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Friday, July 31, 2026

ウクライナ戦争も、イラン戦争も、「米国とシオニズム勢力による"ユーラシア枢軸"への戦争」、そして最終標的は中国:ペペ・エスコバル

イラン情勢が激しく動いています。残念ながらメインストリームメディアの報道を読んでいても本当に何が起こっているかはあまりわかりません。パキスタンやイランの当事者に直接のパイプを持っているジャーナリスト、ペペ・エスコバルと元CIAアナリストのラリー・ジョンソンの情報は非常に貴重です。7月29日の、ナポリターノ判事の番組でのペペの発言をAI訳しました。米国イスラエルが仕掛けたイラン戦争の手綱は完全にイランが握っており、トランプが、面子をつぶさずに収束できるかどうか、藁をもすがるように毎日、パキスタンのムニール元帥に電話しているということです。中間選挙が迫っているというだけではなく金融各社の分析によると戦略石油備蓄が8月中旬までしかもたない、これがトランプにとってのタイムリミットだという指摘もあります。いまやトランプは多極化勢力を「ユーラシア枢軸」という言葉を使って敵視しているという指摘も重要です。ロシア、中国、イランです。ウクライナ戦争とイラン戦争の関連を証明するかのごとくゼレンスキーはカスピ海でイラン船を攻撃しました。米国を筆頭とする西側連合の、多極化勢力に対する世界規模の戦争はすでに始まっているのです。このビッグピクチャーを把握するために、10年以上も、「机上アナリスト」とは違いユーラシア諸国に足を運んで取材してきたペペ・エスコバルの発信から目を離せません。

以下、AI翻訳に手を入れたものです。翻訳は一部冗長なところは省略しています。アップ後修正する可能性があります。@PeacePhilosophy 

    

ナポリターノ判事: トランプ大統領の威嚇や強硬な発言は、イラン指導部にどのような影響を与えているのでしょうか。

ペペ・エスコバル: ゼロどころかマイナスです。彼らはまったく意に介していません。しかし、外交のための小さな可能性でも残されている限り、その可能性を閉ざすことはしていません。そして、そのことが今週月曜日にラワルピンディで起きた出来事につながります。ラワルピンディはイスラマバードの姉妹都市で、パキスタン陸軍総司令部が置かれている場所です。さて、今週月曜日にラワルピンディを訪れたのは誰だったと思いますか。米国の代表団です。彼らは一つの提案を持ってきました。米国から直接持ち込まれた提案です。しかし、私たちの情報源であるパキスタン側の仲介者によれば、その提案はJ・D・ヴァンス副大統領のオフィスから出たものだということでした。

ナポリターノ判事: つまり、それはクシュナーやウィットコフではなかった。

ペペ・エスコバル: ええ、違います。違います。違います。代表団のメンバーが誰だったのかについては明らかにされませんでした。ラリーと私に対して「おそらくJ・D・ヴァンス副大統領のオフィスから出た提案だ」と確認してくれた情報源は一人だけです。しかし、彼らが持ってきた提案は非常に率直なものでした。「われわれはMOUに戻る用意があるかもしれない。ただし、米国側の条件でだ」というものです。パキスタン側は月曜日にその提案を聞き、直ちにイラン側へ伝えました。イラン側はそれを見て、「これは冗談なのか」と言いました。

なぜなら、それはイランが最初から言い続けてきたことと正反対だったからです。まず、すべての戦争を終わらせることについて協議する。次にホルムズ海峡について協議する。その後、凍結されたわれわれの資金を返還し始め、制裁を緩和する。そして最後に核問題について協議する。それがイランの立場です。ところが米国は、その順番を百八十度ひっくり返そうとしている。最初から核問題を議題にしようとしているのです。

ですからイラン側は当然、「今週はそれには応じない。われわれはいつでもMOUに戻る用意はある。なぜなら、MOUを離れたことは一度もないからだ。MOUを壊したのは米国だ。MOUを壊したのは米国大統領だ。われわれは戻る。しかし戻るのは、これまで協議してきた内容と、双方がMOUの14項目を履行するという約束に戻るということだ」と答えました。現在の状況はまさにそこです。私たちは再び膠着状態に陥っています。そしてもちろん、仲介役であるパキスタンは、いつものようにその板挟みになっています。

ナポリターノ判事: 私たち共通の友人であり同僚でもあるジョン・ミアシャイマー教授は、「イランは、凍結されている資産がすべて解除され、その資金がイランの銀行口座に戻るまでは、米国とは話し合うべきではない」と言っています。イランは、まず米国にそのような誠意ある行動を取らせ、それから初めて交渉に応じるべきだ、と。そうでなければ、トランプ大統領に約束を守らせることはできません。

ペペ・エスコバル: そのとおりです。まず第一に、ジョンは正しい。そしてイランもそのように考えています。しかし、それでもイランは、たとえばホルムズ海峡をめぐる技術的な問題について話し合いを始めることは検討しています。ちなみに現在、この問題は主としてオマーンが扱っています。イランとオマーンは、ホルムズ海峡について考えられるさまざまな仕組みをめぐり、技術的な協議を続けています。ですから、米国がその協議に加わる可能性もあります。しかし、そのためにはまず、米国が自らの約束に目を向け始めなければなりません。

そして、そのことはMOUの14項目にはっきり書かれています。まず制裁緩和を始めること。そして少なくとも、カタールの銀行にある60億ドルを返還し始めることです。カタール側は以前、その作業を進めていました。しかし結局、米国側は「いや、それはやめろ」と言ったのです。

ナポリターノ判事: トランプ大統領の威嚇や強硬な発言に対して、パキスタンはどのように受け止めているのでしょうか。

ペペ・エスコバル: 判事、これは実に興味深い話です。私たちが連絡を取り合っている情報源や仲介者は、ラリーにも私にもこう言いました。「トランプは何日もの間、毎日のようにムニールに電話をかけていたのです。」

ナポリターノ判事: ムニールとは誰ですか。首相ですか。

ペペ・エスコバル: アシム・ムニール元帥です。パキスタン陸軍トップです。

ナポリターノ判事: 陸軍トップですね。パキスタンでは、その地位は首相以上の権力を持っていると言われています。

ペペ・エスコバル: そのとおりです、判事。パキスタンで最も権力を持っている人物です。疑いようがありません。シャバース・シャリフ首相より、はるかに強い権限を持っています。

ナポリターノ判事: 陸軍トップに毎日電話をかけて、何と言っていたのですか。

ペペ・エスコバル: 要するに、こう言っていたのです。「イランとの交渉に私を戻してほしい。ただし、私が屈辱を受けるような形では困る。」これは私たちの情報源の一人が使った表現です。「私は屈辱を味わいたくない。」彼にとって「屈辱」とは、実際には外交を行うことなのです。

というのも、彼が署名したMOUは、トランプ大統領が署名した文書だからです。つまり、イランのペゼシュキアン大統領と米国大統領の双方が約束した文書なのです。ところが米国は、そのMOUに書かれた14項目の約束を一つとして履行しませんでした。そこに問題があります。そして今、彼は時間との勝負を強いられています。しかも、誰もが知っているように、その「時計」を握っているのはテヘランです。

MOUとは、ここ数週間、いや数か月にわたりイランが主張してきた内容に沿って手続きを定めた文書にすぎません。もちろん米国側はそれを読み、修正を加え、さらに修正を重ね、最終的には署名しました。つまり理論上は、その文書に同意したということです。しかし実際には、その内容を一つも履行しませんでした。

ですから、イランが言っていること、そして月曜日にパキスタン側へ伝えたことは非常に明快です。「米国の提案は見た。しかし、われわれの提案はその正反対だ。それでも、この扉は開けておく。」アラグチ外相は公の場に出るたび、いつも同じことを言っています。「われわれは外交に反対しているのではない。しかし、その前提には相互の尊重がなければならない。」そして、約束は双方のものです。双務的なものです。

一方だけが約束を破ることはできません。あなた方が約束を破るなら、われわれも約束を破ります。一方的なやり方の時代は終わったのです。しかし、米国はいまだにそれを理解していません。あるいは理解できないのです。これは私たちの友人アリステア・クルックが繰り返し言っていることでもあります。たとえトランプ自身が同意したとしても、実際には実行できない。あまりにも大きな圧力を受けているからです。そのとおりです。そして彼はMOUの内容さえ理解していません。14項目を本当に読んだことがあるのかどうかさえ、疑わしいくらいです。

ナポリターノ判事: 交渉の議題は、パキスタンが決めるのですか、それとも米国ですか、あるいはイランですか。

ペペ・エスコバル: いいえ。議題はMOUに書かれている内容によって決まります。そのMOUは当事者である両国が交渉し、もちろんパキスタン、オマーン、カタールが仲介役として意見を出してまとめ上げた文書です。しかし、その文書は今も存在しています。中国側もこの点を繰り返し強調しています。先週、キルギスで開かれたSCO首脳会議で、王毅外相は基本的にこう述べました。「交渉の場に戻り、MOUで約束したことを履行しなさい。再交渉はありません。」誰もが分かっていることです。再交渉するものなど何もありません。最初の交渉でさえ、まだ具体的な成果も実務的な成果も何一つ生み出していないのですから。

ナポリターノ判事: なるほど。しかし、なぜイランは、信用できない相手とそもそも交渉などするのでしょうか。

ペペ・エスコバル: そのとおりです。トランプのように信用できない相手と、なぜ交渉するのか――これが9,000万人のイラン国民が口にしていることです。殺害された最高指導者ハメネイ師の葬儀には4,000万人が街頭に出ました。その人々の間には、「米国と交渉しようとすること自体がばかげている」という国民的な共通認識があります。米国はまたしても、いかなる合意も守らなかった。だから交渉しても無意味であり、この戦争は戦場で勝ち取るしかない――これがイランの国民的コンセンサスです。

これは最高安全保障会議やマジュリス(国会)、IRGC(イスラム革命防衛隊)の将軍たちだけの考えではありません。シーラーズでも、マシュハドでも、ゴムでも、街の人々がそう言っているのです。

そして、イランのメディアもまさにそのことを伝えています。イランのメディアは非常に活発で創造的です。決して一枚岩ではありません。さまざまな意見があり、政治討論も非常に充実しています。テレビでも、ソーシャルメディアでも同じです。ですから、「交渉はまったく無意味だ」という国民的な一致がある一方で、それでも外交の扉だけは開いておくべきだという考えも共有されています。それがイラン外交の一部だからです。

アラブ世界、より広いイスラム共同体(ウンマ)、そしてグローバルサウス全体で、人々は「イランは決して外交を放棄しない」という姿勢を高く評価しています。イランはMOUも含め、考え得るあらゆる外交的解決策を試しました。しかし何一つ実を結ばなかった。それは、米国が約束を破り続けたからです。しかし、それでも終わりではありません。今週もそうですが、このわずかな外交の可能性が残っている限り、その扉は閉ざさないのです。

しかし、トランプは、数時間前にもまたイランを爆撃すると脅していましたよね。

ナポリターノ判事: イランは核兵器を持っているのでしょうか。

ペペ・エスコバル: (笑)それをどう答えればいいのでしょう。6000億ドル級の質問と言うべきでしょうか。おそらく誰にも分かりません。確かなことを知っている者はいないからです。もちろん、いくつかの仮説があります。「核兵器の完成まであと2、3週間だ」という説もあれば、「すでに保有している」という説もありますし、「第三国から入手した」という説もあります。あらゆる可能性があり得ます。というのも、この情報を確実に知っている人間は誰もいないからです。知っているとすれば、最高指導者モジタバ・ハメネイ師と、13人で構成される最高安全保障会議のごく限られたメンバーだけでしょう。しかも13人全員ではありません。

ナポリターノ判事: マクレガー大佐は、ロシアも中国も、イランが倒されることを決して許さないだろうと言っていました。そして、トランプもネタニヤフも、そのことを理解していないとも言っていました。

ペペ・エスコバル: そのとおりです。まったくそのとおりです、判事。実は、このことこそ、ここ10年ほど私が取り組んできた仕事の中心でした。ユーラシア統合、BRICS、SCO(上海協力機構)、そしてロシア、中国、イランの戦略的パートナーシップを研究してきました。この三か国こそ、私が10年以上にわたって、ほぼ毎日のように注目してきた国々です。実際に現地へ足を運び続けてきました。米国の机上の分析家たちは、そんなことは決してしません。ですから、ここが核心なのです。

ペペ・エスコバル: 多極化へと続く、この長く曲がりくねった道を築いている三つの文明国家――それがロシア、中国、そしてイランです。しかも、この三か国はいずれも長い歴史を持つ文明国家であり、豊かな外交経験と地政学的経験を積み重ねてきました。そして三か国の戦略的パートナーシップは、互いに密接に結び付いています。ここから、数日前に起きた非常に興味深い出来事につながります。

ペペ・エスコバル: ドナルド・トランプ大統領は、それまで「ユーラシア」という言葉を一度も口にしたことがありませんでした。ところが、数日前、初めて「われわれはユーラシア枢軸を警戒しなければならない」と発言したのです。彼は何を意味していたのでしょうか。要するに、誰かが彼の頭の中に、「新たな『悪の枢軸』が存在する」という考えを植え付けたのです。そして、その新たな「悪の枢軸」とは、米国の国家安全保障ドクトリンによれば、米国にとって戦略的かつ存立に関わる脅威とされる三か国、すなわちロシア、中国、イランのことです。

 しかし、判事がおっしゃったように、ワシントンの政策コミュニティ全体を見渡しても、その言葉が本当に意味するところを理解している人は、おそらく1%にも満たないでしょう。

ナポリターノ判事: なるほど。ところで、常軌を逸したゼレンスキーは、ウクライナでの戦争とイランとの戦争を、何か奇妙な形で一つに結び付けようとしているのでしょうか。そうなれば、米国は単なる資金提供国ではなく、交戦当事国になってしまいますが。

ペペ・エスコバル: 判事、それは奇妙な話ではありません。極めて計算された行動です。私たちは皆、この二つは別々の戦域、別々の戦場で行われているものの、本質的には同じ戦争であることを知っています。つまり、米国とシオニズム勢力によるユーラシア枢軸への戦争なのです。ロシアに対する戦争は現在も続いています。イランに対する戦争も現在進行中です。そして、その次に控えている最大の戦争が中国との戦争です。誰もがそのことを知っています。つまり、これらの戦争は最初から相互に結び付いていたのです。ですから、米国の評論家たちが「戦争同士がつながっている」と今さら発見したかのように語るたびに、私は苦笑してしまいます。違います。最初から同じ戦争なのです。そしてゼレンスキーが今回やったことは、もちろん命令に従ってですが、カスピ海でイランの船を攻撃することによって、その二つの戦争を実際に一つへ結び付けようとしたのです。

これは極めて危険です。狙いは、イランをウクライナとの戦争に引き込み、さらにウクライナを支援しているヨーロッパ諸国とも対立させることです。そうなれば、ヨーロッパを対イラン戦争へ引きずり込むことになります。つまり、ミリ単位で計算された作戦なのです。

しかし、イランはこの罠には乗りません。第一に、なぜイランがウクライナを攻撃しなければならないのでしょうか。ロシアはすでにウクライナに壊滅的な打撃を与え続けています。それとは別の問題です。

ただし、カスピ海こそがこの問題全体の鍵です。カスピ海は基本的に、ロシア、イラン、カザフスタンを中心とする内海です。もちろんアゼルバイジャンもありますが、ロシア、イラン、カザフスタンほど重要ではありません。

ロシアとイランの間でやり取りされる兵器や情報は、カスピ海を経由しています。ロシア側ではカスピ海北部の港アストラハンを出発し、カスピ海を通ってテヘランまで運ばれるのです。もちろん、ペンタゴンはそのことを知っています。だからこそ、何らかの形でカスピ海に干渉する必要があるのです。

さらに複雑なのは、地政学的な側面です。失礼、地政学的な側面ですが、ロシア・イラン・インド国際南北輸送回廊(INSTC)もカスピ海を通っています。ロシア側の重要港はアストラハンです。イラン側の重要港は、イランのカスピ海沿岸にあるバンダル・エ・アンザリーです。ちなみに、この港はすでに米国による爆撃を受けています。私は昨年、この輸送回廊についてのドキュメンタリーを撮影するため現地を訪れ、バンダル・エ・アンザリーまで行きました。そして、実際にカスピ海も航行しました。

 ですから、カスピ海はロシアとイランの双方にとって不可欠なのです。そこでウクライナは、「ここで少しかき回してやろう」と考えたのでしょう。しかし非常に興味深いことに、昨日から今日にかけて、ウクライナ側はイランに対し、事実上「これは間違いだった」と謝罪しました。なぜなら、自分たちの行動がもたらす結果を理解したからです。

イランには、その気になればウクライナに甚大な損害を与えるだけの能力があります。しかし、その必要はありません。ロシアがすでにそれをやっているからです。

ですから、判事、地政学的に見れば、このチェス盤は途方もなく複雑で、その複雑さは日ごとに増しています。

ナポリターノ判事: ヴァンス副大統領側の交渉担当者たちは、ホワイトハウス側の交渉担当者たちと対立しているのでしょうか。

ペペ・エスコバル: 私たちにも分かりません。パキスタン側も分かっていません。ただ、彼らが私たちに話したのは、「この提案は、おそらく90%、いや100%近い確率でJ.D.ヴァンス副大統領のオフィスから出てきたものだ」ということです。つまり、この提案は、理論上はホワイトハウスから直接出されたものではない、ということになります。

 そして、この仲介団は常に米国側と連絡を取り続けています。アシム・ムニール元帥とそのチームは、必要であればいつでもドナルド・トランプに直接連絡を取れる立場にあります。ですから、彼らの見方にも十分な根拠があるのです。

ここで改めて強調しておきたいのですが、ラリーと私は、いつも「これは一人の情報源から得た話です」と明言しています。しかし、その情報源は極めて重要な人物です。実際に交渉の席にいて、米国側からのメッセージを自分の目で読み、さらに米国側の担当者とも直接話をした人物だからです。

ナポリターノ判事: あなた方は、そのパキスタンの仲介者とどの程度近い関係にあるのですか。「一体これはどういう方向へ向かっているのか」と率直に尋ねられるほど近い関係なのでしょうか。

ペペ・エスコバル: はい、そのくらい近い関係です。ラリーと私は、週に3~4回は直接質問を送っています。しかも、同じことを何度も確認します。というのも、状況が非常に曖昧なことが多いからです。ラリーは情報分析の専門家ですし、私はパキスタンで長く仕事をしてきました。パキスタンという国は非常に複雑で、物事を読み解くのが容易ではありません。ですから、同じ質問を3回、4回と繰り返して確認する必要があるのです。

もちろん、パキスタン国内には、政府内部も含めてさまざまな利害や思惑がぶつかり合っています。ですから、私たちは確信が持てるまで慎重に確認します。仲介者やパキスタン情報機関から得た情報を公に語るときには、「これで間違いない」と100%確信できる状態でなければなりません。

また、可能であれば、私はテヘラン側から別の解釈も得ようと努めます。答えてくれることもありますし、「これは国家安全保障に関わるので話せない」と言われることもあります。しかし、その場合でも「それは間違っている」と否定されることはありません。

実際、この数日間の動きを見れば分かりますが、双方の代表団は絶えず行き来しています。パキスタンのハイレベル代表団がテヘランへ向かい、イラン側もパキスタンへ向かう。その往復が休みなく続いています。パキスタンは主要な仲介国ですから、そこには相当程度の信頼関係が存在しているのです。

例えば私たちは、「お前たちはパキスタン情報機関の手先だ」といった批判を、あちこちから受けます。しかし、そんなことはありません。私たちは情報を受け取り、その情報に筋が通っているかどうか、自分たちで分析しているだけです。

これまでのところ、受け取った情報の約90%は非常に正確でした。そして私たちは、常にイラン側の情報源にも照らし合わせて検証する機会を持っています。もちろん、戦時下では巨大な「戦争の霧」の中にあるわけですから、すべてが明瞭というわけではありません。

ナポリターノ判事: つまり、イランがホルムズ海峡を支配していること、原油価格が上昇していること、そして世界経済、とりわけ米国経済が景気後退に近づいていること、さらに中間選挙まで4か月を切っていることを考えると、ドナルド・トランプに残された時間は少なくなっているのでしょうか。

ペペ・エスコバル: そのとおりです。間違いありません。そして、本人もそれを分かっています。実際、彼に残された時間は8月中旬までです。現在出ている最も信頼できる分析報告書も、すべてその点を強調しています。

ナポリターノ判事: 8月中旬ですか。あと2週間半ほどですね。なぜそう言えるのですか。

ペペ・エスコバル: それが、米国の戦略石油備蓄(Strategic Petroleum Reserve)が限界に達するレッドラインだからです。8月中旬。それが決定的な節目です。ゴールドマン・サックスの報告書をはじめ、あらゆる主要レポートがそう分析しています。

私も、ワシントン政界に古くからいる情報源の一人からレポートを受け取りました。その人は、私の記事を読んで「一番重要な点を書き忘れている」と指摘してきたのです。そして、膨大な数字が並んだ報告書を送ってくれました。私はそれを見て、「なるほど、レッドラインは8月中旬なのだ。それ以降ではない」と理解しました。そして、トランプもその数字を見せられているので、それを知っています。

これが第一の理由です。第二は、ペルシャ湾岸一帯、GCC諸国、それにヨルダンを含めて配置されている約20か所の米軍基地の戦力が消耗していることです。ちなみに、ヨルダンにある基地の一つは、昨日もIRGC(イスラム革命防衛隊)の攻撃を受けました。イラクのアルビルも同様です。

 約20か所ある基地のうち、およそ80%が機能を失っています。現在でもある程度運用可能なのは、せいぜい4基地ほどです。残りは事実上、壊滅状態にあります。

ペペ・エスコバル: そして、判事、これは非常に重要な点ですが、私たちの知る限り、こうした状況は先週金曜日(7月24日)の会議で議論されました。その席では、J.D.ヴァンス副大統領とキーン将軍が、トランプに対して実際の状況を説明しようとしていたのです。

ちなみに、トランプが爆撃を停止したのは、その会議があったからです。

ナポリターノ判事: イランと核兵器の問題に戻りたいと思います。ラリー(ジョンソン)は、イランは自国の領土内で核爆発を行う可能性があるかもしれないと言っていました。何かを攻撃するためではなく、米国とイスラエルに対して「われわれには能力がある」というメッセージを送るためです。そのようなことは可能なのでしょうか。

ペペ・エスコバル: 実は、この情報はラリーと私が受け取ったものです。その根拠となったのは、イランのペゼシュキアン大統領とパキスタンのシャバーズ・シャリフ首相との間で交わされた、極めて重要な電話会談でした。ペゼシュキアン大統領はその電話で、こう述べたのです。「もし米国がわれわれの民間インフラを攻撃し続けるなら、われわれは自国の領土内で核装置を爆発させる可能性がある」と。

その趣旨は「抑止力として、自国の領土内で核装置を爆発させる」というものでした。攻撃のためではなく、イランには抑止能力があることを示すためです。そして、その内容をシャリフ首相は自らのチームに指示し、米国側へ伝えさせました。「電話ではこのような話があった」と。つまり、米国側もこの情報を受け取っているのです。

ナポリターノ判事: そのような行動がもたらす影響や、それに対して米国やイスラエルがどう反応するかを考えなければなりませんね。

ペペ・エスコバル: もちろんです。まさにそのとおりです。ですから、ペゼシュキアン大統領が、それほど機微に触れる内容をパキスタンのシャバーズ・シャリフ首相との電話で実際に伝えたのだとすれば……。 その件については、ちょっとした情報戦が展開されています。「あの電話はオープン回線だったのではないか」「つまり、誰かに聞かせることを前提に話していたのではないか」という見方です。

ナポリターノ判事: なるほど。では、なぜ今すぐ爆発させて戦争を終わらせないのでしょうか。彼らは何を待っているのですか。

ペペ・エスコバル: それはファトワー(宗教令)があるからです、判事。ハメネイ師によるファトワー、そして言うならば「ファトワー2.0」とでも呼ぶべきもの――それが現在も有効なのです。

まず第一に、イランの政治体制――宗教的民主制と呼んでもよいでしょうが、本質的にはそういう体制です――の立場からすると、最高指導者は父のファトワーを撤回し、「われわれは今、新しい時代に入る」と宣言しなければなりません。もちろん、その可能性自体は検討の対象にはなっています。私たちが知る限り、この問題についてモジタバ師が相談する相手は、せいぜい二、三人でしょう。それほど機密性の高い問題です。

さらに、シーア派イスラムの立場から見ても、これは極めて重大な決断になります。というのも、第一に、ファトワーを撤回する責任を負うことになるからです。第二に、そもそもそのファトワーは、シーア派イスラムの教義では、核兵器は無差別に民間人を殺傷するため許されない、という考え方に基づいているのです。

ナポリターノ判事: しかし、そのファトワーは、核兵器の使用だけでなく保有そのものも禁じているのですよね。

ペペ・エスコバル: はい、そのとおりです。極めて包括的なファトワーです。核兵器に関わるあらゆる枠組みそのものが禁じられています。ですから、それを覆すことは、途方もなく大きな決断になります。もちろん、その理由を地政学的な観点だけでなく、宗教的な観点、さらにシーア派神学の観点からも説明しなければなりません。そうなると、問題は非常に複雑になります。

(翻訳、以上)


Thursday, August 21, 2025

アラスカでプーチンはBRICSを代表していた:ペペ・エスコバール In Alaska, Putin Represented BRICS: Pepe Escobar

西側からは見えない視点を常に提供し、多極化が進む世界を鋭く観察するジャーナリスト、ペペ・エスコバール氏による、トランプープーチンのアラスカ会談の意義を解説した記事の翻訳です。The Cradle の8月18日の記事です。米国は久々にロシアを対等な国としてリスペクトをもって迎えました。プーチン大統領はロシアだけではなくBRICSを代表してアラスカに来たのです。この重要な点を西側メディアは完全に落としています。「プーチンが停戦を拒否した」かのような西側メディアの喧伝にまどわされてはいけません。ロシア政府とその国民が求めているのは恒久的な平和です。ミンスク1,2合意のように、西側とウクライナが簡単に裏切るようなものは求めてはいません。トランプ大統領もやっとプーチン大統領自身からこの戦争の根本的背景について説明を受け、納得しているようです。

エスコバール氏は同時に、トランプがこの戦争に区切りをつけることは、軍産複合体に裏付けられたディープ・ステートと決別することではなく次の戦争(対中国)に乗り換えることを意味しているかもしれないとの警鐘もならしています。

8月21日のナポリターノ判事とのインタビューも、この記事をわかりやすく嚙み砕く内容となっています。インタビューの訳はここではしませんが、YouTubeの字幕の自動翻訳を使って見てみてください。

 

以下、The Cradle の記事の訳です。(翻訳はアップ後修正することがあります)

アラスカ会談の核心

プーチンとトランプの会談によってベールが取り払われ明らかになったことがいくつかあった。それは、ワシントンがロシアを同等の大国と見なしていること、ヨーロッパはアメリカの便利な道具に過ぎないことだ。


ペペ・エスコバール

2025年8月18日

アラスカ会談の意味はウクライナ問題だけではない。アラスカ会談は主に、世界の二大核保有国が信頼を再構築し、制御不能な列車のように核衝突へと突き進む高速鉄道にブレーキをかけようとした場だった。

この高レベル会談は、米大統領ドナルド・トランプがロシア大統領ウラジーミル・プーチンと企画したものだ。トランプの気まぐれな性格を考えれば、うまくいくという確実な保証はなかった。しかし、新たなパラダイムが生まれつつある兆しがある。ロシアは事実上、アメリカから対等な大国として認められたのである。これは、少なくとも最も必要とされる場における高次外交が復活したということを意味する。

一方でヨーロッパは、無力な指導者たちを次々とワシントンに派遣し、「皇帝」にひれ伏している。EUの運命は決まった。地政学的無意味という名のゴミ箱行きだ。

モスクワ側が意味深に「アラスカ」を会談場所として提案する前から、トランプとプーチンがすでに個人的に話し合い決定していたことは秘密のままだ。その全内容が漏れることはないだろう。

しかしトランプ自身がアラスカを「10点満点の10」と評価したことは極めて重要だ。

ロシアの派遣団に直接アクセスが可能な情報筋によれば、当初5対5の形式で予定されていた会談は3対3に縮小されたが、シルアノフ財務相なども事前に意見を出していたという。そこから伝わった核心はこうだ:

「米国のウクライナへの直接的な武器供与をすべて停止することが、解決への重要な一歩として(プーチンから)強く提示された。アメリカ側は殺傷兵器の供与を劇的に減らす必要があることを受け入れた。」

その後、ボールはヨーロッパ側に渡る。上記の情報筋は次のように詳述している:

「ウクライナの予算800億ドルのうち、自国で賄えるのはせいぜい200億ドルにも満たない。ところがウクライナ国立銀行は『税収だけで620億ドルを集めている』と主張している。しかしこれは虚構だ。人口は約2,000万に減少し、戦場で100万人を超える取り返しのつかない人的損失を出し、産業は壊滅、支配下にあるのはマイダン前の領土の7割にも満たない。そんな状況でその規模の税収が成り立つはずがない。」

つまりNATO/EU連合には深刻なジレンマがある。「財政支援か軍事支援か、どちらか一方を選べ。両方同時には不可能だ。さもなければEU自体の崩壊が早まるだけだ。」

これと比較すべきは、トランプがTruth Socialに書いた一節だろう:
「ロシアとウクライナの恐ろしい戦争を終わらせる最良の方法は、停戦協定ではなく平和協定に直行することだと全員が判断した。停戦協定は多くの場合維持されない。」

これに元ロシア大統領メドベージェフの言葉を加えれば:

「ロシア大統領は米国大統領に対し、ウクライナ紛争終結の条件を詳細に提示した・・・最も重要なのは、戦闘終結交渉の成果を実現する責任を双方がキエフとヨーロッパに直接負わせたことだ。」

超大国同士の歩み寄りが進んでいると言えるだろう。ただし悪魔は細部に宿る。

アラスカに来ていたのはBRICSでもあった

アラスカでプーチンはロシア連邦だけでなくBRICS全体を代表していた。会談発表前にすでに中国の習近平国家主席と電話会談を行っており、ロシア・中国パートナーシップがこの「新グレート・ゲーム」の地政学的台本を書いているのだ。

さらにBRICS首脳は連続的に電話会談を重ね、ブラジルのルラ大統領の言葉を借りれば「トランプ関税戦争」に対抗する統一的なBRICS戦線を形成していた。トランプ政権2.0の「混乱帝国」は、特に主要5カ国(ロシア・中国・インド・ブラジル・イラン)に対しハイブリッド戦争を仕掛けている。

この意味でプーチンが小さな勝利を収めたことは確かだ。トランプはこう述べたのだ。「ロシア産石油を買う国への関税は今のところ不要だ…今後2~3週間で検討するかもしれないが。」

もちろん不安定さは残るが、米国との高次対話の継続は、ロシアにとってBRICS仲間の利益を直接推進する窓口となる。たとえばエジプトやUAEのように、ユーラシア経済統合へのさらなる参入を、制裁や関税攻撃、そしてそれに伴う蔓延するロシア恐怖症によって阻まれている国々にとっても重要である。

しかし残念ながら、これらはいずれもイランには当てはまらない。ワシントンのイランに対する政策は、その隅々に至るまでシオニスト陣営の鉄の支配下にあるからだ。

トランプとプーチンが長期的な戦略を描いていることは明白だ。トランプはキエフの「小物役者」(注:ゼレンスキーのこと)を排除したいが、旧来型のクーデターや政権交代の手法は使わないつもりだ。彼にとって重要なのは、ロシアの鉱物資源や北極圏開発に関する将来の巨大取引なのだ。

プーチンもまた、いかなる譲歩も許さない国内批判に対応しなければならない。西側メディアが必死に流す『ザポリージャやヘルソンの前線凍結と引き換えにドネツク共和国全域を獲得する』という話は馬鹿げた話であり、それはロシア連邦憲法に反する。

さらに、国家的優先課題であり安全保障問題でもある二つの地域――北極圏と極東――の開発に米国企業をどう関与させるかも課題となる。これらは2週間後、ウラジオストクで開かれる「東方経済フォーラム」で詳細に論じられる予定だ。

結局のところ、「金の流れを追え」だ。米露双方のオリガルヒは一刻も早く利益あるビジネスに戻りたがっている。

敗北した豚に口紅を塗る

プーチンは、セルゲイ・ラブロフ外相──この日“マン・オブ・ザ・マッチ”として誰もが認める存在であり、ソ連風ファッションも話題を呼んだ──を伴って、ついに150分もの時間をかけ、ロシアの特別軍事作戦(SMO)の根本的な目的を詳細に説明し、長期的な和平への論理を提示することができた。その要点は、ウクライナの中立、ネオナチ民兵や政党の禁止と解体、そして NATO のこれ以上の拡大を認めないことだった。

地政学的に見れば、アラスカからどのような展開があろうとも、少なくともモスクワとワシントンが戦略的な時間的余地を確保したという事実は否定できない。それは両大国の勢力圏を互いに尊重する新たな試みにすらつながるかもしれない。

だからこそ、大西洋主義の陣営――ヨーロッパの古い財閥から成り上がりの成金政治家に至るまで――がパニックに陥っているのも不思議ではない。ウクライナは「ユーロゴミ」政治家たちにとって巨大なマネーロンダリング装置だからだ。カフカ的な(注:不条理な) EU 機構は、すでに加盟国や EU 納税者を破産させている。しかしそれはトランプの問題ではない。

「グローバル・マジョリティ」と呼ばれる世界の大多数の地域では、アラスカ会談は大西洋主義のほころびを、まざまざと示した。つまり、米国が望んでいるのは従順なヨーロッパであり、緊張戦略の下に従属させることだ。そうでなければ EU は軍事的増強に踏み切れず、持ってもいない金で法外に高いアメリカ製兵器を買うことはできない。

同時に、米国オリガルヒの私的な強欲がロシア・ビジネスに向けられているにもかかわらず、ワシントンの傀儡支配者たちが本当に望んでいるのは、ユーラシア統合の破壊であり、その延長として BRICS や SCO (上海協力機構)といった新しい多極的世界秩序を構想するあらゆる多国間組織の解体である。

もちろん、NATO の「降伏」など――戦略的に全面的敗北を喫しつつある今でさえ――受け入れがたいタブーだ。トランプは、せいぜい“豚に口紅”を塗るように、派手な演出で取り繕いながら、本来ならディープ・ステートからの脱却戦略になり得るものを、結局は次なる「永遠の戦争」へと仕向ける形で売り出そうとしている。

プーチンも、ロシア安全保障会議も、BRICS も、そして「グローバル・マジョリティ」も、その点に幻想は抱いていない。


ペペ・エスコバールは、The Cradle のコラムニストであり、Asia Times の編集主幹を務めるとともに、ユーラシアを中心とした独立系地政学アナリストである。1980年代半ば以降、彼はロンドン、パリ、ミラノ、ロサンゼルス、シンガポール、バンコクで特派員として生活し、活動してきた。著書は数え切れないほどに上り、最新作は『Raging Twenties』である。