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Monday, September 09, 2013

オリバー・ストーン来日を2週間追跡取材した朝日新聞の記事

The Untold History of the United States -『語られないアメリカ史』の共作者オリバー・ストーンとピーター・カズニックの8月4日から15日までの旅を共にし、さまざまなメディアの取材を受けたが、とりわけ広島、長崎、東京、沖縄と全行程を追跡した朝日新聞名古屋支社の井上未雪記者の熱心さには、オリバーも、「またお前か」というような冗談を言いながらも、いい意味で根負けしていたように見えた。井上記者は、「異なる歴史認識がある場合どう和解に導くのか」というテーマを二人に投げかけながら、自らもオリバーとピーターの問題意識とその変遷を吸収しながら心の旅を共にしていたように見えた。その井上記者による記事が8月31日に「記者有論」というコラムで掲載される。帝国日本の侵略の歴史に特化して展示する「岡まさはる記念長崎平和資料館」へのオリバーの訪問を冒頭に取り上げ、オリバーが旅の後半で強調していた「日本も自らの語られない歴史に向かい合うべきである」との主張に注目する。しかしオリバーとピーターと私は、井上記者による2週間の濃厚な取材と何百枚にも及ぶと思われる写真撮影の結果として、当然朝日新聞に大型報道記事が載るのであろうと期待していたが、結果としてこの「記者の私見」的記事だけということに驚きを隠せない。写真は一枚も使われていない。沖縄訪問への言及もない。オリバーとピーターが来日を通じて強調してきた、米帝国の軍事覇権への批判、沖縄の抵抗への応援、乱暴な帝国への無批判の従属を続けている日本に対する警鐘は、朝日新聞の編集部にとっても関心がないはずはない。同じく同行していた琉球新報には期間中頻繁に報道記事が出ていた。朝日にも今後記事が出るのであろうと期待する。

そしてオリバーが「素晴らしく聡明な女性」と称賛していた井上記者の努力と真摯な取材に敬意を表したい。@PeacePhilosophy 乗松聡子

1 comment:

  1. Anonymous8:56 am

    オリバー・ストーン監督、ピーター・カズニック博士の来日狂想曲

    8月に来日したオリバー・ストーン監督、ピーター・カズニック博士のマスコミの取材熱は、まるで今夏の酷暑のようで、かなり異常だった。ふたりは何処へ行ってもたくさんのカメラに囲まれ、マイクを突きつけられて日本人への「メッセージ」を求められていた。金魚の糞が付いていては自由に歩くことも出来なかったようで、気の毒としか言いようが無い。
    しかし、実際にテレビや新聞などの報道を見ると、失望感を抱かざるを得なかった。
    インタビューなどの切り取り方が「広島、長崎は二度とあってはならない」「原爆投下の正当化は出来ない」の部分に焦点が当てられて、世界で唯一の被爆国としては仕方ない部分があるにせよ、戦争と言う大きな視点が欠如しており、歴史と向き合う重要性、九条を含めた護憲の意味、アメリカ帝国主義批判、沖縄の基地問題、日本はアメリカの属国、安倍政権の嘘など、ふたりが強調している問題を、(多分意識的に)外しているものが多かった。いまや安倍政権の片棒を担いでいるメディアであるから予想はしていたが・・・。
     日本のマスコミの紋切り型の質問にも少々うんざりした。「メッセージを・・」と請われ、監督が「メッセージとは哲学的なもので、自分は映画監督である」という主旨のことを言っていたが、1,2の番組を除き、マスコミの報道はハリウッド映画監督来日のお祭り騒ぎに終わったと感じたのは私だけではないだろう。
    もちろん、「The Untold History of the United States」(*「もうひとつの・・」というタイトルは魅力的ではあるが、「語られなかった・・・」と言うオリジナルタイトルとは微妙に意味が異なると思う)の作者・制作者が広島・長崎の平和大会に参加した意義は大いに有ったと思う。東京で開催されたシンポジウムには若い人たちの姿も多く、ふたりの「日本はアメリカから自立せよ」という言葉にしきりにうなずいていた。
     それにしても、日本は相変わらず外圧〔=アメリカ〕に弱い国である。同じことを日本人が発言しても殆ど無視されるのに、ハリウッドの映画監督が言えば、大きく取り上げる。政府もマスコミもアメリカ人には過剰に反応する・・・何とも痛々しいかぎりである。それでも、外圧の意味はそれなりにあるので、無いより有った方が良いとは思うが、今年は「8月6日、9日」が朝日新聞でさえトップニュースではなかった事実は深刻である。  
    (2013年9月 60代女性)


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