To view articles in English only, click HERE. 日本語投稿のみを表示するにはここをクリック。点击此处观看中文稿件한국어 투고 Follow Twitter ツイッターは@PeacePhilosophy and Facebook ★投稿内に断り書きがない限り、当サイトの記事の転載は許可が必要です。peacephilosophycentre@gmail.com にメールをください。Re-posting from this blog requires permission unless otherwise specified. Please email peacephilosophycentre@gmail.com to contact us.

Thursday, April 17, 2008

細野小学校での講演

希望だけでなく、未来も伝える・・・
                       Peace Journalist 菊野由美子

今、私の手元に48名の子供達から寄せられれた感想文集が、私をかわいらしく書いてくれた似顔絵の表紙と共に届いた。彼らから、さらなるエネルギーをもらったのはもちろん、自分の言葉に責任を持たなければという身が引き締まる気持ちと、感謝の気持ちで一杯になった。その中で、「希望を伝えるだけでなく、未来も伝えていかなくてはいけないと思う。」という感想に心が釘付けになった。

  2008年3月19日、宮崎県小林市細野小学校6年1組、2組の生徒さん達に迎えられて話をする機会をいただいた。細野小学校は、宮崎県南西部に位置する人口約4万の小林市にあり、全校生徒約300名で創立134年の歴史ある小学校である。学校周辺は緑一杯で、穏やかな空気を感じ、給食の匂いや校舎のひんやりした感触を足裏に感じながら、昔懐かしい感覚が沸いてきた。今回の講演の機会を与えていただいた6年2組担任の下野雅代先生は、とても明るくチャーミングな方で、生徒たちに慕われていることが一目で分かり、個人的にも「いいお友達になれそう。」と直感した。下野先生は、子供たちに卒業前のプレゼントとして、海外などで生活されている方を招いて経験談を話してもらい、子供たちの興味や視野を広げるきっかけになり、夢をもってがんばってほしいという気持ちから企画された。

かわいい女子生徒2人に教室へエスコートされ、割れんばかりの拍手に迎えられ、私を見つめる子供たちのワクワクした気持ちを感じながら話をはじめた。
内容は、カナダ、バンクーバーのこと、バンクーバーでの勉強と仕事、そして夢をかなえるために大事なことの3つが柱だ。カナダ、バンクーバーの紹介は、人口や面積、産業、時間帯などの簡単な基礎知識の後、ケベック、ナイアガラ、ロッキー山脈や湖の写真を見せ、バンクーバーの四季折々の様子も見てもらった。子供たちからは、「どんな動物がいるの?」「カナダの料理は?」「日本のお金は使えるの?」、また、「夏の夜は9時になってもあんなに明るいならたくさん遊べていいなぁ。」など子供ならではの生き生きとした質問や感想がたくさん出た。

次に私がバンクーバーで学んだことを簡単に説明し、Peace Journalistとして参加した平和活動の話をした。まず、バンクーバーで原爆展を開いた様子を写真で説明し、日本国外で原爆展を開くことは、原爆禁止の意識や運動を世界中で高めるために重要な役割を果たしますと伝えた。また、昨年10月にニューヨークで開かれた劣化ウラン兵器禁止世界会議に出席した様子も話し、イラクではその兵器のために、多くの子供たちがガンや白血病で亡くなったり、苦しんでいることを伝えた。生徒たちはちょどそのころ、海外青年協力隊など海外で支援活動をしている日本人の事を学んだばかりだということを聞き、反対に、海外の人達が日本を助けようという活動があることに触れた。それは、バンクーバー九条の会のことや、5月に開かれる9条世界会議のことと、今進行中である9条ピースウォークである。「戦争をしません。」と約束された憲法九条が今変えられつつある。日本人だけでなく、多くの海外の人達が「私の国にもこのような平和憲法がほしい、日本の9条をなくしてはだめだ!」と、この9条を守り、広めるためにどうしたらいいか、世界中の人達が日本に集まって考えてくれる会議が開かれることを話した。
「アメリカやカナダの人が核兵器を無くそうとしていることは知りませんでした。」「海外の人々も日本の事について助けてくれようとしていると聞き、お互い助け合っているんだなと思いました。」「小児科医になって、ガンや白血病で苦しんでいる子供を助けたい。」「私も9条は変えてほしくないなと思いました。それは、変えてまた戦争を起こしてたくさんの人が亡くなるのがイヤだからです。今、生きている原爆被害者の方々も悲しいと思うし、苦しいと思います。だから絶対変えちゃいけないと思います。」他にも紹介しきれないたくさんの感想で溢れた。

  さて、3つ目の主題は夢をかなえるために大事なこと。「あきらめない。自分を信じよう!」「人と比べない。すべてのことに感謝しよう!」「自分と向き合う。心の声を聞こう!」この3つのことを例をあげながら、そして、自分自身にも言い聞かせるように話した。驚いたことに子供たちのほとんどが、「イライラしたり、落ち込んだり、やりたいことが何かわからなくなったら、散歩して木に話しかけてみようと思います。」という感想を書いていた。心の声を聞く為の一つの方法として、「散歩したときはいつも大好きな木の下に座って、いろいろ木に語りかけた。そうすると、不思議と気持ちが落ち着いたり、いいアイデアが浮かんだりしたのです。」と自分の体験を話したことが印象に残っていたようだ。

  温かく迎えていただいた校長先生、教頭先生、6年1組担任の村中田先生、そして下野先生、このような貴重な機会を与えていただいてありがとうございました。心から感謝いたします。
そして生徒のみなさん、たくさんの元気と感想文をありがとう。
「今でも国と国で戦っている人達に希望だけでなく未来も伝えたいです。理由は、希望も大切だけど、未来もあるんだよ。そんなに国と国で戦っても何も生まれない。生まれるのはただの憎しみだけ、私はそう思います。」この感想を読んで新しい課題が与えられたと感じた。どんな風に、どんな未来を伝えるのか・・・、希望と共に見つけていきます。ありがとう!

1 comment:

  1. Anonymous9:43 am

    由美子さんの素晴らしい実践に、大きな希望と勇気をもらいました。

    また、日本の子供たちのひたむきさと純粋さに、大人としての責任を再認識させられる思いです。

    この実践から早くも、「希望と共に未来も伝えるべき」という次なる課題を見い出した由美子さんの感受性の鋭さと向上心に、頭が下がります。

    未来を具体的なビジョンとして子供たちに提示できれば、その未来を実現するためにはどういう方法があるのかを、具体的に模索していけるでしょう。

    そして、自分たちにできる方法で、大人も子供も行動していくことができると思います。

    由美子さん、ありがとうございました。

    ReplyDelete