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Sunday, October 27, 2019

テンノウヘイカバンザイ! -即位・大嘗祭違憲訴訟に向けて 石川逸子 Ishikawa Itsuko's poem: TENNO HEIKA BANZAI!


「天皇陛下 万歳三唱」の場面。首相官邸のYouTubeチャネルよりスクリーンキャプチャ。


詩人・石川逸子さんの詩を紹介します。ここで「あろうことか」と表現されている AKIHITO の「即位」のときの「テンノウヘイカバンザイ!」ですが、今回のNARUHITO の「即位」のとき、メディアではほとんど問題視されることはなかったように思います。「違和感」を持つ人もいたといった報道もありましたが「違和感」なんていう生易しい言葉で表現するようなものではない重大な民主主義・主権在民否定の違憲行為です(儀式自体がそうなのですが)。そもそも5月に「即位」はやったんじゃないんですか。なんで二度もやるんですか。全然わからないし、わかりたくもない。それも災害で大変なときに。しかし世論調査によると日本の18歳以上の人たちの約4人に一人は皇室に「親しみを感じていない」のだとか。翼賛メディアは、その4人に1人の声を全くすくいあげてない! @PeacePhilosophy


テンノウヘイカバンザイ!
   ー即位・大嘗祭違憲訴訟に向けて     石川逸子

 
テンノウヘイカバンザイ!
二度と聞きたくなかった 言葉
1990年11月12日
その言葉を聞いて あっけにとられた
あろうことか 現天皇の即位式のとき
海部首相がはるか高御座に坐る天皇を仰ぎ見
テンノウヘイカバンザイ! と三唱したのだ

そのテンノウの名によって
徴兵された 将兵たちが
「テンノウヘイカの おんために」
朝鮮に 中国に 東南アジアに攻め入って
殺戮・強かん・略奪・放火
ありとあらゆる暴虐をはたらいた事実を
忘れたとでもいうのだろうか
いわれなく殺されたアジアの死者たちが
バンザイ三唱を聞いて
地の底から憤怒の声をあげるのが
聞こえないとでもいうのだろうか

台湾からフィリピンの「慰安所」に連れていかれ
日々 殺すといわれて強かんされ
日本軍とともに山へ逃れ
たった一人生き延びた女性は
日本軍に撃たれて死んだ友の遺品に
今も 毎日供え物し 祈りながら
その償いを テンノウにこそしてほしいと
つい先ごろ 日本へ来て訴えている

皇国教育にまるごと染められ
テンノウヘイカバンザイ!
叫びながら 
原爆に体ごと焼けて本川をながれていった
私と同年の広島二中一年生もいた

テンノウヘイカバンザイ!
その言葉をさらに
2013年 4月28日 ニュースで聞いた
サンフランシスコ講和条約締結日を祝う式典で
退席しようとする天皇夫妻に
安倍首相以下出席者一同が万歳三唱したのだ
アジア・太平洋戦争でヤマトの捨て石にされた沖縄を
今度はアメリカに売った その日
沖縄県民にとっては 屈辱の日だというのに

なぜ 主権者となったわたしたちが
テンノウに平伏する儀式を営まねばならないのか
なぜ アジアのひとたちを逆なでする儀式を強行し
なぜ 退位の礼並びに即位の礼で
テンノウに感謝し
テンノウから「お言葉」を頂かねばならないのか
なお霧に包まれた 大嘗祭行事に付きあい
そのために 多額の税を投入しなければならないのか

テンノウといえば よみがえる苦い記憶
奉安殿への最敬礼をうっかり怠って
教師に いやというほどぶんなぐられた友人
白木の箱を捧げ 眼を伏せた遺族が先頭に立つ
町中の暗い行列
満員電車であろうと 皇居前にさしかかると
帽子を脱いで乗客全員 体をよじって最敬礼していた
滑稽な日々
「畏くも」と教師がいえば
(あ 次はテンノウヘイカという言葉が来る)と察知し
さっと 姿勢を正さねばならなかった子どもの日

テンノウヘイカバンザイ!
など二度と云いたくない
そんな光景を二度と見たくない
バンザイ!を唱えることで
わたしたちの主権は侵され 
バンザイ!を唱えることで 権力を得
利を得るものたちが 跋扈する 
世が 
再来しているではありませんか




過去の関連投稿

歴史誤認識に満ちた「主権回復の日」式典 (沖縄タイムス記事) 
http://peacephilosophy.blogspot.com/2013/05/blog-post_13.html

そもそも天皇重視・特別視がいけないのです 
https://peacephilosophy.blogspot.com/2013/11/blog-post.html

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