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Wednesday, May 29, 2013

山口の中原中也記念館で出会った中村稔の詩-「駅前広場・未来風景」

3月21日、学生時代心酔した詩人、中原中也の記念館(山口:湯田温泉)を訪ねたら、福島の原発事故をテーマにした中村稔氏の詩「駅前広場・未来風景」に出会い深く心に刺さるものを感じました。未発表ということなので取りあえず書き写し、中村氏に連絡を取ってブログ掲載許可をお願いしたら、「未発表なので、どこかに発表した後に掲載していいですよ」とのお返事をもらいました。その後、「ユリイカ」6月号に発表された後にブログに転載していいとの許可をいただき、ここに紹介します。@PeacePhilosophy (リンク歓迎、転載には作者の許可が必要です。)
 
 
駅前広場・未来風景
 
中村 稔

 

ケヤキ、ナラ、コナラなどの雑木林の木陰に

昨日も今日も人間のかたちをしたものが佇んでいる。

風が吹きつけるとゆらゆらと体を揺らし

目に見えぬものを飛散しながら身じろがない。

 

じっと身じろぎもしないものに、君は誰だと訊ねたら

放射能のゴミだという、行き場のないゴミだという。

ふと気付くと、あの木陰にもそこの木陰にも

同じように人間のかたちをしたものたちが佇んでいる。

 

目ざわりだからどこかへ行ってくれと頼んだら

それらは雑木林を出て、駅へ向かって歩き出した。

町の隅々から現れてはしだいに数が増え、

駅前まで来て、これ以上行き場がないという。

 

行き場のない人間のかたちをした放射能のゴミが

駅前広場を埋めつくし、うなだれて佇んでいる。

身じろぎもせず、群れている。声もなく群れている。

駅前広場には人間はもう一人もいない。
 
 

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