3月21日、山口・湯田温泉の「中原中也記念館」を訪れたとき、中村稔氏による、原発事故をテーマにした未発表詩「駅前広場・未来風景」に出会い、心を揺さぶられました。中村氏に掲載許可をお願いしたところ、文芸誌に発表する6月以降に可能という嬉しいお返事をいただきました。それだけでなく、それまでの間、東日本大震災をテーマにしたもう一つの詩「三陸海岸風景」(『ユリイカ』一月号掲載)を提供いただき、掲載許可をいただきましたので、ここに紹介します。@PeacePhilosophy
三陸海岸風景
中村稔
潮でずぶ濡れになった男たち、女たちが
一人、また一人、重たげに足をひきずり、
海から陸へ上ってくる。家並が消え、瓦礫がうずたかく
廃墟となった故郷の跡地に彼らは立ち竦む。
やがて彼らは大地を叩いて慟哭する。
いったい私たちの死は何を意味したか?
私たちを攫った津波は天災だったのか?
原子炉のメルトダウンに誰も責任を負わないのは何故か?
彼らが大地を叩いて慟哭する声は
野を越え、山を越え、都会の雑踏にまぎれ、
切れぎれに絶えず私たちに問いかけている、
彼らの死は決して過去の暗黒に沈み去るわけではない。
彼らの死の意味を私たちは問い続けなければいけない。
私たちが彼らの死に負うべき責任を考え続けなければいけない。
私たちは忘れやすい。忘れやすいからこそ
私たちは彼らの慟哭する声に耳を傾けなければいけない。
潮でずぶ濡れになった男たち、女たちが
一人、また一人、重たげにに足を引きずり、
海から陸へ上ってくる。昨日も、今日も、明日も、
そして彼らは大地を叩いて慟哭し、慟哭してやまない。
Peace Philosophy Centre, based in Vancouver, Canada (est. 2007), provides a space for dialogue and facilitates learning for creating a peaceful and sustainable world. ピース・フィロソフィー・センター(カナダ・バンクーバー 2007年設立)は平和で持続可能な世界を創るための対話と学びの場を提供します。피스필로소피센터(캐나다·밴쿠버 2007년 설립)는 평화롭고 지속 가능한 세계를 만들기 위한 대화와 배움의 장소를 제공합니다. 欢迎来到和平哲学中心!我们来自加拿大温哥华,我们致力于促进对话及建立可持续发展的和平世界。欢迎您留下宝贵的评论。Follow Twitter: @PeacePhilosophy / "Like" Facebook: Peace Philosophy Centre メールEmail: peacephilosophycentre@gmail.com
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