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Thursday, May 12, 2011

田中優5月1日仙台講演会ノート:「夏、若者に被災地でのボランティアは勧めない」

5月1日仙台で田中優さんの講演に兄と行ったときのノートを宮城の知人と共有し、感謝してもらえたので、ブログにも投稿します。聞き書きなので、完璧なノートではないことを了承ください。また、最後の方の、エネルギー民主化や自然エネルギーの部分は、パソコンの電池が切れてしっかりノートを取れなかったので、、田中優さんの最新の本『原発に頼らない社会へ-こうすれば電力問題も温暖化も解決できる』(ランダムハウスジャパン2011年)を読むことを勧めます。被災地であり、福島の隣、宮城での講演は難しかったと思いますが、優さんは放射線のリスクを包み隠さず話し、かつ自衛の策も教えてくれ、日本は素晴らしい自然エネルギー技術を持つという、希望の持てる話もたくさんしてくれました。また帰りには地元の会社が水の放射性ヨウ素を取るための木炭の粉を無料で配ってくれました。被災地は夏には南風が吹くことが予想されるので、若い人たちがボランティアで屋外に出ていくのは勧めないとする優さんのアドバイスがありました。人を助けたい思い一心でリスクは承知で行くという若者はいるだろうが、被曝の影響は自分だけではなく子や孫にまで伝わることを考えてほしい、とのことでした。被災地にはもちろん若い人を含めたくさんの被災した人たちがいることを思うと、何とも言えない気持ちになりましたが、少しでも被曝の被害を広げないようにとの思いからの助言であったと思います。優さんは、ご自分(1957年生まれ)かそれ以上ぐらいの人たちは放射線への感受性が弱くなっているのでその世代以上の人たちがどんどん行くべきだとも言っていました。シニア世代で元気な人たちに、活躍してもらい、若い世代は他の方法で被災地の役に立てる方法を見つけてほしいと思います。

田中優さんのブログはここです。http://tanakayu.blogspot.com/2011/04/5152.html

田中優 講演会

『東電原発震災を社会のターニングポイントに』

5月1日(日)仙台 ベルエア会館501大会場にて

主催:

日本の森バイオマスネットワーク  http://miyagibiomass.net/ 
くりこま高原自然学校  http://kurikomans.com/ 
栗駒木材 株式会社  http://www.kurimoku.com/ 
株式会 社 住まいの風工房  http://www.kazekoubou.com/index.php 

<宮城の人へのアドバイスの要旨> 
  • 宮城は福島じゃないので安全という考えは間違い。放射線は県境で止まらない。宮城は線量も通常より高い状態が続いていて、安全ではない。
  • 今までは北からの風だったので宮城の人は幸運だった。夏に風向きが南風に変わる。
  • 若い人は夏休みに沿岸部の被災地でボランティアしたいという気持ちになるだろうが、それは勧めない。
  • マスクをするのが大事。
  • 水や食品、日本の基準は非常に緩い。厳しい基準を採用している団体から買うべき。
  • 水の放射性ヨウ素は木炭できれいにできる

放射線は長期間放出される。「長持ちする危機感」を持つべき。

福島第一では、1、3、4号機が水素爆発。2号機では中の格納容器につながっているプールに穴が開いて白煙。ジルコニウムが高温になると水と反応して水素になる。上にたまる。爆発する。建屋が1,3,4号機吹っ飛んだ。4号機の方はプールが原子炉のすぐわきにあった。プールがひびわれ、水が抜けた。以前に使ったものなのに熱を持っている。

5,6号機も爆発しかねない状況だった。建屋に穴を開けた。水素はどんどん大気中に飛ぶ。微量ながら放射能は出る。その結果1-6全部放射能出している。チェルノブイリ、スリーマイル どれも1機のみ。今回は6機全てが出す。ずっと出し続けている。

6月にこれにカバーをして9月に完成と言っている。最低でも9月までは放射能を出し続ける。その間,台風などの心配もある。今年一杯は気にしなければならないだろうという状況。ヨウ素、セシウム。ヨウ素は甲状腺に集中する。セシウムは筋肉や子宮。ヨウ素は8日間たつと半分になる。80日間たつと1000分の1以下になる。ヨウ素は3カ月で安定する。9月まで出る(カバーができるまで)ということは3カ月でヨウ素が消えるということは、今年一杯は気にしなければいけない。

普通の事故ならそのとき気にすればいいが今回の原発は一時的に気にしても足りない。今年一杯気にしてなければならない。人は慣れてしまう。起こるときは気にするが、その後長くたつと慣れてきてしまう。人の方が勝手に慣れてしまう。被害を生む。今回の危機感は一瞬では足りない。長持ちする危機感でないと。

放射線と被曝

3月11日政府のホームページでは、炉心がその日の夜には壊れると言っている。
PDFファイルでも携帯で読めない。わざわざ紙をコピーして字をつぶしてアップしてあった。その時点で伝えていてくれたら「炉心が破損して23時50分」・・・すぐ逃げる必要があると気づいたはず。全然メディアにも知らされず。政府のHPにひっそりとあった。新聞等は3週間で政府が発表と言っていたが嘘。その日の夜に載っていた。

放射能とは放射線を出す能力。アルファ、ベータ、ガンマ、中性子線がある。ベータとガンマを気にする必要がある。アルファ線はウランとか燃料とかプルトニウムが出す放射線。アルファ線は紙一枚で防げるとか言うが、ガンマ腺がピストルだとしたらアルファ線は弾。周囲を集中的にこわす。PUやウランがアルファ腺を出す。アルファ腺を出すようなものは原子炉の周囲に飛んですぐ落ちた。気化はしてない。原発の敷地内であればアルファ線を気にする必要ないがそこからはなれている。中性子線は核分裂が起こっているときに出る。今回小さな核爆発(再臨界)が起こった。大きなものは起こってない。そうなるとベータ、ガンマ線が気になるものだ。

内部被曝と外部被曝

内部被曝ー放射能を食べちゃう、飲んじゃう。桁違いに被害が大きくなる。元々自然界に放射性ヨウ素というものはない。生き物たちはヨウ素を集めて安心して濃縮行ってしまう。放射性カリウムは自然界にある。でも同じ量を排泄する。生き物は自然界にあったものはためこまずに排せつするようにできているが原子力発言とか核兵器とかで作った放射能を生き物は知らない。濃縮してしまう。貪欲にヨウ素、吸い込んだ途端に甲状腺に集める。内側が打たれる。

地面から打たれる(雨降った後)生殖器が下から打たれる。そういうところは外部被曝を気にするが、普通には内部被曝が危険である。

(チェルノブイリの後、ベラルーシ、ウクライナの小児甲状腺がんの発生率の表)

1986年4月に事故は起こった。ヨウ素131は3カ月でなくなる。1986年8月にはなくなっていたはず。2002年の12歳の子どもは1990年に生まれている。あとになって出続けるのはおかしい。86年の8,9月には消えていた。どうして?遺伝子を傷つけた。卵子が傷ついた結果。卵子は胎児のときにもう持っている。妊娠可能なときは4万個に減ってる。卵子の時点で遺伝子に傷がつく。

夏、若者に被災地でのボランティアは勧めない

三陸は夏、南風が吹く。若者に被災地でのボランティアは勧めない。

今後南風に変わる。これまでは北風で仙台側はなかった。今後南風によって三陸や被災地の方に放射能が来る。若い人たちがボランティアとかで出かける。被曝する。細胞分裂するときに遺伝子を傷つける。大人は細胞分裂あまりしない。若いほどする。卵子まで。若い人は行かない方がいい。若い人たちが中心に被災地に行く。そこに放射能が飛ぶとどうなるんだろう。被害が出るのは圧倒的に子ども、胎児、今後子どもを生む人。

チェルノブイリー 子どもから順に死んでいく。チェルノブイリネックレス。手術の後の傷。自然死産率の低下率が遅くなったー大気圏核実験の時期、日本で死産率が高まった。アメリカニューハンプシャー乳幼児死亡率。核実験の後0-1才の死亡率がぐっと高まった。日本放射能 1957-1964の間に一番多い。ずっと後に被害が継続しているのはなぜか。チェルノブイリと一緒。放射能はその被害がずっと後ろ側に移る。

夏場に三陸に若い子が行くと、被害はその人に留まらない。その人の子にも障害が出る。その次の世代にも出るかもしれない。

ICRPの基準では、1mSVで10万人あたりプラス5.5人がガンで死ぬ(10倍という人も)

日本政府ICRPの基準を採用している。国際放射線防護委員会。そこのデータによると1mSVを10万人が浴びたら5.5人が後にガンになって死ぬ。従来のガンの数に増えるという意味。この5.5人が放射能が原因と証明するのは不可能。2ミリなら11人。きっちり浴びた量に比例して被害者が増える。ICRの計算は甘い。他ではその10倍と言う人もいる。ICRPは原子力推進機関である。その10倍ではないかという数が採用されている。ヨーロッパでも。

日本ではICRPの基準は自然界のが1.4mSVに加え1mSVと言ってる。それでも10万人あたり5.5人の死。今福島で100mSVでも大丈夫と宣伝している。とんでもないデマ。ICRPも100mSVが安全とは言ってない。福島では言われている。長崎大学の山下という教授が福島県の顧問になった。そういったことを吹聴している。この人の言ったことが政府の発表に採用されている。テレビラジオ新聞で紹介されているがこれはデマです。日本の採用基準では100mSVで後に550人ガン死者が増える。それを「安全」と言っている。日本政府の基準をはるかに上回っている。こういうのを「確率的影響」という。浴びた量に応じ一定増えていく。ここから安心というのはない。1mSV自然界以外から浴びていいというのは「交通事故程度ならいいのでは」と決めただけ。10万あたり5.5人ぐらい死んでもしょうがないという判断。

福島市、郡山市、飯館村で高濃度の放射線が検出されている。小さな子どもを抱えた人が関西に引っ越したりしている。それをすると周りが止める。「裏切るのか」と言われたりする。「神経質になりすぎだ」とか。どうしてそんなことが起こるかと思う。テレビもラジオも言わないから「裏切り」とか言う。特に放射能の被害で重要な確率的影響の部分を覚えてほしい。誰がなるかはわからないが一定の数着実に増える。後にガン死という形で、10、20年で出る。「ただちに影響」なんてもともとない。後になって出る。子どもから順に出る。

仙台は安全ではない

仙台は安全なエリアではない。水戸も多い。宮城は基準超えてます。ここは放射能汚染されている。宮城は福島じゃないから大丈夫、ということはない。放射線は県境で止まらない。宮城は子ども、これから妊娠する人は避けてほしいと思う地域のひとつである。

一つだけ徹底的に調べたデータがある。ドイツ政府が1980-2003年まで調べた。原発推進派の人も全部入れて調べた。25メートルきざみに調べた。原発から5キロ以内に住んでいる子は小児白血病が倍以上増えていた。普段通りでも。余分に浴びた放射能は、0.00009ミリシーベルトしか余分に被曝していなかった。統計上有意な被害がそれでも出ている。生き物は放射能と共存できない。これはドイツ政府が調べたもの。否定できない。この結果を葬った。日本では一切報道なし。

基準を1ミリシーベルトから20ミリシーベルトまで上げるードイツの原発職員より甘い。

水や食物の汚染についてー厳しい基準を持つところから買おう

空気と食べ物について。内部被曝が危険。食べ物飲み物に注意する。日本は300ベクレル/Kgを基準にしているがWHO基準は10ベクレル。日本のは甘すぎる。アメリカは0.1ベクレル。アメリカは日本の3000分の1。

日本の食べ物の基準はなかった。チェルノブイリがきっかけで、輸入食品に370ベクレルという基準があった。ベクレルはものから出る放射線です。被曝がシーベルト。ベクレルというのはそのものが出している放射線の数。370というのは輸入にあったが国産のはない。「原発は絶対事故ない」という仮定から基準作る必要ないと言ってきた。ところが今回現実に事故があった。放射能があった。野菜はヨウ素2000ベクレルまでOK。セシウムも500までOKとした。甘い基準を作った。日本の食品は安全とはいえない。いずれみな日本の食べ物を信用しなくなる。輸入食品ばかりで国産のものを食べなくなる。地産地消とかやってた努力が無に帰す。

厳しい基準を持つところから買う必要がある。生活クラブとかグリーンコープとか。基準が厳しいので安心して食べることができるかもしれない。牛乳で放射性出た、栃木で。その後聞かないでしょう。なぜかというとブレンドしてる。薄いのとまぜてブレンドして測って売っている。みなさんが等しく被曝している。適度に危険な牛乳にしている。

自衛策:一リットルの水に1グラムの木炭をくだいてガーゼにいれて下に沈める。一晩置いたあとに利用。厚生省のHPに実験結果がある。放射性ヨウ素100%取れた、と書いてある。一リットルに1グラム、一晩。スミはゴミ箱に捨てていい。その水を使う。食べ物:放射性ヨウ素を吸い込んだときに普通なら吸収される。放射性でないヨウ素でまんたんになったら排泄される。甲状腺を満タンにしておくのがいい。医師たちの団体は声明だした。ヨウ素剤を医師の処方の元に飲みなさい、何の効果もないそれ以外は、と。甲状腺検査をするときヨウ素が満タンになると検査できなくなるから海草を食べないように依頼する。ヨウ素はあらかじめ放射能でないヨウ素で満タンにする必要ないと言う。一日ミリグラム単位。千分の1グラム。普段通り昆布だしの味噌汁を飲む。とろろ昆布とかをかじればいい。ワカメと昆布比べると昆布が多い。昆布使ってほしい。とろろ昆布とか。食べすぎたらよくない。少量でいい。ガンの当たりくじに当たらない方法は何か。紫外線も遺伝子壊す。体の内側に免疫というのがある。免疫という救急車。こわされた遺伝子を直す。バランスで決まる。いっぱい壊されるのを避けよう。免疫力を高めよう。

マスクをする大切さ

もう一つ重要問題。食べ物のみものの5.5倍の重さをとりこんでいるー空気。重さはなんと5.5倍を取り入れている。花粉用のマスクをつけてほしい。チリと一緒に飛んでくる。チリが飛んできたときに止めるのは花粉用のマスク。放射性ヨウ素の場合は水に溶けやすい。湿らせたハンカチ、ガーゼ。宮城県は仙台含めて小中高大学生幼稚園生についてはマスクを義務付ける必要あり。福島では長崎大の先生がでたらめ言っているので誰もマスクをしていない。放射能汚染の度合いを政府は発表しない。後になってSPEEDIという機関が発表。スロモーだった。自分たちで市民が測った。

3月12日、水素爆発で1号炉がふっとんだ。濃い放射能が漏れてたまたま風向きー福島、郡山、中通を通じて南北に流れた。仙台にも汚染広がった。南相馬が一番かわいそうだった。南相馬から被曝の多い福島に行ってしまった。データを政府が公表しなかった。余分な被曝を強いられた。

福島市放射能高い。黄色い小学校は放射能レベルが放射線管理区域なみのレベル。赤いところは上回っている。レントゲンの鉛の扉がしまる、その内側のレベル。それが黄色いレベル。赤はそれより濃い。18歳以下の人は労働法上入ってはいけない。そこに常時子どもたちが学校にいる限り居続ける。こんなのは即刻対比命令出さないといけない。そんなとこにいちゃいけない。20mSVまで被曝してもしょうがないということにしちゃった。もともと限度は1mSV。10万人のうちそれだって5.5人死ぬんだ。子どもだということに配慮もせずに20mSVにしてしまった。チェルノブイリで起こったことが起こってしまう。

偏西風が吹く日本、浜岡を止める必要

日本は偏西風地帯。常に西から東に流れる。福島第一での事故はある意味で不幸中の幸い。東のはじっこの原発だったから。海側に流れた。玄海原発とか島根とか伊方とか若狭の原発だったらどうなってたか。偏西風なので大阪も東京も名古屋も東京も汚染。西側から原発を止めないといけない。とくに浜岡。東海地震というのは起こることが決まっている。必ず起こる。日本で予知が進んでいる。その震源予定の真上に浜岡がある。原発を動かせるような場所ではないからこれはまずいの一番に止めなくちゃいけない。

原発補償制度 日本の保険会社が保険かけて保険会社が再保険といってかける。ロイズ保険。ロイズ保険に即座にことわられています。日本のような地震国で原発が動かせるわけないだろう。じゃあということで自身による原発事故については免責にしちゃった。600億円以上は払わなくていいことにしちゃった。やっと加入した。今は1200億円に増えている。地震は免責だから保険下りない可能性も。

現在地球は地震の活性期にきている。今回の地震についてはインターネットのHPで紹介しているものがある。すごい地震の数。女川を再開するなんてあり得るだろうか。正常な神経か。日本に原発は向かない。やめるべき。

無駄な発電施設を作るほど儲かる電力会社

1030円の電気料金 1,000円に30円を上乗せしている。もうけすぎないように3%までの適正報酬ということにしてある。電力会社がこの仕組みのもとで大儲けしたい。その場合、必要な費用を1兆円にすればいい。架空のニーズと無駄な施設を作ればいい。「もんじゅ」は、試運転中に事故おこして止まった。なんの電気も生んでない。1兆円かけちゃった。電力会社は焼け太りする。300億円利益を載せて電気料金を取っていいことになっている。無駄な施設を作りまくる。総括原価方式。

水道料金。ダム。安いのは1カ月20トン800円。赤穂市。高いのは山形の酒田。ガスタンダムというので同じ量で4200円。どこも沖縄以外原発もってる。無駄なカネを使うおかげで電気料金が高くなる。「原子力が安い」と政府は言う。原子力は5.9円。水力は13.6円。資源エネルギー庁のデータという。

原発は一番高くつく

設置許可申請書を出している。国立国会図書館にある。発電単価というのがのっている。原発は13.9円。5.9円じゃない。一番高い水力発電より高い。原発はめちゃくちゃ高い。これは原発だけのコスト。高速増殖炉は入ってない。六ヶ所村3兆円入ってない。放射線管理費用も入ってない。原子力は無茶苦茶高い。そのおかげで日本の電気料金は高くなった。先進国で一番高い。アメリカより3倍高い。5,6流国に落ちているのはそのせい。アルミ精錬。鉄鋼精錬。銅の精錬みな海外に行っちゃった。4分の1の企業が自家発電してる。電気が高すぎる。国際競争力をさまたげている。経団連が反対すべき。経団連の会長は各地域電力会社の社長がやってる。電力会社と心中する形で日本が衰退している。

行動の指針ー3つの方向性

たて 政治家に影響をおよぼす。
よこ 多くに伝える、ムーブメント
ななめ 全く別の仕組みを作る。alternativeを作る。

電気はまず、消費を減らせる

電気はためられない。消費の最大部分に合わせなければいけない。ピークは一年間8760時間のうち10時間以下。発電所を限りなくピークにあわせるのではなくピークを下げればいい。

日本の電気消費の4分の3は企業が消費している。家庭は4分の1。夏場のピーク時の91%の消費は企業。電力会社は企業に節電を言うべき。家庭は使えば使うほど高くなる。節電しないと家計にひびく。事業者は逆。使えば使うほど安くなる。企業は使えば使うほど安くなるのでもっと使えばいい、もっと安くなる。消費の多い月に消費を増やす。

日本の発電所は58%しか動かない。ドイツや北欧は72%。夏場は40%がエアコン消費。アメリカでは500万世帯のエアコンを1時間に「5分消す」のをやっている(誰も気づかない)。日本はピークをふやせば発電所を作れる。もっと高いの作れば作るほど、無駄を作れば作るほどもうかる。

電力の問題は家庭の問題じゃない。事業者の問題。消費を減らす。電源について自然エネルギーとか考える。自然エネルギーに切り替えることをすぐ言う必要ない。消費を減らせる、その前に。

すぐれた自然エネルギー技術を持つ国、日本

太陽光は高いのにまだ原発よりは安い。ヨーロッパでは2009年新しく作られた電源の60%が自然エネルギーによるものだった。スペインでは風力が一番。安いし、CO2は少なく、すぐ設置できる。日本の人は自然エネルギーを「高く、不安定で、子どものおもちゃのようなもの」と思いこまされているが、それは日本が情報鎖国だから。

日本は自然エネルギーの技術が進んでいる。例:洋上風車、ゆっくり回り鳥を殺さない風車。日本は国土が狭いというが、海を入れると12倍。実は日本は海洋王国なのである。波力発電では9mX15mのイカダのような装置。「エネルギーは命がけで作る」時代は終わっている。日本は降水量多く、水車に適している。

送電線を公共財にして、エネルギーを民主化すべき

小さな段差をうまく利用すれば、ダムは不要。送電線を電力会社が握っている。専制支配で思うがままになっている。送電線を国有化することを提案したい。送電線を公共財とする。発電は、発電・送電・配電の段階がある。83カ国では「国定買い取り制度」があるが、日本は太陽光発電のみしか買い取らない。エネルギーを民主化する必要がある。東電から借金のカタに送電線を取りあげればいい。

電力会社は巨大な広告費をかける。10社あって、電事連もCMを出している。計1500億円の広告費で、トヨタの1054億円より1.5倍も多い。電力会社は独占企業なのになぜCMが必要なのか。被災地にその分送るべきだ。独占企業にCMをさせるべきではない。

日本は省エネ製品がすぐれている。先進国のうち一番。ヨーロッパの3分の2、米国の3分の1しか使っていない。日本は省エネ製品、バッテリー、電気自動車、自然エネルギー、IT技術、全ての分野で強い。なぜ原発をやるのか。

田中優プロフィール(田中優ブログより)
1957年東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在「未来バンク事業組合」 理事長、「日本国際ボランティアセンター」「足温ネット」理事、「ap bank」監事、「一般社団 天然住宅」共同代表を務める。現在、立教大学大学院、和光大学大学院、大東文化大学の非常勤講師。 著書(共著含む)に『環境破壊のメカニズム』『日本の電気料はなぜ高い』『どうして郵貯がいけないの』(以上、北斗出版)、『非戦』(幻冬社)、『Eco・エコ省エネゲーム』『戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方』『戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法』『世界から貧しさをなくす30の方法』(以上、合同出版)、『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』(岩波書店)『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか』(扶桑社新書)『おカネで世界を変える30の方法』『天然住宅から社会を変える30の方法』(合同出版)『今すぐ考えよう地球温暖化! 1~3』(岩崎書店、子ども向け)『おカネが変われば世界が変わる』(コモンズ)『環境教育 善意の落とし穴』(大月書店『幸せを届けるボランティア 不幸を招くボランティア』(河出書房新社))『原発に頼らない社会へ』(ランダムハウス)他多数。

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