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Saturday, December 26, 2009

Nippon TV Interview with Ginowan Mayor Yoichi Iha 宜野湾市長伊波洋一 インタビュー(日テレ News 24)

*このインタビュー記録、もうすぐ改善されたものを発表しますので引用などする場合はそれまで待ってください。

This is transcription (by Peace Philosophy Centre) of Nippon TV's interview with Yoichi Iha, Mayor of Ginowan City which hosts Futenma Air Station. The interview was aired on December 11, 2009. An English translation is here.

Nippon TV (Nittere) News 24 link to the interview:
http://www.news24.jp/articles/2009/12/11/04149543.html

日テレの「News 24」に普天間飛行場をかかえる宜野湾市の伊波市長が出演したときのインタビュー(12月11日)の内容をピース・フィロソフィー・センターのスタッフ ダン・アイザワ君がテープ起こししたものです。 英語版はこちらを見てください。

伊波 宜野湾市長のインタビュー

小西美穂:こんばんは、司会の小西美穂です・・・今日のキーマンは沖縄県の宜野湾市伊波洋一市長です。市長よろしくお願いします。

伊波洋一:よろしくお願いします。

小西:今ちょうど沖縄、普天間基地移転問題に年内決着も持ち越しの見通しになり、揺れてるわけなんですけども、伊波市長は普天間基地を抱える宜野湾市の市長であるということで、普天間から移設しようと、いわゆる世界一危険な基地だということで、そこから移設しようということで市民のいろんな声を聞いてらっしゃると思うのですけど、市長の立場からすると移設してどっかへ出て行ってもらうことで、まぁ良しとされてるんだと思っていたら、どうも市長はこれ全部を変えても、全部含めてグアムに全面移転するということをおっしゃっているという風に伺っておりました。昨日から上京されているということで、今回はどういう方々と会ってどういう話をされたんですか?

伊波:防衛省長島政務官、それから外務省と内閣府、それぞれ副大臣にお会いして、要請をしてまいりました。普天間の問題は本当に政権の課題になってますが、課題になっている普天間の問題、辺野古に移すとか移さないとかいう話になってるんですけれども、実はアメリカ自身が沖縄の海兵隊をグアムに移す計画を着々と取り組んでいまして、その計画に日本政府も60億ドルのお金を出しているのにも関わらず、その中身が一向に国民にも、国会にも、沖縄県民にも説明が無いんですよ。しかし、米国の中で環境影響評価書とかそういうのがきちんと出ておりますので、そのことをちゃんと伝えて欲しい。そしてそのことの上で、辺野古の問題ですとか、沖縄県内の基地の問題ですとか、もう一度整理しなおして下さい、と。そもそも、沖縄の海兵隊が殆どグアムに行くのに、普天間自体もグアムに行くのに、なんで辺野古が必要なんですか?と。

小西:そういうことをおっしゃっているんですね。そこで伊波市長に対する第1の質問です。グアムへの全面移転は本当に可能なんですか?ということなんですが、これは、北沢防衛大臣が、グアムに視察にいかれてましたよね。それで耳にしたのが、全面移転なんて無理ですよと早々におっしゃっているんですけれども、これは伊波市長がおっしゃっていることと違いますね。このあたりいかがですか?

伊波:ロードマップの合意では、普天間飛行場の機能を辺野古の方に移すということになってます。飛行場を移すという話になってるんですけれども、普天間の部隊を移すという話にはなっていない。ところが、このロードマップというのは2006年の6月の合意ですけど、丁度その半年前2005年の10月までは、普天間の部隊も辺野古に移すという話だったんです。ところが、翌年5月には、実はアメリカ政府は、国防総省は、沖縄の海兵隊全体をグアムに移転する方針に変えたんですね。

小西:人がいなくなる?

伊波:殆どいなくなります。8000の海兵隊をグアムに移すことは聞いてますね。9000名の家族もグアムに移すという話も聞いてますね?沖縄に海兵隊の家族は9000名もいないんです。今8000名もいないと言われています。

小西:それは適当に言ってるんですか?どういうことなんですか?

伊波:9000名分の家族の住宅を日本政府に作らせるということが合意されているんです。

小西:じゃあ沢山来るということですか?

伊波:いや、グアムに。グアムには沖縄の8000名だけではなくて、その他からも入って、実際は1万6百名の兵隊が行くことになってるんです。

小西:北沢防衛大臣がおっしゃってることって言うのは、間違ってるんですか?

伊波:北沢さんが言ってるのは、普天間飛行場の代わりをグアムに作る話というのは、日米合意とかけ離れている、と。日米合意では普天間の代わりは辺野古に作りましょう、という風になってたんですよ。部隊の話じゃないんですよ。飛行場の話。確かに飛行場の話でいうなら、辺野古に作る話とグアムに作る話ではずいぶんかけ離れてますので、グアムにも飛行場があるんですよ、二つ、だからこれ以上は作れないはずだから、それは無いでしょう。しかし、一番最初の辺野古に基地を作る原因は普天間の部隊を移すために飛行場が必要だったんです。


小西:よく考えますと、北沢さんがなぜこの時期にグアムに視察に行ってるかなんですけれども、今おっしゃってるような8000とか9000って言うのは、現地行かなくても分かるじゃないですか?北沢さんが見たかったのって言うのは本当にこれで全面移転が本当に出来るのか、それを確かめに行かれたのではないですか?

伊波:もっと違う理由で行ってると思います。何かっていいますとね、今までの話では、司令部(海兵隊の司令部の心臓分)だけがグアムに移るという話になってます。実戦部隊は移らないというのがこれまでの政府の説明なんです。そのことで、殆ど議論がされてますが、実はこれは2005年の10月までの議論なんですね。2005年の10月に合意したときには第3海兵機動展開部隊の司令部はグアムあるいはハワイを想定してますけど、そこに移って行くという風に合意されてるんですけど、残りの部隊について、グアムに移る話は全く無いんです。だけど2006年の5月になると、アメリカ軍自身がグアムへの拠点作りというのに舵を切ったんです。それで、沖縄の海兵隊8000名が、部隊を一体化してグアムに移るということを決定してるんですよ。そしてその計画が2006年の7月に出来上がっています。私たちはそれを読んでおりますけども、そのグアム軍事開発統合計画という統合計画の環境影響評価が3年間行われて、こないだ11月20日に公表されたのがそれです

小西:その資料も用意させてもらってます。ちょっと突っ込んで聞きたいのが、伊波市長から見て、この北沢さんの動きや今回こういう発言をしたということは、どう受け止めてらっしゃいますか?

伊波:この発言とは別にですね、どちらかの紙面で書かれてましたけれども、沖縄の海兵隊は戦術的な配備ということが分かったと、つまりどういう事かといいますと、今まで沖縄の海兵隊と言うのは、沖縄にいるけども全部に派遣するための拠点だったんですよ。実はこの拠点がグアムに移るんですね、じゃ沖縄に少し残るかもしれないけども、それは何のためかと言うと、沖縄のためだけに残るという意味だと思います。沖縄に行くために部隊が配置されるんですけど、今までの沖縄の部隊は沖縄からイラクに行ったりあるいは彼方此方行ったりしてますね。全体の中枢だったんですよ、沖縄が、これまで。今も。2014年以降はその機能が全部グアムに移って行くんです。

小西:そこで北沢さんの考えというのは?

伊波:どうなってるか分かりませんけど、少なくとも二つ以上の事は見てると思います。

小西:北沢さんは伊波さんがこういうことを言っているということを考慮した上でこういう発言を今日されてましたよね?全面移転の可能性を探っている様なことを耳にするけども、ちょっと無理かなという展開でしたよね?

伊波:一番大事なのはですね、いろんな報道等でも議論されてる時に、皆の頭の中には2005年の10月までの考え方、つまり司令部だけがグアムに行って、沖縄には海兵隊隊が残っていると思ってるんです。しかし、それは間違いなんです。でもその間違いは、北沢防衛大臣グアムに行って、しっかり受け止めて来たと思います。そういう説明はきちんとするはずですから、グアムのそういう関連の部署ではね。だから沖縄の位置が今までとは違うと言う事を説明されたのは確かではないかなと思います、まあ聞いてみないと分かりませんけどね。

小西: でも今日のところの発言ではそのあたり出てなかったですね。

伊波:いや、一つだけ出てたんです。だから戦術的配備だということが分かった、つまり戦略的配備というのと戦術的配備ということと、まあ事が難しい話なんですけれども、多分こんな言い方すると分かります。今沖縄には海兵隊が何人いるかご存知ですか?

小西:どのくらいでしょうか?

伊波:定数が1万8千人と言われてますが、1万1千ぐらいです、居るのは。で、その内から8千人居なくなります、グアムに。多くても3千人しか残らない、だけど、日本政府は1万人残っていると言ってるんです。

小西:岡田さんがおっしゃっているように?

伊波:そうですね。多分埋まらないと思います、その3000人以上は、そんなに多くはね、グアムに拠点作るのに、グアムでも1万人しか海兵隊いないのに、沖縄に1万人いる話は成り立たないと思います。

小西:どうも伊波さんの話聞いてると、今、岡田さんとか北沢さんが説明している事と、伊波さんがおっしゃっていることは、本当に溝が埋まらない、どっちの情報が本当なんだろうか、もっといろんなこと教えて欲しい気持ちになるんですけども、伊波市長から見て今の日本側の対応はどう映ってますか?

伊波:結局一番何が問題なのかというと、このグアムの移転計画について、詳細を米側が日本に伝えてないんです。伝えてないからロードマップのあとの説明が出来てない。2006年5月以降の今の状況が無いんですね。(書類を取り出す:今までの流れを表しているタイムラインを指す)2006年5月から状況が変わってるんです。グアムの軍事統合計画というのが策定されて、そして私達は、沖縄の中部の市町村長とグアムの調査を2007年に行ったんですよ。そのとき、向こうでは沖縄の海兵隊が来るということ、普天間のヘリの部隊などが来るということと、その場所もちゃんと説明を受けてるんです。次に2008年の9月15日には海軍長官が米国の連邦議会、下院議会に、報告書を出してるんです。ここに部隊の詳細がでています。沖縄の部隊が、これこれが、グアムに行きますよと。それからですね、次は、今年(2009年)の6月ですけど、海兵隊総司令官が連邦上院の軍事委員会に報告書を出してるんですよ。これもちゃんと沖縄から8000名の部隊がグアムに行くけれども、これは何を理由にしてるかと言うと、沖縄の基地との問題ですね、沖縄の基地が住民地域ととても密接に近づいているので、この問題を解決するためにグアムに行きますと、ちゃんと書いてあるんですよ。この流れがですね(2006年5月から2009年11月の間の流れ)完全に国内で説明されていない。国会の中でも説明されていないし、政府もこのことに対して一つも説明をしてないんです。

小西:その説明無しに今辺野古への移設なのかどうかといって進んでいることがおかしいんじゃないか?とおっしゃっているわけですね?そこでですね、第2問に参ります。どうして基地の移設問題は進まないのでしょうか?なんでこう進まないのかと言うところに、誰かが嫌なんじゃないかと、日本政府が嫌なのか?アメリカが嫌なのか?移設するのが。沖縄県民がいやなのか?それはどこにあると考えたらいいんですか?

伊波:それは沖縄県民がこの県内に移設させることに対して強い反対があるんです。戦後64年もたって、これは13年前の話なんですけども、当時1996年に合意されましたので、そのときも撤去可能な移設建設がありまして、それも拒否されたんですけれども、沖縄県民にとってはやはり新しい基地をもうこれ以上作るということに対して、とても抵抗感があります。よく言われるんですけれども、わずか0.6%の面積の沖縄県に全国の75%の米軍基地が集中している。その集中している米軍基地の解決のためには一つ基地を無くすために、もう一つ基地を作らなくてはいけない。こういう事はですね、もう納得のいく話ではないわけです。そのことが一番大きな抵抗になってるんです。だから県内移設が進まないのは沖縄県民の反対が強いからなんです。

小西:日本政府がここまでずっと長らく引っ張ってきたという背景には県民の感情だけではないんじゃないですか?何か、それこそ利権だとか、誰かがうまみを持っているのでは、伊波さん指摘されてましたよね?

伊波:それは、よくありますよね、報道とかですね。私たちは、そのことの側面からの議論をしている訳ではありませんけども、ただ、これまで長い間、日米安保条約の元で基地が必要とされているというのが、政府の立場でしたから、その時に置ける場所は沖縄しか無いと最初から決めてかかってるんですよ。つまり辺野古が選ばれたのも、よく言われてましたけども、前政権の下でですね、辺野古しか置き場所が無いから辺野古にするんだと、じゃほかのどこに持って行けるんだって事を公然としていたんですね。だからそういう意味では沖縄の気持ちはですね私は踏みにじまれ続けられていたんではないかと思います。

小西:先ほどちょっと途中だったので改めてこちらをお見せしたい(資料を取り出す)


「Environmental Impact Statement 7
Overseas Environmental Impact Statement
Guam and CNMI Military Relocation
Relocating Marines from Okinawa,
Visiting Aircraft Carrier Berthing, and
Army Air and Missile Defense Task Force
Executive Summary
November 2009」




これが、伊波さんがなぜグアムへの全面移転が可能なのかの論拠とされている主な資料の一つですけれども(取り合えず日本語英語でタイトルを読み上げる)、、、月日を見てみると、2009年11月なんですね。環境影響評価と書かれていますが、結局海兵隊が移転するときに移転先の地域とか、住民とか、自然とか、あらゆる環境をどういうふうに影響するのかを調べた書類ですよね?これはもともとは8000ページありますよね、そしてこれは宜野湾市のホームページでも見られるほどオープンになっている資料ということで。これで市長が重要視されている部分ちょっと一つ(フリップを取り出す)あるんですが、これ説明してもらえますか?

資料:1.4-3表 移転候補地分析の概要(元の表はここをクリックして69ページを参照)

候補地 判断基準(Criteria)  

      ■同盟及び条約上の要件  ■対処(配備)時間  ■活動の自由
沖縄(現在)                +            -

ハワイ         -          -            +

西海岸(アラスカ等) -          -            +

マリアナ(グアム)  +           +            +

フィリピン        -         +            -

タイ           -         +             -

オーストラリア     -         +             -

シンガポール      -         +            -

韓国           -         +            -

伊波:そもそもなぜ沖縄の海兵隊を移すことになったのかと言いますと、2002年に始まったアメリカの地球規模の基地の見直しがあるんです。沖縄の海兵隊、それは何処に移すべきか、という議論になりまして。(資料の候補地を指す)この中で唯一三ツ星だったのがグアムなんですね。

小西:プラス、プラス、プラスの評価をもらっているのが、実はグアムだったんですね。星三つとおっしゃってますけれども。

伊波:沖縄ですら一つしか無いんですよ。

小西:沖縄見てみますと、いろんな用件書いてますけれども、プラスは一個。ここで要は伊波さんは星3個のグアムの方がいいじゃないかと、言ってるんですね?

伊波:いや、私が言ってるんじゃなくて、アメリカがこの評価をしたんですね。アメリカが決めて、その合意に乗っ取ったのロードマップなんですよ、だから、日本政府も、日本政府の方がこのことを説明されたか分からないですけども、アメリカにとっては、このグアムに移転するということは、米国の戦略上の選択なんですね。普天間問題解決のためではないんです。ですから、多分大方の海兵隊をこれからグアムに移していくという作業が来年当たりから始まるわけです。

小西:でもね、本当にそもそも、こういう物(資料を片手に)全部公表されているんですから、伊波さんだけに分析されてるわけじゃないじゃないですか、外務省も防衛省の偉い人が皆見てるのにどうして伊波さんと同じお考えとか主張をされないんですか?

伊波:見ないんですよ、外務省は。本当です。ここが日本の国のおかしなところで、見てないんですよ。

小西:いや、外務省の方に見ていただかないと・・・

伊波:ここに、一番の問題があるんです。日本の60.9億ドル使うって言っているんですよ、だけどもそれで何が行われているのかといことに付いて十分な知識が無いわけです。

小西:例えばですね、これ知ってるけれども、もう外交上後戻りできないから、これはスルーと言うか、このままにしておこうと言う様な作為があったのでは?

伊波:そうではないんです。私も先週、岡田大臣と話したんですけれども、伊波市長が言ってることは聞いてない、と言うんですよ、アメリカの首脳との会議では。私の言ってることがね、向こうのアセス(Environmental Impact Statement)に対して言ってることは聞いてないというんですよ。

小西:つまり岡田さんは、伊波さんに指摘されて始めて気づいたんですか?

伊波:気づいたというよりも、それでも、それは違うと言われたんです。多分違うんだろうと。それで、伊波市長からも指摘されてるんで、実際のグアムへの8000名の移転が本当にどれが実動なのか検証する必要があるといってました。岡田さんが理解してるのは1万8千人定数増やすことなんですよ、今7千人しかいないんですけど、でも1万人いるんだという思い込みがあるんですね。アメリカからそういう説明を受けてるんですよ。沖縄にも1万人の部隊を置くんだということを言ってるから、要するにこういう計画、実戦部隊が行くということは考えていない、と言うんですよ。

小西:どうしてそういう事がおきるんですか?正確な情報が伝わっていないということは、基本的なことがなってない。

伊波:これは3年間続いてますよ、、その間、2006年の7月に計画が作られまして、2006年9月に太平洋軍司令部のホームページにアップされたんですよ、計画が。私たちはそれを入手して、翻訳もして、この通りだということを含めて、説明したんです。(書類を取り出す「グアム統合軍事開発計画」)例えばこれがグアムの実際のその時(2006年9月)に出された計画書です。次は(次の資料を取り出す)飛行場の話ですね。グアムのアンダーセン空軍基地の(詳しい話、部隊配置、地図を指す)この部分(地図を指す)は日本政府が出してるんですよ。そういう計画が現実に3年前から動いているんですね。そして今までアセスが行われて、そして環境影響評価ですね。そしてこれがグアムの住民の皆さんに公開されて、いろんな意見聞いて、その上でいろんな意見の上で修正するべき事を修正して、許可すればいよいよ実施になります。これは予定では、(2010年)7月30日までには一応許可される予定です。

小西:結局評価するという段階にきているということは、実際の計画を評価してるわけで、こうなるかも知れないと言う所から、これをやりますよと、普天間の海兵隊のヘリ部隊も新しい基地を作って受け入れますよなんていうことが、この実際の計画を書いている(計画書を指す)ものなんですから、非常に重要だし、これで論じないといけないと言う事じゃないんですか?

伊波:そうですね。今年の予算としては日本は300億円出してますよ、これに対して(計画書を指差す)、建設費に。アメリカも3億ドル以上出してますので、あわせれば700億(円) ぐらいの予算が2010年会計年度できちんと出ますので工事が始まります。そして2010年から最初の部隊がグアムに移るんですね。司令部が中心になると思いますけれども、出来次第ですね。そして2010年、11年、12年、13年、14年で全部が移るという計画になってます。

小西:でも今の状況では、合意を白紙に戻すことも有り得るとも言ってます。

伊波:有り得ない話です。アメリカが選択してる、アメリカが普天間問題解決のためではなく、アメリカの世界的戦略の拠点としてグアムにこの海兵隊基地を作るという計画が今回のグアムへの統合計画なんです。
小西:じゃあ、この白紙に戻すことも有り得る、なんて言っているのはなんなんでしょうか?

伊波:辺野古を作らすための交渉上の脅しだと思います。多分グアム移転は白紙に戻らないです。どうしてかというと、7月に条約というレベルで合意されてますし、これに60.9億ドルの日本のお金を出すということも条約として合意されていて、それに基づいてアメリカは40億ドルを出してグアムの移転計画を実施するという合意を得ているわけですから。ただ、これと普天間の代替の辺野古への建設は切り離されてるんです。国会の審議のなかでも明らかになりましたけれども、これは普天間移設を義務付けるものでは無い。だけど、グアムの移転の作業自体は着々と進んでいます。

小西:最後の質問は、日本政府にこれだけは言いたいということはありますか。

伊波:今申し上げました、グアムへの移転計画、これをですね、きちんと説明して欲しい、つまり、日本のお金がこれだけ使われていて、この3年間本当に一つの説明もしてないんです、この一番の原因はアメリカ政府が説明しないから、だからアメリカ政府にこの情報の提供を求めて欲しいと思います。そして沖縄からどの様な部隊がどの様な形でグアムに移っていくのか、そのことを明確にした上でですね、辺野古の問題にあたって欲しい。本当に辺野古が必要なのかどうか。私はもう必要無いと思います、建設そのものがですね。ですからその理由にしても、やはり国民に明らかにする必要があるし、国会に明らかにする必要がある。それは私は今の鳩山政権にかされた義務でもあると思いますし、鳩山政権自体にはやはり辺野古に付いては建設しないで、建設無しにこの普天間の問題の解決、そして沖縄全体の海兵隊移転の解決に取り組んで欲しい。

小西:伊波さんの話を聞いてると、いち、普天間基地を抱えている宜野湾市の市長としてではなく、本当に沖縄県民のことを考えたご発言じゃないかって、すごく最近の行動を見て感じるんですけど。来年11月県知事選とかありますけど、ご自身の旗振って頑張ろうかとか?

伊波:いや、そういうのは別の話として、これから色々あるでしょうけども、私としては、今抱えている普天間の問題の解決に向けてしっかり頑張っていきたいと思います。

(宜野湾市 資料へのリンク

「普天間基地のグァム移転の可能性について」_平成21年11月26日


~沖縄からグアムへの海兵隊移転と普天間飛行場の危険性除去~

1 comment:

  1. Anonymous9:07 pm

    > 「米側は、海兵隊が全軍グアムにいくことを考えていて、辺野古に新たに基地を建設する必要はない」という主張。問題は、その論拠にしている環境影響評価書の米国にとっての位置づけがあいまいなことです。
    > 一般的に原発や工場などを造る際の環境影響調査は計画しているものギリギリで行うものではなく、有る程度規模を広げたカタチで実施するのが普通。環境影響調査を行うからといってそれが直に実現するものではないと思います。で、ジャーナリズムの基本はウラとり。市長がこういっている、ならば米側はどう思っているか、テレビで報じるならばそこは不可欠のはず。日テレの番組はみていませんが、その点取材しているのでしょうか?片方だけの主張を垂れ流すのは危険だと思います。まして複雑な利権がからむ沖縄報道。辺野古に反対しているヒトの中には、基地地主と基地労組、基地をめぐる土建利権でがんじがらめの中で、ひょっとしたら普天間飛行場の現状固定化を狙っているのでは、と思わせるフシも感じます。
    > いまアメリカ側の話がとれない以上、宜野湾市長の主張は「キワモノ」の域をでません。
    >
    > 個人的には基地労組や県外移設によって生活の糧を奪われる立場の人の声をもっと読みたいと思います。
    > 本当に米国が全面的な海兵隊のグアム移転を考えていて、日本政府が米国の本音に向き合っていないとすると、得る物は少なく失うものは甚大。
    > ヒトにしろ国にしろ、議論が煮詰まると最悪の選択をしてしまうは歴史の示すところ。民主党政権には本来だまし合いの世界である外交のスキルをもっともっとアップさせてもらいたいものです。このままいくと普天間問題で政権が行き詰まり、あおりで衆参同日選(悪夢!)なんてことにもなりまねません。自民側のネガティブキャンペーンの末、利権と密室談合の旧政権に逆戻り、なんてね。つぎの山場は新年度予算が通った後の普天間決断、5月ごろだと思います。鳩山さん、7月の参院選に近いのに、なんで決断を先送りするのだろう?後になるほど影響は大きいのに。

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