To view articles in English only, click HERE. 日本語投稿のみを表示するにはここをクリック。点击此处观看中文稿件한국어 투고 Follow Twitter ツイッターは@PeacePhilosophy and Facebook ★投稿内に断り書きがない限り、当サイトの記事の転載は許可が必要です。peacephilosophycentre@gmail.com にメールをください。Re-posting from this blog requires permission unless otherwise specified. Please email peacephilosophycentre@gmail.com to contact us.

Wednesday, January 06, 2010

China Proposes Hatoyama's Visit to Nanjing and Hu Jintao's Visit to Hiroshima

読売新聞と時事通信の報道によると、日中間の国民感情の改善に向け、鳩山首相が南京大虐殺事件の起こった南京を訪問、そして中国の胡錦濤国家主席が広島を訪れるということを日本政府に非公式に打診したということだ。 According to Yomiuri and Jiji News Agency, China informally asked Japan to consider PM Hatoyama's visit to Nanjing around June this year, adding that Beijing would consider President Hu Jintao's visit to Hiroshima around November.

時事
鳩山首相の南京訪問要請か=中国主席の広島入りも-仏紙
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010010500946

読売
首相が南京へ・胡主席は広島へ…中国が打診
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100106-OYT1T00736.htm

In English:
China proposes Hatoyama visit Nanjing Incident site
http://www.yomiuri.co.jp/dy/national/20100107TDY02303.htm

In Chinese:
http://world.huanqiu.com/roll/2010-01/680981.html

このニュースについて最初に教えてくれたアーク・ハンさんによると、この中国語の報道では、オンライン世論調査も行ったという。 その世論調査では、96%が「鳩山首相は南京の博物館を訪問すべき」と答え、1.1%は「すべきでない」、2.9%は「関心ない」と答えた。また、28.6%は「鳩山首相が南京で謝罪すれば日中は和解できる」と答え、26.9%は「そうは思わない」、44.6%は「わからない」と答えた。また、20.6%は鳩山首相が南京を訪れる可能性があると答え、25.7%は「あり得ない」と、53.6%は「わからない」と答えたとのことだ。

According to Arc Han, who first informed us of the news, the Chinese reporting includes an online survey: 96.0% of the respondents think the PM should visit Nanjing Museum, 1.1% think he should not; 2.9% doesn't care. 28.6% believe the two countries can reach a reconciliation if the PM apologizes at Nanjing, 26.9% don't believe so, the rest 44.6% are not sure. 20.6% believes it is possible that the PM will visit Nanjing, 25.7% think it's impossible, 53.6%not sure.

読売の報道はこのような表現で締めくくっている。
「日本政府筋は「南京事件の犠牲者数は日中間の争点になっている。首相の訪問が実現できるかどうか、最後は政治判断になる」と慎重に受け止めている。」

犠牲者数が争点になるとどうしてこのような訪問が実現できなくなる可能性があるのか、私は問いたい。日本政府としては虐殺や略奪が起こったということは政府見解としても認めている。(外務省ホームページより1.日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。」)村山首相をはじめ歴代のたくさんの首相が、そして現職の鳩山首相も、先の戦争でアジア隣国に多大な被害を与えたことを認め謝罪している。実際何人の人たちが殺されたか、何人が強制連行されたか、何人が強姦されたかなど、正確な数などわからずともこのような謝罪が行われるなら、なぜ南京大虐殺事件だけが例外扱いされるのか。

鳩山首相は昨年9月の国連安保理で米国のオバマ大統領をはじめ核保有国に対し広島長崎への訪問を訴えた。私は、日本の政治家や市民運動家たちがオバマ広島長崎訪問への要望を送るのを見るたびに、一方向だけのお願いではうまくいかないと感じてきた。太平洋戦争の歴史認識の中で、日本にとっては広島長崎を含む都市空襲はぬぐいがたい辛い集団的記憶となっているが、アメリカから見たらそれらの記憶はパール・ハーバー襲撃と深くつながっている。 首相なり天皇なりがパール・ハーバーを訪問するから、オバマさんも広島長崎に来てくださいというのが筋なのではないかと思う。現に現天皇についてはパール・ハーバー訪問を個人的に切望したが叶わなかったという経緯がある。

パール・ハーバーと広島長崎は、その体験の性質や犠牲の質や量で大きく異なるものであることは承知している。そしてこのような二方向の訪問が、お互いを相殺するといった意図を決して含んではならないことも付け足さなければいけない。このような相互訪問は、それらが現在に置いて持ちうる象徴的意味を大事にして考えるべきだと思う。歴史的和解を促すには、まず自分たちの痛みだけでなく相手の痛みにも心を寄せているというジェスチャーを示すことが大切だ。今回の中国側の提案は日本の首相に南京を訪問するのを促しただけではなく自らが広島を訪問するという提案も含むという、賢く配慮のあるものだと思う。また、それぞれの歴史的出来事から直接被害を受けた生存者、被害者の遺族、家族たちの心情をまず第一に配慮して計画することが大事であると思う。歴史的、政治的意義があっても、当事者を傷つけるような試みはしてはいけない。

中国の主席が広島を訪問するということがどういう意味を持つのかも、多くの日本の人にとっては想像力を要することであると思う。この読売の報道が言っているように、戦争被害者としての日本にも配慮するという意義はもちろんあると思うが、忘れてはならないのが、多くのアジアの隣人たちにとって、原爆は日本の帝国主義から自分たちを解放してくれた象徴的存在なのである。この認識自体には、原爆が戦争を終わらせた、または戦争終結には原爆が必要であったというという前提を含み、これら前提には多いに問題があるのだか、今ここでは議論しないことにする。そのような認識が幅広く持たれているという事実に今は目を向けたい。日本の周囲のアジアの人たちにとってのこの原爆の象徴的意味というのを認識している日本人は多くはいないのではないだろうか。そういう視点から見ると、中国の主席が広島を訪問するということは、中国国民からも相当の反発を呼ぶリスクをはらむ行為なのである。

この相互訪問が実現すれば素晴らしいと思う。たとえ実現に手間取ったとしても、このような議題がテーブルに乗ることはやはり南京大虐殺事件自体を否定、過少評価する人間も多かった自民党政権時代であったら考えられなかったことであろうと思う。なのでこのような打診があったこと、それを日本政府も受け止め検討しているという事実だけでも歴史的意味を持つと思う。

2 comments:

  1. I agree that this is an inspiring news, whether it happens or not. It was impossible to talk about the possibility of such a thing in 2005, when the heat between the citizens of the two countries was at height.
    Although I feel this news was reported at an unreasonable early stage, while nothing substantial has been done. I even could go further and construct an conspiracy theory based on it, but it doesn't matter. What really matter is that this news is welcomed by many people from both countries.

    ReplyDelete
  2. Thanks so much Arc. As you told me, shortly after that news broke out, another piece of news arrived that the Hatoyama government announced that they have no knowledge of such request or no plan to visit Nanjing. As you pointed out, the original news broke out too prematurely, too ambiguously (without any clear sources), and through a strange channel (French media). Will Hatoyama visiting Nanjing a political suicide? No less so than Obama visiting Hiroshima. But if he is serious about building the East Asia Community, the administration has to seriously think about measures for concrete ways for historical reconciliation, whether it is Nanjing and other atrocities, comfort women, chemical weapons or forced labour. As it is obvious, right now Hatoyama government has too much on their plate - ailing economy and unemployment, budget issues, fundraising scandals, and the Futenma issue. However if something doesn't happen under Hatoyama Gov., nothing will possibly happen if the Gov is taken over by LDP again. So we are still in a good time to act. Maybe such news spreading prematurely is not too bad. It makes people have that imagination at least about something like those visits happening. It sort of sets the stage. It also puts the right-wingers on a high-alert mode. Ganbarou!

    Satoko

    ReplyDelete