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Friday, October 02, 2020

NHK広島放送局は、差別ツイートを「読みやすく」するためにわざわざHPに再掲載した。これだけ批判を浴びながら、「再発防止」どころか自らが「再発」を起こし、差別ツイートの内容を積極的に発信した。

 

10月2日に「『シュン』これまでのツイート」として再掲載された

9月28日、NHK広島放送局はツイッターで

プロジェクト開始から半年、過去のツイートをまとめて読みやすくしてほしいとの要望に応え、9/18「やすこ」の日記終了を機に、「一郎」「シュン」も含めた3アカウントの 1か月以上経過したツイートを10月から番組HPに移設します。今週末10/2予定です

と発信し、10月2日「移設」を行った。問題になった8月20日と6月16日のツイート群のうち、8月20日の分の「移設」先はここである。

https://www.nhk.or.jp/hibaku-blog/timeline/tsubuyaki/8/436451.html 

このように注釈が新たに書き加えられている。

※注 当時の混乱した社会状況を伝え、戦争の時代についてリアリティーをもって考えていただくために、資料に基づきNHK広島放送局の責任で作成しました。

当時の日本には、多くの朝鮮半島出身者が暮らしていました。1910年の韓国併合によって日本による統治が始まった後、働き口を求めて日本本土に移住する人々やその家族などが増えました。日中戦争が長引いて労働力不足が深刻化した際に、軍需工場や炭鉱などに動員された人々もいました。

6月16日のツイートの「移設」先はここである。

https://www.nhk.or.jp/hibaku-blog/timeline/tsubuyaki/6/436446.html 

ここにもこのような注釈がついている。 

※注 当時の混乱した社会状況を伝え、戦争の時代についてリアリティーをもって考えていただくために、資料に基づきNHK広島放送局の責任で作成しました。

当時の日本には、多くの朝鮮半島出身者が暮らしていました。1910年の韓国併合によって日本による統治が始まった後、働き口を求めて日本本土に移住する人々やその家族などが増えました。日中戦争が長引いて労働力不足が深刻化した際に、軍需工場や炭鉱などに動員された人々もいました。広島にも多くの朝鮮半島出身者が暮らし、原爆の犠牲になりました。その数は定かではありませんが、広島市の平和公園にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」には「2万余名」の命が奪われたと記されています。

これらの注釈は当時朝鮮人が広島に多く存在した、原爆被害に遭ったということを言っているだけで、これらのツイート内容がもたらす「朝鮮人が乱暴だ」という印象、民団が人権救済申し立てで述べた「朝鮮⼈の不当性を際⽴たせる叙述」には何ら変わりはない。植民地支配の時期から今に続く、日本人による在日朝鮮人・韓国人に対する差別意識について触れてさえいない。また、敢えて「植民地支配」ではなく、「統治」という言葉を使うことによって植民地支配という厳然たる歴史的事実を否定しているかのようにも聞こえる。

NHK広島放送局は「再発防止」をすると言っておきながら自らが再発を行った。これは、無知や歴史認識欠如が一因だったと思われる最初の「シュン」ツイートのアップのときと全く意味合いが異なる。今回、これだけ当事者、市民、識者、メディアに批判を受けた上で確信犯的に差別ツイートを再掲載したのである。これらの差別ツイート内容を「削除しない」「放置している」状態から「積極的に発信した」状態に踏み込んだのである。差別ツイートをわざわざ「読みやすく」して再アップということである。そしてNHK広島放送局は、今回の措置は一連の批判を受けたからではなく「最初から決まっていた」と主張している。批判に全く耳を貸す気はないという意固地な表明でもある。

★★★

10月4日(日)、この問題について広島でシンポジウムを行います。オンラインでの参加も日本全国、世界中から可能です。ここをクリックして申し込んでください。どうかふるってご参加ください。


この問題についてのいままでの投稿リストは、この投稿の直前の投稿にありますので見てください。



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