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Thursday, February 11, 2010

Marines are moving to Guam and Tinian. テニアン島の案が「突然降ってきた」ということはない

2月10日の報道(時事):

社民党の阿部知子政審会長と国民新党の下地幹郎政調会長は10日(日本時間同)、米自治領北マリアナ諸島のサイパンを訪れ、フィティアル知事と会談した。同知事は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)などの同諸島への移設について「歓迎する」と述べ、日米が合意すれば前向きに検討する考えを表明した。

毎日新聞 2月12日
平野博文官房長官は12日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として、社民、国民新両党が米自治領北マリアナ連邦テニアンを挙げ始めたことについて、「突然降って出てきてそれが検討案だと言われても、何を検討して『これがいい』と言っているのか分かりかねる」と慎重な姿勢を示した。

 北沢俊美防衛相も同日、「5月中に解決するという首相の強い意向がある中で、テニアンを含め新しい問題が出てくるのはなかなか難しい」と述べ、テニアンの位置に関しても、米軍の抑止力が維持できなくなるとして、慎重論を唱えた。


「突然降ってきた」?そうだろうか。

2009年11月に発表されたグアム環境影響評価書では海兵隊のグアムおよびテニアンへの移転が細かく書かれている。

この書類の表題も、

”GUAM AND CNMI MILITARY RELOCATION ”
「グアムと北マリアナ諸島への軍隊移動」

となっている。

リンクは
Executive Summary
http://www.guambuildupeis.us/documents/summary/DEIS_Executive_Summary_Nov09.pdf
上記は概要だが、本文の方では9部構成のうち第3部として Marine Corps Relocation - Training on Tinian (海兵隊移転―テニアン島での演習)というまるまるテニアンでの演習施設のことについて書かれている部があるぐらい重点が置かれているのである。
http://www.guambuildupeis.us/documents/

概要の方から抜粋すると、
”Volume 3 analyzes the effects of the proposed facilities and infrastructure for the Marine Corps, including operations and training on Tinian in the CNMI. ”

Training on Tinian
"Guam cannot accommodate all training for the relocating Marines. Tinian is approximately 100 mi (160 km) away and provides the best opportunities for training groups of 200 Marines or larger due to greater land availability. It provides reliable access and maximum opportunity to realistically train with their weapons and equipment while minimizing “down time” lost when travelling to training locations. The northern two-thirds of Tinian are leased to the DoD. Company and battalion level non-live fire training areas already exist and are utilized on these lease parcels. The land, however, could be developed to accommodate live fire ranges. "

"The main components of the proposed actions are as follows:
1. Marine Corps. (a) Develop and construct facilities and infrastructure to support approximately 8,600 Marines and their 9,000 dependents relocated from Okinawa (Japan) to Guam,
(b) Develop and construct facilities and infrastructure to support training and operations on Guam and Tinian for the relocated Marines.
2. Navy. Construct a new deep-draft wharf with shoreside infrastructure improvements creating the capability in Apra Harbor, Guam to support a transient nuclear powered aircraft carrier.
3. Army. Develop facilities and infrastructure on Guam to support relocating approximately 600 military personnel and their 900 dependents to establish and operate an AMDTF. "

今細かく訳している暇がないが、基本的にここで言っているのは、グアムだけでは移転する海兵隊の演習場が足りないからテニアンでも既存の施設を利用しつつ新規の施設も建設して演習および軍事行動を行うと言っているのである。

この環境影響評価書は現在ドラフトの段階で、全てがこの書類の通りに進むということではないが、海兵隊がグアムおよびテニアンに移動するという計画を米軍が進めているのは間違いないのである。

このような情報を日本政府が持っていないはずはないと思う。テニアン島も海兵隊を受け入れることを知っていながらどうしてわざわざ阿部議員や下地議員が行って「交渉」したり、北マリアナ知事が「歓迎する」と言ったり、平野官房長官がテニアン島の案は「突然降ってきた」とか言うのだろうか。

宜野湾市の伊波市長がこの環境影響評価書を詳しく調べて「実は海兵隊の司令部だけでなく普天間のヘリ部隊を含め沖縄海兵隊の主要部隊が一体的に移動することになっている。それならどうして代替施設が辺野古に必要なのか」とずっと問い続けてきていることはこのサイトでも何度も紹介した。

伊波市長のインタビュー「海兵隊はほとんど移動するのにどうして辺野古が必要なんですか?」
宜野湾市がまとめた書類 「普天間基地のグアム移転可能性について」

米軍の計画を知らないか、知っていても辺野古に基地が作りたいから知らぬふりをして「海外移設先を探す」と称してすでに移設が決まっているグアムやテニアンに探しに行っているふりをして、万が一新政権が辺野古の基地を作りたい勢力に負けてしまったときに「これだけ努力して移設先を探したんだから勘弁してください」と市民に言い訳できるようにするためか。そして辺野古に基地ができて、米軍は予定通りグアムとテニアンに海兵隊を移しても、市民たちは全く必要のない基地を5000億円ともいわれる自分たちの血税を使って辺野古の自然を壊して作ってしまったことを知らされもせず「仕方がない」と思わせられるというシナリオがあるのか。

他にこんな茶番劇をやる動機が見つからない。

PeacePhilosopher

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