今、宜野湾市の伊波市長の12月11日の日テレインタビューの英訳を解説付きで英語の学術誌 Japan Focus に掲載する準備をしています。
普天間問題について、昨日の晩(日本時間の火曜の朝)のNHKニュースを見ました。
最近もいろんな閣僚がいろんなことをやっています。
平野さんは沖縄に視察に行って、小沢さんが提案した下地島、伊江島を自衛隊のヘリコプターから眺めたりしたそうです。「県内移転」というやつです。
亀井さんは静岡のキャンプ富士や長崎の大村海上自衛隊航空基地などを検討している。「県外移転」というやつですね。
福島さんは「国外(グアム)移転」への理解を、アメリカの下院議員に対し訴えたようです。
岡田さんは何の新しい情報もないのにただ「理解を求める」ためだけにハワイでクリントン長官と面会です。
鳩山さんは兵器業界との会合で「武器輸出3原則を緩めたい」と言った北澤さんをたしなめています。
普天間問題で皆さんがどうしても囚われている考えは「移設」という考えです。みんなが「普天間に代わる飛行場を作らなくちゃいけない」と思いこんでいます。
実際は、沖縄の海兵隊の大半はグアムに移転することが決まっていて、昨年の4月に締結された条約
「グアム協定」によって日本がこの予算100.9億ドルのうち60.9億ドルも出すことになっているのです。
なので日本国内に海兵隊の基地をこれ以上作る必要はないのです。
単純に普天間基地の速やかな閉鎖、辺野古の海上滑走路建設計画を中止すればいいだけの話なのです。
沖縄県内だろうが県外だろうが「移設」する必要はないのです。
もう一つ、「国外移設」とか「グアム移設」とか言う表現は「移設」以外にもう一つ大きな問題があります。これは米軍がこうするのだという文脈で使うのならいいですが、あたかも、日本側が「国外移設」を決定できるような語調だったりします。「県内か、県外か、国外か鳩山政権は決断を迫られる」といった論調がまさしくそれです。日本のどこに、他国に米軍基地を建設することを決めたり提案したり権利があるというのですか。他国の主権を侵害するような発言は差し控えるべきです。
もちろん日本国内の米軍基地自体が主権侵害なのですが、それはそれで米国による日本の主権の侵害を訴えればいいのであって、日本が自分たちの主権の範囲を超えて物を言う権利はないのです。
同じニュースで、グアムの人たちが海兵隊が大挙してグアムに押し寄せてくることに対して公聴会で不安と怒りを訴えている場面が映りました。当然の感情でしょう。しかしこれをどうして日本のメディアがことさら強調するのでしょうか。実質的に米国の植民地であるグアムの人々の基地負担に同情するからでしょうか。そうだったらいいのですが。沖縄の市民の訴えこそ滅多に取り上げることのないメディアが、どうしてグアムの人たちの訴えを強調するのでしょうか。
「国外移設」「グアム移設」はやっぱり無理だ・・・グアムの住民たちは怒っている。やっぱり日本国内で「移設」するしかないのか、という感情を喚起したいからではないでしょうか。
また、このニュースだけを見ていると、「グアムの人たちは普天間基地の代替施設をグアムに作ることに反対している」と、ほとんどの視聴者は解釈してしまうのではないでしょうか。
米軍のアジア太平洋地域全体での再編計画の一環として海兵隊の戦略的基盤を沖縄からグアムに移すという計画に伴って海兵隊がグアムにたくさん移動するということであって、沖縄からだけ行くわけではないのです。これは普天間「移設」とか辺野古建設などに全く関係ない計画についての公聴会なのです。普天間閉鎖や辺野古建設の有無は、海兵隊のグアム移転の条件ではないのです。
なのでグアムで怒っている市民たちを見て、「やっぱり辺野古かどこかに基地作らなきゃだめか・・・」なんて思っている人がいるとしたらそれは違うのだと強調したいと思います。
私が説明不足であることを考え、もう一度伊波市長のインタビューへのリンク、ここです。
テープ起こしした全記録がここです。
宜野湾市からもチェックしてもらって、このインタビューの日本語版はほぼ完全な形となりました。私のような素人でもよくわかったこの説明、皆さんに読んでもらいたいと思います。
もっと知りたい人へ。
宜野湾市の資料
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/37840/37844.html
吉田健正さん(元桜美林大学教授)の関連記事 (メールマガジン 「オルタ」09年12月20日号)
《米軍計画》:普天間基地はグアムの空軍基地へ
http://www.alter-magazine.jp/backno/backno_72.html#08
田中宇さんの分析
官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転
http://tanakanews.com/091210okinawa.htm
(英語版http://www.japanfocus.org/-Tanaka-Sakai/3274)
最初に書いたとおり、上記インタビューの英語版もまもなく ジャパン・フォーカスJapan Focus 誌に掲載されます。
さて、頭の体操をしましょう。普天間は「移設」じゃなくて「閉鎖」するんです。辺野古基地建設は単純に「必要ない」のです。日本の海兵隊は出ていくので、「普天間」の代わりの場所は国内には「どこにも作る必要がない」のです。じゃあ国外は?そんなこと、日本がとやかく言えることじゃあないんです。
もちろん日本国外のことは関係ないという意味で言ってるんじゃありません。一地球市民として、グアムだろうがどこだろうが軍事基地のために人権が蹂躙されることについてはどんどん反対運動をしていきたいし皆さんにもしてもらいたいと思います。
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