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Friday, December 30, 2022

「銃を後ろに向けろ!敵と味方を間違えるな」 ~高知「草の家」と槇村浩との出会い~ :「草の家だより」寄稿転載 My article from the Dec 24 2022 edition of the quarterly newsletter of Grassroots House, a peace museum in Kochi

高知の平和資料館「草の家」への訪問については12月14日の投稿

高知の平和資料館「草の家」による声明 「大軍拡ではなく、今こそ平和外交を!!」

で触れました。「草の家」が年4回発行するニュースレター「草の家だより」の12月24日号に寄稿した記事をここに転載します(写真はブログ運営者が付け加えたものです)。



 「銃を後ろに向けろ!敵と味方を間違えるな」

~高知「草の家」と槇村浩との出会い~

乗松聡子

9月の高知の旅は忘れられない。「草の家」で働いていた山根和代さん、金英丸さんはどちらも心から尊敬する平和のための仲間であり、二人が愛したこの場所に早く行きたかった。現地では、岡村正弘館長はじめ皆さんが歓迎してくださった。館長の高知空襲体験談は、カナダに戻った後に冊子『僕が見た高知大空襲』(写真→)で読み、涙が止まらなかった。

 9月15日、雨降る中、副館長の岡村啓佐さんの案内で「高知平和と自由民権ツアー」(と私が勝手に名付けている)に連れていってもらった。海軍航空隊の遺跡である「南国市の掩体群」を見たときは驚いた。18年に済州島に行ったときに旧日本海軍のアルドゥル飛行場跡で見た格納庫群とそっくりだったからだ。(写真↘)

 アルドゥル飛行場は「南京大虐殺」に先駆けて行われた空爆の起点とされた。現地の人々は毎年12月13日(1937年の南京城陥落の日)に格納庫前で南京大虐殺の追悼集会を行っている。植民地支配下、朝鮮人を動員し建設した飛行場を使い日本軍が行った行為であるのに、現地の人は寒空の下「南京」を記憶している。今年は85周年の重要な節目だ。

南国市「前浜掩体群」の一つ(5号掩体)

 高知の人たちも戦争の教訓を忘れないためにこの物々しい掩体群を保存しているということに感銘を受けた。南国市の説明板には、地元住民の他に「高知刑務所の受刑者、朝鮮半島から強制的に連れて来られた朝鮮の人々」などが動員されたと記されていた。

 ツアーで圧巻だったのは「日中不再戦の碑」である(末尾↓に写真)。添え石には「日本は日清戦争以来、中国に対し侵略行為を続け、特に1931年の『満州事変』以後、15年間に及ぶ戦争は人道をおかす三光作戦などによって1千万余の中国人民を殺傷した。この碑は日中国交回復20周年にあたり侵略戦争に対する反省の証として、またゆるぎない友好と平和の礎とするため建立された」とある。

槇村浩「間島パルチザンの歌」碑

その近くにはまさしくその戦争を批判して弾圧されたプロレタリア詩人槇村浩の「間島パルチザン」詩碑(写真→)があり、「天皇制特高警察の野蛮な拷問がもとで1938年わずか26歳で病没した」との説明が!私は衝撃と感動を覚えた。これらは高知市立の城西公園にある。翌日訪問した市立の「自由民権記念館」も日本の侵略戦争を明記していた。戦争の本質を歪曲することなく継承している地である。

「日中不再戦の碑」の写真をさっそく南京の友人に送ったらとても喜んでいた。今年は記念すべき日中国交正常化50年であるのに、日本を含む西側諸国では今、一方的な中国敵視報道が荒れ狂っている。「戦争は人の心の中で生まれる」とあるユネスコ憲章に照らし合わせれば、すでに戦争状態にあると言っても過言ではない。「加害」「被害」「抵抗」「創造」をモットーに平和を発信する「草の家」の存在意義はこれから高まるばかりであろう。

「銃を後ろに向けろ!敵と味方を間違えるな」-槇村浩が1932年4月に投獄される直前、高知の朝倉にあった歩兵第四十四聯隊に撒いた反戦ビラの見出しにはドキっとした(草の家ブックレット⑬『槇村浩に会いに・・・』に収録されている2002年の西森茂夫館長の講演より)。(写真→)まさしく今求められている反戦のメッセージはこれである!と思った。

私が「草の家」で講演させていただいたときに触れた、ウクライナ戦争についての西側メディアのロシア敵視一辺倒の問題にも通じるメッセージである。政府とメディアに繰り返し憎むように教えられた対象よりも、その憎しみを植え付けているのは誰かということを冷徹に見抜く力が今、市民に求められている。戦争の教訓を活かし、戦争を防ぐために。

(転載以上)

日中不再戦の碑


「草の家」のHPはここ、ブログはここにあります。高知に行くときはぜひ訪れてみてください。

槇村浩「間島パルチザンの歌」は、ここで読めるようです。


新年もよろしくお願いします。 @PeacePhilosophy 



Sunday, December 25, 2022

「ダーバン+20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン」主催「徴用工問題」を考える連続講演会 第一回 高橋哲哉「終わりなき歴史責任とは何か」January 15 Lecture By Takahashi Tetsuya: What is Endless Historical Responsibility? Part I of the Lecture Series on the Issue of Japanese Wartime Forced Mobilization of Koreans

 Peace Philosophy Centre も協力団体となっているオンライン講演会のお知らせです。ふるってご参加ください。参加申し込みリンクはここです。


釜山日本領事館そばの公園にあった強制徴用労働者像(2019年7月23日撮影)


ダーバン+20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン

「徴用工問題」を考える連続講演会


 解決が求められながら日韓間の懸案問題として混迷が続く「徴用工問題」とは何なのか。解決を妨げているのは何なのか。その根本にさかのぼって考えるため、3回連続の講演会を開催します。

 第1回は、植民地支配責任を世界史的視野に立って考えます。植民地支配とその責任を問う視点を提示したダーバン宣言(2001年)の意義と限界を踏まえ、その後の20年間に旧植民地宗主国が示してきた謝罪と和解のための努力を振り返ります。私たちは、終わらない過去にどのように向き合い、どのように「克服」していく必要があるのか、高橋哲哉さんに問題提起してもらいます。

 第2回は、植民地支配責任を国際法的視点から考えます。国際人権法を基軸に、植民地主義の現在をどのように解析するか、阿部浩己さんに問題提起してもらいます。

 第3回は徴用工問題に焦点をあて、解決のために何が必要かを考えます。

 ****

1回 2023115日(日)13001540


「終わりなき歴史責任とは何か」

 

講演:高橋哲哉さん(東京大学名誉教授)


 イントロダクション:矢野秀喜さん(強制動員問題解決と過去清算のための共同行動事務局)


 ◆場所:オンライン(Zoomミーティング)

◆参加申し込みはこちらをクリックしてください

 ※参加を申し込んだ方には当日参加用のZoomリンクをお送りします。

 ※当日参加できなかった場合も、後日、期間限定で視聴可能です(参加申込者に限る)。

◆参加費: 無料(カンパ歓迎)

 ※カンパ振込先:

多摩信用金庫(金融機関コード1360)京王八王子支店(店番号042)
  口座番号0417868
  ダーバン+20あたりまえキャンペーン 代表前田朗(まえだ あきら)

 

****今後の予定****

2回 2023326日(日)

「国際法の視点から植民地支配責任を考える(仮)」

 講演:阿部浩己さん(明治学院大学教授)

 

3回 20235月頃(準備中)

 徴用工問題の解決に向けて何が必要かを考えます。


主催:ダーバン+20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン

https://durbanplus20japan.blogspot.com/

協力:アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)、強制動員問題解決と過去清算のための共同行動、市民外交センター、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)、Peace Philosophy Centre、ヒューライツ大阪

 

★「ダーバン+20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン」紹介

私たちは、2001年のダーバン会議(人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議)から20年目となる2021年に、

ダーバン反差別世界会議とは何だったのか?

植民地主義をいかに乗り越えるか?

ブラック・ライヴズ・マターBLMは何を求めているか?

新型コロナはマイノリティを直撃していないか?

ダーバン宣言20周年を私たちはどう迎えるか?

レイシズムを克服するために何が必要か?

という問いを掲げて、「ダーバン+20」キャンペーンを立ち上げ、ダーバン宣言と行動計画を基礎に、次の10年に向けた反差別と人権運動を呼びかけました。

2023年もこの問いに向き合い、皆さんと対話を続けます。

https://durbanplus20japan.blogspot.com/p/about.html


 

Sunday, December 18, 2022

日本カトリック正義と平和協議会ニュースレター『JP通信』より転載:先住民族に対する「ジェノサイド」と、教皇の「謝罪」Reprinted from Japan Catholic Council for Justice and Peace newsletter JP Tsushin: Genocide Against Indigenous Peoples and Pope Francis' "Apology"

日本カトリック正義と平和協議会ニュースレター『JP通信』236号(2022年10月号)からの転載の許可をいただき、拙文をここに掲載いたします。「日本カトリック正義と平和協議会」については、公式サイトhttps://www.jccjp.org/をご覧ください。『JP通信』は年6回、年間購読料は1800円とのことです。お申し込みはこちらまで→https://www.jccjp.org/jptsuushin

(ネットに転載にあたり、出典や参考にした資料の中からハイパーリンクを本文中につけています。教皇カナダ訪問についてはリンク先に加え、これらの資料やソーシャルメディアを参考にしました。)


表紙写真 2021年6月、カムループス寄宿学校跡で母親が作ったジングルドレス(フリンジ風のジングル=音の鳴るものがついているダンス装束)を着て、約215人の子どもたちを追悼するケヒウィン・クリー族のアイヤナ・ウォッチメーカーさん(写真提供は母親のシャノン・ハンブリーさん)。


先住民族に対する「ジェノサイド」と、教皇の「謝罪」

 

乗松聡子(ピース・フィロソフィー・センター代表)

 

植民地支配を認めた教皇教書

 カナダに住んで通算25年になる。多くの人はこの国を、「多様性を重んじる自然豊かな国」と見ている。私もそうであった。しかしこれは植民者の見方であって、この地にもともといた先住民族にとっては、北米大陸の国境は自分たちが引いたものではない。大陸の形が亀に似ていることから「タートル・アイランド」と呼ばれ、命と土地の源泉の物語として口承されてきた。欧州の入植者たちにより米国やカナダが作られる遥か前から先住民族はいた。この大陸に人が住み着いたのは1万5千年ほど前だと言われる。2017年にカナダが建国150周年を記念し全国的に祝賀行事が開催されたときも「ゼロの数が2つ足りない」と抗議する声もあった。欧州人の入植が始まった15世紀末に北米には200万から1千万ぐらいの人口があり、62語族、400言語以上の言葉が使われていたという。もともと「多様性」を誇る大陸だったのだ。カナダや米国を「若い国」と言う人がいるが、それは、欧州人入植以前の人間と文明の存在をなかったことにしている植民地主義的視点である。

 この姿勢にまさしくお墨付きを与えたのが、大航海時代、キリスト教世界では国家に勝る権威を有していたローマ教皇が発布した「発見の法理」であった。教皇ニコラオ五世による1455年の教書 (Romanus Pontifex) は、ポルトガルに対し「キリストの敵」である異教徒の土地の征服と、永遠の奴隷化を認めている。クリストファー・コロンブスが北米(当時はインドと認識していた)を「発見」した1492年には、コロンブスを派遣したスペインと、ポルトガルの勢力争いが起こっていた。同年に、教皇アレクサンドロ六世が就任する。教皇は1493年の教書 (Inter Caetera) によって大西洋に「教皇子午線」を引き、西側(南北アメリカ)はスペイン、東側(アフリカ)はポルトガルに権限を割譲した。先住民族のキリスト教への改宗を名目としながらも、征服と支配がその本当の目的であった。キリスト教でない地は野蛮人の地であり「無主の地」と見なされ、「発見」した者が支配してよいという「植民・殖民による植民地主義」はここから我も我もと広がり、現在のカナダや米国の起源となるフランスやイギリスの北米への侵略も展開する。

 「発見の法理」問題はさきのフランシスコ教皇カナダ訪問(7月2429日)の焦点の一つであった。5世紀以上前の教皇教書がなぜ現代に注目を浴びるのか。1823年米国で、二人の人物が同じ土地の所有権をめぐって法廷で争った「ジョンソン対マッキントッシュ」事件があった。一人は「先住民族から取得した」、もう一人は「米国連邦政府から取得した」と主張したこの裁判で米国最高裁は、連邦政府から取得した側に所有権を認める判決をした。その根拠として、上記の「発見の法理」教皇教書が使われたのである。欧州人が「発見」し、征服したことにより先住民族の土地の所有権は消失したと見なされた。この判決は「今日に至るまでのすべての先住民法と先住民政策の基盤」となったと言われるほど大きな影響力を持ち、カナダでもその後の先住民族の土地所有権をめぐる裁判で準拠され続けた。

先住民族にとって15世紀末の教皇教書を現在の教皇が撤回することを望む声は高い。後述する寄宿学校制度に対するカナダ政府の補償の一環であった「真実と和解委員会」最終報告書(2015年)における「94の行動要求」にも、宗教各派が「発見の法理(Doctrine of Discovery)や無主の地(terra nullius)のような、先住民族の土地と人々に対するヨーロッパの主権を正当化するために使われた概念を否定するよう」という項目がある(49項目)

 

寄宿学校制度の残虐

「インディアン・レジデンシャル・スクール」と呼ばれた先住民寄宿学校制度は、政府が出資し、教会が運営した、先住民族の子どもたちをキリスト教に改宗させ伝統的な信仰や文化を奪う強制同化施設であった。最初の学校は1831年にできて、ピーク時の1930年には全国に80校存在し、最後の閉校は1996年だった。通算で139校の学校に、合計約15万人の先住民族の子どもたちが送られた。寄宿学校の約60%はカトリック教会、約25%は英国国教会、他は長老派教会、カナダ合同教会などによって運営された。1867年に連邦化したカナダ初の首相ジョン・A・マクドナルドは、「インディアン問題」を解決するために連邦政府として全国に寄宿学校を拡大させる制度を1883に導入した。マクドナルドは当時議会で、学校が先住民居留区にあると「野蛮人である両親と暮らし、野蛮人に囲まれ」、その子どもは「単に読み書きのできる野蛮人にすぎない」から、「白人の習慣や思考様式を身につけられるような集中的な職業訓練学校に入れる」必要性を語っている。

寄宿学校生活は孤独と恐怖の日々であった。家に警察が来て、行くことを拒むと両親を投獄すると脅された。親は心配でも子どもに良かれと願って服を新調し送り出したが、学校に着くとまず、身ぐるみ剥がされシャワーを浴びせられた。伝統的な長い髪を切られた。名前ではなく番号で呼ばれる。母語は禁止され、母語を話したら舌に針を刺されたことも。身体拘束や殴打などの体罰は横行した。電気椅子を使った学校もあった。兄弟姉妹同士が交流もできない。友だちを作ることも許されない。家にほとんど帰れない。脱走して捕まると全員の前でパンツを降ろされ鞭打ちされた。成功しても家にたどり着けず溺死、凍死する例も。いつもお腹が空いていた。聖体拝礼用のウェファーを盗んで殴り殺された子も。狭いところに押し込められているので結核インフルエンザなどの病気が発生したらたちまち広まる。いつのまにかいなくなって戻ってこなかった子たち。「学校」とは名ばかりで、男子は農場や大工仕事、女子は掃除、炊事、洗濯、針仕事などの労働をさせられた。何よりもの屈辱が性暴力であった。消灯時間の後近づいてくる足音が怖い。誰かが連れ去られる。次は自分の番だろうか。加害者は神父や修道女であった。男女問わずターゲットにされた。神父に妊娠させられ、生まれた赤ちゃんは焼却場で焼かれたという話も。暴力の中で生きることを強いられた子どもたちはお互いに対しても暴力を振るうようになり、指導者たちは止めるどころか扇動した。

以上が、私が聞いたり読んだりしてきた体験談の一端である。これらの体験を読むときの内臓が掻き出されるような嫌悪感は、大日本帝国による強制動員や「731部隊」のような戦争犯罪の証言を読むときと似ている。人間が同じ人間に対して、ましてや神の名の下に、どうしてこのようなことができたのだろうか。

寄宿学校生活が終わっても心身の傷は生涯残る。悪夢を見たり、夜中に叫んで起きたり、苦しみをアルコールや薬物で紛らわせ、依存症となる。世代間トラウマとして子や孫の代まで影響する。自分たちが劣った存在だと教え込まれた経験から、自尊心を持ちにくい。愛や優しさを知らずに大人になった体験者は自らの子どもの愛し方、親密な人間関係の作り方がわからない。大事な人に暴力を振るってしまう。自らの命を絶つ。先住民族の子どもは未成年者人口全体の約7%であるが、児童養護制度にいる子どもの半数以上を占める。先住民族の子どもの約4割は貧困状態にある(非先住民は8%)。先住民族の女性で凶悪犯罪の被害者になる率は非先住民女性の3倍である服役中の女性の42%、男性の28%が先住民である。先住民族の放送局を聞いていると失踪・殺害事件や、警察などの権力組織による差別や暴力のニュースが流れない日はない。カナダの植民地主義は過去の話ではなく現在進行形なのである。

 

償いの歩み

寄宿学校体験者にとって奪われた人生は戻ってこない。この罪をどうやって償うのか。カナダ社会は重い歩みを続けている。1990年代から、被害者、家族、先住民族社会が政府と教会に責任を問う運動が高まり、政府も「先住民族に関する王立委員会」報告書(1996)で寄宿学校の被害を明らかにした。政府を相手どってカナダ史上最大の集団訴訟が起こされた結果、2006年に政府からの総計19億ドル(約1900億円)の「先住民族寄宿学校和解協定」が成立した。2008年には当時のスティーブン・ハーパー首相(保守党)が国会で先住民族の代表者たちを前に謝罪した。協定の一環として、2010 年から全国7 箇所で「真実と和解委員会」(Truth and Reconciliation Commission)が開催され、約7千人の体験者に聞き取りを行い、全てのカナダ人がこの歴史を学ぶことができるような催しが持たれた(写真1)。先述した2015年の最終報告書には、カナダが先住民族に行ったことは「土地の接収、精神的指導者の迫害、言語の禁止、文化的慣習の違法化、移動の制限、家族の崩壊によって政治・社会制度を破壊し、文化的価値を次世代に受け継がせないことを目的」とした、「文化的ジェノサイド」であったと結論づけた。その後ジャスティン・トルドー政権下では、1980年以来1200件の発生を警察が認めていた(4千件という推計もある)「先住民族女性および性的少数者の失踪・殺害事件」について2千人に聞き取りをした全国調査が行われ、2019年に出た最終報告書では、先住民女性が白人女性に比べ失踪したり殺害されたりする率が16倍にも及ぶことを指摘、先住民族が構造的暴力に晒され続ける有様を「ジェノサイド」と断定した。「ジェノサイド」という用語についてはメディアで議論が沸騰したが、当事者からは「やっとその通りの名前がついた」との声が上がった。

写真1 「真実と和解委員会」の席上で、
キリスト教関係者がサバイバーに謝罪する
(2013年9月、バンクーバー)
私は2013年9月、上記「真実と和解委員会」のバンクーバー大会に参加し、体験者たちの経験を生で聞く機会があった。中でも一番印象に残ったのは、キリスト教会関係者が寄宿学校体験者と一緒に円になって座り、謝罪を伝える会合が繰り返し持たれたことだった。そこでは、体験者から「許すという気持ちにはなれない」、「神もカトリック教会も憎い!」という声もあった。その時知ったことは、寄宿学校を運営した各教会の中で、カトリック教会のみがまだ謝罪をしていないということだった。それもあって、2015年の「真実と和解委員会」行動要求58項目として、ローマ教皇への謝罪の要求が掲げられた。「私たちは、ローマ教皇に対し、ファースト・ネーションズ、イヌイット、メイティーの子どもたちがカトリック教会の運営する寄宿学校で精神的、文化的、感情的、身体的、性的虐待を受けたことについて、生存者とその家族、コミュニティに対して謝罪を表明するよう要請します。その謝罪は、(中略)この報告書の発行から1年以内に行われ、カナダの地でローマ教皇によって行われることを要求するものです。」この謝罪の求めに対しカトリック教会の反応は非常に鈍いものであったが、今年教皇カナダ訪問がようやく実現した。

写真2 表紙写真(2021年、カムループス寄宿学校前に立つアイヤナ・
ウォッチメーカーさん)のジングルドレスの柄のクローズアップ
その背景には昨年5月の「墓標なき墓」発見の衝撃がある。西部ブリティッシュコロンビア州のカムループスという場所の寄宿学校跡地に、地中レーダー技術によって、おおよそ215人の埋葬跡が確認されたとの発表は、カナダ全体を揺るがす大事件となった(写真2)。その後も全国で次々と百人単位での発見が続き、現在、通算2千人以上(推定)の「墓標なき墓」が確認されている。先述の和解協定締結時には約8万人の寄宿学校体験者が生存していたと言われているが、これによって、声を上げることもできず死んでいった子どもたちの存在が脚光を浴びることになる。「真実と和解委員会」は4100人以上という死亡数を把握していたが、委員会を率いた一人であるマレー・シンクレア元判事は、政府の真相究明努力の不十分さを指摘し、実際には1万5千人かそれ以上ではないかという推測をしている。もしそうであれば寄宿学校に行った子たちの10人に1人は殺されたということになる。入ったら生きて帰れないかもしれない場所は「学校」とは言えない。ナチスの「ホロコースト」を彷彿とさせる「ジェノサイド」の現場であったのだ。

 

教皇フランシスコ「懺悔の巡礼」が残した課題

今春、約200人の先住民族の派遣団がバチカンを訪れ、フランシスコ教皇に面会して体験を直接話し、4月1日に教皇は派遣団の前で、「多くのカトリック信者、特に教育的責任のある人々」による虐待について「恥と悲しみ」を感じ、「これらカトリック教会の構成員たちの嘆かわしい行為」に対して「神の赦しを求め」、「心の底から、申し訳なく思います。」と述べた。教皇自らの口から謝罪の言葉があったことを評価する声も多かった一方、教会の「構成員」の責任に触れつつ、教会自体の組織的責任を認める謝罪ではなかったことについては不満の声があった。それだけに、夏の教皇カナダ訪問では、より踏み込んだ謝罪に対する期待が高まった。

 7月24日、教皇の言葉による「懺悔の巡礼」が始まった。高齢で健康問題も抱える教皇は、このカナダの旅だけは実現させたいとの強い意思があったと言われている。アルバータ州のエドモントン空港では、トルドー首相と女王代理のメアリー・サイモン総督(カナダ初の先住民族の総督)が出迎えた。翌日、マスクワシスというクリー族の地で、地元の寄宿学校跡を訪れ、祈りを捧げた後、駆けつけた何百人もの寄宿学校の被害者たちを前に謝罪文を読み上げた。会場は、教皇が本当にカナダに来たことに対する興奮と感謝に満ちていたが、実際の謝罪の内容はバチカンで行ったものと大差なかった。「文化の破壊と強制された同化」政策に「教会の構成員と宗教団体が加担した」こと、「これだけ多くのキリスト教徒が先住民の人々に対して犯した嘆かわしい悪事」に対する謝罪はあったが、教会自体の責任には触れなかった。「発見の法理」への言及もなかった。何より、多くの体験者にとっては被害の核心であった「性的虐待」に触れなかったことについては失望の声があった。

先述の、「真実と和解委員会」を率いたマレー・シンクレア氏は教皇の言葉を「歴史的な謝罪」と認めつつも、「大きな穴があった」と批判した。委員会は教皇に対し、2010年に当時のベネディクト教皇が、アイルランドで長年聖職者から性暴力を受けていた子どもたちに対し「教会の名の下に」謝罪したような、教会の責任を認める謝罪を求めていた。カトリック教会はカナダ政府の同化政策に単に「加担」していたのではない。シンクレア氏は、「教会がカナダ政府に対して、先住民族の文化や伝統的な慣習、信仰を破壊するために、より積極的かつ大胆に活動するよう求めた明確な例」がいくつもあると指摘し、「キリスト教至上主義の名の下に、子供たちを家族や文化から引き離そうとする組織的な取り組みだった」との声明を発表した。

 教皇は残りの日程の中で、これらの批判に応答するような発言を行った。ケベックでは寄宿学校における性暴力を糾弾したり、虐待における「地元のカトリック教会」の役割を非難したりした。帰りの飛行機の中では報道陣の質問に答え、カナダ滞在中には口にしなかった「発見の法理」についても「このような植民地主義的考え方は清算しなければいけない」といった趣旨の発言をした。先住民のジャーナリストから「ジェノサイド」について聞かれ、「私が表現した内容はジェノサイドである」と認める発言もしている。

教皇訪問中、被害者を24時間体制でサポートする「寄宿学校クライシスホットライン」には普段の2倍以上の電話があったという。「懺悔」のための旅であったとはいえ、当事者には辛い体験のフラッシュバックが起こるのだ。私の知人には怒りと悲しみで寝込んでしまっていた人もいた。一方、当事者の中には、これを機会に自分の中で、過去に区切りをつけたいと感じた人もいたようだ。さまざまな反応があった中、多くの人が共有していたのは、「言葉は一つの出発点に過ぎず、これからの行動を注視する」という思いである。バチカンはカナダの寄宿学校についての未公開文書を大量に保管していると見られており、率直な公開が求められている。「和解協定」時にカナダのカトリック教会は2500万ドル(約25億円)を寄宿学校被害者に支払う約束をしたのに結局400万ドルほどしか資金を作ることができていない。バチカンの博物館に多数ある先住民族の収蔵品の返還問題もある。象徴的には意義深かったフランシスコ教皇カナダ訪問であるが、逆に未解決の課題を浮き彫りにした。

最後に、7月25日の教皇謝罪スピーチの直後に、シピコさんという民族服をまとった女性が躍り出て、クリー語で涙ながらに抗議した言葉を引用したい。この予定外の行動はSNSで大拡散、主要メディアでも取り上げられ、「自分の気持ちを代弁してくれた」との声が次々にあがった。女性不在だったことでも批判されたこの「謝罪」の儀式に一石を投じた場面であった。 

「あなたはここに話し言葉の法を与えられます。私たち、大いなるスピリットの娘たち、そして部族の主権者たちは、大いなる法ではない、いかなる法律、いかなる条約にも強制されることはない。我々は我々の領土で首長を任命した。それに従って統治するのだ・・・あなたは部下の男たちとともに帰りなさい!そして過去の過ちを正しなさい。この土地は植民者と教会が来るまでは清純で純粋だった。“発見の法理”を撤回しなさい!」


(転載以上)


以下、カナダ公共放送局CBCのYouTube より。教皇に訴えるシピコさんの様子や、事後にCBCがシピコさんに行ったインタビュー、先住民族の人々のリアクション等が見られる。

Cree singer reveals message behind powerful Pope performance/CBC 


過去の参考記事



Thursday, December 15, 2022

米国の退役軍人たちからの呼びかけ:この戦争を終わらせるために、ウクライナでの「休日休戦」、停戦と交渉を求める U.S. Soldiers Call for a Holiday Truce in Ukraine, Ceasefire and Negotiations to End the War

英語での沖縄関心グループのMLで、ダグラス・ラミスさんが教えてくれた。「ベテランズ・フォー・ピース」による「ホリデイ・トゥルース」(Holiday Truce)の呼びかけを。内容に賛同し、日本語訳とともに紹介します。(訳はDeepl 訳を修正したもの)

According to Wikipedia, "Soldiers from both sides (the British and the Germans) exchange cheerful conversation (An artist's impression from The Illustrated London News of 9 January 1915: "British and German Soldiers Arm-in-Arm Exchanging Headgear: A Christmas Truce between Opposing Trenches")."


原文は See English original: 

U.S. Soldiers Call for a Holiday Truce in Ukraine, Ceasefire and Negotiations to End the War 

(peaceandplanetnews.orgより)

米国の退役軍人たちからの呼びかけ:この戦争を終わらせるために、ウクライナでの「休日休戦」、停戦と交渉を求める

2022年12月

ベテランズ・フォー・ピースのメンバーたち

北半球へ冬が到来し、10ヶ月目に入ったウクライナ戦争が心配になります。包囲された市民の苦しみと何百万人もの難民の運命に対する懸念、ヨーロッパのエネルギー危機と軍事化に対する懸念、戦争に関連するアフリカにおける食糧不足に対する懸念、そして文明を終わらせる核戦争の可能性に対する懸念です。これらの複合災害を前にして、世界の人々は、ロシア、ウクライナ、米国、NATOが勝者のいない長い戦争に突入する用意があるように見えることに直面しています。

ベテランズ・フォー・ピースはこうした懸念を共有しています。2015年の時点で、私たちはウクライナのロシアとの国境からすべてのNATO軍を撤退させるよう求めていました。多くのオブザーバーと同様に、私たちもこの不必要で完全に回避可能だった戦争が起こることを予見していました。ロシアがウクライナに侵攻した2022年2月24日、私たちは「Diplomacy Not War(戦争ではなく外交を)」という緊急の呼びかけを行いました。ベテランズ・フォー・ピースは「Peace In Ukraine Coalition(ウクライナ平和連合)」の一員であり、手遅れになる前に戦争を終わらせるために停戦と外交を呼びかけています。

いま、年末休暇の時期を迎え、第一次世界大戦中の1914年、ドイツとイギリスの兵士が塹壕から出てきて共に祝ったという有名な「クリスマス休戦」を思い起こし、ウクライナでの一時休戦を求める宗教指導者やその他の人々の声に、私たちは参加します。

戦争の惨禍を経験した退役軍人として、私たちは、この血なまぐさい戦争で何万人もの死傷者を出している双方の若い兵士たちに大きな共感を覚えます。私たちは、生き残った人たちが心に傷を負い、一生を棒に振ることになることを十分すぎるほど知っています。私たちは、「もうたくさんだ」「戦争は解決策ではない」と訴えます。

私たちは、ウクライナの戦争を終わらせるために、緊急で誠実な外交を望んでいるのであって、これ以上米国の武器や顧問を送ることや、終わりのない戦争を望んでいるのではありません。そして、核戦争は絶対に避けなければなりません。何十億ドルものお金を、兵器メーカーや戦争で儲ける人たちのためではなく、気候変動や雇用、医療、住宅のために使ってほしいのです。

ベトナム、アフガニスタン、イラクでの戦争に抵抗した兵士として、私たちは、良心的兵役拒否者、徴兵拒否者、脱走兵、そして殺人に参加することを拒否するすべての人を含む、あらゆる立場の戦争抵抗者を支援します。私たちは、特に米軍関係者に、訓練、武装、顧問、あるいはこの戦争や他の帝国の戦争に従事することに参加することを拒否するよう促します。私たちはさらに、米国政府に対し、すべての戦争を終結させ、世界中の多くの国にいる私たちの軍隊を撤退させるよう要求します。

今こそ引き返す時です。武器を捨てなさい。外交と平和を受け入れなさい。ウクライナのために。ロシア、ヨーロッパ、アメリカのために。世界のすべての人々のために。休日の休戦は、平和への第一歩になるかもしれません。

もうたくさんだ - 解決策は戦争ではない!

今すぐ停戦を - 交渉しなさい、エスカレートするな!

殺すことを拒否する兵士を支援しよう!

(以下署名者リストは英語のまま。)

Signed,


Enya Anderson, VFP National Board
Ellen Barfield, Past Vice President, VFP National Board; Co-founder, Baltimore VFP
Medea Benjamin, VFP Advisory Board, CODEPINK Women for Peace
Marjorie Cohn, VFP Advisory Board; Past President, National  Lawyer’s Guild
Gerry Condon, Past President, VFP National Board
Paul Cox, VFP National Board
Michael Dempsey, VFP National Board; President, Monterey, CA, VFP
Jim Driscoll, VFP Climate Crisis and Militarism Project
Mike Ferner, Past President, VFP National Board
Mark Foreman, Past Treasurer, VFP National Board
Gerald Hassett, Vice President, New York City VFP
Matthew Hoh, VFP Advisory Board
Helen Jaccard, Manager, VFP Golden Rule Project
Eric Johansson, Past President, San Francisco VFP
Tarak Kauff, Past Member, VFP National Board
Bob Keilbach, Secretary, New York City VFP
Kathy Kelly, VFP Advisory Board; Board President, World Beyond War
Barry Ladendorf, Past President, VFP National Board
Gene Marx, Past Secretary, VFP National Board
Ray McGovern, VFP Advisory Board; co-founder, Veteran Intelligence Professionals for Sanity
Maj. (ret’d) Ken Mayers, USMCR; VFP National Board
Nick Mottern, VFP National Board; Co-coordinator, BanKillerDrones
Barry Riesch, Past President, VFP National Board
Doug Rawlings, Co-founder, VFP; Past Vice President, VFP National Board
Denny Riley, USAF, Our war in Vietnam
Susan Schnall, President, VFP National Board
Joshua Shurley, Secretary, VFP National Board
Alice Slater, VFP Nuclear Abolition Working Group
Rick Staggenborg, President, Mid-Valley Oregon VFP
David Swanson, VFP Advisory Board, World Beyond War
Mike Tork, Treasurer, VFP National Board
Michael Wong, Vice President, San Francisco VFP
Col. (Ret) Ann Wright, VFP Advisory Board; Veteran 
Intelligence Professionals for Sanity

Wednesday, December 14, 2022

高知の平和資料館「草の家」による声明 「大軍拡ではなく、今こそ平和外交を!!」 Anti-war statement by "Grassroots House," a museum for peace in Kochi

 See English translation below. 

「草の家」の入り口

「草の家」で説明する、高知空襲体験者の岡村正弘館長。
1989年創立の、高知市内にある平和のための資料館「平和資料館 草の家」を今年9月に訪れました。「加害」「被害」「抵抗」「創造」をモットーとし、高知空襲の記憶を伝え、大日本帝国の侵略戦争と植民地支配の歴史に向き合い、地元出身の反戦プロレタリア詩人の槇村浩(まきむら・こう)など、戦時下で戦争に抗った人たちの遺志を継承する、市民が支える市民のための地元に根ざした資料館と感じました。

日本政府は中国敵視にもとづき軍拡をエスカレートさせています。これに対して「草の家」がこのたび声明を出しましたので、ここに紹介します。深く賛同する内容です。


2022年12月12日


大軍拡ではなく、今こそ平和外交を!!

暮らしと平和を破壊する「戦争国家づくり」に断固反対します


平和資料館・草の家


政府が今週にも改定するとしている「国家安全保障戦略」など「安保3文書」の骨子案が明らかとなりました。「敵基地攻撃能力」の明記、先制攻撃を可能とするミサイル導入などが列挙されており、恒久平和主義に基づく戦後国家のあり方を根底から覆し、安全保障の基本としてきた「専守防衛」をも180度転換した「軍事国家」像そのものです。集団的自衛権の行使容認、安保法制、防衛装備庁の設置など安倍政権以来、推進してきた「戦争する国づくり」への到達を示す恐るべき内容となっています。

これらは米国のインド太平洋戦略の一環に組み込まれたものであり、イラク戦争などへの対応とは異なり、米軍指揮下に日本が「敵国」に先制攻撃を行い、戦端を開く可能性を多分に有しています。日本列島に自ら「戦火をよびこむ」危険極まりない愚挙、暴挙、亡国への舵取りであり断じで許すことはできません。しかもこのような戦後政治の最大の政策転換ともいうべき重要事項が与党合意と閣議決定のみでの強行は断じて許されません。

自公政権は、「反撃能力」(「敵基地攻撃能力」)の体制を保持するために「防衛力を抜本的に強化」するとして軍事費を今後5年間に2倍に増額させ、GDP比2%(11兆円規模)にまで引き上げることを指示しました。

軍備の増強とは裏腹に20年間「賃金の上がらない国」にしておいて、コロナ禍、円安による急速な物価高騰下、今や市民生活は崩壊しつつあります。この上に軍事費倍増を実施すればどうなるか、増税に跳ね返り暮らしは破壊されます。今、「抜本的に強化」が必要なのは軍備増強ではなく民力涵養への財政出動です。

軍事費の倍増が実施されれば、日本は米国、中国に次ぐ世界第三位の軍事大国となります。

自国の軍備増強は他国の軍備増強となり、際限のない軍拡競争を招き「安全保障のジレンマ」に陥り、一握りの軍需資本家を富ませるだけの不毛の競争をエスカレートさせ、国民が犠牲者となることは第一次世界大戦以来の歴史が幾度も証明しています。

今回も「日本の安全を守るため」と説明していますが、それ自体がペテンであることを私たちは透察しなければなりません。軍拡も戦争も「平和」を装って始まります。先の戦争も「東洋平和のために」「自存自衛」のためと称して開始し、2,000万人以上の東アジアの人々の命を奪い日本国民も310万人が犠牲となりました。平和が軍拡や戦争で守られたことはありません。平和は、平和でしか守れないという事を訴えたいと思います。

 敗戦の絶望と慟哭から日本を救い羅針盤となったのは日本国憲法です。今こそ諸国民の公正と信義に信頼して、軍事力ではなく外交力・対話力を強めることが最も賢明な選択であり、日本と世界の最大の安全保障となることを確信し、暮らしと平和を破壊する「戦争国家づくり」に断固反対します。

(声明以上)

高知市内の公園にある「日中不再戦の碑」。

添石にはこうある。
「日本は日清戦争以来、中国に対し侵略行為を続け、特に1931年の『満州事変』以後、15年間に及ぶ戦争は人道をおかす三光作戦などによって1千万余の中国人民を殺傷した。この碑は日中国交回復20周年にあたり侵略戦争に対する反省の証として、またゆるぎない友好と平和の礎とするため建立された。」


Peace Diplomacy Now, Not Gigantic Military Expansion!

We are firmly opposed to the creation of a "war state" that destroys our lives and peace!

Peace Museum "Grassroots House"

December 12, 2021

(A Deepl translation with modifications)


The draft outlines of the three security documents, including the "National Security Strategy," which the government plans to revise this week, have been revealed. The document includes a list of items such as the specification of an "enemy base attack capability" and the introduction of missiles capable of preemptive strikes, which are the very image of a "military state" that has fundamentally overturned the postwar state based on the principle of perpetual pacifism and a 180-degree shift from the "exclusive defense" that has been the basis of national security. It is a horrifying manifestation of the "war-making nation" that has been promoted since the Abe administration, including the approval of the exercise of the right of collective self-defense, the Security Law, and the establishment of the Defense Equipment Agency.

These are part of the U.S. Indo-Pacific strategy, and unlike the response to the Iraq War, etc., there is a strong possibility that Japan, under the command of the U.S. military, will launch a preemptive attack on an "enemy nation" and open the front lines of war. This is an extremely dangerous and foolish act of inviting the flames of war into the Japanese archipelago, an outrageous act, and an attempt to steer Japan toward collapse, and it is unforgivable. Furthermore, it is absolutely unforgivable that such an important matter, which should be regarded as the biggest policy shift in postwar politics, should be forced through only a ruling party agreement and a cabinet decision.

The LDP/Komeito government has ordered a doubling of military spending over the next five years to 2% of GDP (on the order of 11 trillion yen) in order to "fundamentally strengthen defense capabilities" in order to maintain a system of "counterattack capability" (i.e., "enemy base attack capability").

Despite the military buildup, in the country where wages have not risen for 20 years, civilian life is now collapsing under the rapid rise in prices due to the Corona disaster and the weaker yen. If military spending is doubled on top of this, tax hikes will rebound to destroy people's livelihoods. What is needed now is not a military buildup but a mobilization of public finances to cultivate civilian power.

If the doubling of military spending is implemented, Japan will become the world's third largest military power after the U.S. and China.

The history of Japan since World War I has proven time and again that the military buildup of one country leads to the military buildup of other countries, which in turn leads to an endless arms race, a "security dilemma," escalating a sterile competition that only enriches a handful of military capitalists, and common people become the victims.

This time, too, the government explains that it is "to protect Japan's security," but we must see through this deception. Both military expansion and wars start under the guise of "peace. The last war was started under the guise of "peace in the East" and "self-defense," and it killed more than 20 million people in East Asian neighbour countries and 3.1 million in Japan too. Peace has never been protected by military expansion or war. We emphasize that peace can only be protected by peace.

 It is the Constitution of Japan that saved Japan from the despair and lamentation of defeat and served as a compass. We are convinced that the wisest choice now is to trust in the fairness and faith of the people of the world and to strengthen, not military power, but diplomatic and dialogue power, which will be the greatest security for Japan and the world, and we firmly oppose the creation of a "war state" that destroys our lives and peace.

Tuesday, December 13, 2022

南京大虐殺85周年の日、済州島の追悼集会へのメッセージ Nanjing Massacre 85th Anniversary: My message to the friends of Jeju 제주의 친구들에게 보내는 연대 메시지 南京大屠杀85周年,济州岛追悼仪式信息

侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館で、今年も南京大虐殺の犠牲者を追悼するおごそかな国家公祭が行われた。式典には幸存者(南京大虐殺のサバイバー)も参加した。(写真はCGTNの式典中継より

12月13日は南京大虐殺の被害者、幸存者、遺族に思いを馳せ、ネヴァー・アゲイン、再不戦を誓う日です。今年は85周年。この日は南京では午前10時に車はクラクションを鳴らし、船は汽笛を鳴らし、道ゆく人は立ち止まり、追悼の沈黙をします。

2016年から始まっている、韓国・済州島の平和を愛する人たちが集まり、日本軍の南京爆撃に使われたアルドゥル飛行場の格納庫跡前で行う追悼行事が今年もあります。私も例年どおりメッセージを送りました。英語、韓国語、日本語の順番で下に紹介します。


12月14日追記:済州島の催しの報告は「クロムビ岩を愛する」カンジョン村の人々のサイト、ここにあります。YouTubeではここにアップされています。

A Solidarity Message to my friends in Jeju 

This December marks the 85th anniversary of the Nanjing Massacre, in which hundreds of thousands of Chinese POWs, unarmed soldiers, and civilians were unlawfully and brutally massacred, for weeks and months from the beginning of December 1937 till around the end of March 1938 under the occupation of the Imperial Japanese Army. Women and girls were raped, then killed, and houses were looted, and put on fire.

The 85th anniversary is another significant landmark and we Japanese must take this history to heart, and renew our pledge never to allow such atrocities to happen again. This year also marks the 50th anniversary of the normalization of China-Japan diplomatic relations in 1972. In Japan, however, there is ever-increasing China-bashing rhetoric across the government’s narratives and the mainstream media. 

The Japanese government, taking advantage of the fear-mongering among the public arising from the war in Ukraine and the rhetoric over the so-called “Taiwan Emergency,” accelerates the militarization of the Ryukyu Island Chain and the mainland of Japan, and plans to double its military spending by increasing taxes and issuing war bonds, to be a de-facto NATO member contributing 2% of the nation’s GDP to the military. 

The war preparation and history denial go hand in hand. The Japanese government, the media, and the public by large refuse to accept the Korean Supreme Court’s ruling that Japanese corporations must pay reparations to the victims of forced labour, and continue to deny their responsibility for the wartime military sex slavery. Next year, 2023, will mark the 100th anniversary of the massacre of thousands of Koreans in the aftermath of the Great Kanto Earthquake of 1923, one of the worst hate crimes of human history. This is another undebatable history which is under an increasing threat of public denial. 

The other day, Japanese actress Maki Yoko’s comment that she was ashamed to be Japanese when she learned about her country’s colonial history, came under fire among Japanese netizens. Unfortunately, I feel the same way as Maki did, as long as the Japanese government and the majority of the public act the way they do now. At the same time, I feel we need to do more to mobilize and activate the not many but not few Japanese who squarely face history and build friendship, not war, with Korean and Chinese neighbours, 

I heard that there is a plan to turn Alddreu into a peace park. I am hoping that the project will facilitate the preservation of the history of Alddreu Airfield, that it was Imperial Japan’s launchpad in their air attacks against Nanjing. I hope more people in Korea, Japan, China, and the world, will know this history and particularly the fact that people of Jeju-do gather on December 13 to remember the history. I so wish to be there in person and one day I will. Thank you for allowing me to be part of your memorial again. 

In memory of the victims of the Nanjing Massacre, and with love and solidarity with friends of Jeju-do, 

Satoko Oka Norimatsu 乗松聡子(노리마츠 사토코)

Director, Peace Philosophy Centre

Vancouver, BC, Canada 

November 29, 2022


캐나다 밴쿠버에서 :제주의 친구들에게 보내는 연대 메시지

올해 12월은 1937년 12월 초부터 1938년 3월 말까지 일본 제국군의 점령 하에

수십만 명의 중국군 포로와 비무장 군인, 민간인이 불법적이고 잔인하게 살해된 난징

대학살 85주년이 되는 해입니다. 여성과 소녀들은 강간당하고, 죽임 당했으며 집들은

약탈당하고, 불에 탔습니다.

85주년은 또 하나의 중요한 지표이며 우리 일본인들은 이 역사를 가슴에 새기고

다시는 이러한 잔학 행위가 일어나지 않도록 하겠다는 약속을 새롭게 해야 합니다.

올해는 1972년 중일 국교 정상화 50주년입니다. 하지만 일본 정부와 주류 언론들은

중국을 비난하는 수사만을 늘어놓고있습니다.

일본 정부는 우크라이나 전쟁으로 대중의 공포를 조장하고 소위 ”대만 비상사태”를

내세우며 류큐 열도와 일본 본토의 군사화에 박차를 가하고, 국가 GDP의 2%를

군사비로 지출하는 실질적인 NATO 회원국이 되기 위해 세금 인상과 전쟁 채권

발행으로 군사비 지출을 2배로 늘리려 합니다.

전쟁 준비와 역사 부정은 밀접하게 관련(연결)되어 있습니다. 일본 정부와 언론,

국민은 일본 기업은이 강제징용 피해자에게 배상금을 지급해야 한다는 한국 대법원의

판결을 받아들이지 않고 위안부 문제에 대한 책임을 계속 부인하고 있습니다. 내년

2023년은 인류 역사상 최악의 증오범죄 중 하나인 1923년 관동 대지진 조선인 학살

사건 100주년이 되는 해입니다. 이 사건 또한 역사 부정 위험이 증가하고 있는

절대적인 역사(사건)입니다.

얼마전 일본 여배우 마키 요코가 일본 식민지 역사를 접하고 일본인인 것이

부끄럽다고 한 발언이 일본 네티즌들 사이에서 화제 였습니다. 일본 정부와 대다수

국민들이 지금처럼 행동하는 한, 유감스럽지만 저도 마키와 같은 감정을 느끼며

지금보다는 더 많은 일본인들이 역사를 직시하고 한국과 중국에 사는 이웃 국민들과

전쟁이 아닌 우호 관계를 맺을 수 있도록 더 많은 노력이 필요하다고 생각합니다.

알뜨르 비행장을 평화공원으로 만들 것이라고 전해 들었습니다. 이 계획이 일제의

난징 폭격에 사용된 발사대였던 알뜨르 비행장의 역사를 잘 보존할 수 있기를

바랍니다. 한국, 일본, 중국, 세계의 더 많은 사람들이 이 역사에 대해 그리고 12월

13일에 제주도에 있는 사람들이 모여 이 역사를 기억한다는 사실을 알기를

바라겠습니다. 언젠가 그곳에서 함께하기를 마음 깊이 기원하며, 또 다시 여러분의

추모식에 제가 참여 할 수 있게 해주셔서 감사합니다.

난징대학살 희생자들을 추모하며 사랑과 연대를 담아 제주도의 친구들에게

Satoko Oka Norimatsu 乗松聡子(노리마츠 사토코)

평화 철학 센터 대표, 캐나다 밴쿠버

2022 년 11월 29일 (번역: 수산)


済州の友人たちへ連帯のメッセージ 

南京大虐殺は、1937年12月初めから1938年3月末頃まで、日本軍の占領下で数週間から数カ月にわたって、数十万人の中国人捕虜、非武装兵士、民間人が非合法かつ残忍に虐殺された事件で、今年の12月は85年目にあたります。女性や少女はレイプされ、殺され、家屋は略奪され、放火されました。
85周年という大きな節目を迎えた今、私たち日本人はこの歴史を胸に刻み、二度とこのような残虐行為を起こさないという誓いを新たにしなければなりません。また、今年は1972年の日中国交正常化から50年という節目の年でもあります。しかし、日本では、政府の言説や主要メディアにおける中国バッシングのレトリックがますます強まっています。 
日本政府は、ウクライナ戦争やいわゆる「台湾有事」レトリックで高まっている国民の恐怖心を利用し、琉球列島と日本の軍事化を加速させ、増税と戦時国債発行による軍事費の倍増を計画し、GDPの2%を軍事費に充てる事実上のNATO加盟国となることを計画しています。 
戦争準備と歴史否定は背中合わせです。日本政府、マスコミ、一般大衆は概ね、日本企業は強制労働の被害者に賠償金を払えという韓国大法院の判決を拒否し、戦時中の日本軍性奴隷制度の責任を否定し続けています。来年2023年は、人類史上最悪のヘイトクライムの一つである1923年の関東大震災後の数千人の朝鮮人虐殺から100年目にあたります。これももうひとつの、議論の余地のない史実でありながら、社会全体で否定の圧力が高まっている歴史です。 
先日、日本の女優である真木よう子さんが、自国の植民地支配の歴史を知り、日本人であることが恥ずかしくなったと発言し、日本のネットユーザー間で炎上しました。残念ながら、日本政府や大多数の大衆が今のような行動をとる限り、私も真木さんと同じように感じています。同時に、歴史に正面から向き合い、隣国のコリアや中国と、戦争ではなく友好を築こうとしている、多くはないが少なくもない日本人をもっと動かし、運動を活性化する必要があると感じています。 
アルドゥル公園を平和公園にする計画があると聞きました。大日本帝国が南京を空襲した際の出撃起点であったというアルドゥル飛行場の歴史が、この事業によって保存されることを期待しています。コリア、日本、中国、そして世界の多くの人々にこの歴史を知ってもらい、特に12月13日に済州島の人々が集まり、この歴史を記憶していることを知ってもらいたいと思っています。私はその場に直接立ち会いたいと強く願い、いつの日かそうするつもりです。再び追悼の場に参加させていただき、ありがとうございました。

南京大虐殺の被害者を偲び、済州島の友人たちへの愛と連帯を込めて。

乗松聡子(노리마츠 사토코)
ピースフィロソフィーセンター 代表
カナダ、BC州バンクーバー 

2022年11月29日

過去の投稿より:


2020年

2019年

2018年


Monday, December 12, 2022

杉田水脈氏のバンクーバー映画会「潜入」事件の続き およびカナダでの「歴史戦」について(ツイートまとめ)Japanese Diet member Sugita Mio's attacks on history and minorities, and Canada's "History War" (continued from previous post)

See here for my English article describing Canada's "History War." 

参考写真:2015年~2018年、バンクーバーの地元の週刊日本語新聞『バンクーバー新報』は、日本政府と日本右派、地元右派による、「慰安婦像」や「南京の日」に反対するなどの「歴史戦」の事実上機関紙と化した。

前回の投稿に続いてツイートしたことをまとめておく。杉田水脈氏がバンクーバーで取った行動やその後の報告は、右派が第日本帝国の加害の歴史を否定する「歴史戦」の一環であるという捉え方をしてこそ本質がわかると思う。

海外で広島、長崎の原爆投下を記憶させようと頑張っている人たちが日本軍「慰安婦」や南京大虐殺については手のひらを返したような態度を取る有様をたくさん見てきました。被爆者像がバンクーバーの公立公園にあるのに「少女像」があってはいけない説得力のある理由をいまだ一度も聞いたことない。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600589948671098881

2019年、当時の在バンクーバー日本総領事と面会させてもらいました。ネトウヨとかでは全然ない、穏やかな人でいい会話が持てましたがやはり私と鹿毛さんに対し注意を促す発言がありました。安倍政権下、日本政府が「歴史戦」を主導していることを実感した日でした。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600591057305350144

面会中、側にいたスタッフは必死にメモを取っており、これは霞が関に報告するためなのかと思いました(私なんかのために・・・)。当時の総領事もこのスタッフの人も韓国の専門で韓国の日本大使館にいたことがあるとのことでした。韓国語習得のコツなども教えてもらったのですよ。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600592974219743233

2015年「少女像」、2018年「南京大虐殺の日」で日本政府、右派、現地日本移民右派の間で盛り上がった「歴史戦」直後に、韓国通の総領事がバンクーバーに着任したのはなにか偶然ではないような不思議な気がしたのを覚えています。偶然かもしれませんが。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600594076415709184

総領事からは、もう二度とこのようなこと(慰安婦「像」が建つとか、「南京大虐殺の日」を設けるとかの動きを指して)はないように、協力してほしいみたいに、念を押されました(私に言われても・・・😅)。私の主張は、「日本人がこれらに反対するのは恥ずかしい」という一点だったのに。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600594769759305728

世界中にある広島・長崎原爆や、ホロコーストの記念碑や記念館などに現地の米国系やドイツ系が束になって反対運動を展開したら、やっぱり恥ずかしいですよね?同じことを「少女像」について日系がこぞって反対するのが「当然」とされ、異議を唱える人間が村八分になるっていう異常な状態だったんです。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600596425083346946

鹿毛達雄さんが亡くなった今年、鹿毛さんの名誉のためにも、当時のことを振り返っている日々です。これだけ日系社会に寄与し日系人強制収容「リドレス」に貢献した人が、他の日系人要人が受けているような表彰は一切ないですし(鹿毛さんは別に欲しくなかっただろうけど)。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600597641716715520

強いていえば、名作 OBASAN で知られる日系カナダ人作家ジョイ・コガワ氏が日本政府から旭日章を受けた2010年、総領事邸での祝賀行事のスピーチで、冒頭に鹿毛さんと私の名前を挙げて、「表彰」してくれたのはびっくりだったが興味深い体験であった。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600599191310733312

コガワ氏は、重圧を恐れずに「南京大虐殺の日」設立を支持した日系カナダ人である。日系カナダ人強制収容のリドレスが実現したとき、カナダの他民族の支援と祝福を受けた。その日系人が、「少女像」や「南京大虐殺の日」を設定する動きに連帯できないのは嘆かわしいと言っていた日系人の一人である。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600600163265183744

山口智美さんが「ポリタス」というネット番組に出てこのときのことを語ってくれた。 

(杉田水脈氏がバンクーバーでの上映会を「反日集会」と称して産経新聞のサイトに報告したとき虚偽があったので産経新聞に抗議して修正してもらったが杉田氏は無反応だった件について)

今久々に産経記事読み返してますw。「歴史戦」の典型ですが地元の右派が杉田氏とか「なでしこ」とかとつながっていてこういう活動を「通報」するんですよね。この時の杉田氏もそういう呼びかけに応じてカナダまで来たようです。この映画会も地元のインフォーマントと一緒に来てた可能性有りです。 https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600371926014521349

(山口氏からの返答)「本には地元の3人の日本人と一緒に来たと書いてありました。」https://twitter.com/yamtom/status/1600337330291625984

産経に直させたところは現在「『BCアルファ』にかかわっている日本人」とある箇所です。当初杉田氏は、私と鹿毛さん両方を「カナダ抗日連合会」に「所属」していると記述していたんです。まず「カナダ抗日連合会」なる団体は存在しないし、これが「BCアルファ」を指すとしたら「所属」などしてない。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600374676311904256

BC ALPHAの行事に参加したことはあるんで「関わっている」と記述する分には問題ないんです。「抗日連合会」も訂正させました。別に自分の団体じゃないから自分が直接の被害者ではないですが間違いは間違いなんで。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600375530091872256

今の記述だと「アメリカに本拠地を置く『世界抗日戦争史実維護連合会』のカナダ支部である『BCアルファ』」ってありますが私は「支部」ではないと聞いたことがあります(双方独立した団体だと)。だからここも今も間違ってる可能性あります。まあ私もよく知らないからそれ以上主張しませんでしたが。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600375957923459073

あとこの記事はこの映画会を私が「主催」していると言っていますが、これはBC州の公立大学であるサイモンフレイザー大学の研究所と私のピース・フィロソフィー・センターの共催だったんです。大学のHPに今も情報がありますよ。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600377425413931009

実際は大学の研究所が主催で、協力した私の団体も名前を加えてもらったという理解が正しいです。杉田氏は、外国でご自分がどこにいるのかわからなかったのでなければ、このように私が個人で「主催」した映画会であったような言い方をして、大学が行った映画会であるということを隠したと思います。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600378340757893121

地元の大学が「反日集会」を主催したなんて書いたらあまり説得力を持たないでしょうw。結果として「反日工作活動」wにいそしんでいる個人が開いた映画会であるかのような印象を生み出す記事になってますね。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1600379951429353472

山口さんのおかげでこの出来事がより多くの人に知られるようになって有り難いです。これはバンクーバーのサイモンフレーザー大学のInstitute for Transpacific Cultural Research研究所やコミュニケーション学部が主体となって企画した映画上映会+監督トークでした。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1602079120439283712

Institute for Transpacific Cultural Researchの女性教授(日系カナダ人)が中心となって企画したことを付け加えておきます。そこには日本軍「慰安婦」問題で博論を書いた日本出身の女性学者も来ていました。杉田氏も認めているように会場には日系人や日本出身者が多かったのです。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1602079898415534080

なかには広島原爆の被爆者もいました。このように日本にゆかりを持つ人たちが、日本の沖縄に対する植民地支配を学び考える映画会に参加したことはとても意義のあることと思いました。杉田氏と一緒に来ていた地元の右派の人たちも、何かを学び取ったのではないかと思います。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1602081038477701120

この写真を見ると、私がカメラを向けたときうつむいているのが杉田水脈氏で、他の人たちは熱心にユンカーマン監督の話を聞いているように見えます。杉田氏が英語を解するか知りませんが、解さないとしたらまあ、「潜入」のスリルを楽しむぐらいのことしかすることがなかったのでしょう。https://twitter.com/PeacePhilosophy/status/1602082247511011329

まとめ以上。

ここで触れている、杉田水脈氏による産経の記事で私が間違いを産経に直してもらったという記事は以下です。ひどい内容なので別に勧めてませんがリンク置いておきます。

杉田水脈のなでしこリポート(23)沖縄の基地反対運動を美化したドキュメンタリー映画…私には見るにたえない作品でした

カナダの「歴史戦」は主に、2015年バンクーバー近郊のバーナビー市の公園に日本軍「慰安婦」を記憶する「平和の像」を建立する計画をめぐって、そして2018年、連邦議会で「南京大虐殺を記憶する日」を制定する動きを巡ってでした。それに対し日本政府、日本の右派、カナダの日本移民の右派、日本の「歴史戦」に影響を受けた地元の日系カナダ人などがネットや日本語新聞、地元での署名運動、直訴行為などで反対運動を展開しました。私は、上述したように、加害国にゆかりのある日本出身者や日系人がこれらの動きに反対するのは恥ずかしいとの考えから「反対運動に対する批判」の言論を展開しました。この時期のことについては、2019年11月に、「歴史戦」研究の専門家である山口智美さん(モンタナ州立大学)がバンクーバーに来たときにUBC(ブリティッシュコロンビア大学)でUBC日本研究所・コリア研究所共催で講演していただいたときに、補足として私もカナダでの動きについて報告しました。山口さんをお招きしたこの催しによって、カナダにおける「歴史戦」が決して孤立した出来事ではなく、米国をはじめ世界中で日本政府、日本右派が展開してきた「歴史戦」の一環として整理することができました。これらの講演録は『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』に掲載されています。(2020年3月15日付)

Tomomi Yamaguchi, "The 'History Wars' and the 'Comfort Woman' Issue: Revisionism and the Right-wing in Contemporary Japan and the U.S." 山口智美「『歴史戦』と『慰安婦』問題:現代日本と米国における修正主義と右派」https://apjjf.org/2020/6/Yamaguchi.html

Satoko Oka Norimatsu, "Canada's 'History Wars': The 'Comfort Women' and the Nanjing Massacre" 乗松聡子「カナダの『歴史戦』:『慰安婦』と南京大虐殺」https://apjjf.org/2020/6/Norimatsu.html

自分の記事の日本語訳は準備中です。できたらこのブログにアップします。

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