を約束したものとして、この50年余りのあいだ、「一応」機能して来た「日中共同声明・日中平和友好条約」体制を――国連・国際法体制でもあるそれを、公然と破る発言でした。
さらに恐ろしいのは、高市政権の対中姿勢を支持する国内世論の状況です。当時の各世論調査では、「高市発言」を撤回する必要がないという意見が7割近くに達していました。
かつて、日本が中国への侵略・支配を拡大していった1937年当時、日本の政府・メディアは、「暴支膺懲」(暴虐な中国を懲らしめる)のスローガンを発し続けました。日本の侵略に対する中国側の当然の抵抗行為を「暴虐・横暴」とし、だから、「膺懲」するのだとして、自らの行為を正当化し、国民の戦意を煽ったのです。
そして、多くの国民が、このスローガンとそれに基づく軍事行動を支持し、侵略への挙国一致体制がつくられていきました。この「日本政府と日本国民」だけの閉じられた空間には、問題の――現実の根本にある自らの侵略行為への視線は、存在していませんでした。
私は、いまの日本の目前の状況を見ながら、このような歴史を思い起こしています。
いま、日本政府・マスメディアには、中国への敵対意識を煽る発言が溢れ、なぜ中国が「高市発言」に強く抗議しているのかを、中国の立場に立って知ろうとする姿勢は、ほぼ、存在していません。問題の発端―起点がこの「発言」にあることさえ忘れられ、いま日本は対中「挙国一致体制」の完成へと走っているように見えます。
世界から閉じられた――自ら閉じた偏狭な「日本空間」に自足し、今日に至る「日本―東アジアの歴史」からも、現在の世界の状況からもかけ離れた、自己中で独りよがりの「自己正当化」の主張だけが声高に発せられているのです。
しかし、手をこまねいているわけにはいきません。この恐ろしい状況と、そのさらなる進展を、私たちは止めなければなりません。そうしなければ、私たちは再び、中国―アジアの人びとに対する加害者となり、ここ東アジアに住む私たちの暮らしも命も失われてしまいます。
私たちは、近代日本150年の歴史を内省的に総括し、「対中戦争準備」を阻止し、今度こそ、日本を、東アジアの平和を実現する側の国へと変えなければなりません。
それでは、次は、以上のような日本の危険極まりない状況に対する、私たち日本の市民・民衆の活動についてお話ししたいと思います。
二 日本における反戦運動の現状と課題
(1)「新たな戦争態勢構築」に抗する闘いの登場
戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク
2010年代から始められた「新たな戦争態勢―対中戦争態勢」だが、その状況は全国的にはほとんど報道されず、それに対する全国的な闘い―運動もありませんでした。沖縄・奄美地方の軍事拠点化に対する抵抗は、ほぼ、各地での孤立した闘いを強いられる状況でした。やがて、その新たな軍事態勢は九州から西日本へと拡大され始めました。
孤立した各地の闘いをつなげ、つながり、各地・各人が連帯した共同の闘いを行なうことによって、この新たな軍事態勢を崩し、戦争を止めようという試みの準備を、私たちは、ようやく、2023年の後半ころから少しずつ始めました。2024年に入ってからは、この共同の闘いのためのネットワークを作るために、沖縄・西日本各地での交流・連帯集会を始めました。
それは、4月の愛媛を皮切りに、8月に沖縄、9月に呉(広島県)、11月に大分で行なわれ、2025年2月に鹿児島で、ネットワーク結成集会を行ない、「戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク」を発足させました。そこでの結成宣言の最後で、私たちは、次のように決意しました。
「知り、つながり、止める。」
平和を創り出すために、本日、私たちは新たな闘いに歩み出します。互いの情報を共有し、知恵を出し合い、つながり、連帯し、市民の共同の力で、「国家による戦争」を止めます。
そして2025年6月、沖縄・西日本各地から東京へ行き、「対政府交渉」や院内集会、市民連帯集会を行ないました。その後、10月には、大規模なミサイル弾薬庫の建設が始められた京都・祝園で、11月には、一棟目のミサイル弾薬庫完成間近の大分と、全国で最初に長射程ミサイルが配備される熊本で、12月には、巨大な総合軍事拠点の計画が進行中の広島・呉で、2026年5月には、大軍港であり、トマホークミサイルが配備される予定の福井県敦賀市で、日々活動を続ける現地の人びとと全国から駆け付けた人びととが連帯して大集会を行ないました。そして、今年10月には、三度目の「東京行動」を行ない、対政府交渉や市民連帯集会などを行なう予定です。
若い世代の新たな反戦運動始まる
今年2月の衆院選における高市政権の圧勝後、改憲と戦争準備に反対する国会前デモに、20代・30代の若い人たち、特に女性が多く参加するようになりました。選挙後に始められたこの国会前デモは回を重ねるごとに参加者が増え、4月19日の国会前行動とそれに連帯する全国各地のデモには総計5万人を超える人々が参加しました。
この新たに登場した若い世代の人たちは、これまで運動を続けていた団体が呼びかけるデモに参加するだけでなく、自分たち自身でもデモや集会を主催し、行なっています。東京で始まったこのような新しい動きは、いま全国各地に広がっています。
2015年に、政府が、これまでの「専守防衛」政策を変更して、集団的自衛権を認める法律を制定しようとした時――つまり、米国が行なう戦争に日本も実戦的に参加できるようにしようとした時にも、大学生を中心とする若い人たちの反対運動が起こりましたが、今回の動きは、その参加人数の多さも、地域的な広がりも、当時の状況をはるかに超えるものと言えます。もちろん、アジアの他の国々に比べれば、その勢いや参加人数はまだまだですが、長い間、若い人たちによる顕著な反政府運動や反戦運動が存在しなかったここ日本においては、画期的な動きであると言えます。
(2)反戦運動を高め、深めていくための課題
次に、いまこの日本に構築されている「中国への戦争態勢」を実際に崩し、新たな戦争を止めて行くための課題についてお話ししたいと思います。
① 軍事拠点化された地域の闘いと新たな若者の闘いの合流を!
いま紹介した前者の闘いである、軍事拠点化が進行するそれぞれの地域を拠点にして、それら地域の人たちがつながり合う形でいま展開されている軍事拠点化阻止の闘い。首都圏で、2015年の集団的自衛権を認める安全保障関連法―「戦争法」反対運動以来、国会前を中心に行なわれ続けている反改憲・反戦の運動。そして、同じくいま紹介した後者の闘いである、若い世代の人たちを中心にして新たに展開され始めた反戦・反改憲・反高市政権の運動。
これらの動きが、もっともっと深く広く合流していくこと。そして、新たな戦争態勢を崩し、戦争を阻止する闘いを、日本全国を覆う大きなうねりにまで高めていくこと。先に紹介した、「戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク」による今年10月の東京行動も、そのような視座・目的の下で行なわれる予定です。
②「中国の脅威」を理由とする大軍拡―中国脅威論の克服と解体に向けて―
冒頭で話しました「新たな軍事態勢」の構築について、政府・マスメディアは、「中国への抑止力」強化を目的とするもの、つまり、「中国の日本への攻撃を思い留まらせる」ためのものだとしています。多くの国民もその必要性を感じ、多額の予算を要するこの大軍拡に反対していません。戦争態勢の構築は、まさに、「中国の脅威」を理由・推進力として進められています。そうであるなら、この戦争準備を止めるためには、日本社会に蔓延する「中国脅威論」を克服・解体することが必要であり、必須です。
このような状況の一方、市民・国民の多くは、日々の生活の苦しさが増し、その維持に不安を抱え、社会保障・減税などの「生活の安全保障」を求めている状況があります。
そうであるなら、実は、いま、中国が日本を攻撃する理由もメリットもなく、逆に、日米による中国への攻撃的軍事態勢こそが東アジアでの戦争の危機を高めていることを多くの人に伝えることができれば、軍拡に対する国民の支持は減るはずです。
実際、相手に「脅威」を与える軍事演習は、中国軍が米国の近くで行なっているのではなく、日米NATOが中国のすぐ近くで行なっています。米中対立が言われますが、その軍事対峙線も、太平洋の真ん中ではなく、中国のすぐ近くの「中国の防衛ライン」――第一列島線と呼ばれるラインです。
大軍拡より「生活の安全」を――社会保障の充実を!
軍拡は増税や社会保障費の削減とセットで行なわれるものですから、日本の軍事費の増大など必要でなく、増大はむしろ戦争の危機を高めているという認識を広げていくことができれば、軍拡を止めて軍事費を削り、それを社会保障費などに回すことを求める人々が増えていくと思います。
以上のことから、戦争態勢の構築―大軍拡を止めて行くためには、「中国脅威論」を克服・解体する作業が急務だと思います。
ちなみに、私が所属している「ノーモア沖縄戦・えひめの会」では、2年余り前に、中国脅威論を克服するためのリーフレット『本当に「中国は攻撃して来る」のだろうか?』を発行し、その普及活動を行なっています。このリーフレットを多くの人に読んでもらうことによって、大軍拡を支持する世論を変えて大軍拡をストップさせ、戦争を止めたいと、行動しています。私たちはこの行動を、【戦争をさせない!
中国への戦争準備をストップ! リーフレット100万部配布プロジェクト】と銘打って行なっています。
このプロジェクトには、全国各地からの呼応があります。私たちの呼びかけに応えてくれた全国各地の人びとが、それぞれの地域の街頭で、あるいは、各戸配布の形で、配布活動を行なってくれています。一人で数千部もの配布活動を行なってくれている人もいます。現在、その数は13万部を超えています。100万部にはまだまだ遠いですが、いまも、呼びかけに応えてくれる新たな人々が登場しています。
③ グローバルサウスの人びとの闘いと連帯し得る質を持つ反戦運動へ
最後に、もう一つ大事な課題があります。それは、かつて欧米日・帝国主義列強の侵略・植民地支配を受けたグローバルサウスの人びとと連帯し得る質を持つ反戦運動にしていくという課題です。
世界史の大転換期としての現在
ご存知のように、数百年にわたって世界を支配して来た欧米日諸国は、いま、歴史的な没落過程に入り、帝国主義諸国による世界支配の体制は崩壊し始めています。第二次世界大戦後も世界の政治・経済を支配して来た(「先進国」という名の)西側・帝国主義諸国がその力を失っていく一方、中国・インド・インドネシア・ブラジルなどを中心にグローバルサウスの国ぐにが経済発展を遂げ、政治的・外交的にも国際社会における存在感や発言力を獲得して来ています。つまり、世界はいま、数百年来の歴史的大転換期にあります。
平和を求めるグローバルサウスの国ぐに
これらの国ぐには、「平和な国際環境と紛争の平和的解決」を追求することを原則とし、かつ、具体的に、ベトナム・イラク・リビア・パレスチナ等々に対する侵略戦争に反対して来ました。
米国を筆頭とする「西側中心国」の支持・支援のもと、2023年以降新たに進行している、イスラエルによるパレスチナへの攻撃・虐殺を止めるために精力的に動いているのも、中国を含むグローバルサウスの国ぐにです。
帝国主義・植民地主義に反対し、「平等・公正で平和な国際秩序」を求めるこの姿勢は、1955年に開催されたアジア・アフリカ会議における「平和十原則」や、その後の非同盟運動に一貫して存在し続けて来ているものです。
いま行なわれているベネズエラ・キューバ・イランなどに対する米国のなりふり構わぬ行動も、百年近くにわたって世界を支配して来た自国の没落過程に対する「あがき」と言えます。今後、その追い詰められた状況下で、さらに暴力的・軍事的・理不尽に行なわれるであろう米・西側の行動にどうやって歯止めをかけるかが、この大転換期を生きる私たちに課せられた重要な課題であると思います。
いま東アジアで中国への戦争態勢を構築している国ぐには、まさに米国を中心とする、これら西側・中心国です。そして、これらの「戦争態勢・対中軍事包囲網」は、グローバルサウスの中心である中国の弱体化を図ることによって、自らの没落を防ぐためのものです。
したがって、この日本・西側による「中国への戦争態勢」構築に私たちが抵抗し、それを崩していく闘いは、いま、ベネズエラ・キューバやイランで米国の侵略に対して闘っている人びとと共通する闘いの性格を持つものとも言えます。
言い換えれば、現代世界の支配構造を踏まえれば、日本における私たちの闘いは、日本国家等・西側帝国主義に反対し抵抗する闘いとして、グローバルサウスの人びとと連帯し得る性格を、客観的に持っているものと言えます。
日本での反戦運動は、現在、このような認識や視座・姿勢を持つものにはなっていません。しかし私たちは、日本における私たちの闘いをこのような認識―視座をもって捉え返し、私たちの反戦の闘いを、このような視座の射程の下、まさにインターナショナルな闘争として行なっていかなければならないと思います。そしてそれは、人類史におけるこの歴史的大転換期に、ここ東アジアで生きる私たちの歴史的課題でもあります。
以上、今日のこの場が、私たちアジアに生きる民衆・ピーピルによる反戦のネットワーク――〈アジア反戦民衆ネットワーク〉の形成の契機にならんことを願いながら、私の発表を終えたいと思います。
著書に『「中国への戦争態勢」は誰のための何のためのものかー東アジアでの戦争を止めるためにー』 『礼賛される「日本150年」とは、 実は、何か―日本ナショナリズムの解体と新たな列島社会の形成に向け て―』他。
愛媛県今治市在住。