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Tuesday, July 07, 2015

カナダから安保関連法案の廃案を求める

7月7日、日中戦争開始(盧溝橋事件)の記念日です。5日、日本が中国で何をしてきたかを、証言とともに学ぶ会を福岡で企画した坂井貴司さんはこう言っています。
7月7日は、日本人にとってロマンチックな七夕の日です。願いを込めて竹の枝に短冊を結びます。しかし、中国人にとって7月7日は日中戦争が始まった日です。1937年7月7日から1945年8月15日まで続いた戦争でした。数百万人が死亡し、数千万人が難民となり、多くの都市や村が破壊された恐るべき戦いでした。日本軍の無差別攻撃、虐殺、略奪、強姦、強制労働、強制連行などで、70年以上が経った今でも癒えない傷が残りました。日本人の大多数はきれいさっぱり忘れていますけれど、中国人はこの傷を記憶しています。
その通りと思います。反省をこめて今日この日を記憶すると同時に、モントリオール九条の会のメンバーが起草した、安保法案廃案を求めるカナダからの声明を紹介します。

声明の、「如何なる戦争にも加担することなく、憲法9条の不戦の誓いを守り続けることが、加害国であった責任を全うすることに繋がると私たちは信じます。その9条を根底から覆す安保関連法案の速やかな廃案を強く求めます。」の部分に特に賛同します。 @PeacePhilosophy



  安保関連法案の廃案を求めるカナダからの声明


私たちはカナダに在住し、「9条の会」の名の下に、日本の憲法を学び、考える市民の集まりを主催しています。カナダでは、第2次大戦時に、2万人以上の日系カナダ人が、敵性外国人として、財産を没収され、強制収容された歴史があります(1988年にカナダ政府による正式謝罪と個人、団体の両方に対する補償が為された)。同じことが米国やその他の国の日系人にも起きました。また、沖縄戦、広島、長崎への原爆投下、日本各地を襲った米軍による空襲、いずれの場合も犠牲者の大部分は一般市民でした。日本の侵略戦争によってアジアの各地で夥しい数の一般市民が犠牲になったことは、勿論、決して忘れてはいけないことです。ひとたび戦争が起きれば、平和に生きる権利を奪われ、生命さえ危険にさらされるのは、私たちのような普通の市民であることは今の中東の状況を見ても明らかです。日本国憲法12条には「この憲法が国民に保障する自由及び権利は国民の不断の努力によって、保持しなければならない」と書かれています。私たちは、今こそ、この憲法に書かれた義務を遂行する時と判断し、この声明を出すことを決意しました。


安保関連法案の速やかな廃案を求めます

今、日本の国会で審議中の安保関連法案は、集団的自衛権の行使を可能とし、米国などの軍隊による武力行使に自衛隊が地理的制限なしに密接に協力し、弾薬補給その他の活動をすることを認めています。これは日本国憲法9条に明らかに違反しています。このことは日本全国の230名を超える憲法研究者たちが連名で出した声明の中で、丁寧に分かりやすく解説されています。研究者たちの声明はまた、この法案の策定までの過程も立憲主義、国民主権、議会制民主主義に反するものであると断じています。自国の憲法学者の大多数が「違憲である」と述べている法案が国会で審議されている事態は立憲国として、異様であるとしか言えません。故に、私たちはこの法案の速やかな廃案を求めます。

このような事態に至った背景には、2015年4月27日に米国で開かれた日米安全保障協議委員会があります。日米安全保障条約に基づいて、安全保障の基盤をなす問題を日米の閣僚2名ずつが出席して、検討するこの会議での決定を政府は日本国憲法よりも優先させたとしか思えません。また、沖縄の辺野古新基地建設に反対する圧倒的多数の民意を無視し、正に立憲主義、国民主権、議会制民主主義に反して、政府が推し進めている政策の元に日米安保体制があることも疑う余地はありません。私たち市民は今、日米安全保障条約とその体制下での政策について、出来るだけ多くの情報を共有し、この条約が本当に日本国民の安全と権利を守るために役立つものであるのかどうか、検証し、議論するべき時に来ていると考えます。


経済格差と軍隊、戦争

私たちが住むカナダの隣国アメリカでは、大学への学費を工面するため、学生ローン返済のため、シングルマザーが子どもを養うためなど、様々な理由で軍隊に入る若者が増え続けています。その人たちが戦場に送られ、その後、帰還できても、心的外傷のため社会復帰できない例が数多く出ています。日本でも国内の経済格差がかつてないほど広がり、不安定な雇用条件で働く若者が増えています。今度、衆議院で強行採決された派遣法が成立してしまえば、この流れは加速されるでしょう。奨学金の名を借りた学生ローンの返済地獄も問題になっています。カナダからアメリカと日本を見つめる私たちの目には、日本は着実に「アメリカ化」しているように映ります。

社会の上層部にいる、戦争で多大な利益を得る人たちが、国民の危機感を煽って、戦争を起こし、貧困層が生活のために、その戦争に取り込まれ、使い捨てにされるーーそういう構造が出来つつあることに鈍感であってはいけないのです。

私たちが日本に望むのは、軍備を拡張して、アメリカ軍といっしょに地球のどこにでも出て行くような軍事大国になることではありません。また、福島の事故から4年が過ぎても、収束の方策も立たない原発を他国に売り歩くような、道義の無い経済大国でもありません。私たちが望むのは皆が安定した仕事を持てる国、若者が将来に希望を持てる国であり、国の中に大きな経済格差がなく、人々が平和に暮らせる国です。そして、世界に紛争があれば、武力に依らない解決を説いて、調停に奔走するような国でもあります。それは日本の憲法が目指している国の姿でもあると考えます。

如何なる戦争にも加担することなく、憲法9条の不戦の誓いを守り続けることが、加害国であった責任を全うすることに繋がると私たちは信じます。その9条を根底から覆す安保関連法案の速やかな廃案を強く求めます。


呼びかけ人 モントリオール9条の会   
池田愛、池田朋子、上坂美和子、ウォング直美、大槻とも恵、金井映子 島大吾、鈴木博子、橋爪亮子、長谷川澄、ひねのやきみこ、和田香織(50音順)  
      
賛同グループ バンクーバー9条の会 
乗松聡子、久保田竜子、井上美智子、志道良夫、増川千鶴子、山本美穂子、落合栄一郎、家本利弘、家本庸子

賛同グループ トロント9条の会
代表 田中祐介 

個人賛同人(順不同)
霜山純子、八重樫雅子、平阪稚佳子、D.R. Lindberg、アサーン美恵(福島)、   堀光洋子、関藤さくや(フランス)、栗田路子(ベルギー)、Norma Field (Chicago),  Yuriko Furuhata, 宮本ゆき(シカゴ)、

(以上。賛同人はまだ増える予定)

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