5月2日、「子ども20ミリシーベルト基準の撤回を求める政府交渉」の会場(再議員会館)で配られた資料「原発等被曝労災一覧」を紹介する。当日、浜岡原発の職員で被曝総線量50.63ミリシーベルトで慢性骨髄性白血病で亡くなった方のお母さんが来て経験を語ってくれたのが印象に残っている。この方は8年10カ月に渡っての被曝なので、一年あたりにすると6ミリシーベルト程度になる。この表には、40ミリシーベルトの被曝で白血病で亡くなった方も出ている。こういった例を見ても、放射線被曝はこれ以下は安全というしきい値はないということがわかる。あらためて、子どもに年間20ミリシーベルトまでの被曝を許容するという政策の非常識を実感する。政府交渉資料にも、「ICRPの Pub. 36 「科学の授業における電離放射線に対する防護:(1983年)では、18才以下の生徒が実験などで被ばくする可能性がある場合を想定して、一般人の被ばく限度の10分の1にすることを勧告している。ICRPの勧告に従っても、子どもに配慮し、10分の1に抑える必要があるのではないか」とある。大人に年間20ミリシーベルトの被ばくを許容する場合でさえ、5年間で100ミリシーベルトまでとされる原発労働者並であるので受け入れられない。被ばく「許容」量ではなく「強要」量である。チェルノブイリ事故のときは年間5ミリシーベルトで避難基準であった。しかし仮に大人に一時的に年間20ミリシーベルトという基準を適用したとしても、この「10分の1」を適用すると子どもは2ミリシーベルトまでということになる。大人の被ばく量に合わせて避難させるのではなく、子どもの被ばく量に合わせなければいけない。国は、まず子どもや妊婦のいる家庭から避難区域を拡げるべきである。
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