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Monday, December 02, 2013

石破氏、菅氏の暴言と、『シランフーナー(知らんふり)の暴力』

(11月26日に投稿したものの修正投稿です)

石破茂自民党幹事長がブログで、秘密保護法に反対しデモする市民をテロリスト扱いしたことが憲法にもとる発言であると批判されている。

石破氏のブログの訂正箇所を引用。

・・・主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない本来あるべき民主主義の手法とは異なるように *1 思います

普天間基地「県外移設」を唱え、沖縄の民主主義によって選出された自民党議員を脅迫と懐柔によって公約撤回させた石破氏に「本来あるべき民主主義」を語る資格はない。

自民党県連の翁長政俊会長は、県連も「県外移設」を撤回し辺野古を容認するように方針転換した責任を取って12月1日辞意を表明した。2日「琉球新報」に報道された翁長氏の発言を抜粋。

・・・県民は厳しい環境の中で長年基地問題と対峙してきた。不条理や不平等が引き起こされる中で政府に解決を求めてきたが、県民が理解できるように問題が解決してこなかったのも事実だ。

・・・(方向転換に関する本土での論調について)
沖縄は転ぶべきして転んだとの心ない意見もある。国民の大多数が日米安保の平和と安全をぬくぬくと享受している。

沖縄県外の日本の人は、沖縄県民を裏切った自民党議員を県民と一緒になって批判しすることによって正しいことを言っているような気になっている人が多いように見えるが、私たちはこの翁長会長の声にこそ耳を傾けるべきである。このような状況に沖縄を追い込んでいるのは日本人なのだから。

「県外移設」については、菅官房長官は11月18日の記者会見で「政府の立場は明解でありますから、県外移設はあり得ないと、そこは厳しく、・・・あのお、しっかり申し上げます。」と言っている。これにもびっくりした。自分でもまずかったと思ってあわてて言い直しているが、「厳しく」という言葉を使っている。

何をもって政府は沖縄に対して「厳しく」対処する権利があるのか。これが沖縄でなく他の地域だったらこのような言語を使うだろうか。

この「厳しく」の意味は何なのか。

☆☆

私たち日本の人間は一人一人は沖縄に対して意識的に「差別してやろう」とか「植民支配してやろう」とか思って暮らしているわけではないかもしれない。しかし実際は、無関心、無知、無視、同情、ニグレクト、といった形で差別を毎日行ってきている。基地を押しつけている状況が変わらないかぎりどんなに「申し訳ない」と思っても、どんなに「連帯」行動をしても、差別している事実に変わりはないのだ。政府のこの人たちの言動は残酷、醜悪としか言い様がない。しかし私たちこそ、翁長氏が言うように、沖縄に基地を押しつけてしらんぷりしているのである。このような暴力を沖縄にふるい、秘密保護法案や改憲・解釈改憲で市民の権利を縛ろうとしている政府を選んでいるか、選ばれるのを許してしまっているのである。今問われているのは私たち一人一人の責任意識と行動である。

☆☆

知念ウシ氏の新刊 『シランフーナー(知らんふり)の暴力』(未来社)を読んでほしい。この本には誰もが「自分」を見つけるであろう。

乗松聡子 @PeacePhilosophy





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