6月24日、福島県郡山市の小中学校に通う児童・生徒14人の保護者が、学校の「疎開」を求める仮処分を福島地裁に申し立てました。福島第一原発事故を理由に法的手段に訴える初のケースとして注目されています。(報道参照: Our Planet TV(記者会見の動画あり)、毎日、産経、共同。)4月に文科省が、学校の校庭使用の基準を決めるときに年間20ミリシーベルトまでの被曝を許容し、福島の親たちや内外の専門家から厳しい批判を受け、5月27日に、「年間1ミリシーベルトを目指す」としました。しかしこれは、従来の基準の20倍である20ミリシーベルトの被曝許容限度を変更したわけではなく、建前として「年間1ミリシーベルト」の目標を後づけしただけの現状となっています。この仮処分申請は、14人の通う小中学校が事故後から5月25日までの間に、外部被曝だけですでに3.80-6.67ミリシーベルトに達していることから、健康被害のおそれがあるとして、年間1ミリシーベルトに抑えられる環境で教育を受けられるように申し立てたものです。弁護団の試算では、県内の市部の小中学校266校のうち、年間の積算被曝量が1ミリシーベルト以下になるのは5校しかないということです。これは少人数の保護者が郡山市を相手取った訴えとはいえ、まさしく福島の子どもたちと保護者全体を代表して、政府の「1ミリシーベルトを目指す」という言葉を、建前だけではなく実行せよという正答な要求であると言えます。
この申し立てに寄せたクリス・バズビー博士の声明文(下記参照)からの一節を引用します。
・・・このようなレベルの汚染地域に子どもたちを置くことを許すのは、無責任であり、何かしらの健康障害と死をもたらすことになり、どのような文化社会においても許されることではありません。(PPC)
これも私の意見ですが、原子爆弾による放射能の被害を最初に、そしてあれほどひどく被った日本と言う国が、原子力産業とその取り巻き科学者たちに支配されているリスク機関(注:ICRPのこと)の勧告、そして、少なくても過去15年間の研究で疫学的にも論理的にも誤りであると明らかにされている時代遅れのリスクモデルに基づいた勧告に、盲目的に従った結果、いまそれ自身の子どもたちと親たちを犠牲にしていることは極めて悲しくまた皮肉でもあります。
この訴訟を視点している森田玄さんのブログ『玄のリモ農園ダイアリー』より
ふくしま集団疎開裁判
http://moritagen.blogspot.com/2011/07/blog-post.html
以下は玄さんからメールで紹介いただいた資料です。
仮処分申立書
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/110624application.pdf
記者会見要旨
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/110624PressRelease.pdf
以下、海外の科学者たちからのメッセージも発表されました。
本裁判に対する科学者の声明(下方に画像ファイルで転載しております)。
1、ECRR(欧州放射線リスク委員会)議長クリス・バズビー博士
和訳
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/110623Statement-BusbyJ.pdf
原文
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/110623Statement-BusbyE.pdf
2、ピッツバーグ医科大学放射線科の放射線物理学名誉教授アーネスト・ス
ターングラス博士
(核実験の死の灰〔放射性降下物質〕による被曝で世界の子供たちの白血病・
ガン急増の事実を議会で報告し、これがきっかけで米ソ核実験停止条約が締結)
和訳
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/110623Messag-SternglassJ.pdf
原文
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/110623Messag-SternglassE.pdf
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