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Sunday, June 10, 2012

英医学誌『ランセット』論文:50ミリシーベルト程度の被ばくで小児の脳腫瘍や白血病が有意に増える(松崎道幸医師コメント)CT Scans of Children Raise Cancer Risk

6月7日に、幼少時のCTスキャンで発がんリスクが上昇するという英医学専門誌「ランセット」の研究論文が発表されました(下方報道参照)。(元論文はこちら

北海道深川病院の松崎道幸医師から、50ミリシーベルト程度の被曝から発がんリスクが有意に上昇することを示すグラフを日本語で解説したものと、コメントをいただいています。

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CT検査による骨髄に対する推定線量と白血病と相対リスク


CT検査による脳に対する推定線量と脳腫瘍の相対リスク


 以下松崎医師のコメントです。
 1)
上は、この論文のグラフです。小児の白血病、脳腫瘍とも、50ミリグレイ(ミリシーベルト)付近で統計学的に有意な疾病リスクの増加が観察されます。もちろんそれ以下の線量でも、もう少しで有意になることが予測されます。この論文は、もともと、子供のCT検査がどれくらいのガンを発生させているのかを突き止め、病気の診断・治療面でのメリットと、放射線被ばくのデメリットの問題を再考するために書かれたのですが、私たちにとっての意義は、「100ミリシーベル以下は安全」と言う主張が誤りであることを示す証拠がさらに追加されたことにあります。論文の冒頭で、著者等は「低線量被ばくにはリスクはない、それどころか健康に良いとまで主張する研究者もいる。Some investigators claim that there are no risks, or even beneficial effects, associated with low-dose radiation」と述べて、そのような主張が正しいかどうかを明らかにすることも、この論文の一つであ
るという立場を表明しています。

2)
サマリーには、10歳未満の子供に一回頭部CTを行うと、脳線量が30mSv、骨髄線量が10mSv弱となり、将来このCT検査を受けた1万から脳腫瘍1人と白血病1人が発生すると推定されると述べられています。しかも、それ以外のガンや非ガン性疾患(心臓病など)の発生を計算に入れると、このレベルの放射線被ばくによる健康被害はさらに大きくなるだろうと考案の部分で述べています。

3)
CTによる数10ミリシーベルトの被ばくでで1万人に1~2人がガンになると言うリスクは、病気の診断治療へのメリットを考えるなら、社会的に許容可能でしょう。しかし、原発事故で一方的に負わされた被ばくのリスクは、そもそもゼロであるべきです。また、アスベストや飲料水の安全基準(10万人の生涯リスクを1人以下にする)を1桁も2桁も上回るリスクです。したがって、50ミリシーベルト程度の被ばくをさらに10分の1,100分の1にしなければ、この国の既存の安全管理システムと整合性が取れないことになります。

【参考報道】

AFP 
幼少時のCTスキャンで発がんリスク上昇、英国で18万人を追跡調査http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2882432/9069794

  • 2012年06月07日 15:31 発信地:パリ/フランス
【6月7日 AFP】CTスキャンを多数回にわたって受けた子どもは、後に血液がん、脳腫瘍、骨髄がんを発症するリスクが最大3倍になる可能性があるとする調査論文が、7日の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に掲載された。

調査を行ったカナダ、英国、米国の合同チームは、絶対的な発がんリスクは小さいとしつつ、CTスキャンによる放射線の照射量を最小限に留め、可能であれば代替の検査方法を用いる必要があるとしている。

研究チームは、幼少時に受けたCTスキャンの放射線量が成長後の発がんリスク増加につながるという直接的な証拠を、この調査で初めて示すことができたと述べている。

論文の主執筆者、英ニューカッスル大学(Newcastle University)健康・社会研究所(Institute of Health and Society)のマーク・ピアース(Mark Pearce)氏は、「最も重要なのは、臨床的見地から完全に正当化されうる場合にのみCTを使うことだ」と述べている。

研究チームによれば、CTスキャンはここ10年、特に米国での利用が急増している。だがCTスキャンの電離放射線が引き起こす潜在的な発がんリスクは、特に放射線の影響を受けやすい子どもに多くみられるという。

研究チームは、英国の1985年から2002年までの診療記録から、幼少期から青年期(22歳未満)までの間にCTスキャンを受けた経験がある人を選び出し調査を行った。

対象者18万人弱のうち、1985年から2008年の間に白血病(血液や骨髄のがん)を発症した人数は74人、脳腫瘍は135人だった。

研究チームの計算によると、累計30ミリグレイ(mGy)の放射線を照射された人は、5ミリグレイ未満の人と比べて後に白血病を発症するリスクが3倍高かった。脳腫瘍のリスクは、累計50~74ミリグレイの放射線を浴びた人で3倍になった。

調査では、CTスキャンを受けたことがない子どもたちが持つ発がんリスクとの比較は行っていない。

ピアース氏は「機器を改善して、CTの放射線量を減らすことが最優先の課題。放射線学会だけではなく、機器の製造メーカーも共に取り組むべきだ」と述べている。「電離放射線を使用しない超音波やMRI(磁気共鳴映像法)などの代替診断法を採用することも、状況によっては適切な場合がある」

(c)AFP

東京新聞(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060801001452.html

CTで子どものがん危険増 国際チームが疫学調査

2012年6月8日 12時20分
【ワシントン共同】子どものころにコンピューター断層撮影(CT)検査を2~3回受けると、脳腫瘍になるリスクが3倍になるとの疫学調査結果を英ニューカッスル大などの国際チームがまとめ、7日付の英医学誌ランセットに発表した。5~10回のCTで白血病になるリスクも3倍になるという。
チームは「CTは迅速で正確な診断に優れ、短期的な利益が長期的な危険性を上回る場合が多い。しかし、1回の被ばく線量はできるだけ低くし、別の診断法がある場合はそちらを選ぶべきだ」と訴えている。
チームは、1985~2002年の間に英国でCT検査を受けた22歳未満の約18万人を調査。

5 comments:

  1. Anonymous6:46 pm

    英文タイトルの意味が不明です。“Cander Risk”とはタイプミスで、正しくは“Canser Risk”ではありませんか?

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  2. Cancer に訂正しました。ご指摘感謝します。

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  3. とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。。

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  4. 1万人に1〜2人の癌発症は、CTに関係なく、重症患者が集まりやすい中央病院や、都市部の医療機関なら十分あり得る確率だと思う。再現性という観点からも、多くの医療機関での検証が待たれる。

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  5. 1万人に1〜2人の癌発症は、CTに関係なく、重症患者が集まりやすい中央病院や、都市部の医療機関なら十分あり得る確率だと思う。再現性という観点からも、多くの医療機関での検証が待たれる。

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