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Tuesday, April 12, 2011

安斎育郎: 福島原発事故に思う - 識者による「建言」について(更新:落合恵子のコラム)

★(4月13日更新。The Japan Times ジャパン・タイムズ紙の4月7日の社説にこの建言が紹介されていました。全文をこの投稿の最後に紹介します。読売新聞による報道も再紹介します。)
★(4月14日更新。『週刊金曜日』のコラムで落合恵子さんがピースフィロソフィーのブログとこの「建言」を紹介しました。このリンクで全文が読めます。下方に転載しています。)
★(4月16日更新。読者の方の指摘で、「しんぶん赤旗」にも掲載されていたので、一番下に紹介しています。)

このウェブサイトに掲載した、原発を推進した専門家たちによる「緊急建言」については、最初に掲載したこのページをご覧ください。その後、安斎育郎さんより以下のようなレターが届きましたので、掲載します。

福島原発事故に思う

安斎育郎(安斎科学・平和事務所 所長/国際平和ミュージアム 名誉館長)

 私は1964年に東京大学工学部原子力工学科をその第1期生として卒業した。同期生が15人いたが、すでに2人は鬼籍に入った。幹事役から、この4月15日に東京で同期会をやりたい旨の案内があった。私は、3月末時点でなお見定めのつかない福島原発事故の実態に照らして「楽しく語らう気にはなれない」旨を伝え、会を延期するよう提案するとともに、「皆さん、事故収拾に知恵を貸して下さい」と訴えた。その理由は、「(皆さんは)保安院や政府に対しても私などよりずっと影響力があり、チャンネルもお持ちだろうと思うからです。私は政策批判の側に身を置いたので、所詮は犬の遠吠えのようなことしか出来ません。それはそれで続けるつもりですが、皆さんのお力でこの国の災厄を解決するために可能なチャンネルを活用して思うところをご提起いただきたく、不遜にも呼びかけた次第」と説明しました。

 やがて、原子力安全委員会委員長代理を務めた同期生から、原子力政策に関わってきた重要な人々16名の名において、3月30日付で政府に「福島原発事故についての緊急建言」を提出した旨が伝えられてきた。原子力安全委員長、日本原子力学会会長、放射線影響研究所理事長などを経験した錚々たる面々である。

 その文書は、冒頭、「原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします」とあり、「私達は、事故の発生当初から速やかな事故の終息を願いつつ、事故の推移を固唾を呑んで見守ってきた。しかし、事態は次々と悪化し、今日に至るも事故を終息させる見通しが得られていない状況である。既に、各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質は、圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている。特に懸念されることは、溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである」とある。非常に深刻な状況認識であり、事故対応に当たる人々が少なくともこの程度の緊張感を共有してもらいたいと感じた。そして、同建言は、やや専門的な内容に言及した後、「事態をこれ以上悪化させずに、当面の難局を乗り切り、長期的に危機を増大させないためには、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、関係省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所、産業界、大学等を結集し、我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的な取組みが必須である。私達は、国を挙げた福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築することを強く政府に求めるものである」と結んでいる。

 互いに理解を通じ合った面はあるにしても、政策遂行の場面では原子力政策を推進する側と批判する側に身を置いたが、私も含めて、この国の原子力政策に約半世紀の間かかわってきた同類であるに相違なく、立場を超えて、内心忸怩たるものを感じている。私としては、事故処理の当事者たちが事態を軽視することなく、こうしたまじめな建言にも率直に耳を傾けながら、即刻体制の強化を実行し、国民に対しては「隠すな、ウソつくな、意図的に過小評価するな」の3原則を厳しく守り、「最悪に備えて、最善を尽く」してもらいたいと感じている。

 環境に放出された放射性物質による放射線の影響については、測定データに基づいて放射線影響学的なコメントをすることは出来る。いやしくも「科学」である以上、原発に対する賛否の態度に関係なく3+5=8であるように、本来は誰が言っても変わらないものである。それが科学というものの特徴でもある。しかし、人々は、事故当事者が言うのか、原子力安全・保安院が言うのか、政府が言うのか、安斎育郎が言うのか、その情報の発信者によって「疑わしい」と感じたり、「隠しているに違いない」と反発したり、反応はいろいろだ。結局、同じ意味内容のことを発信しても、当該情報発信者の信頼性によって説得力には天と地ほどの差が出る。安斎育郎は、これまでは「立命館大学の安斎育郎」という肩書き付きの面があったが、4月からは「安斎科学・平和事務所」の所長としての新たな信頼性を人々と築いていかなければならない。発信しても信じてもらえないようなことにならないよう、裏返せば、発信したらそれが人々の行動規範として一目置かれるように努力を積み上げたい。

【参考資料】

福島原発事故についての緊急建言

 はじめに、原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします。

 私達は、事故の発生当初から速やかな事故の終息を願いつつ、事故の推移を固唾を呑んで見守ってきた。しかし、事態は次々と悪化し、今日に至るも事故を終息させる見通しが得られていない状況である。既に、各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質は、圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている。

 特に懸念されることは、溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである。

 こうした深刻な事態を回避するためには、一刻も早く電源と冷却システムを回復させ、原子炉や使用済燃料プールを継続して冷却する機能を回復させることが唯一の方法である。現場は、このために必死の努力を継続しているものと承知しているが、極めて高い放射線量による過酷な環境が障害になって、復旧作業が遅れ、現場作業者の被ばく線量の増加をもたらしている。

 こうした中で、度重なる水素爆発、使用済燃料プールの水位低下、相次ぐ火災、作業者の被ばく事故、極めて高い放射能レベルのもつ冷却水の大量の漏洩、放射能分析データの誤りなど、次々と様々な障害が起り、本格的な冷却システムの回復の見通しが立たない状況にある。

 一方、環境に広く放出された放射能は、現時点で一般住民の健康に影響が及ぶレベルではないとは云え、既に国民生活や社会活動に大きな不安と影響を与えている。さらに、事故の終息については全く見通しがないとはいえ、住民避難に対する対策は極めて重要な課題であり、復帰も含めた放射線・放射能対策の検討も急ぐ必要がある。

 福島原発事故は極めて深刻な状況にある。更なる大量の放射能放出があれば避難地域にとどまらず、さらに広範な地域での生活が困難になることも予測され、一東京電力だけの事故でなく、既に国家的な事件というべき事態に直面している。

 当面なすべきことは、原子炉及び使用済核燃料プール内の燃料の冷却状況を安定させ、内部に蓄積されている大量の放射能を閉じ込めることであり、また、サイト内に漏出した放射能塵や高レベルの放射能水が環境に放散することを極力抑えることである。これを達成することは極めて困難な仕事であるが、これを達成できなければ事故の終息は覚束ない。

 さらに、原子炉内の核燃料、放射能の後始末は、極めて困難で、かつ極めて長期の取組みとなることから、当面の危機を乗り越えた後は、継続的な放射能の漏洩を防ぐための密閉管理が必要となる。ただし、この場合でも、原子炉内からは放射線分解によって水素ガスが出続けるので、万が一にも水素爆発を起こさない手立てが必要である。 

 事態をこれ以上悪化させずに、当面の難局を乗り切り、長期的に危機を増大させないためには、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、関係省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所、産業界、大学等を結集し、我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的な取組みが必須である。

 私達は、国を挙げた福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築することを強く政府に求めるものである。

平成23年3月30日

青木 芳朗   元原子力安全委員
石野 栞     東京大学名誉教授
木村 逸郎   京都大学名誉教授
齋藤 伸三   元原子力委員長代理、元日本原子力学会会長
佐藤 一男  元原子力安全委員長
柴田 徳思   学術会議連携会員、基礎医学・総合工学委員会合同 放射線の利用に伴う課題検討分科会委員長
住田 健二   元原子力安全委員会委員長代理、元日本原子力学会会長
関本 博    東京工業大学名誉教授
田中 俊一   前原子力委員会委員長代理、元日本原子力学会会長
長瀧 重信   元放射線影響研究所理事長
永宮 正治   学術会議会員、日本物理学会会長
成合 英樹   元日本原子力学会会長、前原子力安全基盤機構理事長
広瀬 崇子   前原子力委員、学術会議会員
松浦祥次郎   元原子力安全委員長
松原 純子   元原子力安全委員会委員長代理
諸葛 宗男   東京大学公共政策大学院特任教授

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ジャパン・タイムズ紙4月7日の社説
The Japan Times
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ed20110407a1.html
Thursday, April 7, 2011

EDITORIAL
Overcoming the nuclear crisis

The crisis at Tokyo Electric Power Co.'s Fukushima No. 1 nuclear power plant does not warrant optimism. Nuclear fuel in the cores of the No. 1, No. 2 and No. 3 reactors is believed to have been severely damaged. In the No. 4 reactor's storage, where spent nuclear fuel is kept, water evaporated at one point, and a hydrogen explosion released radioactive substances into the environment.

The government should pay close attention to proposals made by 16 Japanese experts on nuclear power engineering, nuclear physics and radiology on April 1. It should mobilize all available means to mitigate the crisis.

Tepco is cooling the reactors by pumping water into them by using pumps connected with external power sources. But it cannot stop highly radioactive water from flowing out of the reactors. The more water it pumps into the reactors, the more contaminated water flows outside. Apparently, components for containing radioactive water have been damaged. The No. 2 reactor's suppression pool is feared to have cracked.

On land, the accumulated radiation level during 11 days from March 23 has reached 10.34 millisieverts in the town of Namie, Fukushima Prefecture, just outside the 30-km radius of Fukushima No. 1. Residents inside the zone should evacuate or stay indoors. If the accumulated level over several days reaches a range of 10 to 50 millisieverts, the government calls on residents to stay inside their homes to avoid radiation.

The situation at Fukushima No. 1 is "extremely serious" and demands Japan's all-out efforts, the 16 experts said in their April 1 statement. Three of the 16 — Mr. Shiori Ishino, professor emeritus at the University of Tokyo, Mr. Shunichi Tanaka, former acting chairman of the Atomic Energy Commission, and Mr. Shojiro Matsuura, former chairman of the Nuclear Safety Commission — explained the statement at the education and science ministry.

Since those who signed the statement include former members of the AEC, a body that sets the nation's basic policy for development and use of nuclear power, the NSC, a body that sets the nation's basic nuclear safety policy, and scientists belonging to the Atomic Energy Society of Japan, the government and Tepco should share their sense of crisis and humbly follow their proposals.

The 16 "as people who have pushed peaceful use of nuclear power" expressed their regret over the nuclear crisis and apologized to people. But they did not hide their fear that a critical situation may develop at Fukushima No. 1. They do not rule out the possibility that as time goes on, a molten core melts a weak part of a pressure vessel and enters a containment vessel, destroying the reactor's function to contain radioactive substances, or that hydrogen gas forming inside a pressure vessel explodes and destroys a containment vessel, causing serious radioactive contamination over a large expanse of land and sea. They warn that release of a large amount of radioactive substances could make uninhabitable not only the current evacuation zone but also larger areas.

Mr. Tanaka and others said that the current makeshift efforts to cool the No. 1, 2 and 3 reactors will not be able to completely cool down molten nuclear fuel so as it will not burst through the bottom of pressure vessels. They also said the three reactors contain a much larger amount of radioactive substances than the Chernobyl nuclear plant did.

The points made by the statement include: (1) utmost efforts must be made to both prevent the release of a large amount of radioactive substances and to reactivate the residual heat removal system which internally circulates water to cool reactors and spent fuel storages, (2) spent nuclear fuel must be completely immersed in water, (3) detailed measurement of radioactivity both in the air and the soil in various areas and assessment of their effects must be announced so that area-specific measures can be taken and (4) residents should be fully informed before and after radioactive substances are vented from reactors.

It adds that since hydrogen is forming all the time in the reactors, hydrogen explosions must be prevented at any cost.

The statement also calls for (1)increasing personnel at Fukushima No. 1 to lower their exposure to radiation and to enable them to take enough rest and (2) setting up the headquarters for the crisis containing operations inside or near the plant site (so that headquarters personnel share the burden of radiation exposure and pain with on-site workers.)

The 16 experts say it is essential to set up a system in which the NSC will take the lead in strategically and flexibly utilizing the knowledge and experience of Japan's nuclear authorities — including the Japan Atomic Energy Agency and the National Institute of Radiological Sciences — the power and related industries and universities to end the nuclear crisis. Prime Minister Naoto Kan must exercise strong leadership in setting up this system as soon as possible.

読売新聞 4月2日

原発事故、国内の経験総動員を…専門家らが提言

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110401-OYT1T00801.htm?from=tw

福島第一原子力発電所の事故を受け、日本の原子力研究を担ってきた専門家が1日、「状況はかなり深刻で、広範な放射能汚染の可能性を排除できない。国内の知識・経験を総動員する必要がある」として、原子力災害対策特別措置法に基づいて、国と自治体、産業界、研究機関が一体となって緊急事態に対処することを求める提言を発表した。

 田中俊一・元日本原子力学会長をはじめ、松浦祥次郎・元原子力安全委員長、石野栞(しおり)・東京大名誉教授ら16人。

 同原発1~3号機について田中氏らは「燃料の一部が溶けて、原子炉圧力容器下部にたまっている。現在の応急的な冷却では、圧力容器の壁を熱で溶かし、突き破ってしまう」と警告。また、3基の原子炉内に残る燃料は、チェルノブイリ原発事故をはるかに上回る放射能があり、それをすべて封じ込める必要があると指摘した。

 一方、松浦氏は「原子力工学を最初に専攻した世代として、利益が大きいと思って、原子力利用を推進してきた。(今回のような事故について)考えを突き詰め、問題解決の方法を考えなかった」と陳謝した。

(2011年4月2日01時42分 読売新聞)

『週刊金曜日』

風速計 「まにあわせる」 落合恵子 4月8日

「脱原発派にとってはチャンスだね」

 福島原発事故についてそう言われて、悲しくなった。そんな風には決して思えない。自分たちの力不足をかみしめるだけだ。

 脱原発の活動をずっと続けてきたひとたちはいる。共感しつつ、自分が発行人をつとめる雑誌では取り上げつつも、わたしの内側でここ数年、脱原発への意識が切迫していなかったことを認めざるを得ない。

 次々に起きる異議あり! に対応するのに精一杯だった、というのも言い訳にしかならない。

 原発を推進してきた元原子力安全委員一六人が三月三〇日にだした「福島原発事故についての緊急建言」。それをピース・フィロソフィー・センターのブログ(URL http://peacephilosophy.blogspot.com/p/blogpage_31.html)が掲載している。

 そう、メールで知らせてくれたのは、被災地で取材を続ける本田雅和・朝日新聞記者だった。このブログの主宰者によると、「この人たちさえ、ここまでの危機感を持っているということを知らせるため」に載せた、という。

「はじめに、原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします」から始まる建言である。

「安全神話」を高々と掲げ、原発を推進してきたものでさえ、ここまで来てしまった現実を深刻極まりないものとしてとらえている。いたずらに風評を生み出す気は全くないが、メディアに登場する「専門家」たちは、この「建言」をどう読むのか。それでも「安心」なのか。いや、その前にこの「建言」を報道したメディアがどれほどあるのか。わたしが見落としているのか?

 政・官・業・学、そしてメディアが合体し、アメとムチでつくりあげてきた「安全神話」。被災地の子どもたちに本を送るプロジェクトを立ち上げて、その作業をしながら、自分の力不足も含めて涙が止まらない。

「建言」は次のような言葉で結ばれている。

「私達は、国を挙げた福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築することを強く政府に求めるものである」

 いまさらと、胃が捻じ切れるような痛みは覚えるが、いまから、わたしたちが始めることはある。甘蔗珠恵子さんが書かれたように「まだ、まにあうのなら」。まにあわせなくてはならないのだ。



新聞赤旗 4月3日

原発事故 元原子力安全委員長ら緊急提言
事態回避へ専門的英知を


東京電力福島第1原発事故について、国の原子力安全委員長などを務めてきた原子力の専門家が1日、「我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的に取り組むことが必須である」として、国を挙げた強力な体制を構築することを政府に求める緊急提言を発表しました。

 提言は、現在、燃料の多くが破損あるいは溶融し、圧力容器や格納容器内に拡散・分布した膨大な放射性物質が環境に放出され続けている状況だと分析。このままでは、溶融炉心が圧力容器や格納容器を破壊することや、圧力容器内で生成した大量の水素の爆発が懸念されるとしています。

 深刻な事態を回避するためには、原子炉および使用済み燃料プール内の燃料の冷却状況を安定させることが唯一の方法だと強調。さらに、当面の危機を乗り越えた後も、継続的な放射能の漏えいを防ぐための密閉管理が必要になると指摘しています。

 そのうえで、原子力安全委員会や原子力安全・保安院、関係省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所、産業界、大学などを結集して取り組むことが必須だとしています。

 提言を発表したのは、松浦祥次郎・元原子力安全委員長、田中俊一・元原子力委員会委員長代理(元日本原子力学会会長)、石野栞(しおり)・東京大学名誉教授ら16人です。提言の冒頭で、「原子力の平和利用を先頭だって進めて来たものとして、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします」と述べています。
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3 comments:

  1. PeacePhilosopher は、フェースブックやツイッターをやっていない人もいるので、ほぼ毎日、日本語で仲間たちにアップデートを送っています。ブログには投稿しないできましたが、記録のためにも、その日のブログの投稿のコメントとして、アップできるものはしていきます。これが4月12日のもの。


    服部良一議員のウェブより、原子炉状況
    http://www.hattori-ryoichi.gr.jp/blog/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E7%99%BA%E6%A6%82%E6%B3%81_58.pdf

    ブログ更新しております。最新は、

    安斎育郎: 福島原発事故に思う - 識者による「建言」について
    http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/blog-post_12.html

    この「建言」は原発を推進した人たちが事態を深刻に受け止め書いたものです。
    安斎育郎さんが東大原子工学科の同窓生を促して生まれたものということがわか
    りました。原発に反対してきた安斎さん自身は参加していません。私が把握して
    いる限り、読売とジャパンタイムズ以外のメディアでは取りあげていません。な
    ぜか全文は私のサイトにしかないらしく、アクセスが今日の時点で4万近くになっ
    ています。最新の「週刊金曜日」でも、落合恵子さんが紹介しています。今日は、
    安斎さんのコメントつきで、再紹介します。

    あとは、私PeacePhilosophyが昨日ツイートしたものの中で共有したいものを転載しま
    す。

    (はじまり)

    識者の提言「特に懸念されることは、溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶か
    し、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、
    圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊など
    による広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである。」

    もうレベル7となった以上、このように危機意識を喚起する必要はないと願いた
    い。しかし今度は、福島がチェルノブイリと比べいかに軽度かと強調し、そして
    チェルノブイリの被害自体の過小評価の傾向がエスカレートしているようだ。

    そんな暇があったら放射線のリスクや、核発電の危険さや愚かさ、核発電から脱
    却する新しいエネルギーのあり方を学ぼう。もう危険な「核」と安全な「原子力」
    の区別の幻想を捨て、「核発電」と呼ぼう。「原発」ではなく「核発」。英語で
    は一律 nuclear weapon, nuclear energy だ。

    孫崎亨さんのツイッター:マスコミの信用度:今なすべきはレベル7が如何なる
    危険性を持つかの説明。しかし一斉に危険度低い印象で報道。これ何。朝日:チェ
    ルノブイリと全く異なる、読売:チェルノブイリとは異なる、

    孫崎亨:毎日:チェルノブイリ級ではない、日経:チェルノブイリ全く異なる。
    こういうのを談合報道とでも言うか。

    -私は日本時間12日夜11時50分にやった「持論公論」を見ていました。(カナダ西海岸のテレビジャパン。日本の放映時間と一緒だったかは未確認)

    私が昨日ここで紹介したNHKの以前のチェルノブイリ・福島の比較よりはずっ
    とましでした。http://p.tl/168G 福島は放射線量ではチェルノブイリの10%
    程度とされながらも、チェルノブイリでは10日程度である程度おさまったこと、
    問題になった原子炉が1つしかなく福島のような同時多発事故ではなかったこと。
    福島ではチェルノブイリにはなかった汚染水による海洋汚染があった。

    しかし驚いたのは、チェルノブイリの人的被害で、被ばくした作業員29名の死
    亡のことを言ったあと、他の被害についてほとんど触れなかったこと。

    過小評価の批判があるチェルノブイリ・フォーラムでさえ小児甲状腺ガンを40
    00人、ガン死数も約4000としている。2006年のWHO報告ではガン死
    9000人。京大の今中哲二の論文参照http://p.tl/3b3e
    2006キエフ会議では3-6万人、2006年のグリーンピースは9万23千。
    2010のニューヨークアカデミーオブサイエンスから出版された最新の研究では100万人近
    い。http://p.tl/3QoB

    NHK「持論公論」はこういったガンによる被害者については一切言及なし。
    ああ、これからは日本のメディアもチェルノブイリの被害を過小化する時代が来
    るのだと思った。NHKは広島長崎から劣化ウラン、核実験、第五福竜丸事件ま
    で、非常に先進的な特別番組を作ってきていて尊敬してきた。

    「チェルノブイリ原発事故・終わりなき人体汚染(1996)」や、「汚された
    大事でーチェルノブイリ20年後の真実」(2006)だ。数々の調査研究をも
    とに、WHOやIAEAの報告の過小評価を追及する姿勢もあった。
    http://p.tl/6JxJ

    今後、チェルノブイリの真実が日本政府や電力会社に都合が悪くなったからといっ
    て急にこういった番組を作るのをやめたり、知っているはずのチェルノブイリの
    被害を言わなかったりすることはないと信じて期待している。被ばく国、日本の
    メディアの真価が問われている。

    今日最後のつぶやき。避難地域も、摂取制限も、出荷制限も、「念のため」と言
    い続けてきた政府やメディア。でも市民が「念のために」避難したり注意して買
    い物したりすると「パニック」「風評被害」と言う。どうして市民は「念のため
    に」行動しちゃいけないの?

    (おわり)

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  2. HiroshiKiyomitsu2:37 am

    >私が把握している限り、読売とジャパンタイムズ以外のメディアでは取りあげていません。
    との事ですが、とりあげた記事を紹介します

    2011年4月3日(日)「しんぶん赤旗」
    原発事故 元原子力安全委員長ら緊急提言
    事態回避へ専門的英知を
    http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-03/2011040304_01_1.html

    なお、日本共産党志位委員長は3月14日の時点で「推進機構から独立した専門家集団である原子力安全委員会に権限を集中し、対応と指揮をとらせることが大切だ」と記者会見で表明し
    http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-15/2011031501_02_1.html

    翌15日には首相に「(1)原子力安全委員会にすべての情報を集中し、必要な権限を与えること、(2)同委員会のもとにある機構をフル稼働させること――などを要請。「あらゆる専門家、専門家集団の英知を結集して、事態の把握と、危険の除去、安全対策をはかるべきだ」と提起」しています。
    http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-16/2011031601_01_1.html

    政府東電がこの提起を真摯に受け止めておれば、と思いますが、未だにその姿勢が見られない事に憂慮を覚えずに居られません。

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  3. 「しんぶん赤旗」でも取りあげられたとのご報告をありがとうございます。もう一人、「朝日」でも紙面で小さく扱われていたと報告してくれた人がいます。

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