(19日の投稿に書きくわえて20日再投稿しています)
この何日か、福島原発の危機をめぐる目まぐるしい状況の変化をフェースブック、ツイッター、ブログフィードで必死に伝えてきてまとまった投稿ができなかった。ツイートした内容に新しい内容を加えて投稿する。
あいかわらず放射線が「ただちに健康に影響ない」と唱え続ける政府。ただちに影響のある水準に達するまで何もしないという意味か。放射線というのは、あとから影響が出てきて、長く続くから怖いのだ。
広島長崎、第五福竜丸を体験した日本の政府の言っていることとはとても思えない。被害者視点中心と批判されたにせよ、「唯一の被爆国」と唱え続け平和教育を行ってきた国がこの状態なのか。もう出る言葉もない。
NHK は「大量の放射線が漏れ出す恐れがある」と言いだしてから何日もたってもまだ「恐れがある」と言ってる。効果的な解決策も見出せないまま「このまま何日も」実際に経っているのにまだ「恐れ」のままなのはおかしいと思わないか。「大量の放射線が出ている」とどうして認めないのか。
放射線が広範囲にすでに拡がっているのでもっと広い範囲の人たちを対象に繰り返し流しているのではないか。同時に、「福島原発事故を受けて福島県外に市民が続々と避難している」話を繰り返ししている。30キロの外が本当に安全なら、どんどん避難している話とか、外出のときどう放射線を防ぐかの話をあんなに何度も繰り返したり、矛盾していないか。
「裸の王様」とか英語の言い回しの the elephant in the room 「部屋の中の象」を思いだす。部屋の中に巨大な象がいることを皆わかっているのに、誰もそれに触れずに会話する異常さ。一昔前、癌の告知がまだあまりされていなかったときの患者と家族の会話のようだ。胃がんで死にゆく人に「胃潰瘍だよ」と言い続け、治るからね治るからねと言い、云われる方も、もう癌だとわかりながら敢えて言わずに死んでいく。
原発事故がもう破滅直前の状態だというのに、安全だと言い続け、体に「ただちに」影響はない、放射線がちょっとだけ下がっている場所を探しだして発表する。と同時に被曝予防の方法や避難の様子を報道し、「本当はわかってるよね、でも言わないでおこうね」という雰囲気を作る。
結局、政府、東電、保安院の公式発表に従った人たちや病気で動けない人たちだけが最終的に取り残される。危機意識は人によって違うから、隠すことによって、パニックを防ぎ、責任を地震や津波のせいにしながら、順次住民たちを自己責任で避難させることができる。
たった今(19日に投稿した時点で)枝野官房長官が、福島の牛乳と茨城のほうれん草に、基準を超える放射能が検知されたと発表した。とうとうか、と思った(その後各地で水道水の放射線が報告されている)。「放射線」という漠然としたものでなく、食品汚染が発表されたとなれば、女性たちが立ち上がる。母親たちが立ち上がる。「放射能マグロ」に怒り立ち上がって国際的反核運動に盛り上げた1954年のビキニ環礁水爆実験で第五福竜丸が被曝したときのように。母親は子どもたちの健康においては妥協しない。「ただちに健康に影響はないですよ」なんていう食品を子どもたちに食べさせる母親はいない。
もう嘘はつけない。隠すことはできない。一番怖いのが水の汚染だ(すでに起こっている)。子どもを持つ私はこう思う。とにかく、福島からなるべく離れたところまで逃げること。テレビではあたかも放水作戦が「成功」しているかのような楽観的な報道をしているがそんな証拠はどこにもない。電源が復活しても迷走している原子炉や使用済みプールの多さ、そして電気系統を復活させるまでのプロセスの気の遠くなるような複雑さを考えると、本格的な溶融、再臨界のリスクを考えて今すぐ行動するべきである。
脱出中に破滅的な事故が起こり風向きによっては多量の被曝をするリスクもあるだろう。なので私は今、人にどうしろと指図できる立場にはない。でももし私が福島やその周辺の県にいたら、まず北海道へ逃げ、韓国経由で国外脱出するだろう。国外までとはいかなくとも、国内でとにかくなるべく西へ、南へ、逃げるだろう。子どもだけでも安全なところに逃がすだろう。
食品汚染が出たことを機に、楽観視していた人も、目覚めてほしい。家の中にいるだけでもう被曝の防止はできない。
(3月20日追加)
政府はただちに避難区域を拡げるべきである。猛毒プルトニウムを含むMOX燃料を使う3号機(政府、東電、日本の主要メディアはほとんどこのことに口をつぐんでいる)の圧力容器が20日に危ない状態になった。危機的な溶融の危険性は1、2,3号機にあるし、使用済み燃料プールも1-4号機危険な状態にある可能性がある。再臨界の可能性も東電は否定しなかった。このような最悪の状態を想定して避難区域を決めるべきである。「想定しなかった」地震とか津波とか繰り返す政府も東電も保安院もメディアも、今こそ、今「想定」できる最悪の事態にもとづいて避難区域を設定することこそが「想定」できなかった災害への対処というものだろう。これ以上被害者を増やさないために。一人でも多く命と健康を救うために。あとから「想定できなかった」という言い訳は絶対に許されない。放射線は政府の引いた線で止まるわけではない。また、放射線は同心円で拡がるものではない。風向きによっては、同じ距離でも天国と地獄に別れる。80キロだって200キロだって危険なときは危険なのだ。とにかくより安全な風向きのときを見計らって福島から逃げられるだけなるべく遠くに逃げる、というのが賢い人の方策であろう。被災者支援の責任のある大人はともかく、子どもと、妊婦、妊娠している可能性が少しでもある女性、そして将来妊娠する可能性のある女性たちは一刻も早くなるべく遠くへ逃げるべきで、政府もそれに対し最大の援助をするべきである。
PeacePhilosopher
追記:今(日本時間19日午後6時半)情報が入りました。服部良一議員秘書の森原秀樹さんのツイッター@HidekiMoriharaで、福島原発の避難域20,30km圏について国(保安院)は根拠を提示できなかったことが判明した。以下引用。
「各党政策担当者による「各党・政府震災対策合同会議(実務者会合)」に陪席。社民は、1)復旧作業員の被曝管理徹底、2)20、30kmの根拠提示、3)20-30kmに残る退避者の避難支援と食糧等供給、4)避難、疎開の迅速実施のための自治体間の連携確保。そのための支援体制整備、を要望。
各党・政府震災対策合同会議で驚いたのは、保安院長が、福島原発の避難域20,30km圏の根拠を示せなかったこと。「当方評価ではもっと小さくてよい」という趣旨を述べ、「念のため広げたということ。(今)提示できる根拠は持ち合わせていない。」と言った。現場は大混乱なのだ。本当に驚いた。」(引用おわり)
根拠もない政府の避難区域はもう意味のないものと考えて行動するべきである。
Peace Philosophy Centre, based in Vancouver, Canada (est. 2007), provides a space for dialogue and facilitates learning for creating a peaceful and sustainable world. ピース・フィロソフィー・センター(カナダ・バンクーバー 2007年設立)は平和で持続可能な世界を創るための対話と学びの場を提供します。피스필로소피센터(캐나다·밴쿠버 2007년 설립)는 평화롭고 지속 가능한 세계를 만들기 위한 대화와 배움의 장소를 제공합니다. 欢迎来到和平哲学中心!我们来自加拿大温哥华,我们致力于促进对话及建立可持续发展的和平世界。欢迎您留下宝贵的评论。Follow Twitter: @PeacePhilosophy / "Like" Facebook: Peace Philosophy Centre メールEmail: peacephilosophycentre@gmail.com
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