けさのXの投稿を少し整えてここにも投稿します。
Wow! Nuland basically admits that Ukraine-Russia peace deal, which was close to being finalized in spring 2022, “fell apart” because US, UK & other Western governments “advised” Zelensky government that it was not “good deal” even though even members of Ukrainian delegation… pic.twitter.com/HPsrpOzQNf
— Ivan Katchanovski (@I_Katchanovski) September 8, 2024
オタワ大学の国際政治学者イヴァン・カチャノフスキー氏の24年9月8日のX投稿である。ビクトリア・ヌーランド氏は現在コロンビア大学教授で、米国による世界中での内政干渉組織として知られる「全米民主主義基金」(NED)の理事を務めているが、バイデン政権下では政治問題担当国務次官、オバマ政権下では欧州・ユーラシア担当国務次官補を務めた、ネオコン代表格である。カチャノフスキー氏は、このインタビューで、ロシア侵攻直後、22年3月末にはロシアとウクライナ間で和平協定が結ばれつつあったのに米英が介入して和平を阻止したことを、ヌーランド氏自身が認めてしまっていることを指摘している。
このビクトリア・ヌーランド氏は2014年のマイダンクーデターで、現地で、にこにこしながら差し入れしたりしながらウクライナ政権転覆を企て実行していた、当時オバマ政権の立役者の一人であった。2022年春、ロシア侵攻直後にロシアとウクライナの間で和平協定ができていたのに戦争をしたい英米がストップしたことはヌーランド氏も認めている事実だということだ。
米国がウクライナに生物兵器研究所を張り巡らせていたこともヌーランド自身が認めている。ウクライナ戦争の責任は米国にある。その説明はこの連続記事に書いた。ソースはほとんどが西側のソースである。まだの方は読んでほしい。
ウクライナ 忘れられている死者たちは誰か(上)https://isfweb.org/post-2995/ (中)https://isfweb.org/post-3084/ (下)https://isfweb.org/post-3107/
ウクライナ・ナチスの系譜と現状―米国がしかけたマイダン・クーデターがもたらしたものー https://isfweb.org/post-4400/
私の主張で日本左派から随分叩かれたが、誰一人わたしがエビデンスをもって説明することに反論できる人はいなく、「ロシアのメディアを引用している」とか「親プーチンだ」といった捨て台詞のような批判しかなかった。
米国およびNATOはいま敗北しつつある。この間ロシアだけを悪者にし、西側のナラティブを鵜呑みにし、それに異論を唱えるものを抑圧した者たちは深く反省するべきだ。さる2月7日の外国特派員協会(FCCJ)の会見https://youtube.com/watch?v=aX9Kv0dpjrwでも触れたが、わたしは22年3月、琉球新報の記事https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1486698.htmlでロシアのメディアを引用するだけで叩かれた。当時、日本語の既存媒体で西側のナラティブに異論を唱えるものはまだほとんど皆無であったからであろう、ネットで炎上した。
この琉球新報の記事で私はスプートニクを引用し、22年3月の時点で「260万人以上の民間人がロシア連邦への退避を申請している」と書いた。米国および西側諸国をバックに自国政府から攻撃されている東部のロシア系ウクライナ人がロシアに助けを求めるのは当たり前である。その後23年2月、NHKはUNHCRのデータを引用し、ウクライナからの国外難民は807万人おり、うち行き先の最多はロシアで285万人であるということをシレっと書いている。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230220/k10013985581000.html
このNHK記事が炎上したとは私は聞いていない。これは私が書いたことを裏付ける重要なデータだった。私は間違っていなかった。引用した情報は信頼に値する情報だったのである。ロシアのメディアを引用しただけで私を叩いた、某有名人、ジャーナリストらは私に謝罪するべきだと思う。私のこの記事で琉球新報社は苦情を受けたりしながらも、私の言論の権利を支持してくれた。これこそジャーナリズムである。
尊敬していた故加藤周一氏は戦争を可能にした日本の「大勢順応主義」を一番問題視していた。「戦争になると政府は必ず嘘をつく」とも言っていた。この3年間、日本では(西側全体でも)このまさしく「大勢順応主義」が吹き荒れ、「政府の嘘」を民衆がエコーした。いまも続いている。FCCJ会見でも言ったように、米国が敵視している国を一緒になって叩くのではなく自分の目で情報収集し、自分の頭で考えることこそ、いま求められていることであると思う。それが米国の「属国」化と洗脳から脱し、「人間の精神の自立」を取り戻すひとつの方法である。
25年2月14日 バレンタインデイに 乗松聡子
★合わせて読んでください:
「ファクトチェック」というフェイク:『歴史地理教育』より転載 https://peacephilosophy.blogspot.com/2023/07/fake-in-name-of-fact-check-from-july.html
広島のG7は「西側」の「終わりの始まり」であった(ISF) https://isfweb.org/post-33465/
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